2015年07月25日
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カテゴリ: 宮崎中央犬管理所

瀕死の状態でした・・・。

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痩せてくぼんだ両目は、目ヤニのかたまりで蓋をされていた。

一体いつからこの仔は目が見えないまま放浪していたのでしょうか…

目ヤニを取ると、キョロキョロと周囲を見渡していました。

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ですが・・・

この老犬には、立ち上がる気力も、力もありませんでした。



皮膚はボロボロに毛が抜け落ち、僅かに残ってた毛には、

ノミとマダニが大量にはりついていた。

搔く力もないこの仔には、地獄のような日々だったと思います。

それでも・・・

この状態の老犬を残し、私は管理所を出ました。

それは…先日レスキューした半身不随の 「ひこ」

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まだまだ人間の手を必要としています。

ひこを抱えている今、1匹もレスキューする事は不可能だと、

レスキューするのは簡単な事…

大変なのはその後なんだと…

躊躇してしまったんです。



このまま管理所のコンクリートの上で死ぬのだろうか…

それとも、ガス室で死ぬのだろうか…




やはり、諦める事が出来ませんでした。



レスキューを決意した日、月間 「チャージ」 さんの取材でした。

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「瀕死の仔をレスキューしたんです。

取材時間の変更をお願いできますでしょうか…」

「もちろんです!犬さんを優先させてください」

チャージ担当者様は、当日の時間変更にも

快く受け入れて下さり、

無事にレスキューする事が出来ました。



なので・・・

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命名・チャージ(^^)



レスキューした翌日・・・

座る事も、起き上がる事もできなかったチャージが、

自分の足で立ち上がりました!

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自分でもびっくりしたような表情で、

しばらくずっとこの体勢で…余韻に浸っているかのように。

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さらにその翌日には、自分の足でトコトコと歩き出しました。

ご飯も沢山食べれるようになりました。

目のくぼみも、少しだけふっくらした感じがします。



爪もが変形する位、この仔はずっと放置されていたのでしょうか…

子犬の頃は、きっとたくさんたくさん声をかけてもらい、

たくさんたくさん遊んでもらい、

幸せだった時期もあったと思います。

もう残り少ないのかもしれませんが、

これからの犬生は、「子犬返り」の時期です。

楽しい事、うれしい事、美味しい事、気持ち良い事、

たくさんたくさん経験してほしいと思います。

実は…チャージをレスュキューできた事が、

ハッピーエンドではありませんでした。




チャージをレスキューした翌日・・・

管理所では「判定」が行われ、

1匹の老犬が判定に落ちた・・・。


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私は、「命の選別」をしてた・・・

この仔じゃなくて、チャージを選択したんです。


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「今からガス室に入るんだろうな・・・

見殺しにしてごめん・・・

あんたを選ぶ事ができなくてごめんね・・・」



そんな言葉を頭に過らせながら、

身体はなぜか管理所に向かっていました。

なぜ、助けられないのに管理所に向かっているのか

自分でもその行動の意味が分かりませんでした。

「あ~・・・また頭と心が戦い始めたんだなぁ」そんな感覚でした。

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檻の中に入らせてもらいました。

これが永遠の別れになるかもしれないと思いながら…。

この仔の体から悪臭がした。

本当ならフワフワできれいなはずの長毛は、

ほとんどが固まりになっていました。

布の首輪は、油でベタベタ…。

その首輪には、まだ新しいノミ取り首輪が巻かれていました。

私には、飼主さんのこの仔への想い、価値観・・・どうしても分からない。

どう頑張って考えてみても、理解する事がどうしてもできない。





このままこの仔を死なせても良いのか・・・?





悲しい、淋しい、辛い・・・そんな思いを抱えさせたまま、

この仔の犬生を孤独に終らせて良いのか・・・?





そんなの嫌だった。





でも、もうキャパはとっくに、とっくの前に越えています。

そんな事ありえないとは思ったけど、

ここ3~4日で少しは手が空くかもしれない。

そう思う事にした・・・

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いいえ・・・

そうでも思わないと、この仔が今、ガス室に入ってしまうから・・・。



「月曜日まで待って頂けますか?必ず月曜日、この仔をレスキューに来ます」

管理所職員さんに、そうお願いしました。



どうか、みなさんにお願いがあります。

恥ずかしながら、もう私には限界です。

この仔をレスキューするのはとても簡単ですが、

レスキューした後に、この仔も、ひこも、チャージも、ガウガウのダッコも、

保護家の子達も疎かになっては、レスキューした意味はありません。

ただ命が助かった、生きている、それだけではいけないんです…。

この仔を家族の一員として迎え入れて下さる方を探しています。

この仔は私ではなく、一般家庭の温かさを求めています。


とても性格の良い、穏やかな仔です。

目はほとんど見えていません。歩く事はできます。推定15キロ位です。

遠方の方には、代理引出し、病院での診察、トリミング(素人仕上げですが)、

全てさせて頂きます。

どうか、ご連絡お待ちしております。

※保健所や管理所には絶対にお電話されないでください。

090-4484-5165 担当フジイ


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最終更新日  2015年07月25日 14時28分31秒
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