2006年10月15日
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映画を見に行った。
「ワールド・トレード・センター」
そう、9・11の実話を映画化したもの。
だが、TVでなんども流された激突シーンは一切無い。
ただ、淡々と、本当にその現場にいた人たちから聞き取った映像だけで、構成されていた。

これからは、ネタばれになりますので、これから見に行こうと思ってらっしゃる方は、スルーしてください。

映画の筋は、普通に出勤した警官たちが、ワールドトレードレンターに飛行機が激突したと言う通報で
現場に向かう。
それらしい映像は、向かいのビルに異常に大きく映る旅客機の影だけ。
激突を感じさせるのは、警察署の中にも、響き渡ってきた、爆音だけ。
まさに、彼らが経験した事だけ。
彼らは、ごく当たり前に召集され、人々の整理のため、現場に向かう。
現場で思った以上の惨状を目の当たりにし、中にいる人たちの救出の為に中に入るのだ。
そして、ビルが崩壊し、
彼らも、多くの仲間と共に、巻き添えをくらう。
生き残った二人の警官が、救出されるまでの長い長い時間をただ、淡々と事実に基づいて描いた映画だ。

しかし、その間に彼らの頭の中をよぎった、
「死」への恐怖、家族への愛、思いが映像になっている。
そして、当然の事ながら、彼らの家族の動揺や、どうしようも無い不安も描かれている。
本当に、淡々と、ごく、普通の感覚で。
映画と言うより、ドキュメンタリーのように。

映画の中にモデルになった彼ら二人、ご本人達も警官役などで出演している。
そして、本当に救出に参加した大勢の人も、俳優さんの中、救出シーンに、エキストラとして出演しているのだ。

感動した。
しゃくりあげてくる涙を、どうしようもなかった。
横で、チビも、泣いていた。
人って、凄いと思った。
彼らの強靭な精神力に、心から、敬意を表したい。
そして何より、彼らを励まし、救った彼らの中にあった家族の存在の大きさ。
そしてもうひとつ、日常的に宗教のある国が、羨ましく思った。

救助も、命がけ。
彼らを救い出そうとした警官も、最後の言葉を仲間に残し、中に入っていく。
みなが覚悟の上の人助けなのだ。

最後に、「この映画を捧げます」と出て、
湾岸警察の犠牲者全員の名前が、エンドロールに出、
続いて、こうテロップが流れる
「2749名が死亡
その国籍は87の国に及ぶ
343名は消防士
湾岸職員の犠牲者は84名、うち37名は警察官。
ニューヨーク市警察の警官は23名
救出された者は20名。
そして、ウィル・ヒメノとジョン・マクローリンは、18番目と19番目の救出者だった」

オリバー・ストーン監督の映画だったので、
「プラトーン」や「7月4日に生まれて」のような映画だと思っていた。
しかし、本当に、静かで、淡々として、時間が、見ている私たちと同じように流れるような映画だった。
家族愛、そして、現場にいた人たちの命がけの正直な恐怖。
いつでも、自分に置き換えて考えられる余地のある映画だったから、
余計に、心の底から感動し、泣いてしまった。

行方不明になっているトレードセンターのエレベーターボーイを息子に持つ母親が、
「昨日、叱ってしまったの、帰りが遅かったから、叱ってしまったの」
とジョンの奥さんに抱きしめられて泣く。
母親なら、だれでも、同じ気持を共有できるだろう。
叱って、そのまま消息を絶った息子に、如何して叱ってしまったのだろうと自分を責める気持、その切なさ。
もう、臨月になろうとしている、ウィルの奥さん。
自分の夫が、消息不明と知り、ショックを受け、トイレでもどす。

こう言う事が自分に起こったら、当然起きるであろう、そういう普通の感覚、出来事、描写が、心を打つ。
監督は、できるだけ実際に有った事だけ、忠実に描こうとしたと、パンフレットに書いてあった。
だから、旅客機が、突っ込んだ描写は必要なく、テロに対する批判的な言葉もなく、
彼らは、本当に、何が起きたのか正確に知らずに現場に召集され、人々の救出誘導の為に中に入り、
崩壊と言う絶望的な出来事に巻き込まれたことだけ、事実に基づき、描かれている。
事実、彼らが聞いたのは衝突の音だけ、混乱する現場に行き、その惨事を目の当たりにし、恐怖にかられながらも
人々の救出に向かうその事実だけ、描かれている。
だから、何故自分達が、瓦礫の下になったのかも知らない。
救出され、初めて、崩壊を知るのだ。

救出後、彼らは、警官を辞めている。
ジョンは、何十回もの手術に耐えた。
2年後のある日、足に障害の残った二人を大勢の人々が祝福するパーティが開かれる。
ウィルの奥さんのおなかにいた子が、走ってくるところで、映画は終る。

そして、先のテロップ。

泣かずにいられようか。
良い映画を見た。
アカデミー賞候補だそうだが、
事実の重みみたいな物を、強く感じた。
そして、人の思いは、家族を思う思いは、世界共通なのだと思った。
だが、一方では、ボランティアで捜索に参加し、もう1人のボランティアと、
捜索の打ち切られた夜の間、たった二人で瓦礫の中を探し続け、
最初に二人を見つけた海兵隊員は、後に、イラクへの戦いに参戦して行った。

本当に、いろいろな人の思いが、交錯する映画だった。
是非、皆さんにも見ていただきたい映画だ。

良い映画が、一杯。
今見たい映画は、「ブラック・ダリア」
「地下鉄に乗って」
「父親たちの星条旗」。
来週は、何を見ようかな?









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最終更新日  2006年10月16日 17時06分08秒
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