花より、、、

花より、、、

Act 1 


 東京本社をあなたに任せます。
 今回のプロジェクトで結果を残せたら社長に就任して頂きます。
 と同時に婚約して頂きたいの。おわかりですね。
 お相手は高倉財閥のお嬢様 ユリナさんです。」

“帰国”“東京” ババァに告げられオレは息を呑む。

「わかりました。しかし 婚約はできません。 失礼致します。」

「今の道明寺を存続させるには 高倉財閥との合併は避けられません。
 あなたの行動で多くの社員、またその家族が路頭に迷う事になるのよ。
 良くお考えなさい!」

俺は無言で部屋を出た。 経営が上手く行ってないのはわかっている。
婚約だと?この俺が。笑わせるぜ。結局親の言いなりなんてよ。

声を荒げて反抗する事はもはや出来ない。
それが道明寺を背負って行くと言う事。
感情だけではどうしようもならない事があるんだとこの数年で悟ったんだ。

東京。。。帰国して何の意味がある。


牧野。まきの…牧…野。


逢いてーよ。


********************************************************************



私は英徳を卒業してから
某国立大学を経て 
今は乳幼児が扱う衣類、おもちゃ、食器だったり
何でも手広く展開する日本では昔から1、2位を争う
会社に勤めている。


試作品を数点持ち込み
感想を聞く現場が凄くスキ。

子供が苦手な先輩達は

「牧野さん、ハイ、お願い」

とビ-ビ-泣き喚く子供達を私に押し付け?
ママ達との表面的な(事務的な)処理をすすめる。

先輩達よ、そんな態度で良いのか!!(怒)
なんてムカムカするけど

預かったお子チャマ達は
何故か私が抱きあやすと
スグ泣き止んでくれるし
(力技かしら???)
可愛いし
ママ達との会話から勉強になる事も多く
幸せを分けてもらってる様で得してます。

最近は自分より同年代だとか若いママが増え…
私このままで良いのか?と悩んでみたり~ね。



********************************************************************




取引先へ書類を届けに行ってから社に戻る途中

書店の前を通ると
何気なく目にした雑誌に 道明寺の文字。
考える間もなく手が伸びる。パラパラペ-ジを捲ると
あいつが…いた。

日本に戻ってくるんだ…婚約?…そっ、そっかぁ。そうよね。
今度ばかりは事実よね。
…東京…“あえるかもしれない”フッ、あってどうなるの?
もういい加減 想い続けるのやめないと。馬鹿みたい私。
ズルズル引きずって。馬鹿みたい。


あいつがNYへ旅立って
何度となく目にした雑誌の記事やら TVのニュ-ス。
あいつの活躍と その度に変わる恋人の噂は数えきれない。

綺麗な顔立ちは変わらないけど
10代のあどけなさはどんどん消え
よりシャ-プに 大人の男性へと変貌して行く道明寺。
別世界のヒトなんだと今更ながらに思い知らされ打ちのめされる。

鋭く冷たい瞳…見てはいけない悲しい気分になる。
冷たい瞳…
こんな道明寺見たくない。

道明寺幸せなの?
その瞳に広がる世界は何を映し出しているの?

モヤモヤしたものが胸を締め付ける。

黒いス-ツから覗く白い胸元のシャツをギュッと握り締め
下唇をキツク噛みながら涙が溢れ出すのを懸命に堪えていた。
その痛さに気が付き
バサッ と 勢い良く雑誌を閉じると慌てて立ち去った。

********************************************************************

無謀にも
0574 Web Site Ranking に参加しております。
同情してくださるなら(苦笑)ポチッとお待ちしてます^^



© Rakuten Group, Inc.
X
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: