2004年04月20日
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類
午前中早くにパパが帰ってきた。
私が朝から落ち着かないだろうからと、仕事に都合をつけて、帰宅した。
二人で病院に行くと、I医師と、以前通されたカンファレスルームに向かった。

「実は、今回の入院で、Fさんの状態は全く入院前と、変わり無い状態だと言う事が解りました。」
「昨日の骨髄の数値のことでしょうか?」
「はい。早く言ってしまうと、抗がん剤の投与も、そのほかの治療も、何の役に立たなかったと言う事なんです。」
「わたしの目から見ますと、良くはなっていないけれど、悪くもなっていないと思うのですが・・・」
「そうですね、そう、悪化はしていないと言えます。」
「もう、それだけで十分だと思っています」
I医師は言いにくそうに次の言葉を発した。
「つまり、本当に狼少年のようで、何度も申し訳ないと、お詫びしなくてはならないのですが、Fさんの状態は、何時、何があっても可笑しくないと言う事なんです。」
「はい、それは、もう、家族も本人も十分覚悟しています」
「で、これからの治療の事なのですが・・・。何をしても良くならないからと言って、このまま、何もしない訳ではなく、ご家族に了解を頂きたいのは、今後の治療についてなんです。このままここにいて頂いても蛇の生殺しのようになりますので・・・・。」
「はい、解りました」
「実は、3つ方法があります。今後、このまま入院して頂いて少し強い抗がん剤を使う方法と、退院して今まで通り血清の輸血と赤血球の輸血に加え、白血球を増やす注射を通院しながらしていく方法、それから、退院して、もう、何もしないで様子を見ると言う方法があるのですが、最初の方法ですと、退院はできませんので、調子の良い日に外泊をしていただく事になります」
「そうですか、解りました。本人も、もう、退院したくて仕方ないようですし、退院して、輸血と注射と言う方法を摂っていただけますでしょうか?本人には、先生から、そのように直接言って頂けますでしょうか?」
「はい、ではそうのように致しますが、ご本人は勿論、お母様も直接申し上げて大丈夫でしょうか?」
「大丈夫です。先生には申し訳ないのですが、今、本人も母もアガリクスを信じきっております。
それが、二人の心の支えになり、精神的にも強くなっていますので、直接仰って頂いても、今の二人には大丈夫だと思います。」
「そうですね、ご本人の精神的支えが大きいですから、それは、私も良い事だと思っています」
「今回退院できても、また、入院と言う事になると思いますが・・・。」
「はい、そういう意味では、今回が最後の退院だと思います。そのくらい、数値的にはFさんの状態は良くないですから」
「そうですか・・・。では、宜しくお願いします」
「はい、ただ、心置き頂きたいのは、
感染に十分お気をつけになって、少しでも発熱したら、すぐERにいらしてください。即、入院治療できる体制でおりますので」
「ありがとうございました」

パパと二人、深く頭を下げ、カンファレスルームを出た。
先生と廊下を歩きながら
「お風邪の方、如何ですか?お父様が随分ご心配されてました」
「本当に、もう、嫌になってしまうくらい、治らないんです。先生も、お忙しいお体ですから、お気をつけくださいね」
I医師の人懐っこい可愛い瞳がふっと緩み穏やかな笑顔がマスクの下に伺われた。
こういうお顔がこの方は本当に良いのだ。
小柄なI医師の白衣が、遠くになった。
パパと二人きりになってホッと言葉が出た。
「な~んだ、こんな事だったのかって感じ。
昨日、お電話があった時から、何を言われるんだろうって、心配で、何も手が着かなかったけど、良かった。」
「ああ、覚悟は出来てるからな。悪くなったって話じゃなかった。良かったな」
「うん、でも、これが最後の退院だって」
「解らないじゃないか、今迄だって、あと一週間とか、二週間て言われたけど、こうして、生きてるだろ」
「そうだよね、そういう意味じゃ、先生の仰るように逆の意味で狼少年てことか・・・。」

帰宅し、今度は私のカウンセリング。
パパが「今日は俺も行くわ」
「はあ?、珍しい、カウンセリングに?」
「おお」
と言う事で、一緒に来たが、結局、一言も発せず、帰った。
私とカウンセラーの話を聞いているだけだった。
週に一度、ここに来て思いを話すだけだが、私にとって、大切な場所。
自分も気持ちの整理がつくから。
自分の深層心理が、言葉になって出てくる。自分も気付かなかった気持ちや思いが、
言葉になって引き出される唯一の場所。

帰りに二人で台湾料理のお店でランチを食べて帰宅。
疲れた・・・・。
父が心配だったので午後、病院に行った。

病室に入るとすぐ父が言った。
「おお、珍しいな、風邪は良いのか?」
「うん、まだ少し微熱があるけど、今日、先生に呼ばれて話をしたから、先生がお父さんにどんな風に仰ったかと思って」
「そうか、お前達来てくれていたのか。悪かったな。
あのな、明日、退院して良いってさ。
だけど、毎日、通院するようにって」
父は本当に嬉しそうにそう言った。
「そう、良かったね。でも、感染には気をつけなくちゃいけないんだよ。前みたいに1時間以上、車で出かけたりしちゃいけないんだよ。
今回だって、寒くて只それだけで発熱しちゃって退院が延びたんだから、
もう、昔の強靭なお父さんの体じゃないって解ったでしょ?」
「解ってるよ」

父と明日、輸血してからの退院なので4時半に迎えに来ると約束して帰宅。
やれやれ、これで、一区切りついたなあ・・・。
取りあえず明日から家にいられるのだから、母も、病院通いをせずに済む。

今日はとても疲れた・・・。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2004年04月25日 23時28分43秒
コメント(0) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: