あゝ平凡なる我が人生に幸あれ

二つの墓標

華やかな誤算 ~二つの墓標~     【華やかな誤算】所収


夜、東京に住む恋人の黒沢と電話で会話していた明子に、葬儀屋の社員である秋山からキャッチホンが入る
話は、日本舞踊の若水流家元の寿鳳が亡くなったというもの
ホテルで愛人と密会中に急死してしまい、世間体もあることから、遺体を自宅へ移送してほしいとの家元夫人からの依頼だという
初めは遺体を動かすことを躊躇った明子も、寿鳳の遺体を診た医師が病死に間違いないとの見解を出したので、秋山に乗せられて渋々遺体を移動させることに

葬儀は石原葬儀社が取り仕切ることとなり、葬儀の準備が着々と進む中、東京の大学に進学している寿鳳の娘の百合子が帰ってきた
寿鳳の遺体を見るなり、家元夫人である美子を犯人呼ばわりする百合子
美子は後妻で、血の繋がっていない継母の美子と百合子は仲が悪いようだ

百合子のためにも真相を話そうと、明子は、寿鳳はホテルで愛人と密会中に死亡してしまい、遺体を自宅へ移送したことを明かした
真実を聞かされ、驚く百合子
くれぐれもこの話は内密に…と念を押した明子だったが、百合子は京都府警の狩矢警部に話してしまったようで、狩矢警部が明子のもとを訪ねてきた
遺体を動かした事実を包み隠さず話す明子
その話を聞き終わった狩矢から意外な事実を告げられる
明子と秋山が訪れた、寿鳳が泊まっていたとされる部屋は、数日前からアメリカから観光に来た夫婦が泊まっていたというのだ
しかし、部屋を訪ねる際、ルームナンバーを確認したので間違えるわけがない
これは一体どういうことなのだろうか?



~感想~
トリックなどに派手さはないものの、手堅いつくりの作品
よかれと思って発言したことが、“余計な一言”となって事件が進展していくわけだが、“口は災いの元”ではないが、軽はずみな発言は慎みたいもの

という事で、私的評価は星【★★☆☆☆】2つです



◆この原作のドラマ化作品◆
赤い霊柩車4・二つの墓標平成7年3月17日放送
金曜エンタテイメント
山村美紗サスペンス
『赤い霊柩車4~二つの墓標・京都の日本舞踊家元ナゾの怪死事件・巧妙な殺人トリックの鍵は腕時計と眼鏡!?』
出演/石原明子…片平なぎさ/黒沢春彦…神田正輝/狩矢警部…若林豪/若水怜子…佳那晃子/秋山隆男…大村崑/尾形啓介…中尾彬/内田良恵…山村紅葉/橋口警部補…斉藤隆治/若水寿鳳・信二(二役)…佐原健二/西木雅也…下塚誠/若水由美子…吉野真弓/若水英夫…海津亮介 ほか


…ドラマの内容
石原葬儀社の社長を務める明子が、自宅でくつろいでいると、社員である秋山から電話が掛かってきた
なんでも日本舞踊の家元の若水寿鳳が急死したという
寿鳳は、琵琶湖畔のホテルで愛人と密会中に発作を起こして急死してしまい、事を荒立てたくない家元夫人の怜子が、遺体を京都の自宅へ移してほしいとの依頼なのである
現場へ駆けつけたものの、死体を移動することに初めは躊躇した明子も、医師が病死であることを証明したので、寿鳳の遺体をこっそり京都の自宅へと移動したのだった

葬儀の準備が着々と進むなか、寿鳳の先妻の子である由美子が父親の死の連絡を受け、東京から戻ってきた
後妻である怜子と由美子はどうも仲が悪いようで、寿鳳の突然の死に、医師の死亡診断書があるのにも関わらず、由美子や、高弟の尾形啓介らは、怜子を疑う
そんな周囲の好奇の目に晒され、今までは黙っていた怜子だったが、ついには堪りかねたようで、警察を呼んで調べてもらうことに

何やら不穏な動きに、死体を移動したという後ろめたさから気が気でない明子
そんななか、琵琶湖畔のホテルで見た寿鳳の遺体と、今安置されている遺体にちょっとした違いに気づいた明子だったが…


…ドラマの感想
ほぼ原作通りのつくり
トリックなどに派手さはないものの、堅実な作りとなっている




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