最初の笑顔・最後の涙


何があるのだとう?と不安な気持ちを抱えたまま指定の日時に会社へ向かいまた。

 私はそこでドキッとする体験をしました。
会社の入り口の自動ドアに私の姿が映ったのですが、それがこの企業の制服をきている姿で映ったのです。
もちろんそんなことはありえないのですが、それが見えたとたん不安な気持ちが消えて、
「私ここで働くんだ」と勝手に思ってしまいました。

 呼ばれたのは会社訪問という形ではなく、面接という形で呼ばれたというもので、
同じ人事担当者に会って話を聞いた程度でした。
「これが嵐の前の静けさなのかもしれない…」とかなりネガティブになっての帰路でした。
そしてまたもや涙が…(泣き虫!)
先生も「もう、いいじゃない。ここまでやったんだから。他に目を向けようよ。」
いつもは厳しい先生が初めてかけてくれた優しい言葉だったと思います。

 それから数日後、「ボーーー」と音が聞こえるくらいの放心状態の中、またまた電話が…。
「あー、これで最後の通告なんだな~」と思っていたら、
「おめでとう。内定しましたよ。最終面接ということで役員に…」と。
天にも昇る気持ちというのはこういうことだー!と狂喜乱舞。
友人も先生ももちろん私もあそこまでやられて内定をいただけるとは
思っても見なかったのでみんなでバンザイ!

 そして迎えた最後の役員面接の日。
笑顔がニヤケ顔にならないように気を付けるのがその日の課題になったくらい、
喜び勇んで会社へ向かいました。
 役員との初対面。最初にかけて頂いた言葉は、
「待ってたよ。君見たいな人を。この古い業界に新しい風を入れてくれ。楽しみにしているよ。」でした。
それからいろいろなことを話ました。社内でも私のことは有名になっていたとのこと(恥ずかしい^^;)。
採用の学生の中で、一番に内定を出してあげたかったなど…。
これまた話をしながら涙が溢れてきていました(本当に泣き虫)。

 そして内定を頂いたという実感の中、応接を後にした時合同企業説明会で
最初に話しをした女性社員が近づいてきてくれて、
「おめでとう。みんな待っているわよ。あなたが来るのを楽しみにしているわ。」と優しい笑顔。
「ありがとうございます。」と廊下に響きわたるくらい迷惑なほど大きな声で返事をしました。

 そして帰路は…初めて明るい笑顔でした。



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