離陸

今回は、旅客機の離陸速度について考えてみます。
離陸速度といっても、その時の状態(風向き、風速、気温、気圧)や飛行機の種類、重量等が
違えば、速度は変わってきますので、「時速何キロメートルですよ。」とは一概に言えませんが
およそのところ、小型単発機で 60~70km/h、大型機では 300km/h 前後といったところで
しょうか。そして、離陸の際の速度として重要なものに V1 , VR そして V2 というものがありま
すが、それぞれの意味を簡単に説明していきたいと思います。




1.V1(離陸決定速度)
飛行機が離陸の為の滑走を開始し、加速途中でエンジン等のトラブルが発生した場合、離陸
を中止できる限界の速度。このV1以上の速度でトラブルが発生した場合は、離陸操作を継続
しなければならない。(停止操作を行っても、滑走路をオーバーランしてしまう為。)

2.VR(ローテーション速度)
機種上げ速度、すなわちパイロットが操縦桿を手前に引いて飛行機が空中に舞い上げる時の
速度。この速度では揚力(機体を持ち上げようとする力。)が、十分に得られている。

3.V2(安全離陸速度)
飛行機が空中に舞い上がってから安全に上昇飛行できる最小の速度。

例) 国際線 B747-400   V1=155kt(286km/h)、VR=170kt(314km/h)、V2=180kt(333km/h)
   kt とはノット。1kt は約 1.85 km/h。

これら3つの速度は、コンピューターに重量、重心位置などを入力することにより、計算される
そうです。(以前私の乗った便で、出発の直前に荷物の重量計算が違っていた為、出発が少し
遅れた事がありました。)

また、離陸距離はジェット機の場合、飛行機の出発点から離陸面上10.5mに達するまでの
距離をいいます。この距離は飛行機の種類、その他の条件で変わってきます。例えば風向き
ですが、風に向かって離陸する時と、追い風を受けて離陸する時では、前者の方が離陸距離
は短くてすみます。ですから滑走路から離陸する方向は、いつも同じとは限らないんですね。
そして、飛行機が大型になるほど、また燃料を多く積むほど離陸距離は長くなります。

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