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Give me a break…休マセテ…
PreciouS
とうとうこの日がやってきた。土曜日。あなたの働いている店に行く。
出かける時は制服だけどこの日ばかりは無理だよね。
久しぶりに私服に手を通す。…なんか変な感じ。笑
今夜の8時前。私は上着を着て部屋を出た。
「ちょっと早かったかな?」
時計を見ると8時40分。遅れるよりはましか。
私はあなたが働いている店の前で待つことにした。
…本当に入れるのかな?私、18だよ?高校生だよ?
私があれこれ考えていると店のドアがゆっくりと開いた。
―ガチャ―
「…あぁ!?」
「おぉ!早かったな。」
トビラから出てきたのは普段の今時の男がするような格好じゃなくて、
黒いパンツに白のYシャツでスーツのようなピシっとした格好をしたあなた。
いつもと違う雰囲気のあなたに見とれてしまってる自分がいた。
「おい、どうした?笑]
「え?あ、なんでもない?笑」
「何ボーっとしてんだよ。さっ、中入って。」
「ほんとにいいの?」
「大丈夫。許可はとってあるから。」
「ほんとに?」
「ほんとに。笑」
「…わかった。」
私はあなたに手を引っ張られながら店の中に入った。
店はクラブみたいなところで、客が十数人踊ったり、お酒飲んでた。
「いつもこんななの?」
「う~ん、大体ね。今日はお客さん少ないほうかな?」
「ふ~ん。」
「ねぇ~!モスコミュール作って!」
私たちがカウンター席の横を通っていると、1人の女性が仁に声をかけた。
顔がちょっと赤らんでる。
「はい、ちょっと待ってくださいね。笑」
「わかった~w早くね~ww」
「はい。笑」
「あれ?その子は?」
その女性は私を見ながら言った。
「あ、この子は親戚で。」
「そーなんだぁ。」
「じゃ、モスコ作ってきます。」
「よろしく~☆」
あなたは女性にニコって笑ってまた私の手を引っ張って歩き出した。
そして私をカウンターの一番奥に座らせた。
「ちょっと待ってて。俺、裏から入るから。」
そういってあなたは近くのスタッフ専用のドアの中に入っていった。
店は少し薄暗くて、なんか大人のムードみたいな。
「おまたせ。」
店内を見渡してると仁が帰ってきた。
「あの女の人に飲み物頼まれてなかった?」
「あぁ、もう渡してきた。笑」
「早かったね。」
「まぁね。笑」
「ところでねぇ、私たちいつの間に親戚になったの?笑」
「え?いつだろね?笑」
「何それ。笑」
「まぁ、未成年でも身内とかだったらOKでしょ?」
「そーなの?」
「そーなの。笑」
それから30分くらい話した。でもあなたは結構人気あるみたいで。笑
いろんなお客さんから注文受けてた。仕事中だから仕方ないんだけど、なんかちょっと寂しかった。
「ごめんな。なんかまともに話できなくて。」
「ううん、いいよ。仕事中だもん。」
「あっ、そうだ!」
あなたは何か思いたったように声をあげると、何か作り始めた。
そんなあなたの姿につい見入ってしまった。
「はい、どうぞ。」
私があなたを見入ってると、突然私の目の前にカクテルのようなのを差し出した。
薄い黄色で、中にチェリーが入っている。なんかかわいい。
「あ、これって…」
「大丈夫、ノンアルコールだから。」
「…でもっ」
「今日きてくれた御礼。笑 これ俺が考えたんだぜ。」
「え?オリジナルなの?」
「うん、自信作☆」
「すごいw…じゃ、いただきます。」
私はあなたのオリジナルのカクテルみたいなのを飲んだ。
レモンみたいな柑橘系の味。ちょーーおいしい!!
「あぁ!すごくおいしい!おいしいよ!!」
「そ?気に入った?笑」
「うん、これ大好き!」
「よかったw喜んでくれて。」
「ありがとうw」
「どーいたしまして。」
それからまた話してたら店長みたいな人がきてあなたを呼んだ。
そして何か話してて、最後にあなたはその人に頭を下げてた。何かあったのかな?
「ごめん、おまたせ。」
「何かあったの?」
「あぁ、もうあがっていいってw」
「え?」
「仕事、今日はここまででいいって。笑」
「そーなの?よかったねw」
「俺着替えてくるから、あかねはまた店の前で待っててくれる?」
「わかった、待ってる。笑」
あなたはスタッフ専用のドアの中に入ってった。私もレジに向かう。
さっきのあなたが作ってくれたのを払おうとしたら、店の人が「いいよ」っていってくれた。
あなたが先に払ってくれてたっぽい。
外で待つこと10分。私の前に一台のバイクが止まった。もちろんその持ち主は…
「お待たせ☆」
あなただった。こいつ、バイクの免許持ってんだ…。笑
「ほれっ」
あなたは私にヘルメットを渡した。私がきょとんとしていると
「早くかぶれよ。いいとこ連れてってやるから。笑」
っていった。私はうなずいて、ヘルメットをかぶりあなたの後ろに座る。
「しっかりつかまってろよ。」
「うん。」
私がそういうとあなたはバイクを走らせた。
仁の背中から伝わる仁の体温。
人ってこんなに暖かいんだ。人のぬくもりなんて忘れてた。
もうちょっとこのままでいたい…
私はあなたの腰に回してた手を強く握り締めた。
「着いたぞ。」
あなたの声で我に返る。気が付けば公園みたいなところの駐車場だった。
「ここ?」
「ん。すっげーの見せてやる。ついておいで☆」
そういうとあなたはスタスタと歩き始めた。私も慌てて追いかける。
道が坂道に差し掛かったとき、あなたが急に後ろを振り返った。
「なぁ、目ぇ閉じて。」
「え?目?」
「うん。いいって言うまで開けちゃダメだかんな。」
「…わかった。」
私が目を閉じるとあなたは私の手を引っ張りゆっくりと歩き出した。
そして、ちょっとしてから仁の足が止まった。
「あかね、着いたよ。さ、目ぇ開けて?」
私は恐る恐る目を開けた。そこには…
「うわぁ…!キレイ…!!」
キラキラと輝く街の夜景だった。
感動して声にならない。
「どう?すごいでしょ。」
あなたが自慢げに言った。
私は頷くことしかできなかった。
「俺ね、ここ大好きなんだぁ。1人でもたまにくるんだぜ?
ここは俺の穴場。あんま人に教えたくねーもん。笑」
「…え?じゃなんで私なんかに…」
「なんかにじゃない、お前だから教えたんだ。」
「…?」
「お前だから教えたの。俺ね…お前のこと好きだよ。」
あなたは夜景を見ながら言った。
「好きだよ」
頭の中で何度もリピートされる。
「好きって…」
「俺はお前のことが好きなのっ。だからこの夜景もお前と見たかった。笑」
今度は私を見つめながら言った。
あなたが微笑む。私もつられて笑顔になった。
私も最近、自分の気持ちの変化に気づいていた。
わかってるんだ、私も仁が
「好き」だって。
でも、言わなかった。
言えなかったって言うほうが近いかもしれない。
怖いんだ。
気持ちを伝えちゃうと、私はどうなっちゃうんだろうって。
「愛」ってものを理解したらすべて崩れそうな気がした。
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