うさぎの不養生日記

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風疹とは/疫学/臨床症状


近年国内においても、その発生は減少傾向にあったが、2004年より、岡山県を中心として、広島県、東京都などで流行が見られた。徳に岡山県では近年としては比較的目立った地域流行がみられた。

《疫学》
わが国では風疹の流行は2~3年の周期を有し、しかも5~10年ごとに大流行が見られていた。最近では1976年、1982年、1987年、1992年に全国規模の流行が見られているが、次第にその発生数は少なくなりつつあり、流行の規模も縮小しつつある。季節的には春から初夏にかけて最も多く発生するが、冬にも少なからず発生があり、次第に季節性が薄れてきている。2004年風疹の発生状況は、増加傾向が見られ、特に、岡山県・大分県・群馬県・鹿児島県・埼玉県・宮城県などでは警戒するように呼びかけられていた。

《臨床症状》
感染から14~21日(平均16~18日)の潜伏期間の後、発熱・発疹(桃紅色、時に掻痒感を伴う)・リンパ節腫脹(特に耳介後部、後頭部、頚部)が出現するが、発熱は風疹患者の約半数に見られる程度である。また、リンパ節腫脹は、発疹の生じる一週間前くらいから見られることも多い。リンパ節の疼痛は、発疹出現から2,3日である。3兆候のいずれかを欠くものについての臨床診断は困難である。溶血性連鎖球菌による発疹、典型的でない場合の伝染性紅斑などとの鑑別が必要になり、確定診断のためには、血液検査が必要になることもある。
多くの場合、発疹は紅く、小さく、皮膚面よりやや隆起して全身にみられる。通常色素沈着や落屑(ボロボロが落ちる)はみられないが、発疹が強度の場合にはこれらを伴うこともある。リンパ節は発疹の出現する数日前より脹れはじめ、3~6週間くらい持続する。感冒様症状を伴うが、これも麻疹に比して軽症である。ウィルスの排泄期間は発疹出現の前後約一週間とされているが、解熱すると排泄されるウィルス量は激減し、急速に感染力は消失する。
基本的には、予後良好な疾患であり、血小板減少性紫斑病(1/3000~5000人)、急性脳炎(1/4000~6000人)などの合併症をみることもあるが、これらの予後もほとんどは良好である。成人では手指のこわばりや痛みを訴えることも多く、関節炎を伴うこともある(5~30%)が、そのほとんどは一過性である。
風疹に伴う最大の問題は、妊娠前半期の初感染(現在では再感染でもありうることが判明している)により、風疹ウィルスが胎児に及び、先天異常を含むさまざまな症状を呈する先天性風疹症候群が高率に出現することにある。これは妊娠中の感染時期により、重症度、症状の発現時期が様々である。先天異常として発生するものとしては、先天性心疾患、感音性軟調、白内障、緑内障、網膜症などが挙げられる。先天異常以外に新生児期に出現する症状としては、低出生体重、骨端発育障害、肝障害、血小板減少性紫斑病、溶血性貧血、間質性肺炎、髄膜脳炎などが挙げられる。また、幼児期以後に発症するものとしては、進行性風疹全脳炎、糖尿病などがある。


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