ほら、怖くない



許すことなど簡単なのだ
濁りなき瞳で
見つめ返すだけでいい


何も恐れず笑う子も
成長し、知を重ね
いつか恐怖を覚える

先への不安は心を乱し
ついに無知そのものが恐怖となるとき
大地は揺れて
地割れを起こし
みな深く傷つき
足元に開く無言の口に
涙を流す他なくなるのだ

さあ、気付け
我らは嘆きを知った
なれば全てを見定めよ
無に帰すことなどできぬ
明日をもって今日を制すのだ
叡智というべきは
公平さをもつ汚れなき瞳
縮こまるな
曲げた体躯は窮屈だ
全てを知る決意をもて
両手を差し出し受け入れよ

そうすれば
ほら、怖くない


© Rakuten Group, Inc.
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: