Recovery Room



Recovery Room













もっと、出産ラッシュでがやがやしているんだろうと想像していた病院構内とは裏腹に、

とても静まり返った、夜10:20の病院にようやく到着。

誰かの赤ちゃんの泣き声がワンワンと聞こえるでもなく、

ナース達は、密やかにナースステーションに待機していた。

 『妻が陣痛来てしまって。チェックインしたいんですけど。』 

慣れない口調でナースにそう伝えるジェレ。

その横では、痛みで物凄い不細工に顔をひん曲げた私が立っていた。

それを横目でナースは見ながら、チェックインの手続きを開始した。

その間、どうしても立っていると陣痛が辛くて、座りたがったが、

ここの病院のナースステーション前は、一つも椅子が無い!!

陣痛が来て、大変な妊婦の為に産婦人科ならその辺考慮しないわけ?!

と思ったが、後々考えたら、これが陣痛を狭ませる為の病院側の作戦なのかしら?

と妙に納得した。



そうこうしているうちに、準備ができましたからと、ある一つの部屋に通された。

目に飛び込んできたのは、横に並んだ多数のベット。

『え!大部屋?個室じゃないの?しかもここ、ノンストレスチェックしに来た時と同じ部屋だし!』


てっきり、アメリカなら、小奇麗なLDRでもちろん個室!って頭だったからビックリ!!

こんだけベッドがあるって事は、同じ時間帯でかさなる妊婦がいれば、一緒の部屋?!

何時の時代の出産なのさぁ。。。

『ミリタリーの保険だとこういうもんなんだかな。。』


と、がっかりしていると、一人のナースが、

『はい。このガウンにトイレで着替えてきて。』
と言うので、

重い足を引きずりながら、トイレへ。

『ちぇ。。小奇麗な個室で出産。。の夢が。。』
と嘆きつつ、

服を脱いでるうちに、もう一発大きな陣痛がトイレで起きた。

『つううううううう!!!!!!』


こんなん着替えられっかぁ~!!

陣痛が着てからというもの、随分切れやすい私。

どうにか、着替え終わり、私の 『がっかり部屋』 へ戻る。



ベッドに横になって、さて、これからどうするんだかなぁ~と思っていると、

私の担当になったと言う、少し年配の小柄なナースが部屋へやってきた。

『今、機械で確認する所によると、あなたまだ、間隔が狭まってないから、当分間隔が狭まるまで、

このRecovery Roomで様子を見ましょう。その間にLDRも準備しとくから。』



なんと!?これを聞いてがっかり、吹っ飛び!(笑)

そりゃ、大部屋出産なんていくらなんでも無いよね。。。

いくら大部屋とはいえ、私以外は誰もベッドに妊婦は居ない上、

何を気にする事も無かったのに、個室じゃないって事だけで、どうも落ち着かず、

とにかく、自分のLDRに真っ先にも行きたい気分だった。

なぜかリラックスできなかった。

陣痛の強さは、強まるのに対し、それも手伝ってか、陣痛は全くと言って狭まる気配なし。

私の右手首にはもうこれ以上付かないよぉ~!!と言うほどの入院インフォの腕輪が山ほど付けられた。

そして、一番苛ついたのは、陣痛を逃すので精一杯の私をよそに、

代わる代わる色々なナースが 『はいこの書類にサイン。』『はいこの書類を読んで。』
『ここに指紋お願いね』

。。

こんなんじゃぁ~リラックスできないわけだ。。


30分置き位にナースが子宮口の開きをチャックしに来た。


11:15PM頃、

『6センチは開いてるね。。。でも、陣痛の間隔は同じ??もう少し様子見ましょう。』


こっちこそ、自分の体でありながら、はてなマークである。

ジェレと大して変る事の無い、陣痛の模様を機械で何回も確認していたが、中々狭まる事は無かった。

しかし、痛みは確実に大きくなっていっている。

毎回、ドッカ~ン!!と来る度に、ジェレの手をシカ!!と握り潰すを繰返しをしていた。

妊婦本に書いてある、 『リラックスさせる為にアロマテラピーなど。。』
なんて、絶対できねぇよ。


11:45PM頃、ナースから有難いニュースが!

『子宮口が開ききるまでの間、痛みを逃すのに、分娩の直前にやる無痛の麻酔とは別の麻酔を

点滴で流す事できるけど使ってみる?効けば大分楽よ。

でも、次の投与までは1時間空け無いといけないから、

分娩での麻酔もやるとしても1時間これから開あける事になるけど大丈夫?』



え?!そんなことできるんですかい?!ナース様様!!

子宮口もまだ全開じゃないし、陣痛も狭まらないし、

ジェレに早速、   『赤ちゃんに変な影響が出ないのならお願い。。』
と頼んだ。

紙の腕輪で一杯一杯になっている私の右腕に更にその麻酔の点滴が付けられた。

効くまで結構かかるのかなぁと思っていると、10分もしない程度で、頭がボーっとしてきた。

しかも、ほろ酔い気分!!

お腹の奥ではキュウゥ~っとした収縮は感じるも痛みは全く無!

とにかくハイな私。まさしく酒を飲んだときの私。

赤ん坊にこれから会える緊張と期待とそのTrip感のおかげで、ジェレにナースに喋り捲り!

10ヶ月ぶりにお酒をがぶがぶ飲んで楽しんでいる感覚だった。

バーによく居る、いい気分で絡んでくるおっさんのような感じだった様に違いない。。(笑)

『こんなに有効な麻酔があるなんて、2回目の出産もこれだな!』

と決心していた(笑)



12:50AM頃。既に16日突入。

1回目に受けた麻酔の点滴も切れてきて、痛み再開し始めた。

子宮口検査。(この検査マジで痛い!!)

『まだ、陣痛の間隔、10分~8分って感じね。。子宮口は。。っと。!!

陣痛狭まらないのに、もう9センチ開いちゃってるわ!』



『陣痛は狭まらないけど、念の為にLDRに移りましょう!』


9センチと言う言葉を聞いて、とうとう赤ちゃんが出てくる準備が整おうとしているんだと、思うと、

陣痛の痛みを通り越して心臓が口から飛び出そうな気分だった。

横で、痛みに耐えている私を見ながら何か助けたくても助けれない、

もどかしさで一杯のジェレが変に可愛らしく思えた。










2005-09-28 12:43:49 2005-09-28 12:43:35


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