文春新書『英語学習の極意』著者サイト

文春新書『英語学習の極意』著者サイト

美術館・画廊メモ 20

平成25年1月22日~3月17日の美術日誌。日付の新しい順に記録してあります。 (画廊展はほぼ3件に1件の割合で、これは! というもののみ記録しました。)
各項冒頭の6桁の数字は日付です
(例: 220108 = 平成22年1月8日) 。 展覧会名にリンクが張ってあるものは、ぼくのブログ本篇の関連記事へ飛びます。
このひとつ前の 平成24年11月11日~平成25年1月21日の美術日誌 は、 美術館・画廊メモ 19 にあります
このひとつ後の 平成25年3月18日~5月17日の美術日誌 は、 美術館・画廊メモ 21 にあります。

250317 VOCA 2013  現代美術の展望 新しい平面の作家たち  (~3/30) @ 上野の森美術館
(唐仁原 希 (とうじんばら・のぞみ) さんの幻想画が、いちばん好き。)

250315  Raffaello ラファエロ (~6/2) @ 国立西洋美術館
(ポスターにも使われている 「大公の聖母」 の完成度といったら! 小品ながら 「エゼキエルの幻視」 も好きだ。1501年作品の 「天使」 にも、若きラファエロのやわらかな情感がこもる。ラファエロが下絵を描いた 「聖ステパノの殉教」 のつづれ織りがみごと。経糸に羊毛、緯糸に羊毛・絹・銀糸で、輝きを出している。)

250314  清水智裕特集 “分離と沈殿” (~3/19) @ 銀座三越8階 アートスペース∞  (銀座四丁目)
(清水智裕さんの描く女性はぼくの長女に似ていて、見ていると胸がくるしくなるほどいい。昨年の個展を見逃して心残りだったが、ようやく実作品に会えた。女性ふたりが手をつないで砂浜に立つ 「歓迎」 を購入 (sesdek mil + i) 。「歓迎」 は、島に降り立つひとを迎える2人、という含意だそうだ。SF 仕立てを感じる。あの女性たちは、幾人かの女性を投影したものと言う。)

250314  多摩美術大学大学院 美術研究科絵画専攻 版画修了制作展 (~3/16) @ シロタ画廊  (銀座七丁目)
(石川真衣さんの 「ハンドルが掴めない」 シリーズ。こちらに展示の作には白い鶴が登場。上部の背景の黒には深緑の隠し味がきいている。やはり版画は真衣ちゃんに限るね。)

250314  藤田嗣治展 (~5/6) @ ギャルリーためなが  (銀座七丁目)
(デッサンを中心にした作品展、というべきなのだろうけど、デッサンでありながら単にデッサンと呼ぶことがはばかられるほどの充実の存在感を帯びた作品群。ギャルリーためなが創業者の爲永清司 (きよし) さんは嗣治と親交があり、1950年代に嗣治のアトリエを頻繁に訪れていたという。)

250310  高橋 秀 (しゅう) の世界 版画 1959-2010 (~4/21) @ 世田谷美術館2階
(エンボスを効果的に活かす、デザイン作品というべき版画の数々。昭和5年生まれ、古茂田守介や駒井哲郎と親交を結んだ。
別コーナーには、梅原龍三郎が描いた女優・高峰秀子の7枚。)


250310  エドワード・スタイケン写真展  モダン・エイジの光と影 1923-1937  Edward Steichen in High Fashion: The Conde Nast Years 1923-1937 (~4/7) @ 世田谷美術館1階
(スタイケンが Conde Nast 社に勤務した時期の vintage prints の国際巡回展。スタイケンが最も好んだモデルは Marion Morehouse さん。竹久夢二の女性を思わせる風貌だ。撮影された数々の著名人のうち、Sinclair Lewis と Elissa Landi の2人の書いたものを読んでみたくなった。)

250309 多摩美術大学 情報デザイン学科 情報デザインコース 卒業研究制作展 2013 「つながりのかさなり」  (~3/10) @ 浅草橋 HULIC Hall  (浅草橋)
(わたしの長女も奥のスペースで15分ものの短篇アニメ「おとぎのくにのサーカスショウ」を出展しております。全体とおして、なかなか見ごたえのある卒展です。)

250308  夜明けまえ  知られざる日本写真開拓史 北海道・東北編  (~5/6) @ 東京都写真美術館 3階展示室
(幕末から明治30年代までの写真。北海道・東北にある2,384ヶ所の美術館・博物館・図書館・教育委にアンケートを行い、回答を得た中から51施設の所蔵品を訪問調査した成果。明治29年の三陸津波の記録写真も。)

250308  アーウィン・ブルーメンフェルド 美の秘密 Erwin Blumenfeld: a hidden ritual of beauty (~5/6) @ 東京都写真美術館 2階展示室
(経年褪色したカラー写真をみずみずしくプリントしなおした、いきいきとした写真展。 Cosmopolitan 誌、昭和30年4月号の表紙のために撮った Grace Kelly の写真が、ほれぼれするほど美しい。わが家の女王さまにちょっと似ているね。)

250308  Next Art 展 (~3/11) @ 松屋銀座 8階イベントスクエア
(吉敷麻里亜さんの 「神様トンボ #1」 は、地に芍薬を描き、浮かした薄い絹に黒い蜻蛉だけを描く。芍薬が絹地から透けて見える仕掛け。松山ではじめて目にしたふしぎな蜻蛉だそうで、≪蝶のようにひらひらと舞う。はかなくも神秘な姿が私の心を捉えて離さない≫ と。
ご縁のあったアーティストのなかではほかに、岩崎夏子さん 「移ろう」 はドイツ女性の顔を日本画で。藤原泰佑さん 「或る街の表象」、こばやしまなさん 「人生の色」。)


250308  上田暁子 個展 誰が冬のシーツをめくるの (~3/9) @ Niche Gallery  (銀座三丁目)
(3/4 に引き続き再訪。気になっていた 「冬毛の上」 の購入を決めた。作家の上田さんがいてくれた。倉敷にレジデンス研修の機会を得て、瀬戸内の風土で作品を描いてみて、あらためて故郷長野の雪原がまるで冬毛のような温かみをもった存在に思われたのだと。上田さんはパリへ留学予定。ご活躍を!)

250308  松村光秀 (こうしゅう) を偲ぶ展 (~3/13) @ Gallery 枝香庵  (銀座三丁目)
(昭和12年生まれで昨年亡くなった作家の、しみじみとして鬼気迫る油彩画。木板に直接描いたものも多い。)

250307  奇跡のクラーク・コレクション ― ルノワールとフランス絵画の傑作 (~5/26) @ 三菱一号館美術館  (丸の内二丁目)
(1880年ごろのルノワール作品が絶品だ。じつはぼくはルノワールは苦手なのだが、このコレクションのルノワールはすばらしい。Jean-Leon Gerome の 「奴隷市場」 と 「蛇使い」、そして William-Adolphe Bouguereau の 「坐る裸婦」 に魅せられた。)

250306  常設展 @ 中長 (なかちょう) 小西  (銀座一丁目)
(アートフェアで記帳して時々案内をいただいていたが、画廊訪問は初めて。文承根 (Moon Seung-Keun、昭和22年~57年) の縦縞抽象水彩画と 「活字球」。 活字球は 210万円。その価値あり、欲しいね。)

250306  小野寺麻里展 (~3/9) @ Gallery Q  (銀座一丁目)
(ぼくも好みの美少女たちの顔をアップで大サイズのモノクロ油画に。てっきり若い作家と思ったら、昭和40年生まれ、東京造形大卒で、今回ようやくブレークした。)

250306  Ryoko Yamashita 写真展 “Home Sense” (~3/17) @ 72 Gallery  (京橋三丁目)
(家屋内風景の切り取りかたもセンスがいい。ヌードも自然な存在感。)

250306  塚本春日美 (かすみ) 展 ―陶幻ノ庭ニ遊ブ― (~4/2) @ LIXIL ギャラリー ガレリア・セラミカ  (京橋三丁目)
(幻獣たちのオブジェ。どちらかといえば素朴。平成元年生まれ、京都市藝大 院在籍。)

250306  Stephanie Quayle 展 (~3/10) @ 南天子画廊  (京橋三丁目)
(砂と泥の入り交じったような彩色粘土の荒いタッチから生まれる、生命感に満ちた動物たち。作家のステファニー・クエールさんは、英国のマン島の農家に生まれ育ち。運搬に多大な苦労があったであろう塑像群を日本までよくぞ運んで見せてくださったと、深甚なる感謝。)

250305  菅野祐悟 (ゆうご) 展×映画 「インターミッション」 (~3/31) @ Reijinsha Gallery  (銀座六丁目)
(伝説の映画館「銀座シネパトス」を舞台にした映画「インターミッション」は、ぼくもぜひ観ようと思っている。その音楽を手掛けた作曲家・菅野祐悟さんが作曲中の脳内イメージを絵にした。映画のなかに登場する絵も何点か。昭和52年生まれ、東京音楽大卒。)

250305 昭和会展受賞記念  山本雄三展 (~3/13) @ 日動画廊  (銀座五丁目)
(このかたの描く裸婦は、ふしぎとエロチシズムがない。服を脱ぎかけの姿、妊娠中の姿、そして幼児像とくれば、やはり奥様を描かれたのか。昭和39年生まれ、女子美短大准教授。)

250304  小野修平銅版画展 (~3/10) @ LIXIL Gallery  (京橋三丁目)
(エッチング版画 “Beautiful Monster” の、地 (じ) の色が光沢のある錆色を湛えて、うつくしい。)

250304 全国大学版画展より<企画>  選選 (よりより) 展 三浦友里/伊藤愛/梶田青花 (~3/10) @ Oギャラリー  (銀座一丁目)
(女子美の伊藤愛さん、手編みマフラーがもぞもぞ指。うずくまる女性の襟首から生える木の幹と鳥の巣。発想がなかなかおもしろい。
筑波大の梶田青花 (せいか) さん、立体視のための緑と赤の線を材料にして人物画。きれいなひとだ。ふたりとも、顔を正面から描くのを避けているのが残念。)


250304  上田暁子 個展 “Who Turns Over the Bed Sheet of Winter?” (~3/9) @ Niche Gallery  (銀座三丁目)
(影法師のような侏儒が駆けぬける絵が VOCA 展で受賞していたのが印象深い作家。今回、雪原に黒い人影が振り返る絵が気になった。)

250304  集落が育てる設計図 アフリカ・インドネシアの住まい展 (~4/13) @ LIXIL Gallery  (京橋三丁目)
(西アフリカとインドネシアの僻村の、独創的な住文化。ジオラマ展示もおもしろい。ファンタジックだ。)

250304  Paintings, Objects and Photographs (~3/9) @ Gallery Tsubaki  (京橋三丁目)
(12人展。内藤亜澄さんから案内をいただいた。
井澤由花子さんの creation of your world シリーズは、水からの生命生成を目の当りにする思い。水彩画とはこれを描くためにあったのだ。多摩美油画 院修了。
牧野永美子さんの彫塑、「極上ウールの自慢の体」 「ダンコとして許さない姿勢 を崩さない姿勢」。手指・足指まで絶妙のプランで作られていて、フラッシュ画像が脳に焼きついた。
中村萌 (もえ) さんの木彫、じとっとした民話を味わいつくす感じ。祈りがある。)


250303  FACE 2013: Frontier Artists Contest Exhibition 第1回 「損保ジャパン美術賞」 展 (~3/31) @ 損保ジャパン東郷青児美術館  (西新宿一丁目)
(グランプリは、昭和33年生まれ、ベラルーシ国立美大卒、平成19年来日の近藤オリガさん 「思いに耽る少年」 にあげたいが…。昭和27年生まれの寺園俊子さん 「獲物・ I got game」 もいい人物画。アート★アイガでお会いして招待券をくれた架菜梨案 (カナリア) さんの 「六月六日の思い出」 はアクリル絵具の層をぬるりと引っ掻いた描画に、乾燥後 色鉛筆で補筆。
今回グランプリをとった堤康将さんの 「嘯く」 は、作中の宇宙飛行士と犬の目がいかにもマンガで、がっくりくる。消去法で選ばれた感じ。
青木彩さんのステイニング技法の花の絵が、読売新聞社賞。順当。)


250301 寺山修司没後30年記念  寺山修司の原稿と本  ―寺山修司の直筆原稿と生前全著作―  (~3/3) @ ポスターハリスギャラリー  (道玄坂二丁目)
(寺山さんが、どんなインプットに支えられていたのか、知りたくなった。インターネット時代に寺山さんがいたら、どうしていたろうか。)

250301  アリス幻想綺譚  ~異端アーティストたちによる、耽美で妖しい 『不思議の国のアリス』~  (~3/10) @ Bunkamura Gallery  (道玄坂二丁目)
(じつに43名の作家たち。小川香織さんとお会いできた。目がきらめいていたね。ほかに、絵に馴染みの作家さんとして、味戸ケイコ、宇野亞喜良、甲秀樹、多賀新、たま、トレヴァー・ブラウン、長谷川友美、村田兼一、横田沙夜の皆さんの作品も。)

250301  東京五美術大学 連合卒業・修了制作展 (~3/3) @ 国立新美術館 1A~1D, 2A~2D
(多摩美 日本画・学部卒の青木香保里さんが、ずば抜けていた。立体では、日大藝術 彫刻・学部卒の任一丁さん。昭和61年瀋陽生まれ、平成19年来日。セラミックで昔の足踏みミシンに歯車や配管を巧妙に造り足した。
それにしても、全般の低調さ。昨年に比べても、レベルが下がっている。優秀な学生が絵画・彫刻以外のジャンルに散っているのか。)


250228  デザインあ展 (~6/2) @ 21_21 DESIGN SIGHT  (赤坂九丁目)
(佐藤卓デザイン事務所制作の「ペンギン物語」がかわいくておもしろかった。ロッテのクールガムのパッケージのペンギンが、よちよち動いてるんだ。番組 「デザインあ」 は、うちで よく見てるので、「解散」 シリーズの現物があるかと期待したが、やや不発だったのが残念。入場料1,000円は、時間をかけて楽しめばモトが取れると思います。)

250228 リキテックス アートプライズ2012 準グランプリ展  佐竹真紀子 個展 「いつか芽吹く日に」 (~3/9) @ Gallery Trinity  (赤坂九丁目)
(最多で20層もアクリル絵具を塗り重ねてから、彫り込んだり剥ぎ起こしたり。絵具会社が喜びそうな技法。塗り重ねは、色に深みを与えるためではなく、漆塗りの多層のよう。その意味では、絵画というより工藝に属するのかもしれない。)

250228  変貌 ― 3.11釜石 佐々木貴範写真展 (~3/12) @ 銀座 NikonSalon Strata Ginza 1F  (銀座七丁目)
(ぐっと来た。写真の力を見せつけられた。震災前10年間に撮った、いきいきとした釜石の日常風景モノクロと、平成24年8月下旬に同じアングルから撮ったカラー写真を並べて。昭和42年釜石生まれ、4歳まで在住。)

250228  岡田育美 堀内萌 (めぐみ) 展 (~3/2) @ Galleria Grafica bis  (銀座六丁目)
(多摩美版画卒のふたり。堀内さんの、くっきりとぼかした、とでも言うべきモノクロリトグラフの人物は、残るな。岡田さんは院在籍、混色がこまやかになった。)

250228  線の会  安田育代/鈴木紀和子/大野友梨子/絹谷香菜子/武田裕子  (~3/7) @ 靖山画廊  (銀座五丁目)
(安田育代さんの、柄なしの深紅の着物を着た少女2点。こういう和服がありうるのかと、画廊主に質問してしまった。)

250227  阿蘇山晴子展 抱擁  測気象 ACT VI 森羅万象  (~3/3) @ マキイマサルファインアーツ  (浅草橋一丁目)
(これって何よと思ったが、2階の壁につらなる豊満な (魚拓ならぬ) 人拓は面白い。30年前と今を交互に並べた由。区別つかないけど。)

250227  佐藤栄輔 (えいすけ) 展|Impermanence (~3/23) @ Gallery MoMo Ryogoku  (墨田区亀沢一丁目)
(パウル・クレーを思わせる色と構成の新作は、クレーにはない 「ゆらぎ」 効果が埋め込まれ、異次元の存在が現出しつつあるようなゾクゾク感。カネがあれば買いたいと思った。過去ファイルを見ると、自己模倣を拒絶してシュールの試みを重ねている努力家。)

250227  石庭美和 (いしば・みわ) 展|星のこどもたち (~3/23) @ Gallery MoMo Ryogoku  (墨田区亀沢一丁目)
(SFタッチの人物画と並んで、自身の子供を描いた絵が、しみじみ良い。)

250227  好会  阿部千鶴・佐藤令奈・豊澤美紗  (~3/9) @ Gallery Seek  (京橋二丁目)
(豊澤さんの 「街にゼリーが降ってきた」 シリーズが2点、お手頃な単品で出ていて、応援に買って差し上げたいという気持ちがうずいた。画廊の係さんが話し掛けて来すぎ。お茶はありがたかったけど。)

250225  多摩美術大学日本画卒業制作展 (~3/3) @ 東京銀座画廊7階  (銀座二丁目)
(これからも伸びていきそうなのが、青木香保里 (かおり) さん。「境界」 シリーズは くらげの群舞する墨絵の連作だが、展示された4枚は、真鍮箔に岩絵具、顔料を使う。技法の実験を積極的に行っている。アートゲートプログラムほか、小規模の公募展にも入賞を重ねている。腕前のみならず、マーケットに向き合う姿勢がいい。昭和63年生まれ、多摩美日本画卒、この春に院に進学。
人物を描いた関根優花さん。小品なら、いいのを描きそう。)


250224  東京画II ― 心の風景のあやもよう Tokyo Painting II: Mindscape between interior and exterior  桑久保 徹/千葉正也/長井朋子/佐藤 翠/熊野 海/辻 孝文/平子雄一/村上滋郎  (~3/7) @ 東京都美術館 ギャラリーB
(トーキョーワンダーサイト主催、小山登美夫ギャラリーとシュウゴアーツ協力の見ごたえある8人展。
熊野 海 (うみ) さんの水辺爆発シリーズは、ぼくの中では既に古典化している。つぎはどう展開するんだろう。
桑久保徹さん、今回は劇中劇ならぬ作中作手法を入れてきた。逆にいうと、いま踊り場にいるのかな。
佐藤翠 (みどり) さんの Shoes Shelf II 再見し、欲しいよォ! と発作が出た。 くすんだ紫と黒、ステイニングもうまく使ってる。センスいいな、このひとは。)


250224  東北藝術工科大学卒業・修了展 [東京展] (~2/27) @ 東京都美術館
(ぼくの応援する多田さやかさん (日本画、学部卒) の 「空気の底」 が卒業制作展で最優秀賞に選ばれた。入口にどかんと3面パネル。現代コラージュに如来が鎮座する。色彩も技法のミックスも、多田さやかワールド。ただし、絵のなかに文字を書きすぎた。コラージュ材料のもとの文字だけで十分。絵画には文字は控え目に使うべし。
大平由香理さん (日本画、院修了) の 「源流」 もド迫力の火山。お会いするのは2度目。よく頑張ってるんだけど、今回は火口をあっさり描きすぎた。
洋画は、高橋智乃さん (学部卒) の 「正常な街」。崩壊しつつあるビル群。
渡邉友香さん (工藝、学部卒) の 「自然から得るものとは」 5点連作は、熱帯果実の写実でありながら写実を超えている。
西村沙由里さん (版画、院修了) の 「咆哮」 「山越え」 はギャルリー志門でも拝見した。迫力はピカ一。すこし描きすぎているので、削ぎ落としに入れば完璧。)


250222  アーティスト・ファイル2013 ― 現代の作家たち (~4/1) @ 国立新美術館 企画展示室2E
(8人展。中澤英明さんの人物画。カラチ出身・ムンバイ在住の Nalini Malani さんのストーリー性に満ちた環境美術。)

250222  第16回文化庁メディア芸術祭 受賞作品展 (~2/24) @ 国立新美術館 企画展示室1E
(アート部門の大賞作品、音楽パフォーマンスの Pendulum Choir が、独特の雰囲気を醸していて素敵。)

250222  リーランド・ボブ写真展 【Half-Drag】 &【Neo-Burlesque】 (~3/2) @ ヴァニラ画廊  (銀座六丁目)
(ニューヨークの写真家 Leland Bobbe` の日本初の写真展。Half-Drag シリーズは顔半分に魔性に満ちた女装をさせ、顔半分は男性の素顔を残した。有名ドラァグクィーンに顔半分だけドラァグメークを施した。Neo-Burlesque シリーズは、演劇的。フェティッシュでビザールなセクシーショーの、ひとりひとり。ストリップティーズのように脱いでしまうのではなくて、セミヌードでパレード的な装いで見せるのがバーレスクというジャンル。)

250222  現代作家によるGIRLS展 (~3/22) @ ノエビア銀座本社ビルギャラリー  (銀座七丁目)
(奈良美智さんの木版画とロッカクアヤコさんのポップな絵。)

250222  Beyond The Competition  秋山泉/白鳥純司/田中武/田中千智/谷保玲奈/堤康将  (~3/2) @ 小林画廊  (銀座七丁目)
(田中千智<FONT size=1>(ちさと)</FONT>作品が、安定した成長ぶり。ショーウィンドーにも彼女の作品が。白鳥さんの 「鬼瓦権現」 おもしろい。)

250220  Red Unlimited ―赤い誘惑―  齋藤芽生 (めお) /瀬川 剛/柴田敏雄/辰野登恵子/吉澤美香  (~2/23) @ ギャラリー・アートアンリミテッド  (南青山一丁目)
(レベルの高い5人展。齋藤芽生さんは初の版画作品だそうで、赤と黒のツートーンのコラージュふうのシルクスクリーンのシリーズ 「夜光族」 はコレクターの心をくすぐる。)

250220 第6回写真 「1_WALL」 グランプリ受賞者個展  熊谷勇樹展 「そめむら」 (~2/21) @ ガーディアン・ガーデン  (銀座七丁目)
(センスがいい、のだろう。脈絡のない写真30枚ほどが、どれも粒立っていて、2周してしまった。昭和63年生まれ、玉川大演劇卒。)

250220 昭和会展受賞記念  吉中裕也展 (~2/28) @ 日動画廊  (銀座五丁目)
(いい色を出すひとだ。明るいグレーを重ねることで、朧 (おぼろ) を表現しつつも輪郭はくっきりとしている。この二律背反が、絵にモダンな感じを与えている。昭和55年生まれ、倉敷藝術科学大美術卒。メジャーな美大出ではないのに天下の日動画廊が注目しただけのことはある。)

250219  山本桂右 (けいすけ) 展 (~2/23) @ 養清堂画廊  (銀座五丁目)
(十人展。ありそうで ありえない、ありえなくて ありそうな、そんな現実と非現実の薄皮のようなところを、学校の教室や公的施設の階段に背もたれの高い直立椅子を配して表現する。昭和36年生まれ、金沢美工大油彩 院修了。)

250219  上田泰江 (絵) ・黒野丈治 (陶) 2人展 (~2/23) @ K's Gallery  (京橋三丁目)
(銅鐸を思わせる造形の花器。激しい火炎をこれほどなまなましく想起させる陶作品はめずらしい。縦の器を横置きして焼くことで、思いがけない方向に釉薬が垂れる。)

250219  渡辺朋子展 ―陶 音の聞こえる風景― (~3/2) @ LIXIL ギャラリー ガレリアセラミカ  (京橋三丁目)
(絶賛をおくりたい。見ていて次々と発見がありそうだという予感すら与えてくれる造形。陶ならではの多様な美しさをふりまくことも忘れない。華麗にして、自己模倣を拒否する いさぎよさ。昭和63年福島県生まれ、多摩美工藝卒後、益子で制作活動。)

250218  裸婦のデッサン展 (~2/21) @ 柴田悦子画廊  (銀座一丁目)
(十人展。画廊営業時間後の有志のドローイング修練の成果。松谷千夏子 (まつや・ちかこ) さんのクロッキーが DM 葉書に使われていて、魅せられて予約しておいた。“croquis - NUDE” は、予想よりお高かったが、それだけの価値があると思った (sesdek kvin mil) 。)

250218  佐野明子展 いつかみた夢 (~2/24) @ Oギャラリー  (銀座一丁目)
(ぼくが応援している作家。ベビー誕生で、あまり外出できなくなった様子。DM葉書の 「黄色の風」 は、DMでよく映えることを意識して配色したそうで、この辺のアプローチもいい。ぼくは小品の 「真珠の涙」 を購入。佛教説話キャラを洋風リアルでドローイングに仕立て、すてきな額装 (dudek kvin mil) 。)

250215 エル・グレコ展  (~4/7) @ 東京都美術館
(「無原罪のお宿り」 より 「悔悛するマグダラのマリア」 が好き。)

250215  ナタリー・ショウ新作展 【inside a Dream】 (~2/16) @ ヴァニラ画廊  (銀座六丁目)
(リトアニア出身の Natalie Shau さんの写真コラージュ。最新作は確実にレベルアップしている。アリスものの新作、よほど買いたくなった。8万円台なのだけど。今年は、我慢、我慢。
合同展示として、Karen Hsiao さんのフェティッシュな写真展 【Black Cherries】。)


250214  立花光朗展 Story of trees ~ 木々の物語 (~2/19) @ 靖山画廊  (銀座五丁目)
(香り高い樟材を丹念に彫り削り磨いて静謐で物語性に富んだ神話的女性像の数々。うつくしく、木彫作品ではじめて 「いっしょに暮らしてみたい」 とおもった作品群。いつの日か…!)

250214  久保ひかる展 (~2/16) @ Gallery b. Tokyo  (京橋三丁目)
(エドワード・ホッパーが明るくなったような。大作を、ちょっと距離をおいて見ると絶品。近寄るとやや貧相に感じるが、絵具の量をふやして彩色のメリハリをつけるとぐっとよくなるはず。昭和62年生まれ、金沢美術工藝大油画卒。)

250213  アンドロイドは夢をみるか  山田勇魚・手代木チカ・岩崎紗也加  (~2/16) @ Pepper's Gallery  (銀座七丁目)
(山田勇魚 (いさな) さんの 「モノ+筋肉アート」。バスケットボールがぱっくり割れて、中の血のしたたる筋肉が顕現。あるいは双眼鏡のレンズが飛び出し視神経を包む筋肉が顕現。野球のグローブが傷ついて血と骨が見えてるのもホンモノの骨を使ってインパクトありだが、グローブのサイズの手を夢想して骨を配せばリアル度が増す。東京藝大デザイン3年生。
手代木 (てしろぎ) チカさんの異形の生き物たち。樹脂粘土と思いきやガラス製と聞いてびっくり、いい仕事だ。成安造形大デザイン卒、東京ガラス工藝研卒。)


250213  池尻育志 洋画展 (~2/20) @ 靖山画廊  (銀座五丁目)
(DM 葉書の絵は写真みたいだが実作品は、光を通す枝々の輪郭に残す朱の輝きが空気と温かみをつくる。丁寧なしごと。インク画の絵本 『ウエノウエ サキノサキ』 の演劇的味わいに魅せられ購入。原画は非売品でファイル展示。昭和46年生まれ、東洋美術学校卒。)

250213  板画に生命をこめて 井上勝江 ―師弟と共に― 展 (~2/22) @ 永井画廊  (銀座四目)
(棟方志功と棟方末華 (まっか) に師事した女性木版画家の井上勝江さんの作品と、志功の版画・掛軸。志功から勝江さんへの手紙2通。勝江さんが指導する府中の関東医療少年院の子らの作品も5階に。4階に勝江さんもいらっしゃったが、わが身の小ささを思い、一礼のみ。)

250212  エロス&タナトス ―女が仕掛ける謎―  イヂチアキコ・真条彩華・成田朱希  (~2/23) @ スパンアートギャラリー  (銀座二丁目)
(真条さんの絵、昨年12月に Shonandai MY Gallery で買って、部屋に掛けてあります。今回はタイ寺院のナイスバディな佛画ふうに攻めてきてますが、ぼくが好きなのは 「コットン様 (さま) 」 というモダンな墨絵。綿花にまどろむ美女の舌に、綿葉の化身の蝶が口吻を伸ばす。)

250210  Alan van Every: Theory of Everything (~3/10) @ hiromart gallery tokyo  (関口一丁目)
(グリッターも使い、ごつごつした質感の抽象画。入口近くの作品には、かなり惹かれた。米国人だが、タイが気にいってタイ人女性と子供もできて、しあわせそうだ。)

250210  フィナーレ選抜奨励展 ―輝く12の視座―  「損保ジャパン美術財団選抜奨励展」トップ賞受賞作家12名の成長の軌跡グループ展  (~2/17) @ 損保ジャパン東郷青児美術館
(12名の作家の作品を数点ずつ展示して、じっくり見ごたえのある展覧会。描かれた女性の美しさと、浮遊するイメージの拡がりで、権藤 (ごんどう) 信隆作品が一押し。福井路可 (るか) さんは、カンバスに薄く削いだ木板の木目をはりつけ、木の節で乳房を表現した女性磔刑の絵。横浜の路上女性ファッションを描く躍動感ある絵を描く田中紘子 (ひろこ) さんが昭和18年生まれと知って驚く。弓手研平 (ゆんで・けんぺい) さんも斎藤真一の叙情を思わせる好い絵を描くが、日本国憲法へのレファレンスに白ける。政治に媚びないでくれ。)

250208  白隠展 禅画に込めたメッセージ (~2/24) @ Bunkamura ザ・ミュージアム
(50歳前半までは随分と緻密繊細神経質なひとだったのだ、白隠は。それが大らかで包容力あふれる作風に変わる、まるで陽が差したように。白隠キャラの 「すたすた坊主」 を、商業化したくなった。)

250208  猫魚姫 (にゃんぎょひめ) たちのバレンタイン・ワールド 川和 (かわわ) 千鶴 水彩画展 (~2/13) @ ギャラリー日比谷  (有楽町一丁目)
(なんともかわいい猫たちの、ほのぼのラヴ。あざやかな色づかい。新婚家庭にぴったりの絵。結婚式場にマーケティングしたい。)

250208  坂口 健 作陶展 (~2/19) @ 日本橋高島屋6階美術画廊
(彩りに輝きが増した新作の数々。かねて自分の飯茶碗を探していたが、きょう巡り合った。「白化粧掻落碗」 (dek mil + i) 。アイヌ文様のような坂口ぶりの緑があでやか。さっそく 2/9 朝食から愛用。大満足。)

250207  高木まどか展 (~2/17) @ Shonandai MY Gallery  (六本木七丁目)
(タブローに、カラフルで丁寧な描画だけでおさまらず、樹脂粘土の造形を貼り付け、蝶の刺繍をし。刺繍がまた、絵から浮き上がらず、うまい。)

250207  草津祐介展 ―文字曼荼羅― (~2/17) @ Shonandai MY Gallery  (六本木七丁目)
(中国画仙紙に箔とペンキで書法をものした作品も。このモダンは、評価します。)

250206  竹丸綾香 個展 (~2/9) @ Gallery 銀座フォレスト・ミニ  (銀座一丁目)
(「猫橋」 というキャラが、いいね。ものがたり CG もっと冒険できるはず。武蔵美視覚伝達デザイン4年。)

250205  直野恵子 展 (~2/9) @ 柴田悦子画廊  (銀座一丁目)
(ラスコー洞窟の壁画を描いたひとびとが漢字を知っていたら、こんなふう? 数種類の墨を駆使して、見ていると味がある。)

250205  北野有里子 展 (~2/11) @ ぎゃらりぃ朋  (銀座一丁目)
(洗心峡を描いた2作品が、洪水で堤防が決壊したような迫力。実際の風景は、これは見る角度によるのだろうけれど。突っ込みたくなるポイントが残るものもあるが、光と動きを風景画のなかに丹念に再現する。昭和61年生まれ、東北藝工大日本画 院修了。)

250204  平原辰夫 展 (~2/9) @ Galerie SOL  (銀座一丁目)
(かたちではなく、色としみじみ対話し、何度もさまざまに塗り重ねては削り。その対話の記録は、飽きさせない。使うのはアクリル絵具。昭和27年生まれで、昭和61年にシロタ画廊で初個展。)

250204  矢島史織展 Mind Scope (~2/25) @ LIXIL ギャラリー  (京橋三丁目)
(水のなかの森のイメージに、ソラリスの森を感じた。みずみずしく爽やかな風が吹く。昭和54年生まれ、多摩美日本画 院修了。)

250204  河原朝生 (かわはら・あさお) 展 (~2/16) @ Gallery Tsubaki  (京橋三丁目)
(有本利夫が少しつややかに絵具をつかったような。昭和24年生まれ、ローマ国立美術学校で学んだひと。)

250203 MOT コレクション展  私たちの90年 1923-2013 | ふりかえりつつ、前へ Our Ninety Years: 1923 - 2013 | Life Goes On (~2/7) @ 東京都現代美術館 常設展示室
(鹿子木孟郎の関東大震災スケッチ、震災後の版画集 『新東京百景』にはじまり、浜田知明 (ちめい) の初年兵哀歌シリーズや 「副校長D氏像」、新海覚雄の小回顧展へ。亀倉雄策と横尾忠則のポスター。フロアを3階にうつして、柳幸典の 「ヒノマル・コンテナー Yamato Tumulus Type ¥」。David Hockney の、黒・オレンジ・紺をつかった3色エッチング “Gregory” が気にいった。)

250203  MOT Annual 2012 風が吹けば桶屋が儲かる Making Situations, Editing Landscapes (~2/7) @ 東京都現代美術館 企画展示室3F
(5人と1グループの展示。インスパイアされた。『ハイド博士とジキル氏』 という詩集を出そうという衝動をぼくに与えてくれたから、それだけでも、すごい企画展だ。アートの辺境なんだよね。ここまで、アートって、言えるよ、と。
下道基行さん、旅行手帳や書きつけを備え付けのコピー機で観客がコピーしてお土産にできるという意表をつく展示。佐々瞬さん、日常のメモをリングノートからやぶいて壁面に展示。田村友一郎さん、美術館の所蔵作品からキュレーションすること自体を作品とした。
ロビー階の動くインスタレーション ANGER from the Bottom は、ビートたけし+ヤノベケンジさん企画で、京都造形藝大ウルトラファクトリー (15名のグループ) が制作。)


250203 DOMANI・明日展2013  未来を担う美術家たち 文化庁藝術家在外研修の成果  (~2/3) @ 国立新美術館 1E企画展示室
(11人展。最終日に駆け込みで。来てよかった!)

250131  野中光正展 (~2/7) @ ギャラリー枝香庵  (銀座三丁目)
(抽象画にはあまり興味がありませんが、DM 葉書に使われた作品はいい。4つに区切られた平面を、それぞれ質感の異なる彩色をした4色画。質感のバラエティを楽しむ。ベストは、4色画の向かいの壁の絵で、緑がかった薄っすら錆びたような金属の風合いを紙の上に再現。他の作品は、ちょっとね。)

250131  長谷川友美個展 やわらかな夜 (~2/2) @ スパンアートギャラリー  (銀座二丁目)
(アリスや人魚姫をやさしく静謐なタッチでテンペラ画ふうの油画に。以前よりも人物の表情がやわらなになったような気がする。絵ハガキセット購入。)

250131 開廊30周年企画 Part 2  イメージの回復展 (~2/2) @ Gallery Q  (銀座一丁目)
(5人展。内田 望さんの機知に富む、鉄の鍛造作品が台湾でブレークして、全作品が台湾のコレクターに買われているそうだ。でも、作品を作るだけで生計を立てるのは困難で、昼間は工藝社で働いているから制作時間がないのが悩みとか。一色映理子さんは、10年前に亡くなられた祖父母を描く絵を今回で打ち止めにして、こんどは赤ん坊の絵を。祖父が空をみつめる目を描いた作品は、作家渾身の作品として手許にとっておかれるのがよいかも。買う側としては赤ん坊の絵のほうがいいですね。中村 萌さんの木工も、心和む味わい。)

250130  ドローイング☆祭り Part 2 (~2/16) @ アート★アイガ  (八丁堀二丁目)
(田川春菜さんのドローイング2点を購入 (duoble tri mil) 。「カチューシャ制服黒タイツ」 「少女2人」。門倉直子さんがすてきな小品をいろいろ出していて、おカネがあればもっと買いたいんですがね。)

250126  シャガールのタピスリー展  マルク・シャガールとイヴェット・コキール=プランス  二つの才能が織りなすシンフォニー Marc Chagall et Yvette Cauquil-Prince en dialogue sur la tapisserie (~1/27) @ 渋谷区立松濤美術館  (松濤二丁目)
(柳画廊で、イヴェットさんのご子息のダリウスさんの個展があったとき、招待券をいただいていたもの。日曜美術館のアートシーンで、原画をタピスリーにする過程でどんな新たな創造があるか解説を見ていたので、とりわけ興味深く。)

250126 第2回 新・リアリズム宣言展 (~2/1) @ 新生堂  (南青山五丁目)
(13人展。昭和33年生まれの舟木誠一郎さんからご案内をいただいた。舟木さんの 「眉月夜」、ミステリアスな目と髪、対照的に肉感ある後ろ姿。このコントラストが、写真では味わえない、絵の魅力。昭和29年生まれの大矢英雄さんの細密な筆致。大矢作品は別格の値付けでした。若手のなかでは昭和58年生まれの岡 靖知さんの作品がとくに好き。)

250126  第61回 東京藝術大学卒業・修了作品展 (~1/31) @ 初日に見たのは 東京藝大 大学美術館と絵画棟
(林 千歩さんの映像、藤森詔子さんの版画・油画・立体、若林真耶さんの鍛金。ブログ本篇に長文の評を書いたので、ご覧ください。)

250124  2013 三越美術特選会 Winter (~1/28) @ 日本橋三越本店6階・7階
(圧巻は、6階特選画廊の 「 襲名10周年記念 十四代 今泉今右衛門展」。最上質の七宝焼きのような、最高級のウェッジウッドのボーンチャイナのような作品群。若手では、昭和51年 天津生まれの王培さんの 「好日子 王培の世界展」。話しかけそびれるほど きれいで気品ある丸顔の女性だった。作品は 「想往」 のきりりとした少女がいい。7階では、小倉遊亀の「山茶花」。器の陰影をあかるく溶いた紫で表現。1,470万円ですが。)

250123  KOWAII 展 III (~2/15) @ 新井画廊+アートデータバンク  (銀座七丁目)
(隣接する2画廊の共同企画の26人展。「こわいい」 は、魅力的なコンセプトだ。過日 Oギャラリーで小品を買った宮井麻奈さんの「玉砕」がいい。折鶴の前に突っ伏すセーラー服の女性。よく見ると髪が白髪まじりだ。西村沙由里さんの龍エッチング。海藤亜紀さんの万華鏡少女 「化孵花 (カフカ) 」。Eric van Straaten さんの蠱惑写実の 3D プリントのオブジェ。)

250123  覚の会 (~1/31) @ 靖山画廊  (銀座五丁目)
(木彫と日本画のコラボ作品。正統派の若手の息吹がつたわる。「覚」は、岡倉覚三(天心)の「覚」をいただき、彫刻家・藪内左斗司さんが命名。武田裕子さんの掛け軸も。)

250123  世紀末版画展 (~1/25) @ 永井画廊  (銀座四丁目)
(ルドン、バーン=ジョーンズ作品など。ぼくの気に入りは Rodolphe Bresdin (1825-1885) のエッチング La Comedie de la mort (死の喜劇)、髑髏の野会というべく。1854年作で 70万円+税でした。細密石版画の 「善きサマリア人」 も。)

250122  鶴 友那 (つる・ゆな) 展 「時の集積と追憶」 (~2/9) @ Gallery MoMo Roppongi  (六本木六丁目)
(ファイルを見ると、現代中国画のリアリズム人物画を思わせる写実で女性を描いたものが多く、まさに需要に応えるジャンルと言えましょう。今回は大正期を意識したつくりで、「遊戯」 三部作が絶品。左から、折鶴、お手玉、紙風船。折鶴は、もし売れていなければ購入の名乗りを上げたと思いますね。)

250122 ポスターでみる映画史 Part 1: 西部劇 (ウェスタン) の世界  (~3/31) @ 東京国立近代美術館フィルムセンター7階展示室  (京橋三丁目)
(昭和45年作品の 「ソルジャー・ブルー」 のポスターが圧倒的によかった。ブログ本篇にポスター画像を転載してあるので、ご覧ください。)

250122  しりあがり寿 「ぽっぽろー ぷっぷる♪ ぺっぺれー ぴょっぴょろ♪」  ―お祈りじょうずにできるかな―  (~1/26) @ art space kimura ASK?  (京橋三丁目)
(2階展示は、参った。16ばかりの日常物が置いてあり、仕掛けたスピーカーが 「ぽっぽろー…」 と鳴いてる。販売物は、しりあがりさん直筆の 「ぽっぽろー…」 の経本のみ。B1展示は、4コマ漫画を擬音とともに電光展示した 「愚者のモノリス」 と、奥の部屋には 「四番バッター 秘密の工場」。身長2m超の横臥ロボットが突然痙攣しだしてビックリ。45秒おきに、20秒間 痙攣を繰り返す。)


© Rakuten Group, Inc.
X
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: