Give me a break…休マセテ…

PreciouS






「ちょっと、君。」



「げっ!やばっ!」

「待ちなさい!!」


今、夜の十時半。警察と鬼ごっこ中。笑

運悪いとたまに会う。巡回中の警官に。

私出かける時はほとんど制服だから警官に見つかりやすい。

捕まったらゲームオーバー。

補導されて、施設の人が迎えにくる。

何としても逃げ切らなくちゃ!



警察官の声が響き渡る。…チラッと後ろを振り返る。まだ追ってきてんのかよ!

舌打ちして前を見た瞬間、私は人と思いっきりぶつかった。

勢いでお互いその場に倒れる。


「いってぇ…」

「あっ、すいません!」

慌てて誤る。そして、顔上げた瞬間…



『あっ!』



2人同時に指を指しながら言った。

そう。ぶつかった相手はこの前のタバコ野郎。

しばし、2人とも無言。というか、固まって動けない。




黒空




「待ちなさい!」

警察官の声で我に返る。

「げっ、やばい!」

「早く、こっち!」

捕まるのを覚悟した私の手を掴み、タバコ野郎が駆け出した。


「ちょっ、え!?」

何がどーなってんのかわからない私。

「逃げるんだよ、ほら!」


そういうと、そいつは、グイグイと私の手をひっぱりながら走った。




「ハァ、ハァ、ハァ…」

「ここっ…まで…くれば…安心っ…でしょっ…」


息を切らしながらタバコ野郎が言った。

あれからどれくらい走ったわからない。気付けばここがどこなのかさえも。

そして、私は大きな疑問をヤツにぶつけた。


「なんで?…なんで助けたの?」

「あぁ、何でかね。笑 俺も警察が嫌いだから?拒絶反応みたいなっ。」

そういってフフって笑った。


…なんだ?コイツ。でも助けてもらったのには変わりない。



「…ありがとう…助けてくれて。」

「別に☆」

そういうと、そいつは近くのベンチに座った。


「ところで、前俺ら会ったよね?」

「あっ…うん。」


私は下を向いた。

今思えば、私結構ひどい事してんだよね。初対面の人に。

別に、後悔してる訳じゃないけど。笑



「あ、俺気にしてないからね。あの事。
あん時はさぁ、マジでムカついたけど。俺も俺で悪かったといえば悪かったし?」

「ごめんなさい。」


なぜか、この言葉が出た。

自分でもわからない。何でこの言葉が出たのか。


「大丈夫だって。笑 あっ、おまえもこっちに座ったら?疲れてるっしょ?」

そーいわれてベンチに向かう。私はベンチの端っこに座った。


そしてたわいの無い会話をして解った。
貴方の名前。

「年は?」

「18です。」

「若いなぁ!!」

「貴方は?」

「20歳」

「変わらないじゃん!!笑」



私がそういうと貴方はそうだなって笑った。



「ところで、ねぇ!ここってどこ?」

「え?知らないの?」

「うん…知らない…」

「OK!じゃ俺がさっきの所まで連れてってあげる☆」

「ありがとう!」

「楽勝♪」


それから、私たちはきた道を戻った。

歩いて15分くらいだったけど、

すごく長いようで短いようで。

なんか不思議な気分だった。

でもそれがすごく楽しくって、

自然に笑えてる自分がいた。



だって、人と話すのって久しぶりだったから。


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