現実とは・・・


記入を求められた書類には、「紹介者」という欄が大きくありました。
大きく見えただけだと思いますが、私には最大の難関だったので…。
その欄に「紹介者無し」と大きく書いたら、
「あなたはこの業界をナメてるの?」とちょっとにらみのきいた声で質問されました。
「ナメてません。」それしか言えませんでした。
「申し訳ないけど、この業界はコネが無いと入れないんだよ。もう帰ってもらえますか?」と優しい口調。
「履歴書を見てもらうまでは帰りません。お願いします。」と履歴書を出しましたが、見てはもらえませんでした。

 私のその当時の履歴書は、学校で市販されている履歴書の他にレポート用紙を3枚つけたものでした。
一枚は学生時代に取得した資格の数々。
後はレポート用紙2枚に渡る志望動機です。そこの私の全てが入っていました。
だって、 私には地位も名誉も守るものもない。あるのは強い意志と情熱だけ でしたから。それがこのレポートでした。

 それからは押し問答のように、「もう帰って!」「いいえ、帰りません!」と長い時間続きました(笑)。
とりあえず履歴書を預かるということで、その日はおとなしく(どこがじゃ!)学校へ帰りました。
もちろん次の訪問の日時をしっかり決めて(笑)


 2回目の会社訪問。ドキドキしながら同じ人事担当者と会いました。

担当者 「履歴書見たんだけど…、君ね、来るところ間違っているよ。
     君みたな人材は他に欲しがっているところがたくさんあるよ。
     当社じゃもったいないというかなんというか・・・。
     うちの親会社に紹介してあげるよ。
     どうだい、いい話だろ?だからもう…」
unjoul 「いいえ、御社がいいのです!御社以外は全く考えておりません。」
担当者 「……。でもね、実際当社で君の様な女子職員はいないんだよ。
     こんなに資格もあって情熱もある。当社じゃもったいというか、
     必要ないんだよ。」
unjoul 「それを決めるのは入社してからにしていただけませんでしょうか?
     私は御社がいいのです。」

 と、こんなやりとりを確か1時間くらいずっと続けていました(笑)。
「いい加減に、もう帰ってください。」とまで言われ、帰路へ…。
帰りのバスの中で涙が溢れてきて、学校へ着いて先生の顔をみたらボロボロと。

先生  「だから言ったじゃない。
     貴方は他の企業だったら雇ってもらえるんだから。」
unjoul 「いやです。自分で見つけた可能性のある企業なんです。
     そう簡単には諦められません。」

 といいながらも、悔しさと悲しさでいっぱいでした。

unjoul 「所詮、地方から出てきたコネもない女には何もできないいんだな~。
     私を見てもらうことすらしてもらえないなんて…。」




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