240503 NODA・MAP 番外公演
THE BEE: Japanese version @ 水天宮ピット 野田秀樹、 宮沢りえ
、池田成志、近藤良平 (3月2日の英語版観劇に引き続き。宮沢りえさんの出るお芝居をようやく観られた。冒頭のリポーターと婦警の役のあと、脱獄犯小古呂 (おごろ)
の妻の役で血色のいい肢体を見せてくれた。芝居の約束事で想像のゴムを最大限に引っ張る、納得の一作。)
240509
Le Havre (ル・アーヴルの靴みがき) @ ユーロスペース2 監督: Aki Kaurismaki, 出演: Andre Wilms, Kati Outinen, Jean-Pierre Darroussin, Blonding Miguel, Roberto Piazza, Laika (犬)
(日経文化面で中条省平さんが5つ星をつけていたが、結末が不自然にあっけなくて、ぼくは不満。しかし絶唱する老ロック歌手の Little Bob とか、名犬ライカ君など、忘れられない宝石がちりばめてある。フランスの中都市のさびれ方は社会主義時代の東欧の一都市のようだ。)
240421
Die Tochter des Samurai (侍の娘)
(新しき土) @ 東京都写真美術館ホール 監督: Arnold Fanck/伊丹万作 出演: 原 節子、小杉勇、早川雪洲、Ruth Eweler 特殊撮影: 円谷英二 音楽: 山田耕筰
(昭和12年、ナチスドイツと日本の合作映画。16歳の原節子が美しい。24歳の Ruth Eweler も。小杉勇にドイツ語のセリフが多く、しかも立派な発音だ。早川雪洲や原節子にもドイツ語のセリフがある。火山のシーンが延々と続くが、それは監督の Arnold Fanck が山岳映画で名高い人だったから。75年ぶりのスクリーン公開。)
240417
The Artist (アーティスト) @ シネスイッチ銀座1 監督: Michel Hazanavicius 出演: Jean Dujardin, Berenice Bejo, John Goodman, Uggy (犬)
音楽: Ludovic Bource (無声映画華やかなりし頃は、スクリーンの前にオーケストラピットがあって、オペラやミュージカルと同じ生演奏だったんだ……と、考えてみれば当然の事実を見せられて、ため息。「アーティスト」 は、最後のシーンのみごとなタップダンスの高揚感を最高に楽しむために作られた映画だ。)
240412
Hugo (ヒューゴの不思議な冒険) @ TOHO シネマズ有楽座 監督: Martin Scorsese 出演: Ben Kingsley, Asa Butterfield, Chloe Grace Moretz, Helen McCrory, Jude Law
(日経で中条省平さんが5つ星を。ぼくの期待も高かったが、それをさらに上回る出来。初期映画の躍動をシェアできる喜び。機械人形は頬ずりしたくなる藝術品。当年ともに15歳の、ヒューゴとイザベル役の俳優2人の将来が楽しみ。)
240329
War Horse (戦火の馬) @ 丸の内ピカデリー Jeremy Irvine, Peter Mullan, Emily Watson, Niels Arestrup
(何匹もの馬が連なって傾斜のきつい丘のてっぺんまで大砲を引き上げる。英・独軍の狭間の、鉄条網をめぐらした戦野を疾走するジョーイ。鉄条網に絡まったジョーイの救出に協力するドイツ兵。最後のシーンできっぷの良さをみせたフランス翁。)
240328
The Iron Lady (マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙) @ TOHOシネマズ日劇 Meryl Streep, Jim Broadbent
(“イギリス病” もフォークランド紛争も、ぼくが学生のころの同時代史だ。この映画を観て、当時の英国がいかなる危急をくぐり抜けたかを十分認識していなかった自分に愕然とする。サッチャー首相の毅然は、借り物でない善悪観念と努力で勝ち取った学識に裏付けられている。その裏付けを欠く者が、毅然のそとづらだけ真似ると醜悪。)
240321
PAN AM/パンナム 第1話 @ ソニービル8階 Opus 試写会 (~4/1)
(黄金の1960年代の自信と余裕のアメリカをここまで堂々と描いてもらうと気持ちいい。かつてのあこがれの全てがゼンマイ仕掛けで動き出したような。スパイ仕立ての今後の展開も楽しみ。)
240315
The Girl with the Dragon Tattoo (ドラゴンタトゥーの女) 無修正版 @ TOHOシネマズ六本木 Daniel Craig, Rooney Mara
(ヨーロッパという歴史と人間の濃い空間で はじめて成立するストーリー。荒涼としているが、切れ味がきもちいい映画。リズベットというスーパーハッカーのたどる歩みがいじらしく、こぎみいい。このていどのセックス映像で修正版を流布させる必要は皆無だ。)
240218
In Time (TIME/タイム) @ 全日空米国からの帰国便の機上で 作・監督: Andrew Niccol 出演: Amanda Seyfried, Justin Timberlake, Cillian Murphy
(人間の肉体老化が25歳で止められ、生きる時間そのものが通貨とされ、無限の生涯を得られる上層階級と生きる分秒を奪い合う下層階級に分化するという設定は秀逸だが、映画の場面展開がうまくつながっておらず、いつかリメイクしてほしいな。Amanda Seyfried さんは、ことしの新 「レ・ミゼ」 の舞台でコゼット役を演じる予定。)
240211
Gattaca (ガタカ)@ 全日空米国行き便の機上で 作・監督: Andrew Niccol 出演:Ethan Hawke, Uma Thurman, Jude Law
(平成9年の米国 SF 映画。存在すら知らなかったが、統制社会の描き方がリアル。宇宙開発施設内アナウンスにエスペラントが使われている。)
240503
犯罪 (東京創元社、平成23年刊) Ferdinand von Schirach (シーラッハ)
著、酒寄進一 訳 (この本はお奨めです。人間性がもっとも赤裸々に見え出るとき。犯罪、ないし犯罪の疑い。著者は刑事弁護士で、11篇の短篇は実話にもとづいているという。写実幻想画を読むような思い。)
240103
英語発達史 (岩波全書、昭和26年刊) 中島文雄 著
(古典的名著。ドイツ語のあれこれを古代英語に再発見できて、おもしろかった。古代英語の過去分詞が ge- で始まっていたり。不定詞に to を付ける由来は、与格で使う形が残ったからだというのも驚き。)
231229
わたしを宇宙に連れてって ― 無重力生活への挑戦 (NHK出版、平成23年刊) Mary Roach 著、池田真紀子 訳
(多少のシモネタを含め痛快な、もっとも人間くさい科学本かな。60年前に科学者たちが、無重力状態では人間は内臓不全で死んでしまうと考えていたとは驚嘆。原題: Packing for the Mars: The Curious Science of Life in the Void.)
240403
破産した男/自分みがき (れんが書房新社、平成22年刊) David Lescot 著、奥平敦子・佐藤 康 訳
(原題 Un homme en faillite/L'Amelioration. 産経紙上の 「書評倶楽部」 で永井多恵子さんが紹介していたので購入。「英語圏とはまったく異質の世界を提示する」 と。)
240330
China Talks: Interviews With 32 Contemporary Artists by Jerome Sans (Timezone 8、平成21年刊)
(アートフェア東京2012で、Ullens Center for Contemporary Art のブースで王慶松さんの “Follow Me” を買ったら、一緒にくれた図録。Jerome Sans さんは Ullens Center の主宰。)
240316/17
現代日本のエロティックアート展 (ヴァニラ画廊、平成20年刊)
(平成20年4月3日~10月16日にパリの Le Musee de l'Erotisme で開催の展覧会の図録。)
240217
The Snark Handbook: a Reference Guide to Verbal Sparring (Skyhorse Publishing 平成21年刊) Lawrence Dorfman 著
(「毒舌ガイドブック」。本を貫く高尚な遊び心が気に入ってロサンゼルス空港のショップで購入。)
240217
The New Yorker Cartoons of the Year: Over 250 Cartoons 2011 (Advance Magazine Publishers 平成23年刊)
(138頁、10.99ドルの価値あり。ロサンゼルス空港のショップで購入。)
240217
Made in California: Art, Image, and Identity, 1900-2000 (Los Angeles County Museum of Art/University of California Press 平成12年刊)
(目くるめくカリフォルニア・モダンの懐古。平成12~13年に LACMA で3回に分けて開催された企画展の図録でもある。24.95ドル。)
240217
In Wonderland: The Surrealist Adventures of Women Artists in Mexico and the United States (Los Angeles County Museum of Art/Museo de Arte Moderno, Mexico City・DelMonico Books・Prestel 平成24年刊)
(LACMA で平成24年1月29日~5月6日開催、ぼくにとって最高の企画展の図録。60ドル。)
240212
The Threepenny Opera (三文オペラ) (Penguin Classics、平成19年刊)
(Getty Center のショップで開いてみたら、読みやすい本文に Polly と Peachum の名が見えて、「ベガーズ・オペラ」 のファンとしてこれは読んでおかねばと、ね。)
240111
Ascending Chaos: The Art of Masami Teraoka 1966-2006 (Chronicle Books、平成19年刊)
(ハワイ在住のアーティスト寺岡政美さんご自身から送っていただいた画集。これ以外にも小画集2冊と特集記事収録の雑誌、DVD 2枚も。テラオカ凱旋プロジェクト始動だ!)
230319 Andrew Lloyd Webber's
Love Never Dies (ジェネオン・ユニバーサル・エンターテインメント、平成24年)
(「オペラ座の怪人」 の続篇。こんなふうに新作ミュージカルがどんどん DVD で観られるようになったらすばらしいけど。)
230319
The Phantom of the Opera at the Royal Albert Hall in celebration of 25 years オペラ座の怪人 25周年記念公演 in ロンドン (ジェネオン・ユニバーサル・エンターテインメント、平成24年)
(コンサートではなく、Cameron MacKintosh プロデュースの新演出のミュージカル舞台。総勢200名以上の出演者という。)