「悪いこと」シリーズもついに4っつめ。読み直してみると、
「うわ~やっぱりこれって、小学生とかがするもんじゃねーだろ・・・」
とか、自分でも思っちゃう。
さて、今回の悪いことは今までの犯罪レベルと違い、ちょっとソフトですから、安心してください。
あれはいつのことだったか、たしか中学校一年生のとき、コルトパイソン357マグナム6インチ
(12800円、18歳以上用のガスガン)が、無性に欲しくってたまらなかったときのことだ。すごくいやな思い出になっている。
まず、物を買うには金が必要だ。しかし、俺にはそんな金があるはずはない。しかし、なんとしてでも金を手に入れたい。そこで俺は最も簡単な方法を選んだ。そこら辺の中一なら、「お手伝いする!」とか「お小遣いためる!」とか言うだろうが、俺はおじいちゃんの家に行くことに決めた。おじいちゃんはとても優しく、小さいころからいっつも小遣いをくれた。しかし、いくらなんでも一万円を超えるお小遣いを、くれるはずはない。だからうそをついた。
「ねぇねぇおじいちゃーん。あのさ、ぼく”電子辞書”が欲しいんだ」
というと、おじいちゃんはいともかんたんに一万三千円ほどポーンとくれた。ぼったくろうと思えば、もっといくんだろうが必要以上の金を取らないのが、俺のポリスーだ。(一万二千円もぼったくっといてなに言ってんだ・・・)それとこのおじいちゃんには後々、金の面でかなりお世話になることになる。
この話の冒頭で、「すごくいやな思い出になっている」といっているけどそれはあとで話そうと思ってます。
手に入れた金で早速、夢にまで見た「パイソン」を買った。今まで買ったきた、どのエアガンよりも重く、またかっこよかった。ちょっと普通の人にはわかんない話になるけど、訪問者数減るの覚悟で少しお話させてください。6インチの銃となると、それはさすがに大きかった。グリップは木みたいだったし、シリンダーを横に出して、シャーっと回した瞬間は今でも忘れらんない。「嗚呼、二十四連射はスンバらしい!」
お待たせしました。では本題に入りますね。
買ったとき、その日はなぜか、普段もらわないはずのレシートを受け取った。家に帰ると、親の目をちょっと気にしながら、自分の部屋に入り、空うちをした。もちろん、親にばれてはいけない。今回の作戦は、前から持っていたでっかい火薬の拳銃(音がなるやつ)に買ってきた拳銃が似ていたので、それとさりげなく交換するつもりだった。その日、俺は枕元に銃を起きたいぐらいの気持ちだった。
次の日、俺はあまりのうれしさに、パイソンを学校に持っていった。友達のヒデジローは「おー!か、かっこいい!」といってくれたし他の人も、銃の細かいことについて知らないにせよ、そのかっこよさは十分に伝わった。
しかし今思うと、あれがみんなと笑いながら見れた最期のパイソンだった・・・
家に帰ると、なんだかいつもと様子が違う。母親は怒っており、その顔面は怒りと、不安に満ち満ちていた。
「何で怒っているか、わかってるよね・・・」
その冷たくも荒々しい言葉遣いから俺は一瞬、何が起こったかわからないような振りをしていたが「っち!この様子だとばれちまったな・・・」と心の中で思った。
「これはなんなの!?」
見せ付けられたのは、俺が大事に持っていたエアガンのパンフレットに載っている、パイソンの値段入り写真と、あの時もらってしまったエアガンのレシートだった・・・
すべてはもう、終わっていた。俺は、見せ付けられた数多く(といってもたったの二つ)の証拠を突きつけられ、泣いた。
「あんたこのエアガン、昨日かってきてたでしょ!何ナノこの値段!それに、十八歳以上用の、ガスガンじゃない!お金はどこかっら持ってきたの?」
「お、おじいちゃんから・・・電子辞書買うっていって・・・モラッテキタ・・」泣きじゃくり、しゃっくりをしながら俺はすべて話した。
「このことは、お父さんが帰ってきたら、あんたと話し合ってもらうからね!」
マズイ!それだけはマズイ・・・実は先日、父親に万引きしたことが見つかって、(このことについてはまたいつかお話します。)「今回の事は黙っといてやるが、今度悪いことしたら容赦ないからな!」
と、言われていたのにもかかわらず、やってしまった・・・
刻一刻と迫ってくる時間。俺は本当に、おびえきっていた。そもそも、普段からおとなしい父親だが、それだけに、マジ切れしたことがなく、怒りの度合いが測れなかった。うちの家系はそういうものだ。(プロフィールのところに、温厚動物なんて書いてあるけど、マジ切れすると自分でも制御は利きません。まぁ、めったにマジ切れすることはないから安心してね!)
しかし、怒られたものの、トラウマになるほどのものではなかった。けど、落とし前はしっかりとつけられた。いままでお世話になってきた、おじいちゃんちに行って、貯金から下ろした一万三千円を返し、土下座をしてきた。土下座自体はどうってことなく、何回でもできるけど、おじいちゃんからもう金がもらえないかと思うと、胸が痛んだ。
そして、この一件は終わった。(その後しばらくして、金をもらいにいったら、すっかり忘れてたみたいで、助かった!)




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