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和紙造形の作品を紹介いたします。これ以外にも、過去に紹介した作品は左のカレンダーの下の方にあるフリーページの「和紙造形作品」でご覧いただけます。「王朝の華 1」W79×H65cm 伊藤直美-------------------------------------------------------------------------------------------------------------------いまから十数年前に初めてメキシコに行ったときのことです。メキシコ人の体型や顔つきはなんとなく日本人に似たようなかんじで、親近感がわきます。同じモンゴロイド系に属しているというのがわかります。しかし、いろんなところを見て行くうちに、その感性の違いに気づかされてきます。メキシコ国立人類博物館はバスケスの建築を見るのも楽しみでしたが、それ以上に、展示内容の充実ぶりに圧倒されます。1日では足りないくらい。ですが個人的に一番衝撃をうけたのは、その点数の多さではなく、形の面白さであり、豊かな表現力です。日本では無表情の人物を埴輪のようだといいますが、メキシコの土偶は違います。天を仰いで笑っていたりしますから(薬物でハイになっているとの説もあり)。どれを見ても表情が豊かなんです。また顔の表情だけでなく、ポーズも多彩です。腹筋運動しながら顔だけ右を向いていたり、ユニークなものが多く、けっこう笑えるので楽しいんですよ。思わずツッコミを入れたくなるようなものばかりですから。メキシコに行ったらぜひ博物館を見てもらいたいです。レプリカでなく本物でも、触っていいものもありましたし…。先頃、メキシコで制作した岡本太郎の壁画「明日の神話」が渋谷に設置されることになったそうですが、その岡本太郎の原点もここにあるのではと感じます。オアハカのホテルに泊まった時は、トイレットペーパーに感銘を受けたのです。トイレットペーパー、三角にたたんでます?ここではもっと手間のかかることをしていたのですよ。形がどんなものだったかどうしても思い出せないのが残念ですが…。折り紙のようなことをしていたのです。日本人だってこんな手間のかかることを毎日のルーティンワークに取り入れたりはしないなあ、と思ったものです。そしてホテルのレストランでのことです。食の細い日本人には食べきれない量の料理がでますから、持ち帰りにしてもらったのです。そしたら料理を一旦下げ、しばらくしてトレイに乗せて持ってきたものは、なんとアヒルの形をしたアルミ箔でした。料理をアルミ箔で包んで、その両端を片方は首と顔、もう片方は尻尾の形に持ち上げていたのです。最近は日本のレストランでもたまに見かけるようになりましたが、当時そのようなことは見たことがありませんでした。このホテル「Casa Conzatti」カーサ・コンサッティというのかな?部屋数もそんなに多くないコロニアルスタイルのホテルです。こぢんまりとしたホテルだからできることだったのでしょうが、それにしてもその感性に脱帽です。この時のオアハカの話しはこちらから、4回シリーズです。「地球の裏側にもいた、紙を愛する男・アルベルト」~偉大なる師、その足跡を振り返る~その3「メキシコの素材で紙布織りを作る」~偉大なる師、その足跡を振り返る~その4「メキシコ時間の洗礼を受ける」~偉大なる師、その足跡を振り返る~その5「和紙造形の旅は楽し」~偉大なる師、その足跡を振り返る~その6美術館やギャラリーを数カ所回って驚いたのは、その展示方法です。普通作品を上か下で揃えたり、センター合わせにしたりしますよね。ここでは展示方法にも個性が表れています。ある作家は壁面に掛けているのですが、最初は目線の位置だとしたら次は少し高く、その次はもう少し高く、そして次は少し低くというようにして、全体にゆるやかな波のうねりをイメージさせるような配置にしていたのです。また別の作家は、壁面は使わずにすべて天井からつり下げています。入り口に立つと、左右にある作品はすべてこちらを向いて、手前から奥に行くに従って少しずつ位置が高くしてあるので、全体が見られるのです。大きな美術館では壁面よりもパネルを多様して展示していました。3枚のパネルで立方体にしたり、4枚の立方体であったり。またはパネルをくの字において、その表と裏に作品を掛けたり…。会場にそれらが距離をおいて配置してあるので、来場者は見る順番は気にせずおもむくままに、八の字に見て回ったり、欽ちゃん走りをしたり、自由に動き回っているのです。このようにどの会場も同じ展示方法ではなく、それなりに工夫を凝らしているのです。メキシコ人の芸術に対する底力をこんなところにも感じます。太古の作品から現代の作品までどれを見ても日本人の感性とは異なる発想があり、またホテルで目にしたことやメキシコ人の日常の生活ぶりを見るにつけ、地球の裏側のこの地メキシコを芸術の神様は愛しているにちがいないと思います。前置きのつもりで書き出したことが、こんなに長くなってしまいました。メキシコで開催した展覧会の話をしようと思っていたのです。それはまた次回に。読んでいただいてありがとうございます。よろしければ、上の「blog Ranking」のバナーをクリックしてください。1日1回クリックしていただけると、たいへんうれしいです。お手数ですが、よろしくお願いします。参考までに、上の「blog Ranking」のバナーをクリックしても、ブログランキングのページが表示されるだけです。なにかを記入したりする必要などはまったくありません。ブログランキングのページが表示されたら、他のページをのぞいてもいいですし、終了するのも自由です。●yunさんの運営する「和紙造形のコミュニティ」がMixiにあります。Mixi会員の方だけになりますが、ぜひのぞいてみてください。http://mixi.jp/view_community.pl?id=2305021
2008年11月24日
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和紙造形の作品を紹介いたします。これ以外にも、過去に紹介した作品は左のカレンダーの下の方にあるフリーページの「和紙造形作品」でご覧いただけます。「ダイヤモンド」角田真帆この作品はこれから下の記事で紹介する技法とは、また違った方法で制作されています。興味のある方は「角田真帆の和紙造形」こちらもご覧ください。-------------------------------------------------------------------------------------------------------------------「和紙造形は紙を作るのが目的ではない」とは言いながら、紙はそのプロセスにおいて当然できるのです。そこで、和紙造形以外でも紙にまつわるイベントでけっこう声をかけていただいています。1年のうちでも、特に秋は依頼が多くなります。自治体による和紙造形体験ワークショップというのはよくあるのですが、それ以外にも源氏物語千年紀のイベントで「檀(まゆみ)という植物で紙を漉いてくれ」だとか、「来日外国人に紙漉きを体験させてほしい」という大学の国際交流サークルや大使館関連団体であったり、または外資系企業の研修であったり、そして裏千家支部による干菓子器の一閑張り講習など、じつにさまざまなワークショップや講演の依頼がきます。和紙造形の特徴のひとつは「自宅でできる」ということです。つまり大がかりな道具は必要ないので、どんなことろでも開催できるのです。会議室のようなところで行うこともよくあります。水はトイレから汲んできたりして…。↑使う道具はこんなものですので、20~30人分の道具でも重ねるとワゴン車にらくらく収まります。大きなイベントでの体験ワークショップでは1人30分くらいで仕上がるようにして、つぎつぎに使ってもらっています。そんなわけで、声がかかればどこへでも車に積んではせ参じるわけです。そんな中から今日は帽子のワークショップを紹介します。代官山にあるユミコ・イトヤマというところで行ったのですが、「和紙を帽子の形に漉く」ワークショップです。じつは以前紹介した紙布織りの帽子はここで制作してもらったのです。(紙布織りの記事はこちら)ここはオーダーも受けているので、紙布織りの布を持っていって制作してもらったのです。(財布は、布があまったので別の方に作ってもらいました)センスのいい帽子の制作・販売をしているのですが、帽子教室も開いていて、そこの受講生を対象としたワークショップだったのです。日頃、布で帽子を作ることは手慣れているのでしょうが、今回は紙漉きの技法で帽子を作ってもらいました。つまり出来合いの和紙を縫って、帽子にするのではないのです。要するに生乾きの状態で帽子の型においていくのです。まずイメージする紙を漉きます。色楮を使ったり、好きなものを漉き込んだり。生乾きの状態で手で持ち上げ、型においていきます。このように重ねておいていきます。乾くとつなぎ目がわからないくらいに、ちゃんとくっつくのです。接着剤で和紙を貼り合わせるのではないのです。立体の和紙がこのようにしてできます。興味のある方は和紙造形アートスクールの「ワークショップ開催風景」で他の画像もご覧いただけます。読んでいただいてありがとうございます。よろしければ、上の「blog Ranking」のバナーをクリックしてください。1日1回クリックしていただけると、たいへんうれしいです。お手数ですが、よろしくお願いします。参考までに、上の「blog Ranking」のバナーをクリックしても、ブログランキングのページが表示されるだけです。なにかを記入したりする必要などはまったくありません。ブログランキングのページが表示されたら、他のページをのぞいてもいいですし、終了するのも自由です。●yunさんの運営する「和紙造形のコミュニティ」がMixiにあります。Mixi会員の方だけになりますが、ぜひのぞいてみてください。http://mixi.jp/view_community.pl?id=2305021
2008年11月16日
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和紙造形の作品を紹介いたします。これ以外にも、過去に紹介した作品は左のカレンダーの下の方にあるフリーページの「和紙造形作品」でご覧いただけます。「抱擁」23×27cm 笹原広子-------------------------------------------------------------------------------------------------------------------最近イベントなどが続き、更新がままなりませんでした。それにもかかわらず応援クリックしていただき、ありがとうございます。今日から一段落と思いきや、年の瀬の波もすこしづつ近づいています。これに流されずにブログもがんばって更新したいと思っていますが…。「月日のたつのは早いもので…」などと、年末の話しがでるたびに、社会全体が慌ただしい雰囲気になっていきますよね。なので、この話しは止めます。先日、明治神宮に行きました。ここの鬱蒼と茂る森は東京の真ん中にあって都民に潤いを与えてくれている貴重なものですが、これは人の手によって造られたものなのですよね。普通、お宮には杉を植えることが多いようですが、ここ明治神宮は日本最初の林学博士である本多静六博士や当時の学者たちの考えで、この地に適した常緑広葉樹を中心として植樹していくことになったのです。その数およそ10万本が全国から献木されました。現在、まさかそれが人工で造られたとは思えないほど立派な森になっています。当時、何を植えたら立派に育つか、また100年後自然の状態になっていくのか、ということを考えて実行されたことだったのですね。それから50年後に調査を行ったところ、人の手で造られたこの森がすでに自然の状態になっていたとのことです。たとえ人工であっても50年で自然の森になったのです。大正9年11月1日(1920年)に鎮座され、今年で88年になるわけですが、明治神宮に来るたびに、100年先を見越した生態系づくりがいかに意義のあることか、つくづく実感いたします。最近ロハスという言葉をよく耳にしますが、LOHASとはLifestyle Of Health And Sustainabilityの頭文字のこと。これは健康で持続可能なライフスタイルを意味するものですが、明治神宮の杜こそ、まさにロハスを実践したものですね。ところで6年前のことですが、明治天皇御生誕百五十年記念事業として屋根の葺き替えのための銅板奉納を募っていたのです。日頃銅板を使うものとしては見過ごすことができず、ご奉賛いたしました。実は和紙造形に銅板を使うことがあるのです。上にある笹原さんの作品の青緑色の部分が腐食した銅板です。和紙と銅という異素材の組み合わせですが、銅を腐食させることによって、素材感や色彩の相性がよくなるようです。銅版画は銅を版として紙に刷るのですが、和紙造形の場合、腐食させた銅をそのまま漉き込みます。漉き込む方法は銅板の周りに穴を数カ所あけ、そこに銅線をとおしてひげのようにだしておく。その銅線を漉き込んで、楮の繊維でかぶせてしまうのです。こうして銅板が動かないようにするのです。繊維の長い楮だからできることです。楮の繊維でかぶせるので銅線は見えなくなりますが、この時に、楮でかぶせずにあえて銅線を見せるためにわざと余分に銅線をつけることもあります。つまり銅板を抑えるための銅線と飾りのための銅線があるということです。和紙造形には、前回紹介したレリーフもあれば、このように銅板を漉き込むという表現方法もあるのです。今日はこのへんで…。明治神宮で銅板の屋根を見るたびに、自分の奉納した銅板があの中にあるのだと思って、ひとりほくそ笑んでいるのです。時間の経過とともに腐食が進んでいくのを見るのも楽しいものです。読んでいただいてありがとうございます。よろしければ、上の「blog Ranking」のバナーをクリックしてください。1日1回クリックしていただけると、たいへんうれしいです。お手数ですが、よろしくお願いします。参考までに、上の「blog Ranking」のバナーをクリックしても、ブログランキングのページが表示されるだけです。なにかを記入したりする必要などはまったくありません。ブログランキングのページが表示されたら、他のページをのぞいてもいいですし、終了するのも自由です。●yunさんの運営する「和紙造形のコミュニティ」がMixiにあります。Mixi会員の方だけになりますが、ぜひのぞいてみてください。http://mixi.jp/view_community.pl?id=2305021
2008年11月12日
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和紙造形は樹木の繊維(主に楮)を素材とするものです。絵を描くというのも、いろいろある和紙造形の表現のひとつ。では他にどんなものがあるのか。大きくは工芸とアート、二つのカテゴリーがあります。工芸は主に実用的なもの、はがき、ランプシェードや一閑張りなどがありますが、これら従来からあったものに加え、最近では若い方が和雑貨をこの素材で作ることも流行っています。新しい感覚でタペストリー、コースター、カレンダーや和紙皿など、他にもさまざまなものが生み出されています。アートは美術の流れにあるもので、絵を描くという平面もここに入りますが、他には立体やインスタレーションなどもあります。今日は平面と立体の中間にある、レリーフについてです。レリーフは和紙造形大学のカリキュラムにもあるのですが、発泡スチロールを彫刻刀などで彫ってこの素材で型どりをするものです。彫る道具は彫刻刀以外に釘・カッターなども使います。固いもので削るのですが、道具によって削った面のテクスチャーが違ってきます。仕上がりはモノトーンになりますので、点と線と面をうまく使い分けて彫っていくと色感を表現しやすくなります。上の作品は新聞紙を砕いたものを素材としていますが、染色した素材をおいていくとカラーになります。例えば、葉っぱは緑、枝は茶色、背景は別の色というふうにおいていくと、半立体の絵が描けます。版の上に素材をおく場合、素材にねりを混ぜて練り合わせると、版の細かい部分にも素材が入っていき、忠実に型どることができます。ただし彫りが深いと、乾燥して版から剥がすときに、取りにくくなります。このレリーフのいいところは、道具が少なくていいので、作業に入りやすいです。作りたいと思ったときに、さっと制作にかかれます。ただし細かい削りかすがでますので、掃除機などをそばにおいておくのがいいでしょう。このように和紙造形は「紙漉きで絵を描く」ための素材ではなく、レリーフや立体など幅広く使える素材なのです。形を写し取るのがレリーフですが、立体はこの素材自体を紙粘土のように扱って、形を作ったり、素材自体を固まらせて、形を削り出します。この地球に存在する素材はいろいろありますが、木の好きな人は木彫、石好きは石、ガラス好きはガラスというように入り口から出口まで同じ道です。なにが言いたいかというと、紙が好きというところから入っても、この和紙造形の素材は平面として表現したり、立体として表現したり、出口はいろいろあるのだということです。和紙造形は、平面だけではなく全方位アート。植物を繊維にし、水を加えることで、絵の具にもなれば彫刻の素材にもなる。かつてなく、素材として新しい、これが和紙造形なのです。読んでいただいてありがとうございます。バナーをかえてみました。どうも携帯でのリンクができていなかったようです。今度はどうでしょうか?よろしければ、上の「人気ブログランキング」のバナーをクリックしてください。1日1回クリックしていただけると、たいへんうれしいです。お手数ですが、よろしくお願いします。参考までに、上の「人気ブログランキングへ」をクリックしても、ブログランキングのページが表示されるだけです。なにかを記入したりする必要などはまったくありません。ブログランキングのページが表示されたら、他のページをのぞいてもいいですし、終了するのも自由です。●yunさんの運営する「和紙造形のコミュニティ」がMixiにあります。Mixi会員の方だけになりますが、ぜひのぞいてみてください。http://mixi.jp/view_community.pl?id=2305021
2008年11月03日
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和紙造形の作品を紹介いたします。これ以外にも、過去に紹介した作品は左のカレンダーの下の方にあるフリーページの「和紙造形作品」でご覧いただけます。「秋思」375×400mm 金安好江-------------------------------------------------------------------------------------------------------------------和紙造形大学は群馬県川場村にあります。関越の沼田インターから30分ほど山に入ります。車ですと、東京から約2時間30分かかりますが、川場が近づくにつれ、日々の生活のことがらが徐々に遠のいていき、着く頃にはすっかり和紙造形に集中できるような態勢が整っています。川場はその名のごとく川のある場所です。村には五つの清流が流れていますが、どれもすべて川場で湧き出た川なのです。余所から流れてきた川は1本もありません。これらの川はやがて利根川に流れ、それが東京都民の飲料水にもなっています。宮田りんご園とギャラリー蔵川場はりんごとこんにゃくの産地です。村の道沿いにりんご園がたくさんありますが、どこも柵で囲うことはしていません。それにガードレールをつけることもしていないのです。どうしても必要なところはガードレールを土色に塗って、目立たなくしています。そのかわりというか、そのおかげというのか、自宅の周りにはいろんな花を植えていますので、春はガードレールではなく、道に沿っている芝桜のレールが道行く人の目を楽しませてくれます。村で生活する人達の意識の高さが伝わってきます。とにかく水がおいしいので、食べるものはどれもおいしいです。あまり知られていませんが、特に米はおいしいですよ。村には信号がひとつだけでしたが、最近2つめができました。そのくらいの車の交通量ですので、居心地はいいです。絵になるところがいたるところにあるのです。下の写真は吉祥寺の境内です。鎌倉建長寺を本山とする臨済宗の禅寺です。庭は一見の価値あり。拝観料が必要ですが、損はないです。最後に、道の駅「田園プラザかわば」も外せないですね。地元の新鮮な野菜がところせましと並んでいて、安いですよ。それにお好きな方にためしてほしいのは、無添加の飲むヨーグルト、100%川場産りんごを使用した手作りのアップルパイ、それに日本地ビール協会主催の「ジャパン・アジア・ビアカップ2008」で金賞・銀賞を受賞したという地ビールや、「ドイツ・シュツットガルド国際ハムソーセイジ製品品質コンテスト」で、出展品目(4品)すべてが金賞、銀賞に入選したというソーセイジです。敷地内にミルク工房・ミート工房・ビール工房があり、そこで作っているのです。関東好きな道の駅で4年連続第一位に選出されているのも、なっとくできると思います。このように見てよし、食べてよしの川場にくると、五感が満足するのがわかります。紙漉きで絵を描く、新しいアート「和紙造形」はこのような環境で生み出されているのです。読んでいただいてありがとうございます。よろしければ、上の「blog Ranking」のバナーをクリックしてください。1日1回クリックしていただけると、たいへんうれしいです。お手数ですが、よろしくお願いします。参考までに、上の「人気ブログランキングへ」をクリックしても、ブログランキングのページが表示されるだけです。なにかを記入したりする必要などはまったくありません。ブログランキングのページが表示されたら、他のページをのぞいてもいいですし、終了するのも自由です。●「和紙造形のコミュニティ」がMixiにあります。Mixi会員の方だけになりますが、ぜひのぞいてみてください。http://mixi.jp/view_community.pl?id=2305021
2008年10月29日
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他の和紙造形の作品を紹介いたします。これ以外にも、過去に紹介した作品は左のカレンダーの下の方にあるフリーページの「和紙造形作品」でご覧いただけます。「すみか」(455×379mm)Q.Tさん-------------------------------------------------------------------------------------------------------------------群馬県川場村にある和紙造形大学は四季折々の景色が楽しめる、すばらしい環境にあります。春は花が咲き誇り、夏は緑がまぶしくて、秋は紅葉がすばらしく、一面雪の冬景色も、またきれいです。今回は秋の景色を写真で紹介します。和紙造形大学のあるふじやまビレッジの正面玄関。裏手には宿泊施設があり、2泊3日宿泊して和紙造形を学びます。左の写真の建物が和紙造形大学の工房。奥は工房2。2階が温泉になっており、疲れた体を癒します。左の写真、左手に「食事処ほたか」。ここでは昼食をとり、朝食と夕食は別棟の大食堂になります。このようなすばらしい環境に囲まれていますので、いい気持ちで和紙造形に集中できます。講義は9時から5時までですが、ほとんどの人は夕食後も10時まで自主制作に励みます。2泊3日で1単元となりますが、年間に8単元あります。つまり1年に8回、通うことになるのですが、四季の変化を感じながら、講義に集中できるので、感覚も研ぎ澄まされてくるようです。仕事や日々の食事の心配など日常の生活から解放され、このような空間に身をゆだねて、和紙造形のことだけを考えればいいのです。なんとも贅沢な時間を共有できるのが和紙造形大学のいいところ。1年をとおして、ここで和紙造形の基礎・基本がしっかり身につきますので、卒業後も作品制作を楽しむことができ、グループ展などの活動へ発展しています。期によっては、または個人での活動もありますが、メキシコ以外ではこれまでにオーストラリア・台湾・ノルウェイ・オランダで作品展&ワークショップを開催したりしています。11月には21期生が中心となってアルゼンチンでも予定されています。このように自発的な活動の場は全方位に目が向けられていますが、そのモチベーションのコアとなるものは、この和紙造形大学で過ごした、密度の濃い時間のなかにあるのだと思います。読んでいただいてありがとうございます。よろしければ、上の「blog Ranking」のバナーをクリックしてください。1日1回クリックしていただけると、たいへんうれしいです。お手数ですが、よろしくお願いします。参考までに、上の「人気ブログランキングへ」をクリックしても、ブログランキングのページが表示されるだけです。なにかを記入したりする必要などはまったくありません。ブログランキングのページが表示されたら、他のページをのぞいてもいいですし、終了するのも自由です。●「和紙造形のコミュニティ」がMixiにあります。Mixi会員の方だけになりますが、ぜひのぞいてみてください。http://mixi.jp/view_community.pl?id=2305021
2008年10月27日
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「エフェソス、野の花」54×72cm 森下研子-----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------和紙造形は、紙漉きで絵を描く新しいアートですが、特徴がふたつあります。まずひとつは、自宅でできるということ。従来の紙漉きは大がかりな道具を必要としていましたが、和紙造形の道具は、簀以外は家庭にあるものでできます。牛乳パックの紙漉きをイメージする方もいますが、和紙造形は楮(こうぞ・和紙の原料)とねりを使いますので、ペーパーメイキングとは違って和紙ができるのです。そしてもうひとつは主に染色した楮を使うということです。この染色した楮が絵の具になるのです。和紙造形をやる、ほとんどの人は自分で楮の染色もしますので、絵の具を自分で作っているのです。基本的に染色は赤・青・黄の3原色だけを染めます。できあがった3原色の素材を混ぜ合わせて、好きな色をだしていきます。混色方法は他にもあります。染色をするときに、3原色の染料を配合して好きな色に染める。または、上の写真のようにできあがった素材同士を混ぜて色を作る。他には上の素材を簀の上に流しながら色を作る方法などもあります。これは例えば、まず赤の素材を簀の上に流し、その上から黄色の素材を流してレイヤーにする。そうして乾燥するとオレンジに見えるのです。このようにさまざまな混色法がありますが、どれもテクスチャーが違ってくるのです。そして最後に色出しで最もやっかいなのは、制作途中と乾燥してできあがったものとでは色が違うということです。例えば、洋服に水がつくと、そこだけ色が黒っぽく見えますよね。乾くと本来の明るい色にもどる。このような違いなのです。この色の違いに最初は戸惑うのです。というか、最初はあまりの色の違いに落ち込む人もいるほど…。ほとんどの人ががっかりしますね。すこしずつ経験を積んでいくしかないです。1色でもいいから、自分の色を早く見つけるのが近道だと思います。和紙造形は色に始まり、色で終わる。今日も読んでいただいてありがとうございます。明日、24日から川場の和紙造形大学で第4単元があります。今回はフィールドワークです。今年は紅葉の時期にはまだ早いようです。次は和紙造形大学の話しです。よろしければ、上の「blog Ranking」のバナーをクリックしてください。1日1回クリックしていただけると、たいへんうれしいです。お手数ですが、なにとぞよろしくお願いします。参考までに、上の「人気ブログランキングへ」をクリックすると、ブログランキングのページが表示されるだけです。なにかを記入したりする必要などはまったくありません。ブログランキングのページが表示されたら、他のページをのぞいてもいいですし、終了するのも自由です。●「和紙造形のコミュニティ」がMixiにあります。Mixi会員の方だけになりますが、ぜひのぞいてみてください。http://mixi.jp/view_community.pl?id=2305021
2008年10月23日
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最近ずっといろんなイベントが続いていましたが、この「せたがや未来博」終了でやっと一段落できそうです。今日は「せたがや未来博」の話です。これまで和紙造形を紹介するのに、「絵を描く」という表現はあまり使わずに、その部分はあいまいにしていたのです。どうしてかというと、「絵を描く」のは苦手な人でも「紙漉き」はしてみたいと思う人が多いからです。和紙を好きな人達にワークショップなどに参加していただいて、じつは「絵を描く」こともできるのですよというアプローチをしていました。こういうことを何年も続けるうちに、和紙造形は絵を描くものだというのが徐々に知れ渡っていき、同時に参加者も減ってきたりしていました。やはり「絵を描く」のは苦手だという人が敬遠するからです。こういう状況が続いていたのですが、最近は、どうせならストレートに「絵を描く」ことを全面にだしていこうと、やり方をかえたのです。そういうときに、ひょんなことから突然このブログをはじめることになり、そのタイトルを「紙漉きで絵を描くって…?」にしたというわけなのです。前置きが長くなりましたが、「紙漉きで絵を描く」ことを全面にだした最初のイベントがこの「せたがや未来博」だったのです。18(土)・19(日)の2日間開催しました。「紙漉きで絵を描く。新しいアート、和紙造形」この看板を掲げ、いよいよ開始です。素材の準備などもしていると、やってみたい人が現れました。一人でもやっている人がいると、あとは自然に増えてきます。あっという間に用意した5台分が埋まり。待っていただくことにもなり、そのままずっと途切れることなく最後まで続きました。大人も子どもも楽しんで制作しています。左下の写真は逆から撮ったものですが、ハロウイーンのかぼちゃを制作中のもの。体験ですので、約30分ほどでこういった作品を仕上げていきます。通常この色紙サイズで1日くらいかけて仕上げることが多いです。特設ステージではほかにもバンドの演奏や各ブースの紹介なども行われる。また群馬県川場村からも出店。2日間ともこういう状態だったので、スタッフの方達もさぞかし疲れたことでしょう。おかげさまでなんとか乗り切ることができました。また、和紙造形作品や紙布織りも提供していただいたり、同時開催した「捨てる紙あれば、拾う紙あり! 和紙造形ぶつぶつ交換」の捨てる紙や拾う紙となっていただいたりもし、ご協力感謝いたします。また来年もこの時期に開催されます。「紙漉きで絵を描く。新しいアート、和紙造形」を今後ともよろしくお願いします。読んでいただいてありがとうございます。よろしければ、上の「blog Ranking」のバナーをクリックしてください。1日1回クリックしていただけると、たいへんうれしいです。お手数ですが、なにとぞよろしくお願いします。参考までに、上の「人気ブログランキングへ」をクリックすると、ブログランキングのページが表示されるだけです。なにかを記入したりする必要などはまったくありません。ブログランキングのページが表示されたら、他のページをのぞいてもいいですし、終了するのも自由です。●「和紙造形のコミュニティ」がMixiにあります。Mixi会員の方だけになりますが、ぜひのぞいてみてください。http://mixi.jp/view_community.pl?id=2305021
2008年10月20日
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「未来のこども」(3連作)470×740mm 西村暁子西村さんの他の作品は下記のホームページでご覧いただけます。西村暁子ホームページ http://golagota.hp.infoseek.co.jp/ブログ http://diary.jp.aol.com/4pghmwyfpy/これまでいろんな角度から和紙造形について話してきましたが、これからはいろんな方の和紙造形作品を紹介していきます。和紙造形にはさまざまなタイプの作品がある。具象もあれば、抽象もある。同じ素材、同じ技法でありながら仕上がってくるものはさまざま。当然のことですが、和紙造形も自己表現するためのメディアのひとつであるから。ただ、できることとできないことがあるのも事実。筆で描くようなわけにはいかない。そこが面白くもあり、悲しくもあるところ。反面、和紙造形でしかできないこともある。また、和紙造形でできないことを力業でねじふせる人もいる。集中力さえあればできないことはないともいえる。要は和紙造形を面白いと思えるかどうかに尽きる。西村さんも和紙という素材の面白さに惹かれた一人です。作品はこれ以外にもいろいろありますので、興味のある方は上記のホームページでご確認ください。明日から「せたがや未来博」で和紙造形の無料体験を行いますが、そこで他の方の作品も数点展示いたします。紙布織りの作品もあります。詳細は下記をご覧ください。次回はまた違うタイプの作品を紹介します。読んでいただいてありがとうございます。よろしければ、上の「blog Ranking」のバナーをクリックしてください。1日1回クリックしていただけると、たいへんうれしいです。お手数ですが、なにとぞよろしくお願いします。参考までに、このバナーをクリックすると、ブログランキングのページが表示されるだけです。なにかを記入したりする必要などはまったくありません。ブログランキングのページが表示されたら、他のページをのぞいてもいいですし、終了するのも自由です。
2008年10月17日
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水の中に楮の繊維をいれて攪拌し、そこへ「ねり」を加えてさらに攪拌する。その素材を漉いて和紙ができる。薄くて丈夫な和紙は「ねり」があるからできるのです。いったい、「ねり」はなんのために使うのか?「ねり」は簀の上で繊維を拡散する働きをする。繊維を一本づつ包み込んで広げてくれるのです。「ねり」を「のり」という人もいますが、これは接着剤として使うわけではない。「ねり」がなくても繊維はくっついて紙になる。「ねり」を使うとこのようにきれいに繊維が広がる。「ねり」が入っていないとむらになる。では「ねり」とはいったい何?「ねり」はとろろあおいという植物の根っこから抽出した粘液質のもの。写真ではわかりにくいが、かなりトロ~としている。ただし、このまま放置しておくととろみはなくなってくる。冬よりも夏の方がはやくとろみが減少する。つまり紙漉きが、寒い季節に行われるのは、この「ねり」のためでもある。職業として紙漉きを行うには品質を安定しなくてはいけない。朝から紙漉きをしていると、午後には「ねり」がゆるくなってくるので、また「ねり」を足して、ムラができないようにしなくてはならない。また楮の繊維自体、水を含んだ状態で保管するが、冷蔵庫がないとすぐにカビが生えてくる。冬に楮を刈り取ったら、繊維にし、すぐに紙漉きをすることになる。保存の技術がすすんだおかげで、一年中紙漉きをすることができるようになったというわけです。もともと中国から伝わってきた紙漉きですが、当時の中国では「ねり」を使うことはしていなかった。日本に伝わってきて、はじめて「ねり」が使われるようになったのです。「とろみのある水で紙漉きをすると、薄くできるぞ!」いったいだれが紙漉きに「ねり」を使うことを発見したのでしょう? この仕事に携わって以来ずっと知りたかったことなのですが、これは文献に記されてはいないようです。 私、ワシゾーの先祖ですといいたいところですが…。いずれにせよ、昔から日本人は加工技術に秀でていたようです。東の果てに位置する日本には中国からいろんなものが伝わってきました。なにかを発明する前にすでにモノがあったのかもしれない。そこで発明という発想から、あるものをもっと使いやすくしようという加工の発想にかわった。これは地理的環境によってつくりあげられたとも考えられます。「ねり」を発見した人のおかげで和紙という日本独自の文化が生まれたのです。溜め漉きではなく、流し漉きという技術は「ねり」があるからこそ生かされる。同様に和紙造形も「ねり」があるからこそできるアートだともいえる。「ねり」の使い方次第で作品の仕上がりがかなり違ってきます。「ねり」を制するものが和紙造形を制する。このことについてもいろいろ話したいことはあるのですが、今日はこのへんで。「ねり」を使った和紙造形を体験することができます。興味のある方は下記をどうぞ。読んでいただいてありがとうございます。よろしければ、上の「blog Ranking」のバナーをクリックしてください。1日1回クリックしていただけると、たいへんうれしいです。お手数ですが、なにとぞよろしくお願いします。参考までに、このバナーをクリックすると、ブログランキングのページが表示されるだけです。なにかを記入したりする必要などはまったくありません。ブログランキングのページが表示されたら、他のページをのぞいてもいいですし、終了するのも自由です。-----------------------------------------------------------------------------------------------------------------無料で和紙造形を体験できますので、可能な方はぜひご参加ください。「紙漉きの技法を応用して形を漉き込む」とはどういうことかわかると思います。せたがや未来博「日本和紙造形研究所」のブースにて開催日時 10月18(土)10:00~16:00 10月19(日)10:00~16:00場所/世田谷区役所・世田谷区民会館にて 東京都世田谷区世田谷4-21-27 東急田園都市線三軒茶屋駅か、京王線下高井戸または小田急線豪徳寺から 世田谷線に乗り換えて松陰神社前駅下車徒歩約5分 駐車場はありません※「日本和紙造形研究所」のブースは世田谷区民会館内になります。-----------------------------------------------------------------------------------------------------------------●「和紙造形のコミュニティ」がMixiにあります。Mixi会員の方だけになりますが、ぜひのぞいてみてください。http://mixi.jp/view_community.pl?id=2305021
2008年10月15日
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和紙造形は絵を描くことが目的で、和紙を作るわけではない。とはいっても当然、その過程で和紙は作れるのです。しかも大がかりな道具は必要なく、自宅でもできるのが和紙造形の特徴。家庭にもあるような道具を使うので、持ち運びもそんなにたいへんではありません。洗面器やボールなど、どこの家庭にもあるようなものを使う。緑色のプラ舟のかわりにキッチンの流しに棒を渡したりもする。そんなわけで、いろんなところでワークショップを開く場合は、これらの道具を車に積んで行くことになる。会場は会議室のようなところで行うこともあるのですが、プラ舟が水を受けてくれるので、床が水びたしになることはない。会場に水の設備がなくても、トイレから水をくんできたりもします。今週の土日に開催する「せたがや未来博」での無料体験ワークショップもこれらの道具を持ち運びます。なので、一度体験すると自宅で和紙を漉くことができるようになる。さて、今日の話は「手漉き卒業証書」。毎年、この時期になると来年3月に卒業する生徒のための「手漉き卒業証書」の依頼がくる。年明けだとあわただしくなるので、11月くらいまでには終わらせておこうという考えです。子どもが漉く卒業証書なんてたいしたものではないだろうと思われるかもしれないが、そんなことはありません。大人顔負けです。牛乳パックの紙漉きとは違い、これは楮(こうぞ/和紙の原料となる植物の繊維)を使い、板干ししているのでしっかりしている。これに印刷するわけですが、普通の印刷所では機械がこわれるから受けてくれません。手漉きの和紙を印刷してくれる山形の印刷所で刷ってもらっているのです。印刷の機械にもかけられる手漉き和紙を作らせるのですから、指導する方はたいへんです。ちょっとでも目をはなすと何をしでかすかわかりません。ねりを入れすぎたり、入れ忘れたり、簀を裏表逆に使ったり、漉いている途中に手で触ったり、板干しするときに手形をつけたり、思いもよらないことをしでかしてくれるので、こちらもいい勉強になります。乾燥して、自分で板からはがすときが最高に感動するようです。一生の記念になる卒業証書を自分で手漉きするのですから、こんなにいい体験はないでしょう。子どもたちにものづくりをとおして、ものを大切にする気持ちや手作りの楽しさを感じてもらえたらと思います。和紙は木から作られる、その木はつぎに使えるようになるまでには約1年かかります(楮の場合)。それまでに使い切ってしまったら、隣の山の木を切って作らなくてはならない。それも使い切ってしまったら、また隣の山も…。というような状況に今の地球はあると思います。自然のサイクルにあっていない社会になっているようです。必要なものは「どこで買うか」ではなく「どうやったら作れるか」という発想も大事なのでは。子どもたちにそのようなことも感じてもらいたくて、手漉き卒業証書作りを行っています。これから10年後、20年後にこの卒業証書を見たときに、「昔の地球はたいへんだったんだなあ」と思えるような未来に、きっとなりますとも。読んでいただいてありがとうございます。よろしければ、上の「blog Ranking」のバナーをクリックしてください。1日1回クリックしていただけると、たいへんうれしいです。お手数ですが、なにとぞよろしくお願いします。参考までに、このバナーをクリックすると、ブログランキングのページが表示されるだけです。なにかを記入したりする必要などはまったくありません。ブログランキングのページが表示されたら、他のページをのぞいてもいいですし、終了するのも自由です。●「和紙造形のコミュニティ」がMixiにあります。Mixi会員の方だけになりますが、ぜひのぞいてみてください。http://mixi.jp/view_community.pl?id=2305021
2008年10月12日
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和紙造形とは「紙漉きの技法を応用して色と形を漉き込む」アートです。具体的にどのように制作するのか手順を追って説明しましょう。これは和紙造形を理解しやすくするために簡略化した方法になります。1 まず、原料である楮(こうぞ/樹木の繊維)とねりをボールに入れ、よく攪拌します。これを素材といいます。2 この素材をボールですくって、簀(す)の上に流す。3 ヒモなどで形を作って、そこに色楮の素材を流し込む。4 ヒモをとって、乾燥させる。このようにして絵を描くのです。補足すると、より高度な絵を描くにはヒモのかわりにゴムで版を作ったりもします。こういったことを実際に体験できる機会ができました。来週の土日ですが、無料で和紙造形を体験できますので、可能な方はぜひご参加ください。「紙漉きの技法を応用して形を漉き込む」とはどういうことかわかると思います。せたがや未来博「日本和紙造形研究所」のブースにて開催日時 10月18(土)10:00~16:00 10月19(日)10:00~16:00場所/世田谷区役所・世田谷区民会館にて 東京都世田谷区世田谷4-21-27 東急田園都市線三軒茶屋駅か、京王線下高井戸または小田急線豪徳寺から 世田谷線に乗り換えて松陰神社前駅下車徒歩約5分 駐車場はありません※「日本和紙造形研究所」のブースは世田谷区民会館内になります。同時に「捨てる紙あれば、拾う紙あり!~和紙造形ぶつぶつ交換~」も行います。手漉き和紙・和紙造形失敗作品・使わなくなった簀・少し古くなった未晒し楮などを出品する予定です。これらはいまわかっているものですが、もっと他にも、出品できるものがでてくると思います。交換するものがなくても大丈夫。使ってくれる方には無料で差し上げるつもりです。この記事をご覧になった方で不要になった和紙造形関連のものがありましたら、会期中にご持参ください。よろしくお願いします。読んでいただいてありがとうございます。よろしければ、上の「blog Ranking」のバナーをクリックしてください。1日1回クリックしていただけると、たいへんうれしいです。お手数ですが、なにとぞよろしくお願いします。参考までに、このバナーをクリックすると、ブログランキングのページが表示されるだけです。なにかを記入したりする必要などはまったくありません。ブログランキングのページが表示されたら、他のページをのぞいてもいいですし、終了するのも自由です。●「和紙造形のコミュニティ」がMixiにあります。Mixi会員の方だけになりますが、ぜひのぞいてみてください。http://mixi.jp/view_community.pl?id=2305021
2008年10月09日
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オアハカの話ばかり続きましたが、これで最後です。前日に夢のような歓迎を受けた一行は、これからお返しのワークショップが待っています。まず、紙漉きの技法を応用して色と形を漉き込む「和紙造形」。↓昨年の参加者もいるので、なんとか形になっているようです。日本の伝統的な技法である流し漉きの「紙漉き」。↓真剣なまなざしです。そして発泡スチロールを削った版を繊維で型どりをする「レリーフ」。レリーフについてはまた別の機会にくわしく話します。これも和紙造形のカリキュラムのひとつ。言葉はわからないながらも、見よう見まねでなんとかなるものです。参加者はなにかをつかみたがっているし、教える側もなんとか伝えたい。この両者がひとつのことにフォーカスするわけですから、そこに言葉は必要ありません。↓参加者全員で記念撮影。朝9時からはじめて、11時にフルーツの朝食。後半のワークショップが昼過ぎまであり、そこから移動して近くのレストランでの昼食は2時から。そして、4時に終了というメキシコ流の時間割です。この旅をまとめたのが↓この旅行記。15期の力作です。約10日間の間にあったさまざまなイベント、セレモニー・ワークショップ・ショッピング・食事・観光などのあれこれがぎっしりつまっていますが、写真には収めることのできない地元の人たちとの交流がそれぞれの心にしっかりと刻まれているのでしょう。何よりも得難いものです。読んでいただいてありがとうございます。よろしければ、上の「blog Ranking」のバナーをクリックしてください。1日1回クリックしていただけると、たいへんうれしいです。お手数ですが、なにとぞよろしくお願いします。参考までに、このバナーをクリックすると、ブログランキングのページが表示されるだけです。なにかを記入したりする必要などはまったくありません。ブログランキングのページが表示されたら、他のページをのぞいてもいいですし、終了するのも自由です。●「和紙造形のコミュニティ」がMixiにあります。Mixi会員の方だけになりますが、ぜひのぞいてみてください。http://mixi.jp/view_community.pl?id=2305021
2008年10月08日
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前回からの続きですが、サン・アグスティン・エトラという小さな村にある紙の研究所には、翌年もまた再訪することになったのです。和紙造形大学15期生の作品展とワークショップを開催するため。成田からバンクーバーを経由してメキシコシティへ。ここで1泊して、翌日オアハカへのフライト。地球の広さを感じる長旅です。総勢11名ではるばるやってきました。今回は村をあげて、歓迎してくれるということです。前日に、村役場での作品展示を終え、セレモニー当日は準備万端整え、開始30分前に役場に到着。村長やアルベルトらに挨拶を済ませ、開始の6時まで、後10分ほど。会場を見渡してみると、なにか様子がへん。そろそろ開始の時間だというのに、地元の人がだれもいない。カンカンというかなづちの音の方を見ると、なんとまだ会場作りをしているではないか!約束の時間は6時。間違いない。でもまだ会場さえできていない。そうか、これがメキシコ時間というもの。時間どおり、ここにいるのは我々日本人だけだし。しかたがない、いすにすわってしばらく様子をみることに。作業はあせるそぶりもなく、のんびりとした時間が流れている。1時間くらいたって、やっとステージに電気がポッとついてきた。スタッフが少しずつ増えてきているようなかんじ。そのうち「アー、アー」とサウンドチェックがはじまる。作業スタッフにもやっと巻きが入ったのか、徐々にまわりがあわただしくなってきた。村人もやっと顔をみせてきた。「ずるいな、約束は6時ではなかったのか」しかも、だれも遅れてすまなそうにはしてないし…。というか主催者も参加者もみんな楽しそうにしている。そうこうしているうちに、あちらこちらで人だかりができてきた。そしてようやく、開始のアナウンスがあったのは予定から、なんと2時間遅れ。「つかれる!」6時の開始だというのに、申し合わせたように8時頃集まってくる。これが「メキシコ時間」なのか。日本人である私は、腹時計でさえ正確なのだ!「もうお腹ペコペコ!」そうやって、いよいよ歓迎セレモニーの開始。ステージには伝統衣装を纏った村の子ども達による歓迎のダンスが始まる! 色鮮やかな装束もきれいだし、踊りも軽やかだし、元気に踊るその姿に、こちらもなんだか元気がでてくる。このように我々を歓迎してくれているのだと思うと涙がでそうになる。いろんな部族の舞踊を全部披露してくれたようです。2時間あまり次から次へと繰り広げられる各地の伝統舞踊に、始まるまでの気分はどこへやら、すっかり満腹になっていました。15期ともども最高のセレモニーに大満足。夢のような時を過ごして、我々一行はサン・アグスティン・エトラ村を後にしたのです。いったんオアハカのホテルへと引き上げて、明日はいよいよ15期のワークショップです。この話も次に続きます。読んでいただいてありがとうございます。ランキングのクリックいつもありがとうございます。1日1回クリックしていただけると、たいへんうれしいです。お手数ですが、なにとぞよろしくお願いします。参考までに、このバナーをクリックすると、ブログランキングのページが表示されるだけです。なにかを記入したりする必要などはまったくありません。ブログランキングのページが表示されたら、他のページをのぞいてもいいですし、終了するのも自由です。●「和紙造形のコミュニティ」がMixiにあります。Mixi会員の方だけになりますが、ぜひのぞいてみてください。http://mixi.jp/view_community.pl?id=2305021
2008年10月06日
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日本の真裏にあるメキシコ、バンクーバー経由で約15時間のフライト。そして、その中心地であるメキシコシティから飛行機で1時間くらいのところにあるオアハカへ行き、そこからさらに車で30~40分ほど行ったところにあるのがサン・アグスティン・エトラという小さな村。そこに紙の研究所があります。目的は和紙造形の紹介と伝統的な紙漉きの紹介。そしてもう一つは「メキシコの素材で紙布織りを作る」ということ。はたしてメキシコの繊維で紙布織りができるのか?紙布織りは楮のようにある程度の長さの繊維でできた和紙だからできるのです。繊維がよくからみ丈夫である和紙がいいのです。紙布織りに適した素材がメキシコにあるのか?メキシコの素材で紙布織りができれば、メキシコに新しい織物が誕生することになります。ここまでが前回の話です。山の中腹にある研究所。今回、参加したのは画家・陶芸家・版画家など。ここは芸術家の集まる村でした。メキシコでは有名なところかもしれません。玄関前の庭に入ってまず驚いたのは、繊維を叩解するための大きな機械があったのです。日本にあるのと似たような作りです。どうしたのかと尋ねたところ、ある書物に掲載してあった小さな写真を見て、見よう見まねで作ったとのことでした。思いが強ければなんとかなるものです。部屋の中には、村長や村に住むアーティストたちが待ちかねていました。あいさつもそこそこ、さっそくワークショップの開始。和紙造形は庭で、紙漉きは工房で、紙布織りは隣の部屋でべつべつに。私が担当した和紙造形には、この村に住む陶芸家の夫人で本人も造形作家である女性、わざわざこれに参加するためにやってきたというアメリカ人、研究所のスタッフであるインディオの女性など、さまざまな顔ぶれです。ゴムマットを好きな形にくりぬいて素材を流し込むのが和紙造形の方法。ところが道具はあえて持っていかないので、庭にある枝を使ったり、それぞれが工夫して形を漉き込み、午後、乾燥したものを簀からはがすときにはみんな感動していました。ここでは紙は漉いても、色と形を漉き込むということはしていなかったのです。紙漉きの工房でもお互いの国の伝統的方法の情報交換など、いい交流ができたようです。さて、今回の課題でもあった「メキシコの繊維で紙布織りができるのか?」については、どうだったか? 成功の条件として具体的にはメキシコの紙で糸が作れるのかということです。 糸を作ることができれば、後は織るだけですから、紙布織りができるということになります。もともとメキシコにはサボテンの繊維で織物にしたりしていたようですが、紙布織りというのは「植物を紙にして、それで糸を撚って、織物にする」わけです。この方法だと樹木からでも織物ができるのです。たしかプラタナというバナナの木の繊維はメキシコで紙によく使われる素材です。他の植物よりも比較的繊維が長いので、プラタナでできた紙が紙布織りに適しているだろうとのこと。まず、その紙を細く切ります。そして糸を撚ったのです。結果は大成功でした! メキシコの紙でも糸が作れたのです。このように小野先生のやっていることは、なにもないところに種を蒔いて、育てていくことです。今後メキシコでどのように和紙造形そして紙布織りが発展していくか楽しみです。モンテ・アルバン遺跡にて。左から紙漉きの芳住先生、今回のきっかけをくれたガブリエラ、小野先生、研究所の代表アルベルト、紙布織りの先生、宮永さん。この研究所には翌年、和紙造形大学15期生とともに再訪することになるのですが、その話は次回に。読んでいただいてありがとうございます。ランキングのクリックいつもありがとうございます。最初は「美術館・ギャラリー」のカテゴリーからはじめたのですが、おかげさまで、1ヶ月たらずで1位にまでさせていただきました。そしてより多くの人に和紙造形を知ってもらうには、順位が下がっても別のカテゴリーに移動するのがいいのではと思いますので、今回は同じ芸術の中の「デザイン・アート」に移動いたしました。和紙造形に一番フィットするカテゴリーだと思います。ただ、せっかく上げていただいた順位ですが、また下がることになります。長い目でみればこちらのほうが結果としてより多くの人に見てもらえると思っています。なにとぞご理解のほどよろしくお願いいたします。よろしければ、下記バナーをクリックしてください。1日1回クリックしていただけると、たいへんうれしいです。お手数ですが、なにとぞよろしくお願いします。参考までに、このバナーをクリックすると、ブログランキングのページが表示されるだけです。なにかを記入したりする必要などはまったくありません。ブログランキングのページが表示されたら、他のページをのぞいてもいいですし、終了するのも自由です。●yunさんの運営する「和紙造形のコミュニティ」がMixiにあります。Mixi会員の方だけになりますが、ぜひのぞいてみてください。http://mixi.jp/view_community.pl?id=2305021
2008年10月04日
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これ、なんだと思います。原始人の武器のようですが、じつは叩解する道具です。楮という木から繊維をだけをとりだして、その繊維を叩いて細かくするのですが、その時に使うものです。もちろん写真の道具は日本で使われているものではなく、メキシコにある紙の研究所(パペル・オアハカ)の代表であるアルベルトが独自に開発したものです。(木から繊維をとりだす行程についてはこちらを)写真では縦に溝がはいっていますが、ほかにもらせん状であったり、横であったり、そのつど工夫して手作りしているようです。訪問の記念にいただいたものですが、かなりの重量なのです。その後、帰国するとき飛行機の荷物検査で重量オーバーになり超過料金を払うことになろうとは…。今日はメキシコにある紙の研究所、パペル・オアハカの代表者アルベルトについて。写真の棍棒を自作するほど、紙を愛してやまない男です。その研究所はメキシコシティから飛行機で1時間くらいのところにあるオアハカという町の近くにあります。「オアハカに行く」というとメキシコ人でさえ「いいですね。私も行きたいです」というくらいにいいところです。日本人にとっての京都のような位置づけになるようです。石畳の町並みがそのまま残り、京都の疎水のようなものも石造りですが、現存しています。非常に風情のある町です。そのオアハカからさらに車で30~40分ほど山にはいったところにサン・アグスティン・エトラという村があります。そこにアルベルトが住居を構え、紙の研究をしています。「そうだ、オアハカへ行こう。」2002年に小野先生に誘われて同行したのです。目的は和紙造形の紹介と伝統的な紙漉きの紹介。そしてもう一つは「メキシコの素材で紙布織りを作る」というものでした。(紙布織りに関する記事はこちらを)以前にも話しましたが、紙布織りは楮のようにある程度の長さの繊維でできた和紙だからできるものです。繊維がよくからみ丈夫である和紙がいいのです。紙布織りは樹木の繊維(靱皮・じんぴ)で一旦和紙にして、それを細く切って糸を撚り、それを織ったものです。綿や麻などとは違い、樹木の繊維でも布を作ることができるのです。ちなみに、同じように樹木の繊維で織物にするものではアイヌのアットゥシというのがありますが、これは樹木の繊維をそのまま撚って糸にし、それを織ったものです。一旦和紙にする紙布織りとは違います。和紙にして細く切って糸にすることで、より繊細なものになるのだと思います。さて、はたしてメキシコの繊維で紙布織りができるのか?今回の旅の最大の課題です。もしできれば、メキシコに新しい織物が誕生することになります。右が代表のアルベルト(左は夫人)。お互い地球の反対側にいても紙を愛するもの同士、言葉は必要ありません。同じ仲間という気がします。紙に携わる者はなぜかやせている。「和紙のように薄くても丈夫な体」なのです。この続きは次回に。読んでいただいてありがとうございます。ランキングのクリックいつもありがとうございます。最初は「美術館・ギャラリー」のカテゴリーからはじめたのですが、おかげさまで、1ヶ月たらずで1位にまでさせていただきました。そしてより多くの人に和紙造形を知ってもらうには、順位が下がっても別のカテゴリーに移動するのがいいのではと思いますので、今回は同じ芸術の中の「デザイン・アート」に移動いたしました。和紙造形に一番フィットするカテゴリーだと思います。ただ、せっかく上げていただいた順位ですが、また下がることになります。長い目でみればこちらのほうが結果としてより多くの人に見てもらえると思っています。なにとぞご理解のほどよろしくお願いいたします。よろしければ、下記バナーをクリックしてください。1日1回クリックしていただけると、たいへんうれしいです。お手数ですが、なにとぞよろしくお願いします。参考までに、このバナーをクリックすると、ブログランキングのページが表示されるだけです。なにかを記入したりする必要などはまったくありません。ブログランキングのページが表示されたら、他のページをのぞいてもいいですし、終了するのも自由です。●「和紙造形のコミュニティ」がMixiにあります。Mixi会員の方だけになりますが、ぜひのぞいてみてください。http://mixi.jp/view_community.pl?id=2305021
2008年10月03日
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「紙漉きの技法を応用して絵を描く」といっても日本人には、紙漉きのイメージが強くて、絵を描くというイメージを持ちにくいようです。外国のほうが紙漉きに対する固定観念がないので、メキシコの人にも伝えやすかったのかもしれません。(和紙造形についてはこちらの記事を)和紙造形とメキシコの関係は和紙造形大学がはじまる以前にさかのぼります。和紙造形の創始者である小野先生は、かつて個展を開いていたときに、知人からメキシコ人を紹介されたのです。その方が和紙造形というテクニックに衝撃をうけ、メキシコでも開催してくれと頼み込んだところからはじまります。そこではじめてメキシコで和紙造形が紹介されたのです。メキシコ芸術院の会長であるルイス西沢先生も「和紙造形は美術界に新しい素材を提供するものだ」という評価をしてくれ、プエブラやUNAMの芸大で教授達に教えるようになっていたのです。小野先生の和紙造形に対する熱い気持ちはメキシコのアーティストを夢中にさせることとなり、「国際和紙造形展」を開くようにもなりました。もともとメキシコは自由と芸術を愛する国で、世界の映画監督や芸術家などを魅了しています。芸術家を魅了する国、メキシコ。そのメキシコが今、魅入っているのが和紙造形。日本で想像する以上にメキシコでの和紙造形の評価は高いのです。エジプトのパピルスという紙はよく知られていますが、じつはメキシコにもアマテという紙の歴史があるのです。そのことも和紙造形が受け入れられた背景にあるのかもしれません。ちなみに、パピルスとアマテはどちらも植物の繊維を格子状にして叩くことでシート状にしたものです。和紙は繊維を細かくして水で漉くというものです。ここに和紙の独自性があります。この絵は小野先生の肖像画です。描いたのはルイス西沢先生。今年7月に開催した「小野学長を偲ぶ会」ではじめて公開いたしました。ルイス西沢先生のアトリエに何日かモデルとして通ったそうですが、「これは描き手と描かれるものとの戦いだ」という気持ちで臨まれたようです。小野先生の微動だにしない態度に、ルイス西沢先生も共鳴され、「描きやすかったです」と感謝されたようです。そのときの火花が飛び交った様子がうかがえる出来映えです。左はルイス西沢先生。日系の方ですが、日本語はできません。右は小野先生。上の肖像画と比べてどうですか?トルーカにあるルイス西沢美術館にて。右はルイス西沢先生の一番弟子。壁に掛けてあるのはルイス西沢先生の自画像。右はメキシコでの和紙造形を語る上で欠かせない存在、リリアンさん。和紙造形の発展に尽力していただきました。その後も日墨の和紙造形交流はずっとつづくのですが、それはまた次の機会に。読んでいただいてありがとうございます。ランキングのクリックいつもありがとうございます。最初は「美術館・ギャラリー」のカテゴリーからはじめたのですが、おかげさまで、1ヶ月たらずで1位にまでさせていただきました。そしてより多くの人に和紙造形を知ってもらうには、順位が下がっても別のカテゴリーに移動するのがいいのではと思いますので、今回は同じ芸術の中の「デザイン・アート」に移動いたしました。和紙造形に一番フィットするカテゴリーだと思います。ただ、せっかく上げていただいた順位ですが、また下がることになります。長い目でみればこちらのほうが結果としてより多くの人に見てもらえると思っています。なにとぞご理解のほどよろしくお願いいたします。よろしければ、下記バナーをクリックしてください。1日1回クリックしていただけると、たいへんうれしいです。お手数ですが、なにとぞよろしくお願いします。参考までに、このバナーをクリックすると、ブログランキングのページが表示されるだけです。なにかを記入したりする必要などはまったくありません。ブログランキングのページが表示されたら、他のページをのぞいてもいいですし、終了するのも自由です。●yunさんの運営する「和紙造形のコミュニティ」がMixiにあります。Mixi会員の方は、ぜひのぞいてみてください。http://mixi.jp/view_community.pl?id=2305021
2008年09月30日
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紙布織り。しふおりと読みます。紙の布というと紙衣(かみこ)をイメージする方がいるかもしれませんね。簡単にいうと紙衣は布と同じように、和紙を型紙どおりに裁断して仕立てたものですが、紙布織りはそうではありません。まず和紙を細く切って、それで糸を撚るのです。それを緯糸にして織り込んだものです。ちなみに縦糸も和紙の糸を使ったものは諸紙布(もろじふ)といいます。和紙で出来てるとはいえ、それは布ですから当然洗濯もできるのです。楮という木の繊維からできた和紙に撚りをかけて作った糸も、綿を紡いだ糸も、どちらも同じ植物です。それを考えると紙布織りも木綿も同じ布であることには違いないのです。この綿を紡いで、木綿の布となる。楮の木の繊維を漉いて和紙ができる。その和紙を撚った糸で布が織られる。愛用している帽子と財布。どちらも紙布織りです。こちらは紙衣の帽子です。この帽子と財布に使った紙布織りの制作者の作品を見ることができます。これも今開催中の「WASHI ART 2008」に出品されています。くわしくは下記参照。すみません、じつは今日までなのですが、お近くの方はご覧ください。もしくは、10月18(土)~19(日)せたがや未来博「日本和紙造形研究所」のブースにおいても展示いたします。ぜひ実物を見比べてください。このイベントについてはこちらの記事を。きょうは取り急ぎこのへんで。紙布織りについては、再度もっとくわしく話します。和紙の帽子についてもまた別の機会にお話ししたいことがあります。読んでいただいてありがとうございます。ランキングのクリックいつもありがとうございます。最初は「美術館・ギャラリー」のカテゴリーからはじめたのですが、おかげさまで、1ヶ月たらずで1位にまでさせていただきました。そしてより多くの人目につくようにとの考えで「全般」というカテゴリーに10日ほど前に移動いたしました。そのことで順位が下がったのですが、最近ようやく上向いてきました。ありがとうございます。ただ、せっかく上げていただいたのですが、またカテゴリーを移動しようと思っています。和紙造形に一番フィットするカテゴリーは「デザイン・アート」だと思いますので、来週から移動する考えです。また順位が下がることになります。おそらく10位にも入らないと思いますが、長い目でみればこちらのほうが結果としてより多くの人に見てもらえると思っています。なにとぞご理解のほどお願いいたします。よろしければ、下記バナーをクリックしてください。1日1回クリックしていただけると、たいへんうれしいです。お手数ですが、なにとぞよろしくお願いします。参考までに、このバナーをクリックすると、ブログランキングのページが表示されるだけです。なにかを記入したりする必要などはまったくありません。ブログランキングのページが表示されたら、他のページをのぞいてもいいですし、終了するのも自由です。●和紙造形の展覧会が開催中です。「WASHI ART 2008」と「第2回 18期 和紙造形展」奇しくも同時開催。詳しくはこちらを。2008年9月23(火)~28(日) 世田谷美術館にて10:00~18:00 (初日14:00より、最終日16:00まで )●「和紙造形のコミュニティ」がMixiにあります。Mixi会員の方だけになりますが、ぜひのぞいてみてください。http://mixi.jp/view_community.pl?id=2305021
2008年09月28日
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「芸術は破壊と創造のくりかえしだ!」「頭を使うな、手で考えろ!」「いまなんの時間?」和紙造形大学学長であり、和紙造形の創始者であった小野貞司先生の言葉です。他にもたくさん心に残る言葉を発しておられましたが、これらは小野語録の、ほんの一部です。いまから22年前に世田谷区に和紙造形の種がまかれたのですが、これまでに和紙造形大学には1500名ほどの在籍者があり、メキシコ・ドイツ・ノルウェー・韓国・台湾などからも受講生がきています。また本科の卒業生は現在約250名ほどで、ほとんどの期が卒業後にはグループ展を開き、古い期の方たちでさえいまだに継続して作品展を開いています。和紙造形大学の設立当時は「和紙の世界は後継者がいないとか、紙の需要が少なくなった」などの話がよく聞かれていました。そういった状況にあって、和紙造形大学が設立されたわけです。そこには「作品を作る方向にカリキュラム化することで、和紙文化を広く継承していける」という小野先生の考えがあったのです。そして名前も、大学を名乗ったわけですから、そうとうな意気込みだったと思います。大学に恥じない結果をださなければとのプレッシャーもあったはずです。いきおい講義にも力が入り、それは鬼気迫る迫力がありました。そうしてはじまった和紙造形大学ですが、徐々に成果も上がり、現在、当初の考えのとおりになっています。木と紙の家で暮らしてきた日本人にとって、和紙はなくてはならない、生活に深くかかわってきたものです。いっぽう和紙造形はそれまでとは異なり、趣味(アート)としてかかわるという新しい道を和紙の世界に築いたのです。別の言葉でいうと紙漉きは職業人としてかかわることになるのですが、紙漉きで絵を描く和紙造形は一般の人が楽しめるものであるのです。和紙造形は日々の生活になくてもいいものですが、いったんかかわると、「創造のよろこびを味わえ、生活が豊かになる」のです。このようにして、和紙造形は21世紀にはいってもさらに新しい道を切り開いています。「和紙は生活にかかわり、和紙造形は心にかかわる」。この話もまだまだつづきますが今日はこのへんで…。前回の記事にも少し書きましたが、小野貞司学長は今年3月の「世田谷和紙造形展」の会期中に84歳で亡くなられました。今、開催中の「WASHI ART 2008」に壁面を提供していただき、故小野貞司学長の遺作、20点近くが展示されています。エリアの方はぜひご覧ください。28(日)の4時までです。同時に「第2回 18期 和紙造形展」も開催されています。詳しくはこちらを。2008年9月23(火)~28(日) 世田谷美術館にて10:00~18:00 (最終日は4時まで )読んでいただいてありがとうございます。ランキングのクリックいつもありがとうございます。最初は「美術館・ギャラリー」のカテゴリーからはじめたのですが、おかげさまで、1ヶ月たらずで1位にまでさせていただきました。そしてより多くの人目につくようにとの考えで「全般」というカテゴリーに10日ほど前に移動いたしました。そのことで順位が下がったのですが、最近ようやく上向いてきました。ありがとうございます。ただ、せっかく上げていただいたのですが、またカテゴリーを移動しようと思っています。和紙造形に一番フィットするカテゴリーは「デザイン・アート」だと思いますので、来週から移動する考えです。また順位が下がることになります。おそらく10位にも入らないと思いますが、長い目でみればこちらのほうが結果としてより多くの人目につくと思っています。なにとぞご理解のほどお願いいたします。よろしければ、下記バナーをクリックしてください。1日1回クリックしていただけると、たいへんうれしいです。お手数ですが、なにとぞよろしくお願いします。参考までに、このバナーをクリックすると、ブログランキングのページが表示されるだけです。なにかを記入したりする必要などはまったくありません。ブログランキングのページが表示されたら、他のページをのぞいてもいいですし、終了するのも自由です。●「和紙造形のコミュニティ」がMixiにあります。Mixi会員の方だけになりますが、ぜひのぞいてみてください。http://mixi.jp/view_community.pl?id=2305021
2008年09月25日
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世田谷美術館に行ってきました。「WASHI ART 2008」と「第2回 18期 和紙造形展」が28日まで開催中です。偶然同じ日程になったようですが、見る方にとっては1日で両方が楽しめるので、都合いいです。「WASHI ART 2008」は和紙造形会の会員による作品展です。今回は11名の出品ですが、平面、立体、紙布織りなどさまざまな作品が展示されています。みなさんそれぞれのテーマを持って作品を制作をし、すでに自分の世界を確立した人たちですが、その中でも新しい技法に挑戦したり、さらに構図に工夫があったりして、なにかを発見できます。安定にとどまらず、つねに明日を見つめようとするクリエイティブなスピリットを感じます。そして今回は特筆すべきことは、故小野貞司学長の遺作も展示してあるということです。今年3月、「世田谷和紙造形展」の会期中に84歳で亡くなられたのです。小野貞司学長の話しはあらためてこのブログでも取り上げるつもりです。この和紙造形を草創され、その発展に尽力されてこられた方です。先日、作品の整理にうかがったのですが、約100点ほどの作品が残されています。今回はそのうちの20点近くが展示してあります。「第2回 18期 和紙造形展」は18期生のビエンナーレ(2年に一度)展です。この期は若い方から年配の方まで幅が広いのですが、家庭との両立や仕事との両立をさせながら、作品制作の時間を捻出してがんばっているようです。和紙造形を平面の中で極めようとする人や、額からとびだして新しいメディアに消化しようとする人、和紙のもつ白い世界に魅了されモノトーンを洗練させていこうとする人など、さまざまな感性に出会える、ひじょうに興味深い作品展になっています。写真は「第2回 18期 和紙造形展」和紙の好きな方はもちろん、新しい技法を探している方、そして毎回見ている人も、はじめての方も楽しめる作品展です。今週の28日まで世田谷美術館で開催されていますので、エリアの方はぜひ、この機会にお見逃しなく。●「WASHI ART 2008」と「第2回 18期 和紙造形展」詳しくはこちらを。2008年9月23(火)~28(日) 世田谷美術館にて10:00~18:00 (初日14:00より、最終日16:00まで )読んでいただいてありがとうございます。ブログランキングに登録しました。よろしければ、下記バナーをクリックしてください。1日1回クリックしていただけると、たいへんうれしいです。お手数ですが、なにとぞよろしくお願いします。参考までにこのバナーをクリックすると、ブログランキングのページが表示されるだけです。なにかを記入したりする必要などはまったくありません。ブログランキングのページが表示されたら、他のページをのぞいてもいいですし、終了するのも自由です。今週末あたりから、ランキングのカテゴリーを「デザイン・アート」に移動しようかと思っています。また、順位がさがることになりますが、なにとぞよろしくお願いします。「アート」のカテゴリーが和紙造形には一番フィットしそうな気がします。●「和紙造形のコミュニティ」がMixiにあります。Mixi会員の方だけになりますが、ぜひのぞいてみてください。http://mixi.jp/view_community.pl?id=2305021
2008年09月24日
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これまでの記事では「和紙造形とはどういうものか」についていろんな角度から話をしてきたわけですが、今日はその和紙造形を教えている「和紙造形大学」についての話しです。正確には世田谷和紙造形大学といい、世田谷川場ふるさと公社が運営しています。場所は群馬県川場村にあります。関越道の沼田インターから30分ほど山に入っていったところです。私がここで講義をしています。写真は和紙造形大学の工房。ここに1年間通って、和紙造形を学ぶのです。1単元は2泊3日、1年間で8単元の講義があります。ちなみに現在は22期生が通っています。この和紙造形大学には「和紙造形の草創」というカリキュラムがあります。このカリキュラムにそって、和紙造形の基礎・基本を1年間かけてじっくり学んでいきます。実際の講義内容を簡単に説明しますと、和紙造形の基礎・基本染色の仕方型の使い方グラデーションの流し方テクスチャーについて下絵の書き方作品を仕上げることの問題点裏打ち額装といったように基礎から作品に仕上げるまで、そして裏打ち実習、額装と、和紙造形の一連の流れを身につけることができます。受講生は20代から70代の方まで、日々の生活をより豊かにするために学ぶ人もいれば、新しいテクニックを身につけたいという人もいて、多種多様です。ここでは和紙造形の作り方は教えても、手本はないのです。何を作るかは本人しだい。受講生しだいでどのようにも発展させることができるのは、このカリキュラムがあってこそ。和紙造形の基礎がしっかり身につくので、その後の応用はいかようにもなります。どこにもない和紙造形のカリキュラムをもっているということが、この和紙造形大学の強みでもあります。もうひとつ和紙造形大学を語る上で欠かせないことは、「世田谷和紙造形展」という公募展の存在です。毎年3月に世田谷美術館で開催しているのですが、毎回6~70点ほどの応募作品が展示されます。当然、卒業生もこれに向けて制作するわけですが、年々、作品が大型化しているので(この話しについてはこちらを)、家庭で制作するよりも川場に行って制作しようという人がふえてきています。講義に使っていない日の工房は、卒業生が自分の作品制作に利用できるシステムになっているのです。また、「世田谷和紙造形展」とは別に、卒業生も自主的に作品展を頻繁に開催しているのです。その卒業生の作品展があさって23日より、世田谷美術館で開催されます。下記参照。ぜひ、ご覧ください。今日はこのへんで…。この大学のことや立地する川場村のことについては、まだまだたくさん話したいことがありますので、つぎの機会にいたします。読んでいただいてありがとうございます。ブログランキングに登録しました。よろしければ、下記バナーをクリックしてください。1日1回クリックしていただけると、たいへんうれしいです。お手数ですが、なにとぞよろしくお願いします。参考までにこのバナーをクリックすると、ブログランキングのページが表示されるだけです。なにかを記入したりする必要などはまったくありません。ブログランキングのページが表示されたら、他のページをのぞいてもいいですし、終了するのも自由です。●和紙造形の展覧会が開催されます。「WASHI ART 2008」と「第2回 18期 和紙造形展」奇しくも同時開催。詳しくはこちらを。2008年9月23(火)~28(日) 世田谷美術館にて10:00~18:00 (初日14:00より、最終日16:00まで )●「和紙造形のコミュニティ」がMixiにあります。Mixi会員の方だけになりますが、ぜひのぞいてみてください。http://mixi.jp/view_community.pl?id=2305021
2008年09月21日
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和紙造形とは紙漉きの技法を応用して色と形を漉き込んだものですが、まだまだ新しいアートですので、ピンとくる人は少ないですね。口で説明してもなかなか理解しがたいようです。「漉き込むって、どういうこと?」「染色した素材を型の中に流し込むんだけどね」「紙漉きなの?」「ゴムなんかで形をくりぬいて、紙漉きをするようなものかな」「紙ができるの?」「だからあ、絵なんだって、絵!」「……???」和紙造形をやっている人は、少なからずこのようなもどかしい経験をしていることと思います。そもそも和紙造形の紙漉き方法は下の写真のように簀(す)の上に素材を流し込むというやり方なのです。この方法ですと、大掛かりな道具がなくても、自宅で和紙が漉けるのです。このやり方がイメージできると、「漉き込む」ということが、どういうことか理解しやすくなると思います。「漉き込む」というのは↓この写真のようにゴムで型を作って、そこに素材を流し込むことを言っています。↓ゴムのかわりにヒモを使ったりもします。和紙造形について、くわしくはこちらかこちらかこちらも、あとこれも、ご覧ください。説明するより、見せるより、実際にやってもらうのがいちばんわかりやすいですよね。その機会ができました! 和紙造形を無料で体験できます!「和紙造形とはこういうことかと、実感できると思います。今回はヒモを使って体験していただく予定です。なにか漉き込みたいものがあれば持参していただいてもけっこうです。この記事が参考になるかもしれません。世田谷になりますが、下記のとおりに行います。可能な方はぜひ、ご参加ください。せたがや未来博「日本和紙造形研究所」のブースにて日時 10月18(土)10:00~16:00 10月19(日)10:00~16:00場所/世田谷区役所・世田谷区民会館にて 東京都世田谷区世田谷4-21-27 東急田園都市線三軒茶屋駅か、京王線下高井戸または小田急線豪徳寺から 世田谷線に乗り換えて松陰神社前駅下車徒歩約5分 駐車場はありません※「日本和紙造形研究所」のブースは世田谷区民会館内になります。せたがや未来博ではいろんなイベントが開催され、飲食のブースなどもありますので、一日楽しめると思います。そこに「日本和紙造形研究所」のブースを提供していただきました。無料にて和紙造形を体験できますので、ぜひご参加ください。所用時間は30分くらいです。また、このイベント(和紙造形)のボランティア・スタッフも募集しています。経験者になりますが、可能でしたらお願いします。メール kntk.rose●orange.zero.jp(●を@にかえてください)追記/9/15日の記事のちりりさんのコメントがヒントになったのですが、このイベントの会期中に「和紙造形物々交換」を行いますので、不必要になった色楮やその他道具などありましたら、ご持参ください。たとえば、失敗した作品、そのままでもいいですし、またはそれを水に戻してできた色楮(またはパルプ)など、そして制作終了後に船に残った繊維など、他の人にとっては好きな色だったりするかもしれません。「捨てる紙あれば、拾う紙あり!」私も使わなくなった道具など会場に持っていってみます。そして、「せたがや未来博」は来月ですが、来週にはいよいよ和紙造形の作品展が世田谷美術館で開催されます。こちらもぜひご覧ください。原画を見るチャンスです。(下記参照)読んでいただいてありがとうございます。ブログランキングに登録しました。よろしければ、下記バナーをクリックしてください。1日1回クリックしていただけると、たいへんうれしいです。お手数ですが、なにとぞよろしくお願いします。参考までにこのバナーをクリックすると、ブログランキングのページが表示されるだけです。なにかを記入したりする必要などはまったくありません。ブログランキングのページが表示されたら、他のページをのぞいてもいいですし、終了するのも自由です。●和紙造形の展覧会が開催されます。「WASHI ART 2008」と「第2回 18期 和紙造形展」奇しくも同時開催。詳しくはこちらを。2008年9月23(火)~28(日) 世田谷美術館にて10:00~18:00 (初日14:00より、最終日16:00まで )●「和紙造形のコミュニティ」がMixiにあります。Mixi会員の方だけになりますが、ぜひのぞいてみてください。http://mixi.jp/view_community.pl?id=2305021
2008年09月19日
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私がブログ初心者なのです。初心者が書くわけですから、むつかしい話しではないです。むつかしくなりようがないですね。最初におことわりしますが、詳しい方にとっては今日の記事はほんとに退屈だと思います。すみません。では、はじめます。まず最初にこういう↓ページ(これは昨日の記事です)が表示されますよね。Aの「全13件」というのがあります。これはこれまでに13件の記事があるということです。これは今は気にしなくていいです。スルーしてください。記事をずっと読んでいって、読み終わると、その下にはその前に書いた記事が続きます。それを読んでいくと、またその下に前回の記事が続きます。そうやって一番下までいくと↓このようになります。ここまでくるとこれ以上前の記事は読むことができませんね。これよりもっと前の記事を読む場合は、Aの「一覧」をクリックしてください。そうするとこれまでのすべての記事のリストが表示されます。そこから他のページを読むことができます。ちなみに一番上の画像の、A「全13件」をクリックしても同じページが表示されます。つぎに、Bの「コメント(6)」というのは6件のコメントがあるということです。そこをクリックすると、コメントを読むことができます。そして、いろいろ読んでいるうちに、どこにいるかわからなくなったら、Cの「home」をクリックしてください。最初に表示されたページに戻ります。また、一番上の画像に戻って、E「お気に入りブログ」というのがあります。これは私がよく訪問している、お気に入りのブログなのです。クリックすると、そのページが表示されます。ランキングに登録している方でしたら、応援クリックしてあげてください。最後にお願いなのですが、もし興味のありそうな方がいらっしゃいましたら、このブログをぜひ紹介していただけるとうれしく存じます。パソコンの方に紹介する場合のアドレスはhttp://plaza.rakuten.co.jp/washizo/ケータイの方に紹介する場合のアドレスはhttp://plz.rakuten.co.jp/washizo/びみょうにアドレスが違うのです。ケータイの方に紹介する場合、もうひとつの方法があります。一番上の画像↑の、D「ケータイで見る」、ここをクリックしてみてください。↓このようなページが表示されます。「あなたのメールアドレス」の入力欄に、紹介したい人のアドレスを入力し、「送信する」をクリックすると、その人の携帯にこのブログのアドレスが自動的に送信されます。そのアドレスにはリンクがはってありますので、アドレスをクリックするだけでこのページが表示されます。いちいちアドレスを入力しなくていいので、便利です。ただし、これはくれぐれも本人確認をとってからにしてください。注意点としては、「楽天モバイルニュースに申し込む(無料)」のチェックははずしてください。楽天からのニュースが自動で配信されるようになりますから。もちろん、その入力欄に自分の携帯のアドレスを入力すると、自分の携帯でもこのブログを見ることができます。その場合もぜひ、応援クリックを…。ただし私のブログは写真が多いので、ケータイでは読みにくいかもしれません。いかがでしたか? まだ、よくわからないですか?それでも大丈夫。このまま読み続けていれば、そのうち、「あっ、このことを言っていたのかな」と気づくかもしれません。そのときにこのページを読み返してみてください。このページのタイトルは「初心者が書く、初心者のためのブログの楽しみ方」です。今日書いたことは、じつは自分自身よく理解していなかったことなのです。このブログをはじめてからちょっとづつ理解してきました。ほんとにこのネットの世界はわからないことが多いですよね。ここクリックしても大丈夫なのかなとか、ドキドキしませんでしたか。コメントに書き込むのも勇気がいりますよね。最初はコメントを書いてもアップするまでに、ほんの数行なのに、なんども、なんども読み返したりし、送信ボタンを押すまでにも、けっこうな時間がかかりました。慣れればどうってことはなかったですけどね。コメントは無理して書くことはないですよ。でも、コメントがあればぜひ読んでみてください。今日も読んでいただいてありがとうございます。ブログランキングに登録しました。よろしければ、下記バナーをクリックしてください。1日1回クリックしていただけると、たいへんうれしいです。お手数ですが、なにとぞよろしくお願いします。参考までにこのバナーをクリックすると、ブログランキングのページが表示されるだけです。なにかを記入したりする必要などはまったくありません。ブログランキングのページが表示されたら、他のページをのぞいてもいいですし、終了するのも自由です。●和紙造形の展覧会が開催されます。「WASHI ART 2008」と「第2回 18期 和紙造形展」奇しくも同時開催。詳しくはこちらを。2008年9月23(火)~28(日) 世田谷美術館にて10:00~18:00 (初日14:00より、最終日16:00まで )●「和紙造形のコミュニティ」がMixiにあります。Mixi会員の方だけになりますが、ぜひのぞいてみてください。http://mixi.jp/view_community.pl?id=2305021
2008年09月17日
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このブログは和紙造形をより多くの人に知ってもらいたいと思い、はじめました。そのためにはブログランキングに登録して順位があがれば人目にもつきやすくなると思い、登録もいたしました。もうじき1ヶ月になりますが、みなさまのおかげで、ランキングも1位か2位にまであがりました。応援クリック、本当にありがとうございました。更新のない日にもクリックしていただいているようで、本当にありがとうございます。登録したカテゴリーは「芸術・人文」のくくりにある「美術館・ギャラリー」になりますが、より多くの人に知ってもらうには、他のカテゴリーにも移動してもいいのかなと思っています。いろいろ見てまわったのですが、同じく「芸術・人文」のくくりにある「全般」というカテゴリーがいいような気がしています。せっかくあげていただいた順位が下がってしまうことになりますが、目的を考えれば、この方がより多くの人目につくのではと思ったのです。このことをご理解いただき、今後ともなにとぞよろしくお願いいたします。私にできるのは、できるだけいい記事を書くことしかできません。応援クリックがなによりのはげみです。ありがとうございます。ブログランキングに登録しました。よろしければ、下記バナーをクリックしてください。1日1回クリックしていただけると、たいへんうれしいです。お手数ですが、なにとぞよろしくお願いします。参考までにこのバナーをクリックすると、ブログランキングのページが表示されるだけです。なにかを記入したりする必要などはまったくありません。ブログランキングのページが表示されたら、他のページをのぞいてもいいですし、終了するのも自由です。●和紙造形の展覧会が開催されます。「WASHI ART 2008」と「第2回 18期 和紙造形展」奇しくも同時開催。詳しくはこちらを。2008年9月23(火)~28(日) 世田谷美術館にて10:00~18:00 (初日14:00より、最終日16:00まで )●「和紙造形のコミュニティ」がMixiにあります。Mixi会員の方だけになりますが、ぜひのぞいてみてください。http://mixi.jp/view_community.pl?id=2305021
2008年09月16日
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紙漉きのことはテレビで見たり、体験したりして、知っている人はけっこういるかもしれませんが、和紙の原料がどのようにできるかご存知でしょうか?そもそも紙は木からできているのです。いまさらな話しですが、たまに知らない人もいるのです。特に子どもは「石油か何かから工場でできるもの」と思っている子がいます。工場でできるということは、間違いではないですが…。これは自宅でもできるのです。楮の木から↓和紙が自宅でできるのです。和紙に使う木はおもに、楮(こうぞ)・三椏(みつまた)・雁皮(がんぴ)といったものです。一般的には楮が一番多く使われています。他よりも繊維が長いので丈夫な紙になります。楮から和紙ができるまでには2段階あります。最初は、楮から原料(繊維)になるまで。2段階目は原料(繊維)を使っての紙漉き。今日は、1段階目の、楮から原料(繊維)になるまでを見てみましょう。簡単にいうと、木の皮を煮て柔らかくし、叩いて原料の繊維にするわけです。1 楮の木を切る。時期はおもに11月から2月の間といわれています。雪が積もる前に刈り取り、蒸し器に入る大きさに揃えます。2 蒸す。これは皮を剥きやすくするためです。3 皮を剥く。芯の部分は使いません。皮の方を使います。4 黒皮を煮る。苛性ソーダを原料の約20%加えて煮ることで、繊維を接着している物質を溶かしてくれます。↓写真は煮て柔らかくなった楮の皮。5 表皮、甘皮などを包丁の裏やスプーンなどで削り取る。6 水洗い。この時に木の皮やゴミを丹念に取り除く。この後、天日に晒したり、雪に晒したりして漂白しますが、ここでは未晒しのまま使います。7 叩解。小槌などで叩いて繊維を短くします。この作業によって繊維を長くしたり短くしたりすることができます。こうしてできたものを原料として紙漉きをするわけです。この方法で楮だけではなく、身近な樹木から紙を漉くこともできます。ただし、あまり繊維の短いものは破れやすくなりますので、その場合、楮の繊維をまぜてあげるといいでしょう。和紙造形では、通常できあがった繊維を使って作品制作にとりかかりますが、体験として、こういった原料作りをすることが作品制作の役に立つこともあります。この↓写真のように叩解前の繊維もありますので、これを手にいれて自分で叩くことで、繊維を自分好みの長さに調節することができます。以前の記事にあるように筆を持ちかえることが容易になるのです。さて、ここまでが原料(繊維)の作り方です。そして次の2段階目ではこの原料(繊維)使って紙漉きをしますが、それに関しては、以前記事にしていますので、こちらをご覧ください。これは和紙造形の紙漉き方法です。自宅で和紙を作ることができます。読んでいただいてありがとうございます。ブログランキングに登録しました。よろしければ、下記バナーをクリックしてください。1日1回クリックしていただけると、たいへんうれしいです。お手数ですが、なにとぞよろしくお願いします。参考までにこのバナーをクリックすると、ブログランキングのページが表示されるだけです。なにかを記入したりする必要などはまったくありません。ブログランキングのページが表示されたら、他のページをのぞいてもいいですし、終了するのも自由です。●和紙造形の展覧会が開催されます。「WASHI ART 2008」と「第2回 18期 和紙造形展」奇しくも同時開催。詳しくはこちらを。2008年9月23(火)~28(日) 世田谷美術館にて10:00~18:00 (初日14:00より、最終日16:00まで )●「和紙造形のコミュニティ」がMixiにあります。Mixi会員の方だけになりますが、ぜひのぞいてみてください。http://mixi.jp/view_community.pl?id=2305021
2008年09月16日
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日本は木と紙の文化です。もともと木と紙の家に住んでいたわけですから…。世の中から紙がなくなったら、どういう生活になるのでしょう?そもそも生活できますか?いま、身の回りを見渡してみても紙だらけです。本や雑誌、書類、メモ用紙、はがき、コピー用紙、ティッシュ、トイレットペーパー、段ボール箱、買い物袋、包装紙、障子紙、ふすま、壁紙、……。新聞もあるでしょうが、購読していないのです。みなさんの身の回りには、これ以外なにかありますか?これらの紙はすべて木から作られているのです。和紙の場合、原木から製品になる率はわずか4%(和紙の手帖より)だそうです。洋紙の場合はもっとずっと歩留まりはいいのですが、それにしても大量の樹木を必要とします。デジタルの普及によりペーパーレス化がすすんでいますが、まだまだ大量に洋紙は消費されているようです。できるだけ無駄に紙を消費しないように気をつけたいものです。いっぽう、和紙の場合はまた異なる状況があります。最近は和紙の需要が減少すると同時に、他国から安い楮(こうぞ/和紙の原料)が入ってきていますので、生産農家が少なくなっているということです。和紙の原木のひとつである楮の木は1年生なので、原木から和紙の原料(繊維)にする作業は年に一度、11月から2月の間に行います。和紙の場合、このサイクルにそって消費していれば、無理なく持続できるわけです。洋紙は需要が多すぎる、和紙は需要が少ない。「だったら洋紙を和紙にかえればいいんじゃない」と思うでしょうが、あまりにも洋紙の需要が多すぎるので、たとえ機械漉きであったとしても対応できないのではないでしょうか。そのくらい肥大化する世の中に自然がついていけなくなっているのでしょう。(障子戸のある家も少なくなりました。あっても、擦りガラスがはめてあったりします。「子どもが障子紙を破くから」ということもあるでしょうが、紙は破けるものというのを理解し、紙の接し方を憶え、ものを大事にするということをしつけることも必要ですね)話しはかわりますが、最近天然酵母の小さなパン屋をよくみかけるようになりました。もしこの小さなパン屋が繁盛したら、店主は支店を出そうという気持ちがわいてきますよね。そこでも繁盛したら、もう1軒。そのようにだんだん大きくなるにつれて、今度は「よし、工場を作ろう」。そして天然酵母では安定供給できないから、「イーストを使うか」ということにもなるでしょう。そうすると業者がやってきて、「添加物を使うと、もっと簡単になるし利益も増えますよ」とささやきかけてくるでしょう。ついでに「長持ちさせるなら、保存料も使え」となります。店主が好きではじめた天然酵母のパン屋が大きくなるにつれて不自然なものを使いだす。そうならないようにお願いしたいですね。これは特定のパン屋をイメージしているわけではありません。一般的に、この何十年かの間に、世の中全体がこのような流れになっているような気がします。そしてこのことに気づいて、大きなパン屋でもまた天然酵母のパンを作ろうとしているところもででてきています。うれしいことです。これからは、繁盛したら人を育てて、「のれんわけ」をするのが地球にもやさしい発展の仕方ではないかと考えます。パン屋のことだけではないですが…。昔はものを保存する技術もなければ、物流も発達していないので、「のれんわけ」しかなかったのでしょうが…。アートにかぎらず、衣食住すべてにおいて、ものづくり(生産)する人がふえて、地産地消というか、身土不二のようにその土地のものを食べ、その土地でできるものを着て、その土地にある木と紙の家に住むという社会にならないかと思います。和紙の原料のひとつである楮は挿し木できますので、興味のある方は育ててみてはいかがでしょうか。すみません、和紙の原料の作り方を話すつもりでしたが、前置きが長くなってしまいました。次こそは本題に入ります。読んでいただいてありがとうございます。ブログランキングに登録しました。よろしければ、下記バナーをクリックしてください。1日1回クリックしていただけると、たいへんうれしいです。お手数ですが、なにとぞよろしくお願いします。参考までにこのバナーをクリックすると、ブログランキングのページが表示されるだけです。なにかを記入したりする必要などはまったくありません。ブログランキングのページが表示されたら、他のページをのぞいてもいいですし、終了するのも自由です。●和紙造形の展覧会が開催されます。「WASHI ART 2008」と「第2回 18期 和紙造形展」奇しくも同時開催。詳しくはこちらを。2008年9月23(火)~28(日) 世田谷美術館にて10:00~18:00 (初日14:00より、最終日16:00まで )●「和紙造形のコミュニティ」がMixiにあります。Mixi会員の方だけになりますが、ぜひのぞいてみてください。http://mixi.jp/view_community.pl?id=2305021
2008年09月15日
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北京オリンピックの開会式でも取り上げられたように紙も中国の4大発明のひとつです。蔡倫という人が発明したといわれていましたが、それ以前の時代の紙が出土されたことから、最近では蔡倫は改良した人ということになっています。ところで、紙ができる以前、なにかを記録に残す場合、どのような手段をとっていたのでしょうか?人類が最初に描き記した絵として、壁画がありますね。祭祀などの目的に描かれたということですが、絵は文字の起源でもありますから、まだ文字のない時代には、絵が情報伝達手段として使われてもいたのでしょう。たとえば「夏至から3回目の満月の頃に南の方角に行くと、ぶどうが穫れるぞ!」といったような、先の話しのことは記録しておかないと忘れますよね。洞窟の壁にこのような情報を絵としてメモしておくということもあったかと思います。私だったらそうします。この情報をとなり村に伝えるためには、持ち運びできることも必要になってきますね。そこで、葉っぱの裏に書いたりもしたでしょう。ただし、葉っぱはすぐに枯れてしまいます。1年後に思い出すためには枯れないものが必要です。そこで木や竹を板状にして、そこに墨で書くとずっと保存できます。こうして木簡や竹簡(木や竹の板)が使われるようになりました。板を削ることで、書き直しもできるようになりました。ですが、長い文章の場合はさぞかし重かったでしょうね。その時代にブログなんかがあったら、それこそ大変ですね。荷車に何万枚もの木簡を積んで家畜にひかせて、一軒一軒配ってまわる。もらった方もいい迷惑ですね。重い木簡の束をがちゃがちゃいわせて一枚一枚読んでいくわけですから…。本棚もすぐいっぱいになりますし…。まあ、薪には使えそうですね。冗談はさておき、そこで紙の登場となるわけです。紙の発明によって情報の伝わるスピードが、より早くなり、より広範囲になりました。その後、このベクトルでの進化としては情報を印刷することで、より早く、より広くなり、次に、ラジオ・テレビの発明でさらに進み、そして現在のインターネットに至って、飛躍的な進化をとげています。今後も社会はデジタルの方向へと突き進んでいくのでしょうが、これによってペーパーレスになりつつあるのも事実です。完全になくなることはないでしょうが、すくなくとも木材を大量消費することの歯止めになるのではと思います。また、情報が広まっていくことで、人々が平均化されていくこともあります。同じ服を着て、同じ言葉を使い、同じ考えをもつ。こういった時代にあってこそ、ものづくりをとおして自己表現することがますます必要とされていくのでしょう。人に見られることを意識しない、子どもの作品はほんと見てて楽しいですね。これこそが自己表現の原点です。↓これらは昨年、小田原で行った体験ワークショップのときの作品です。明日はこの続きを書きます。たぶん大丈夫、明日です。紙の原料はどうやって作るのか? 木から紙の原料をつくる方法についての話しです。その原料を使って自宅で紙漉きをする方法については以前、記事にしています。こちら読んでいただいてありがとうございます。ブログランキングに登録しました。よろしければ、下記バナーをクリックしてください。1日1回クリックしていただけると、たいへんうれしいです。お手数ですが、なにとぞよろしくお願いします。参考までにこのバナーをクリックすると、ブログランキングのページが表示されるだけです。なにかを記入したりする必要などはまったくありません。ブログランキングのページが表示されたら、他のページをのぞいてもいいですし、終了するのも自由です。●和紙造形の展覧会が開催されます。「WASHI ART 2008」と「第2回 18期 和紙造形展」奇しくも同時開催。詳しくはこちらを。2008年9月23(火)~28(日) 世田谷美術館にて10:00~18:00 (初日14:00より、最終日16:00まで )●「和紙造形のコミュニティ」がMixiにあります。Mixi会員の方だけになりますが、ぜひのぞいてみてください。http://mixi.jp/view_community.pl?id=2305021
2008年09月14日
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普通の絵画では、「太い線は太い筆、細い線は細い筆」と筆を使い分けますよね。和紙造形は筆で描くものではありませんから、「筆を持ちかえる」とはどういうことになるのでしょう。そのまえに、和紙造形では型の中に素材を流し込むわけですから、「太い線は型を太く、細い線は型を細く」するわけです。そこで型の細くなった箇所に流し込むときに必要なのが、↓このようなディスペンサーです。先が上にいくほど細くなっていっていますが、先っちょの方をカットして細い用にしたり、下の方をカットして太い用にしたりします。こんなに↓細いものを使う人もいれば、さらに細い注射器を使う人もいます。こういったことが「筆を持ちかえる」ことになるかというとそうでもないのです。絵画では「筆を持ちかえる」ことでハケ目がちがってきます。つまりテクスチャーが異なります。和紙造形で「筆を持ちかえる」ということはこのテクスチャーをかえるというになりますから、素材の繊維自体を細いものや太いものにかえるということになるのです。たとえば楮は繊維が長い、パルプは繊維が短い。この使いわけで太いところと細いところのテクスチャーをかえられます。さらに、太くするには…。楮の繊維は冷蔵庫で保管しますが、これを冷凍庫で保管するとどうなるかというと、解凍して使ってもほぐれきれないのです。水のなかでいくら攪拌してもほぐれません。このことを利用すると、冷凍庫で保管した繊維を使うことでもっと太い線を表現することが可能になります。繊維の使いわけこそが「筆を持ちかえる」ということになるのでしょう。読んでいただいてありがとうございます。ブログランキングに登録しました。よろしければ、下記バナーをクリックしてください。お手数ですが、なにとぞよろしくお願いします。●和紙造形の展覧会が開催されます。「WASHI ART 2008」と「第2回 18期 和紙造形展」奇しくも同時開催。詳しくはこちらを。2008年9月23(火)~28(日) 世田谷美術館にて10:00~18:00 (初日14:00より、最終日16:00まで )●「和紙造形のコミュニティ」がMixiにあります。Mixi会員の方だけになりますが、ぜひのぞいてみてください。http://mixi.jp/view_community.pl?id=2305021
2008年09月08日
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和紙造形の制作手順を簡単に説明しますと、1 下絵をかく2 下絵をゴムマットにうつす3 ゴムマットを下絵にそってカット4 ゴムマットを簀の上にならべる5 ゴムマットをひとつづつとって、素材を流し込むといったことになります。↓写真はゴムマットをとって、素材を流し込んでいる。(和紙造形の教材として使っているのもこのゴムマット)このゴムマットを1cm幅に切って、↓立てて使うこともできる。また、ゴムを使わずに↓ヒモを使ったりもする。要するに素材の流れをせき止めて、形を描くわけですね。そのことを理解すれば、道具はいくらでもみつかります。例えば、樹木のようにいびつな線を表現したいときには、トイレットペーパー↓を樹木の輪郭にそっておく。昨日、恵比寿で和紙造形専門コースがあったのですが、その時に使ったのは鉛↓です。他の金属は形を作っても、元に戻ろうとしますが、鉛は形状を記憶するので、非常に使いやすいです。また、ゴムの厚みよりも薄いので、それが利点にもなるのです。たとえば漉き込んだ形を重ねる場合、ゴムなんかだと厚みがあるので、流し終わって、型をとるときに下の形がこわれやすいのです。鉛の板は薄いので、そういったことはありません。8月22日の記事に対するコメントで、「この写真↓で使っている型はなんですか?」という質問があったのですが、すみません、これは私ではないので、憶えていないのです。「ヒモかな?」というご推察でしたが、なにかリング状の金属を利用しているようにも見えますね。もし本人がこのブログを見たら、教えてくれるかもしれません…。質問者の知りたかったのは鉛のことかなと思って、今回、鉛の板に関連したテーマで記事を書いてみたのです。いかがだったでしょうか?和紙造形は歴史がまだ浅いので、完成されたものではないのです。ですので、新しい道具や技法が発見される余地がいくらでもあります。これからなにか始めようとするのであれば、未知のものでしか味わえない、発見や感動を初期の段階から得ることができる「和紙造形」がおすすめです。失敗の数だけ、技法が生まれる。和紙造形は制作するものによって実態が作られていく。最近よく「空気を読め!」とかいいますが、自分で「空気を作る!」のも楽しいことだと思いますよ。読んでいただいてありがとうございます。ブログランキングに登録しました。よろしければ、下記バナーをクリックしてください。お手数ですが、なにとぞよろしくお願いします。●和紙造形の展覧会が開催されます。「WASHI ART 2008」と「第2回 18期 和紙造形展」奇しくも同時開催。詳しくはこちらを。2008年9月23(火)~28(日) 世田谷美術館にて10:00~18:00 (初日14:00より、最終日16:00まで )●「和紙造形のコミュニティ」がMixiにあります。Mixi会員の方だけになりますが、ぜひのぞいてみてください。http://mixi.jp/view_community.pl?id=2305021
2008年09月05日
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9月になりました。はやいです。この夏は親子を対象としたワークショップがいくつかありました。●世田谷区内小学校で「サマースクール『和紙造形体験』」●子どもといっしょに遊び隊「紙漉き講習会」●岡本民家園「和紙造形教室」●三鷹市社会教育会館・親子で体験!「紙漉きで遊ぼう」講座子どもは先入観を持たずに、楽しんでくれるからいいですね。特に色を使うと子どもの目が輝きます。先入観を持たないといえば、シドニーやメキシコでもワークショップをやりましたが、外国の人も「Oh! Magic!」といって、いちいち驚いてくれますから、こちらも調子がでます。子どもと外国人はこちらも楽しくなります。下↓は「親子で体験!『紙漉きで遊ぼう』」講座の写真です。↑興味しんしんのようす。 右は素材作り。ボールには水と楮とねりが入っています。好きな形を漉き込むには型を作ってそこに色の素材を流し込むわけですが、今回は型ではなくヒモを使用。右の写真は本来型に使うためのヒモですが、短く切って、それ自体を漉き込もうとしています。出来上がり写真です。じつはこれは漉き終わったばかりの写真ですので、かなり水をふくんでいます。乾くと、色は少し浅くなってきます。広い面積を絵筆で塗っていこうとすると、かなり時間がかかりますが、和紙造形では色の素材を流し込むだけですから、その点では早いです。これらの作品は紙に描いたものではありませんから、これ自体が紙なのです。絵を漉き込んだ紙とでもいいましょうか。失敗したと思ったら、水につければまた素材として使えるわけですね。リサイクルできる画材なのです。これも「和紙造形」の特徴。子ども対象の講座はこちらも得るものが多いので、これからも積極的にワークショップを開いていきたいと思っています。企画されてる方がいらっしゃいましたら、声をかけてください。kntk.rose●orange.zero.jp(お手数ですが●を@にかえてください)予算におうじて対応できます。道具はすべてそろっています。場所は会議室のようなところでもできます。水はトイレからくんでくればいいですし…。ついでで恐縮ですが、日にちがあえばスタッフとして手伝ってもいいという方もぜひお願いします。ただしこちらは経験者になりますが…。今日はお願いになってしまいました。味覚が作られる子どもの頃にハンバーガーの味をしめさせようというのがマクドナルドのねらいのようですが、「和紙造形」も感性が磨かれる子どもにこそ、ぜひ体験してほしいものです。●お知らせです。上記のワークショップを手伝っていただいたカリスマゆんさんが管理する「和紙造形のコミュニティ」がMixiにあります。Mixi会員の方だけになりますが、ぜひのぞいてみてください。http://mixi.jp/view_community.pl?id=2305021●もうひとつこの記事の一番下に「コメント(0) | トラックバック(0) | コメントを書く」というのがあります。コメント(0)のところに数字が入っていれば、その数だけ書き込みがされているということです。コメントをクリックすると読むことができます。また、そこから書き込むこともできます。トラックバックにも数字があればクリックしてみてください。よろしくお願いします。読んでいただいてありがとうございます。ブログランキングに登録しました。よろしければ、下記バナーをクリックしてください。お手数ですが、なにとぞよろしくお願いします。和紙造形の展覧会が開催されます。「WASHI ART 2008」と「第2回 18期 和紙造形展」奇しくも同時開催。詳しくはこちらを。2008年9月23(火)~28(日) 世田谷美術館にて10:00~18:00 (初日14:00より、最終日16:00まで )
2008年09月01日
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落水紙(らくすいし)というのがあります。まだ湿った状態で、上から水を落として、水滴の模様をつけたものです。この水のかわりに雨を漉き込んでみました。漉いた直後に外にだして、雨にさらすのです。↓強い雨だとすぐこのように、こまかい模様になります。乾燥しても、ちゃんと雨の痕跡は残ります。フットプリントならぬ、レインプリント。2008年8月28日午後3時のレインプリント。拡大写真を見ればわかるように、表面が月のクレーターのように凹凸があります。これは簀のまま天日干ししたからです。板干しにすると表面は平らになります。(板干しについてはこちら)以前、和紙造形のワークショップを屋外でやったときに、急に雨がふってきたのです。そのときに、この雨の落水紙をためしたのですが、雨が弱かったようで、うまくいかなかったのですが、屋根から落ちる雨のしずくで面白いものができました。この落水紙の技法を和紙造形に応用すると、↓このようなアート作品が生まれます。光にかざすと、また違ってみえます。拡大写真(楮の繊維の動きがよくわかります。これが和紙造形のマチエール。筆でかいたものとは違います)色のついた素材を何層にも流して、高いところから水を落とすと、水が表面の色をおしのけて下の色をみせてくれます。真ん中の場合ですと、まず白の素材を流し、次にピンク色の素材を流し、最後に黒の素材を流すのです。(和紙造形でいう素材とはこちらを)そのように下から白、ピンク、黒のレイヤーにした状態で、上から水を落とすとこのようになります。これらの作品は雨を利用したものではなく、人工の水を落としたものです。例えばホースの先をつぶして勢いよくかけたり、霧吹きの先を細くして(水鉄砲のように)かけたりします。このように、筆のかわりに水をつかって色と形を表現するのも和紙造形の特徴です。色と形を下絵どおりに表現するには、また別の技法を使います。型を使うのです。それについては別の機会に詳しく話します。今日のことに関連した技法についても、まだまだ話したいことがたくさんあるのですが、また、次の機会に、今日はこのくらいで。読んでいただいてありがとうございます。ブログランキングに登録しました。よろしければ、下記バナーをクリックしてください。お手数ですが、なにとぞよろしくお願いします。和紙造形の展覧会が開催されます。「WASHI ART 2008」と「第2回 18期 和紙造形展」奇しくも同時開催。詳しくはこちらを。2008年9月23(火)~28(日) 世田谷美術館にて10:00~18:00 (初日14:00より、最終日16:00まで )
2008年08月30日
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ものをクリエイトする人にとって発表するのも大事な仕事。そうしないと、次の駒へすすめない気がします。発表することで、客観的意見も聞けますし、それが次へのエネルギー変換になっていきます。とはいえ、いざ発表しようと思っても、銀座のギャラリーは早くても1年後、いい時期だと2年またなければなりません。予算的にもそれなりにかかります。そこで今回は公共のスペースを借りる話題です。特に世田谷美術館について…、知っていることを書きます。こういった場で定期的に発表するのは自分のためにもなります。なにしろ実力がついてきますので…。世田谷美術館には企画展や常設展示するスペースとは別に一般の人が使える区民ギャラリーというのがあります。ここの利用は、個人は世田谷区民対象ですが、2名以上の団体は都民であれば借りられます。いずれにしても抽選になります。AとBの2部屋あって、どちらも約160平方メートルくらい。一般的にはA、Bいずれかの1/2室での利用が多いようです。たまに個展や出品点数が少ない場合などに1/4室利用も見かけますが…。ここはなんといっても天井が一般のギャラリーより高いので、心地よいです。高さは3.5m。1/2室の場合、10号の作品で、そうですね、約30点くらいは必要ですね。最寄り駅は田園都市線の用賀駅。そこから歩いて約17分の距離で、砧公園という大きな公園内に立地しています。来場者は、散歩のついでに立ち寄る人、美術鑑賞目的で定期的にこられる近隣の人、企画展目当ての人、区民ギャラリーの他の部屋を見に来た人、世田谷美術館主催のイベント参加者や美術大学受講生など…。また、併設のフレンチレストラン、ル・ジャルダンに食事+美術鑑賞に来られる方もいらっしゃいますし、天気がいいとかなりの来場者数になります。抽選は年に2回。4月の抽選で10月から3月末までの分、10月の抽選では翌3月から9月末までの分がきまります。つまり、来年3月から9月末の間に利用したい人は、こんどの10月に抽選がありますよ!まず、下見がてら資料を世田谷美術館にもらいに行くといいでしょう。ホームページからもダウンロードできます。資料として必要なのは、計画書。これには展覧会名、利用期間、希望する部屋、その他書き込みます。そして展示する作品の傾向がわかる見本写真。団体の場合は名簿も必要。そして資料の受付は10月10(金)~12(日)の3日間。郵送はできません。持参のみです。受付が受理されたら、2週間後(10/26)の抽選会までまちましょう。基本的にキャンセルはできないので、よく考え、余裕のある計画をたててください。今日はこのへんで…。これは続きます。読んでいただいてありがとうございます。ブログランキングに登録しました。よろしければ、下記バナーをクリックしてください。お手数ですが、なにとぞよろしくお願いします。和紙造形の展覧会が開催されます。「WASHI ART 2008」と「第2回 18期 和紙造形展」奇しくも同時開催。詳しくはこちらを。2008年9月23(火)~28(日) 世田谷美術館にて10:00~18:00 (初日14:00より、最終日16:00まで )
2008年08月28日
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紙に描いたものではなく、また、ちぎり絵でもない。紙漉きの技法を応用して色と形を漉き込むのが「和紙造形」。和紙造形について詳しくはこちらとこちらも…。この和紙造形の作品を見たことがある人はあまりいないでしょうね。下の展覧会風景の写真でなんとなくわかると思いますが、絵画の作品展のように見えます。ですが実際に見てみると、絵筆で描いたものとは違うマチエールに気づくはずです。その原画を見るチャンスが来月あります。私が出品しているわけではありませんが、紹介いたします。ひとつは●「WASHI ART 2008」 和紙造形会の会員による作品展。(写真は昨年の展覧会風景「WASHI ART 2007])もうひとつは●「第2回 18期 和紙造形展」 和紙造形大学18期による作品展。どちらも和紙造形大学出身者によるものです。和紙造形大学についてはあらためて記事にする予定ですが、いま現在は22期生が学んでいます。かんじんの日程ですが、奇しくも同時期に同じ場所で開催されます。2008年9月23(火)~28(日) 世田谷美術館にて10:00~18:00 (初日14:00より、最終日16:00まで )世田谷美術館へのアクセスは■東急田園都市線「用賀」駅より徒歩17分■東急田園都市線「用賀」駅から美術館行バス「美術館」下車 徒歩3分■小田急線「成城学園前」駅から渋谷駅行バス「砧町」下車 徒歩10分■小田急線「千歳船橋」駅から田園調布駅行バス「美術館入口」下車 徒歩5分■東横線「田園調布」駅から千歳船橋行バス「美術館入口」下車 徒歩5分■来館者専用駐車場(無料 60台)東名高速道下ちょうどその頃、世田谷美術館の企画展はダニ・カラヴァン展やってます。ダニ・カラヴァン展絵画から空間へ―環境と記憶に捧げられた、平和へのメッセージ2008年9月2日 -10月21日比類ない規模の環境彫刻(周囲の環境との調和を図るような大規模の立体作品)を手がけてきた稀有な芸術家として、世界的にその名を知られています。国際巡回展のひとつのようです。こちらは有料(1,000円)ですが、世田谷美術館のホームページから企画展クーポンをプリントアウトすると100円割引になります。念のため申し上げておきますが、「WASHI ART 2008」、「第2回 18期 和紙造形展」はどちらも無料です。次回は「美術館で作品展を開催するには…」といった内容の記事を書く予定です。読んでいただいてありがとうございます。ブログランキングに登録しました。よろしければ、下記バナーをクリックしてください。お手数ですが、なにとぞよろしくお願いします。
2008年08月24日
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従来の紙漉きでは、楮とねりは漉き槽にいれて、簀で紙代(かみしろ)をすくいあげるわけですが、和紙造形ではまず、楮とねりは別のボールに用意しておきます。ちなみに和紙造形では紙代や紙料のことを素材といいます。つまり素材を別に作って、それをボールで簀に流し込むというのが和紙造形の基本的な方法なのです。この方法ですと、自宅でも手軽に和紙を漉くことができるわけです。まず素材を作る。それを小さいボールですくって、簀の上に流し込むのです。これを簀のまま乾かしてもいいし、紙床にうつして、板干しする方法もあります。板干しの方法を説明しましょう。↓このように紗にうつして、水分をとる。(和紙造形では紗を使います)簀を持ち上げ、紗を持って、板に張ります。和紙造形の場合は、染色した楮を使って、絵を描いていきますので、板干しはあまりしないですね。どうしてかというと、干し板に張るときに絵がゆがみやすくなるということと、また、板に張ることで表面が平らになってしまうことをさけるためでもあります。和紙造形の作品は油絵のように表面が盛り上がった作品もあるのです。したがって、簀のまま乾燥させることになります。伝統的な紙漉きと和紙造形とでは目的がことなりますので、同じ楮とねりで和紙を漉くのでも方法が違ってくるのですね。染色した楮を使って、絵を描いていく方法については、また次の機会に…。次回は、実際に原画を見られる展覧会が来月ありますので、その紹介をいたします。読んでいただいてありがとうございます。ブログランキングに登録しました。よろしければ、下記バナーをクリックしてください。お手数ですが、なにとぞよろしくお願いします。
2008年08月24日
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前回のコメントに「次回は、道具についての説明&画像アップを期待しています」とのリクエストがありましたので、メキシコの話は次の機会ということで…。今回は道具についての話しです。紙漉きの技法を応用して絵を描くという「和紙造形」は当然のことながら、みんな普通は自宅で制作しているわけです。ここで使っている簀(す)は色紙サイズ。大きな作品を制作する場合は、まず自分で簀を作るところからはじめます。毎年3月に世田谷美術館で「世田谷和紙造形展」が開催されますが、年々、出品作品は大きくなってきています。20号(727×606mm)以上を作る場合は、どうやって運ぶのかをよく考えてからにした方がいいです。展覧会場に搬入するときに、タクシーに入らなかったという失敗談もあります。和紙造形の作品はほとんどが額装されますので、紙のように丸めるわけにはいかないのです。それに制作中は水を含んでいますので、簀はかなり重くなります。乾燥させるために部屋から出そうとするときに一人では持てないということもあります。また制作直後は簀を傾けると繊維が動いてしまいます。つまり作品が簀の上で流れてしまうのです。ところが、「あっ、傾けないとドアからだせない!」「外にださなくちゃ、ごはん食べられないよ!」「でもだせないんだってば!」ということになるのです。先品が大きくなるといろんな苦労がふえてきます。そんな苦労をしてでも、人は大きなものを作りたがります。それは、出来上がったときのよろこびがちがうからです。そして、会場に展示されたときに「チョー、きもちいい!」からです。自分がまっさきに感動を味わえます。道具の話しでしたね。簀を自分で作る場合、木材は比較的水につよいヒノキを使います。そして網はさびないようにステンレス製。編み目が粗いと繊維がぬけていくし、こまかいと水はけがわるくなる。そこで、編み目は24メッシュというものを使います。近くの金網屋さんで「24メッシュのステンレスの網」といえばわかります。1m単位です。最近、金網屋さんをあまりみかけなくなりましたが、電話帳で調べるといいです。世田谷ですと、弦巻に古くからの金網屋があって、いつも行くので、和紙用というとそれをだしてくれていました。おじいちゃん自作の金網の三角コーナーなども「一生モンだよ」といって売っていましたが、たしかにしっかりしたものでした。いまだに使っています。いまはもう店をたたんでしまいました。伝統的な紙漉きでは竹で編んだ簀を使いますが、高価なものですので、和紙造形ではこのステンの簀を一般的には使用します。竹の簀よりも繊細な作品に仕上がります。簀以外の道具といえば、後は洗面器と小さなボールくらいですから、家庭にある道具でできるのです。今日は簀についての話しだけになってしまいました。このつづきは次回に!読んでいただいてありがとうございます。ブログランキングに登録しました。よろしければ、下記バナーをクリックしてください。お手数ですが、なにとぞよろしくお願いします。
2008年08月22日
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「紙に絵を描く」のは普通にだれもがやっていることですね。 これから紹介する「和紙造形」という技法は 「絵を描きながら紙にしていく?」というものです。 「???」 「どうやって?」 誰もが疑問に思いますね。 たとえば、透かしの入った和紙がありますね。あの透かしは型を作って、その部分だけ薄く漉いてあります。 薄く漉くかわりに、色が入ると、それは透かしではなく、絵になりますね。 和紙というのは楮(こうぞ)・三椏(みつまた)・雁皮(がんぴ)といった植物の繊維でできています。その繊維を染色すると、色のついた和紙ができるんです。 つまり、型を作って、薄く漉くかわりに、その部分に染色した繊維を漉き込むのです。 わかりますか? まだ、イメージしにくいですかね? まあ、とにかく、見本を見てください。 こんなことが紙漉きの技法でできるのです。これは「紙に描いたものではなく、漉き込んだ」ものなのです。 じつはこれは型を使っていないので、いい見本とはいえませんが、型を使ってでもできます。その場合は線がもっとシャープになります。 ついでですので、私の作品も紹介しましょう。 「太始」145×45cm「開闢」145×90cm先ほど説明した技法はかいつまんでいますが、これを応用すると、このような作品ができるのです。 どちらも両手を広げたくらいの大きさです。けっこう迫力ありますよ。乾くのにもけっこう日数がかかりますが…。 しかも乾くと、制作中とは色が微妙に違ってくるのです。そこから修正作業にとりかかるわけです。終わったら、乾くまで待って、そこでまた修正といったことを繰り返すのです。 気が長~くなりますね。 「絵筆で描いたほうが早いじゃないか!」 よく言われます。 「早ければいいってもんでもないだろう!」 原画を見た人はその違いがわかるようですが…。 これが「和紙造形」というものです。何を描くかはその人しだいです。和紙造形の作品には具象も抽象もあります。 今日はこのくらいにしておきますが、これからもこのスペースを利用して「和紙造形という新しいアート」があるんだということをじょじょに発信していこうと思っています。 みなさん、今後ともどうぞよろしく! 読んでいただいてありがとうございます。ブログランキングに登録しました。よろしければ、下記バナーをクリックしてください。お手数ですが、なにとぞよろしくお願いします。
2008年08月20日
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