偐万葉・お蔵百人一首篇(その4)
~大和はまほろば氏の俳句に寄せて~
雨上り ぽんと弾ける 桔梗かな
けふもか義理の 花も咲くがな
(お中元する伊周の母)
わすれじの ゆくすゑまでは かたければ
けふをかぎりの 命ともがな (儀同三司母)
染
みも
美
し 雨にぬれたる
朴
の花
妻にもつげよ 今のひとこと
(愛妻家の小野篁)
わたの原 八十島かけて こぎいでぬと
人にはつげよ あまの釣舟(小野篁)
極楽の 風吹いてくる 蓮の花
ながくもなくば
吾
も
行
けるかな
(藤原ドジ孝)
君がため をしからざりし 命さへ
ながくもがなと おもひけるかな (藤原義孝)
早々と ワゴンセールの 夏帽子
ふるさと暑く 日焼けするなり
(参議 真夏ね)
みよし野の 山の秋風 さ夜ふけて
ふるさとさむく ころもうつなり (参議雅経)
大寺の 甍を抜ける 風青し
奈良の
長
さへ 民主なりけり
(自公法師)
夜もすがら ものおもふころは あけやらで
ねやのひまさへ つれなかりけり (俊恵法師)
でで虫が 子等を迎へる 小学校
子等のかよひ路 人めよくせむ
(通学路パトロール)
住の江の 岸による波 よるさへや
夢のかよひ路 人めよくらむ (藤原敏行朝臣)
総選挙
百日紅
と
百日白
花散るときぞ 秋はかなしき
(猿丸候補<自民現>)
おく山に もみぢふみわけ なく鹿の
こゑきくときぞ 秋はかなしき(猿丸大夫)
総選挙 公約急ぐ 議員かな
まつこゑなけど またかへりこむ
(なり行きまかせの兄、行平<現職>)
たちわかれ いなばの山の 峰におふる
松としきかば いまかへりこむ (中納言行平)
棘の木が 刺すほど痛き 夏日かな
わが
腕手
に 塩は吹きつつ
(春夏問はず頑張る光孝天皇)
棘の木が 刺すほど痛き 夏日かな
わがころもでも 汗にしみつつ
(同上)
君がため 春の野にいでて 若菜つむ
わがころもでに 雪はふりつつ (光孝天皇)
花一つ 残して太る 青酸漿
太りゆくのは わが身なりけり
(浅草寺きんつば)
花さそふ 嵐の庭の 雪ならで ふりゆくものは わが身なりけり
(入道前太政大臣藤原公経)
宿題の 花持ち帰る 夏休み
継ぎ足し作る 慌てマニフェスト
(自虐蓮法師)
むらさめの 露もまだひぬ まきの葉に
霧たちのぼる 秋の夕ぐれ (寂蓮法師)
けふも亦 からから天気 蝉の殻
と山はかすみ 立てず眩みぬ
(熱中症納言 大江匡房)
高砂の をのへのさくら さきにけり
と山の霞 たたずもあらなむ (前中納言匡房)
まなこ開け 脳は寝てをり
青葉木菟
不意の 高音
に 夢は醒めつつ
(山辺 現人
)
田子の浦に うちいでてみれば 白妙の
富士の高嶺に 雪は降りつつ (山辺赤人)
夢醒めて
現
の人に なりぬれど
既に遅かり 自民の鳥は
(山辺 落人
)
闘ひは 勝たねばならぬ
小蟷螂
わが身大事と なりふりあらね
(大江
目聡
)
月みれば ちぢにものこそ かなしけれ
わが身ひとつの 秋にはあらねど (大江千里)
草刈の 音に怯える 夏の虫
ゆくへ知れたる 老いの道にも
(粗爺好忠)
由良のとを わたる舟人 かぢをたえ
ゆくへもしらぬ 恋の道かな (曽禰好忠)
雨上り 活気が戻る 桃畑
摘みいだす実に 掛け値さやぬき
(仲買大夫 阿漕之輔)
雨上り 生気が戻る 桃の顔
積み出す実にも 掛け値さやぬき
(同上)
秋風に たなびく雲の たえまより
もれいづる月の かげのさやけさ (左京大夫顕輔)
解散日 西南西の 風が吹く
練りにぞ練りし 策は分からず
(インポッシブル院麻生大輔)
見せばやな 雄島のあまの 袖だにも
ぬれにぞぬれし 色はかはらず (殷富門院大輔)
兜虫の まぼろしを追ふ 里の山
いかにひさしく 見ずや経にける
(ガキ大将道綱の母)
なげきつつ ひとりぬる夜の あくるまは
いかにひさしき ものとかはしる (右大将道綱母)
雨のあと 生気を戻す 桃の顔
買ひなく立たむ 値こそ安けれ
(仕様無いし)
春の夜の 夢ばかりなる 手枕に
かひなくたたむ 名こそをしけれ (周防内侍)
狐雨 やみて飛び出す 夏の蝶
世を思ふゆゑ とにもかくにも
(後飛ばし過ぎ院)
人もをし 人もうらめし あぢきなく
世をおもふゆゑに ものおもふ身は (後鳥羽院)
木苺の 実が熟れてゐる 金曜日
ジャム用にする 食べきれぬ実の
(小町ジャム)
花の色は うつりにけりな いたづらに
わが身世にふる ながめせしまに (小野小町)
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