2007/02/09
XML


パキスタン産のアクアマリンです。
大きさは3センチほど。
例によってお店の棚、いや籠を掘って掘って掘り返し、見つけた石をさらに針でつついてクリーニングしました。

この石は、細かい鱗のような雲母が付着していて、もともとはもっと雲母に覆われていたのです。

雲母がその石の産状を示していたり、石の表情を盛り上げてくれることもありますが、時には、せっかくの石の表情を隠してしまうことも。
壊したり傷を付けたりするとコワイので、めったにやりませんが、時には思い切って針でつついてみることもあります。

まずは、石をじっくり見て観察。
じゃまをしているこの鉱物(土)はなんだ?
母体となる鉱物の硬さは?
鉄のモース硬度は「4」。
カルサイトはモース硬度3なので、だめです。
フローライトはモース硬度4なので。鉄の針でつついたら傷が付くかもしれませんが、モース硬度7の水晶、7.5以上のアクアマリンであればまず大丈夫。
それでも慎重にちくちくとつついて、クリーニング。

しかし、くっつき方によっては、いくら鉄よりモース硬度が高い鉱物でもダメです。
たとえば、水晶にトルマリンがくっついていて、結晶のへこんだところに土のような物が詰まっている場合、水晶とトルマリンなら硬さとしては大丈夫ですが、もしかしたら、水晶とトルマリンの間にも土が詰まっているかもしれません。
そんなところをつついて土を剥がしていくと、トルマリンが水晶からポロ……という場合もあります。

写真の石は、運良くそういうこともなく、針でつつくことが可能でした。
しかし、雲母がところどころしつこく食い込んでいたので、すべては取りきれませんでした。
余分な付着物をとることができても、とった跡が汚く見えてしまうのでは、とらない方がマシです。
そういう意味でも写真の段階でクリーニングをストップ。

このアクアマリンは、よく見る六角柱状の結晶ではなく、細い結晶が束になったような形状をしています。
色もパキスタンにしては濃いです。
細い筋が重なり、その置くに青みを宿した風情は、どことなく氷と言うより雨。
みずみずしくて軟らかい感じがします。






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2011/05/11 11:41:41 PM
コメント(0) | コメントを書く
[アフガニスタン・パキスタン] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Comments

フォレスト@ Re:”メタ”からアゼツを考える。(09/28) アゼツライトは水晶にもならないただの石…
スターブラリー@ Re:名前を使う、意味を使う(10/08) この写真に掲載されている水晶は、販売予…
spiranthes@ Re:Vサイン!(11/15) 55度24分のベローダ(Belowda)式双晶かもし…
販売者@ Re:分りやすいです。(09/30) スーパーセブンが、過去くず石だったとい…
通さん@ Re[4]:深紅であるはずの石(12/10) わ!わ!こちらにお返事をありがとうござ…

Profile

KURO−M

KURO−M


© Rakuten Group, Inc.
X
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: