小天体



小天体


『9つの惑星』というのは、いくらか誤解を招きやすい題名です。9つの惑星とその衛星以外にも、太陽系の中には小さくても興味深い天体がたくさんあります。

知られているものだけでも、小惑星と彗星が何千個もありますし、未知のものがもっとたくさんあるのは間違いないでしょう。小惑星の軌道は、ほとんどが火星と 木星の間にあります。軌道が木星の外側にあるのは、2060 番のキロンなど、ほんの数個だけです。 地球よりも太陽の方により近づくような軌道を持つ小惑星もあります(アテン、イカルス、ヘファイストス等)。彗星は、軌道が非常に楕円に近いものがほとんどで、大部分の時間を太陽系の外側の端で過ごし、太陽に近づくのはほんのわずかな間です。

彗星と小惑星とでは何が違うのかと言う点については、 議論の余地があります。一番違っているのは、小惑星に比べて彗星の方が揮発性があり、また、彗星の方が、よりつぶれた楕円の軌道になっているという点です。しかし、中には 2060 番キロン(95 P/キロンの別名)や、3200 番のパエトーン、それにカイパー帯の天体などのように、彗星と小惑星の両方の性質を持っているものもあります。

英語では小惑星のことをアステロイド(asteroid)といいますが、他にもマイナー・プラネット(minor planet)やプラネトイド(planetoid)という呼び方もあります。 (水星や冥王星を指す、「矮小(わいしょう)惑星(lesser planet)」と間違えないでくださいね。) 太陽の周りを回っている非常に小さな岩を流星物質と呼んで、大きな小惑星と区別することがあります。そういう天体が地球の大気圏に突入すると、摩擦のために白熱した光を出して、夜空に一筋の光を描きます。これが流れ星です。流れ星のうち、その一部でも地面まで落ちてくれば、それが隕石です。

目に見えるほど明るい流れ星だけでも、毎晩何百万個も落ちてきます。これは質量でいうと大体数百トンになります。しかし、ほとんどは小さいものなので、地面に達する前に大気中で燃えつきてしまいます。燃えつきないで地面まで落ちてくる流れ星はほんのわずかですが、これが太陽系を研究する上では重要な手がかりになるのです。

さて、惑星と惑星の間の空間には全く何も無いのかというとそんなことはありません。そこには、非常に小さな粒のチリやガス、さらには放射や磁場が満ちているのです YOKOHAMA SCIENCE CENTERから




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