2004年01月20日
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今日は本当なら、カウンセリングの日。
しかし、やはり、落ち着かないので午後の診察と共にキャンセルした。

昨日から実家に帰っている弟は、告知すべきと言っている。
今日のインフォードコンセプトと、母の気持ちを一番に考えて、告知をするのかしないのか、
とことん話し合った。
とても難しい問題だと思った。

カンファレスルームに通された私とパパと弟は、薦められた椅子にすわり、先生の話に耳を傾けた。

「Fさんの血液の状態は非常に悪いです。白血病と骨髄異型性症候群とくらべると、白血病の方がまだ、治療方法が有り質が良いんです。
骨髄異型性症候群の方は、対処療法も少なく、治療しても、成績が悪いんです。
白血病の場合、元々の細胞が悪いと言う場合もありますが、そこから、分離する細胞異常の場合が多く、元の細胞を元に戻す療法を取れば、治る可能性があるのですが、
骨髄異型性症候群の場合、元々の細胞が悪いので、
どんな治療をしても、良いほうに向かうのは、非常に可能性が低いです。」
先生は、生存率のグラフを見せてくださった。
以前、私がパソコンで見たものだった。
「このように、2年生存で5パーセントにも満たないんですが、この生存している数は
骨髄移植をして生存している方の数も入っています」
そうなのか・・・・。
やはり、生存は難しいのだ。
「今Fさんの骨髄の中に白血病細胞が25パーセント有りますので、本当はもう、白血病と言っても良いくらいなのですが、
この未分化の状態が芽球と言う物です。血液中の数値は今、1~8と少ないです。」
「反対に感染を防ぐ細胞が好中球と言いますが、それを増やす機能が、低下して現在の数値は3パーセントです。しかし、骨髄の中の芽球は25パーセントですが、血中は1~8と少ない・・と言うのが今のFさんの状態です」
先生は白いカルテに図や言葉を書きながら説明してくださった。
「感染で熱が出たら恐いです。そのまま2~3日で亡くなる場合もあります。」
「え?今度、暮のように肺炎になったら、危ないのですか?」
「はい、血液の状態があの時より悪いですし・・・。100パーセント亡くなると言うわけじゃありません。
あの時のように、旨く抗生物質が効いてくれれば、また、熱が下がり、助かる場合もありますが、危険な状態には変わりないです」
はっきりと、先生は仰ってくださった。
感染が本当に恐いと思った。
それから、これからの治療方法など伺った。

解っていた事だったが、こうして、改めて色々な資料を前にすると、現実が大きくのし掛かってきた。

弟が告知の事を言い出した。
私とパパの気持ちも言った。

細かく、本当に誠実に父の病気や状態を説明くださった担当医も、
3人の話し合いをそばで聞いていて、
「実は、以前、やはり、同じ病気で同じ様に弟さんがマスコミ関係の方で遠方にいらっしゃって、
お姉さまお二人と、お母様が看病していらっしゃる方がいましたが、全く同じように、ご意見が違い、
結局、私に相談されたので私は告知は今の状態ではしない方が良いのでは・・と言いました。
その方とお父様とは状態が違いますし、同じようには考えられないかも知れませんが、
亡くなられた後、言わずにいてくださってありがとうございます。最後まで穏やかに逝かせてあげる事が出来ましたと仰られました。
お父様の場合、仰るなら、今、この状態の良い時が、最後のチャンスだと思います。
ただ、もし、弟さんが仰るのなら、すぐにお帰りになるような事だけはしないで頂きたい。
精神的なフォローをなさって、後にお世話なさる、お母様やお姉様の事もお考えになって、告知なさっていただきたいです。」
と仰って頂いた。

帰りの車の中、弟は声を荒げ、冷静さを失っていた。
幾ら話し合っても、平行線。
50年一緒に生きてきた母がもし、告知を承知するのなら、私はもう、何も言うまいと思ったので、
最後に言った。
「お母さんが告知を承知するのなら、私はそれで良い」
「解った、俺は今晩、説得する」

3人とも、何も言わず、只、気まずい空気だけが充満した。
本当に難しい。
私だって、今日まで、迷いながら、考えて父に接してきた。
言っても大丈夫かも・・いやいや、これだけ食欲が出てきたのは、自分が治るからと思っているから・・・。
本当に迷いながら、それでも今の精神的に良い状態の父を見て、
これで良いじゃないかと思うようになったのは、
ごく最近だ。
穏やかな暮らしを、普通の暮らしを出来ている父に、何も、「死」をわざわざ知らせる事はないじゃないか・・。
弟は知らせた上で、でも助かってる人もわずかだがいると言えば良いと言う。
しかし、やっと、今日、こうして良い精神状態になったには、周りの人たちの思いやりがあってこそなのだ。
すべてを知っている娘達、パパ、そして、毎日、励まし世話をしている母、先生の必死の思いがあってこそなのだ。
遠くにいる弟にはそれが解らないのだ。

真実を隠して逝かせるのは嫌だと言うが、
私は、娘として、嘘をついたその罪を、一生胸に抱いていく覚悟もしている。
許されない事なのだろうか・・・・。
解らなかった。

夜、なかなか眠れなかった。
弟にあの調子で責められるかと思うと、
母が本当に可哀想になった。
自分が育てた息子なのだから、仕方ないよ・・・・パパが言った。
そうだよなあ。
告知、本当に難しいテーマを突きつけられてしまった。
今晩、父に告知がなされたら、
明日の診察は一体どんな顔をしていけば良いのだろう・・・。

不安だったが、疲れていたのだろう、2時まで覚えていたがいつの間にか眠りに落ちていった。





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最終更新日  2004年01月24日 17時41分33秒
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