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育児・子育て(1)
育児と子育て
ことばの習得とコミュニケーションを考える
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抽象的思考力は言語能力に正比例 2004年11月22日
「抽象的思考力というものは活字を読むことによって習得される言語能力が高まらないと養えない。」ある先生からの新聞の投書の中の文章です。この日記にもなんども書きましたが、言葉というものはコミュニケーションの道具であり、考える道具です。そして今子どもの言語能力に危機感を抱いている人がたくさんいますね。国語の重要性が再認識されています。その中でも特に自分の気持ちを伝えるための抽象語の習得が不足していると。
新潟の被災地の子どもたちにカウンセリングが必要なのは、子どもが心の中を言語化できず、気持ちを表せないためです。気持ちを言葉で伝えられないために、暴力的になったり、落ち着きがなくなってしまったりという行動で伝えようとしている子どもが増えているということを聞きました。
言語能力がもっと高い大人は、思考できるが故に別のストレスが溜まってしまいます。早く余震がなくなり、冬の到来が遅くなりますように。
今日は「世界子どもの日」 2004年11月20日
50年前に国連が制定しました。半世紀経った今も、世界の子どもが全て幸せになっているわけではありません。戦争、餓えなど弱い子どもが犠牲になっています。
この豊かな日本でも、子どもたちが元気に安心して遊べるところはなくなってしまっています。世界を回ってきたある人が「どこへ行っても、全ての人が豊かなのは日本だけ」と書いてあるのを読んだことがあります。そんな豊かな日本が「どこへ行っても安心できるところがない」というのは本当に悲しいこと。豊かさと引き換えに安全がなくなってきたのでしょうか。
小学生に「命の大切さ」を話す時、どんな言葉を選んで話せば通じるのでしょうか?それより大人が命の大切さを再認識し、自分が子どもの時遊んだ地域の安全性を取り戻す努力をして、それを子どもの日のプレゼントにしなければと痛感させられる日々です。
ことばは思考の道具 2004年11月10日
昨日のNHKの続きを見ました。今朝は「国語力をアップ」という内容で、取り組んでいる学校が紹介されていました。やはり徒然草を小学生が暗記して声をだしていました。
方法はなんであれ、国語力がアップすると社会や理科など他の教科もアップすると先生方は言っていました。
言葉はコミュニケーションの道具だけでなく、考えるための道具でもあるのです。まず考える道具を養ってから自分の伝えたいことを頭でまとめ、相手に伝えるという順だと思います。
この思考の道具である言葉は、日本語でも英語でも手話でもいいのです。第一言語(母語)をしっかり獲得していないと、言いたいことをまとめるというようなことが難しいのです。
また相手の話していることを理解することにも支障がでてきます。
子どもに豊かな日本語を獲得させるには、親が豊かな日本語を使って子どもに接するのが一番の方法でしょう。昔はこどもに話しかける人は親だけでなく、兄弟も多かったし、近所のおじさんおばさんとも話していたので、いろいろな言葉使いを学ぶことが自然にできていたのでしょうね。
今の社会、先生も親もそして子どもも大変ですね。
コミュニケーション力を養う 2004年11月09日
今朝のNHKテレビ(おはよう日本)で東京のある小学校で生徒のコミュニケーション力を高めるためにいろいろな工夫をした授業を伝えていました。自分の伝えたいことが相手に通じているか、相手の言っていることを理解できているかなどをいろいろな方法で学習していく様子が放送されていました。
社会人、大学生だけでなく、なるほど小学生までコミュニケーション力を磨くのかと見ていたのですが、そこの学校では国語の時間を1年間すべてこの授業に使ってきたとの話を聞いて疑問に思いました。小学校の国語の時間に学ぶべきことはたくさんあるはず。それらはどうなっているのか?もちろんコミュニケーション力を磨くことは、国語の力も磨くことではあるが、小学校はもっと基礎的な力もまだまだ教える場を思うのですが。今の国語教育はどうなっているのでしょうか。小さい子が「じゅげむ・・・」を覚えたり。
私のホームページのタイトルは最初「ことばの花束~あなたの言葉通じていますか~」でした。コミュニケーション力を養う授業はとても大切で嬉しいのですが・・・もう少し詳しく授業内容を知りたくなりました。
いないいないばあはどっちを隠すの? 2004年11月06日
「いないいないばあ」の遊びは誰でも、どこの国でもする遊びです。NHKの乳幼児番組に「いないいないばあ」というタイトルのがあります。ここへの質問「いないいないばあをする時、自分が隠れるのですか、赤ちゃんを隠すのですか?」もちろん答えは「どちらでもいい」です。こんな質問をわざわざするということは、育児に熱心なお母さんとも感じられますが、知識はあっても知恵が足りないのではと思ってしまいます。
もっとすごい(?)のは「いないいないばあは1日何回すればいいのですか?」私なら「食前、食後です」と皮肉りたくなります。
でも若いい母さんたちに全ての責任があるのではなく、子育ての知恵を継承していかなかった我々の世代にあるのでしょうね。
みんなで育む なごやっ子 2004/9/16
こんなタイトルのフォーラムが昨日あり、名古屋市長さんの挨拶のなかに「1日30分家族みんなで食事を!」「顔と顔を見合わせてするコミュニケーション能力を!」と話されました。前者は今の社会の労働システムを変えてもらわないと若いお父さんたちには難しいですよ。市長さん!後者については、「学校、地域が一体になって取り組もう。まずあいさつから」という提言のフォーラムでした。(私は手話通訳でした)
そして朝刊に佐世保事件についての報道の中に事件を犯した子どもは「いい子」と周りには見られている。親も「手のかからない子」とみていた。
しかしこの「いい子」とは「怒り、寂しさ、悲しさなどの不快感情が抑圧されている子でもある」とあった。
顔と顔をあわせてのコミュニケーション、そして言葉だけでなく表情、身体全体から自分の感情を伝えることができること、そのサインを読み取ることができる周りの人の大切さを改めて考えました。
夏休みの終わりに 2004年08月30日
夏休みの終わる頃と2学期が始まった頃、中、高生の自殺などのニュースを見ます。今日もありました。宿題が出来ていなくても、勉強の成果が上がらなくても、人生はこれからいっぱいあるのだから、今出来なかったからといって、これからも出来ないことはありません。長く生きてきた者にとって、なんでもないことでも、子どもたちは先を想像できず、今、目の前のことが100%頭を占領しているのでしょうね。死を考えている子どものサインは?子どもの生活の変わり目は、しっかり見てあげましょう。
「抱きぐせがつく」って本当? 04月11日(日)
赤ちゃんが生まれてから言葉を覚えていくために大切な基礎は、お母さんと赤ちゃんとの信頼関係を築くことです。
それには目と目をあわすアイコンタクトとスキンシップが大切です。
その話の時、「泣くたびに抱っこしたりすると、抱きぐせがつく」と言われていたが、本当か?という話になり、子育て経験者に聞きました。私も含めて、全員が「抱き癖というものはない」という結論でした。
抱っこして欲しいときに充分抱っこされた赤ちゃんは、安心して一人遊びを早くからします。
保育園の入園式でお母さんと離れても、泣かずに居ることができます。
しっかりスキンシップをしておくと、後が楽ですよ。
「わがまま、勝手」も個性?先生がんばって! 03月28日(日)
学校の先生からの投書に、みんなと掃除をしない生徒の母親に注意するように言ったら、「掃除しないのは自分の子供の個性」で「無理強いするのは、人権侵害」という言葉で返ってきたと嘆いていらっしゃいました。
こんな親の親の顔が見たい!
登校しない生徒の家を訪問し、母親からいろいろ言われ、訪問しなくなっている間に、子供は虐待をうけ、死亡という事件もありました。
国際障害者年がスタートした(1981年)頃から「障害も個性」という考え方の人も出てきました。人それぞれの「個性」の使い方はあります。この場合はともかく、人は言葉を自分勝手に解釈してつかうものだと思う場合がよくあります。
しかしこの母親の場合は「勝手に解釈」以前の問題です。
先生もこれ以上言っても仕方ないと諦めたのでしょうが、
トゲだらけのことばの花束を贈られ、否、投げつけられても、先生がんばって戦ってください。子供のためにも日本の未来のためにも!
Terrible Two(魔の2歳) 03月26日(金)
こんなベビーギャングのお父さん、お母さんは大変ですね。とても可愛い盛りで、自己主張ができるようになって、赤ちゃん時代から成長してきたと感じる頃です。
この頃は自分の思いをまだ言葉で表現できないので、子供自身もイライラしているのです。
こんな時周りの人がその子の気持ちを言葉にして代弁してあげると、それは理解できて落ち着きます。
でも他人の思いまで理解することはできないので、けんかも多いのです。相手の気持ちが理解できない同士が、オモチャの取り合いなどでけんかが始まると一苦労ですね。周りの人は叱る役ではなく、行司役として見守ることが一番です。
今の社会にこの「魔の2歳」を卒業してない人が沢山います。虐待する親もそうなのでしょうか。
算数にも必要な日本語力 03月24日(水)
算数の学力を向上させるには日本語力を向上させることが必要といわれています。
まず自分が考えたことを文章にします。そのためには考えたことを整理しなければなりません。それによって順序だてて考える力がつき、算数や数学に必要な論理的思考が出来るようになります。
このことは自分の考えを相手に伝えることも上手になっていきます。
反復ドリルなどで書く力、読む力を向上させるだけでなく、
相手に伝えるというコミュニケーションの力を向上させることが、ひいては国語や算数の学力向上につながっていきます。お母さんの考えを子供に伝えるだけでなく、たまには子供とゆっくり向き合って、こんな方法で子供の考えを引き出してみてはどうでしょうか。
日本語はサザエさん一家から 03月23日(火)
テレビアニメの「サザエさん」は大家族で昔の日本のいいところが残っている番組ですね。
アグネス・チャンさんは日本に来て、歌がすぐにヒットしたけれど、日本語はまったく分らず状態だったとか。たしか16歳だったと思いますが、自分なりの学習方法を考えて「サザエさん」を見て言葉を覚えていったとのことです。
その理由の一つに丁寧な挨拶の言葉がたくさん聞けることだったそうです。「おはようございます」から「どういたしまして」まで。
核家族になっていった頃から、家族の中での挨拶も簡単になり、友達のような夫婦では尊敬語も使われることもなくなっていきました。子供たちはそれらの言葉を身近な人から聞いて自然に覚えることが少なくなってしまいました。
大家族は大変だとは思いますが、コミュニケーション力はアップすること間違いなしですね。
学力の土台は親子のコミュニケーションから 03月19日(金)
「親子のコミュニケーションこそ学力の土台」と脳科学者で東北大教授の川島隆太氏が述べられています。
子供の脳に多くの言葉を入れ、情報を入れることは、考える力を伸ばすことになります。
最近、保育園にリタイアした後のおじいさんが保育に入ったり、国立大学の授業に社会人が入って、学生と席を共にすることで、大学の中にいて学生が社会人とコミュニケーションが取れるように、大学側が配慮しているところができたり(社会人は無料です)と大人になるまでに、出来るだけ多く
の人間と関わりを持てるように周りが考え出しています。
子供には「親子」だけでなく、祖父母、おじさん、おばさん、近所の人など多くの人と関われる環境を用意してあげることが、いろいろな知識を得ることになるでしょう。
小さな子へ贈ることばの花束にはいろいろな種類のいろいろな色の花を選びましょう。
減らない虐待 03月18日(木)
どうして自分の小さな子供の身体に、たばこの火を126箇所にも押し付けることができるのでしょうか?聞いただけでも、読んだだけでも私自身の全身に痛みが走ります。この親は自分の体に1箇所でも、押し付けたことは無いだろうが、どんな痛みかを考えることもないのでしょうか。
もし自分の子供を育てられないなら、人の多いところへ置いていってほしい。でも昔は経済的に育てられないと捨て子にしたものですが、虐待は育てられないという理由ではないので、どうすれば無くなるのでしょうか。
抵抗できない幼い子供には暴力で、大きくなった子供には餓死に追い込む。こんな痛ましい事件が次々起こる日本って、
寂しい国としか思えないとても淋しいこの頃です。
ママ友のメール 03月16日(火)
赤ちゃんがやっと眠った時、電話が鳴ると「目を覚まさないように!」と祈る気持ちになったものです。
今はケータイのメールでやりとりすれば、そんな心配はなく便利ですね。私は耳の聞こえない人とのやりとりが多く、メールは当たり前の生活です。やりとりに時間がかかりますが、すぐに返事しなくても、手が空いた時に返信できるので便利です。
今日気になる記事を読みました。
若いお母さんは当然メールでの会話が多いでしょうが、「メールで頻繁に話をするのに、会うとメールほど話が弾まない」とあったのです。人の気持ちは、作った絵文字でなく、実際に会って顔を見て話してこそ、本当の相手の気持ちが分ると思います。
今日も虐待のニュース。赤ちゃんの顔の表情すら見ようとしないのでしょうか。表情を見て相手の思いを読み取る力がないのでしょうか。メールも便利ですが、顔を見ての会話も大切にしてください。
布製母親と針金製母親 03月12日(金)
乳児期の精神分析の専門家の実験です。
サルの赤ちゃんに授乳する母親を布と針金で模型を作り、実験しました。模型の母サルの胸に哺乳瓶をくっつけて。
母親に寄り添っている時間を授乳時間以外ではかったら、布製の母親にくっついている時間の方が圧倒的に多かったと書いてありました。熊のおもちゃで驚かすと、ほとんどが布製の母親に逃げ込んだとのこと。
「赤ちゃんは触ってもらうことを本能的に求めている証しであり、優しく触ってもらいたいのです」とあった。
赤ちゃんへのスキンシップの大切さと触ることによるお母さんの心の落ち着きを書いてありました。
それにしても研究者は「針金のお母さん」なんてかなり残酷な発想で実験するのですね。
赤ちゃんはやわらかいタッチも好きですが、丸みのある顔も好きだそうです。目を吊り上げたりせず、目も口元も顔も丸くなるように笑顔で接しましょう。
触れられて育つ赤ちゃん 03月11日(木)
昨日の続きの斉藤孝氏の本からです。
赤ちゃんの時、触れられて育つということは大切だとは分っていても、それは何故必要なのか、どんな効果があるのかと考えてしまいます。「親から切り離されて育った子は、触れる感覚を知らないために、精神的に不安定になり易い」また「赤ちゃんがずっと触れられているという感覚は、心に安心感と優しさを生んでいた。キレない子供の土台はこういったところにあったかも知れない」と書いてあります。
現在女性の社会進出が増え、必ずしも赤ちゃんは両親と一日一緒ではなくなっています。この場合は保育の方々に、気をつけてもらうのか、それとも時間は短くてもかまわないから、両親が・・なのかは、答えがありませんでした。
ただこの安心感を得るのは、触れられている赤ちゃんだけでなく、触れている人にも得ることができるそうです。
赤ちゃんを寝かせようと添い寝して赤ちゃんをさすっているうちにお母さんが眠ってしまうのは、このことでしょうか?
泣いている赤ちゃんを落ち着かせる方法 03月10日(水)
生後1ヶ月の赤ちゃんが泣き止まないからと父親が殴って、死亡させたという記事が一昨日ありました。一ヶ月の赤ちゃんが泣くのは、自分で身体を動かすことがまだ出来ないため、泣くことで身体を鍛える体操みたいなものです。
そんなことを知らない人が親になっているのかと思うと、赤ちゃんが可哀想でなりません。
タイトルの方法は「お母さんが赤ちゃんの息に同調させること」だそうです。(斉藤孝著「呼吸入門」より)
泣いている赤ちゃんの背中や胸に手をおくと、赤ちゃんの呼吸がわかります。赤ちゃんが吸う時は自分も吸う、吐く時は自分も吐いて、最初は赤ちゃんの呼吸に合わせます。
しばらくすると、呼吸のリズムが共有されます。その後は、お母さんがリードします。ゆったりとした深い呼吸にしていくと、赤ちゃんも同じ呼吸になり、泣き止み、時には眠っていきます。
「人は自分の呼吸が他と共有された時に心が安らぎます」と書いてありました。最も基本で最も大切なコミュニケーションですね。是非試してみてください。
子供の理数離れと学力低下 03月08日(月)
ある小学校の先生が、理科の実験を工夫して、子供が理科を好きになるように努力しているとの報道を今朝見ました。
こんな当たり前のことを努力しない先生が居るのでしょうか?居るとニュースになる世の中なのでしょうか。
子供に限らず大人でも好きなこと、興味があることには努力を惜しまないものです。
企業は1円でも多く収益が上がるように努力、工夫し、その収めた税金を、議員も警察も1円でも多く自分のために使う努力、工夫しているのが今の日本です。
子供には理数より、もっとうまく世の中を生きる方法を教えてくださいと言いたくなる昨今です。
先生方、生徒にどんな花束を選びますか?
頭のよい子は「ことば」で育つ 03月07日(日)
これは外山滋比古氏の新しい本の題名です。
こんなことばを見ると内容が気になってしまいます。そして、子育て中の親は不安になるのではないでしょうか。
今、日本語というより、ことばの大切さが言われています。
そして言葉を使ったコミュニケーションの大切さも。
「言葉はコミュニケーションの道具」であるのですが、同時に「認識、思考の道具」でもあります。私は手話も出来ますが考える時は日本語です。日本語の方が第一言語で、手話より豊かなのです。英語で考える人も居るでしょうし、聞こえない人の中には手話で考える人もいます。この「認識、思考の道具」である言葉が沢山あると、このレベルも高いことは、実感しています。しかし実感したのは手話に関わってからで、自分の子育ての時は知りませんでした。というより考えたことも無かったのです。今子育て中の方は、ぜひ「認識、思考の道具」となる第一言語を豊かにしてあげてください。
大人のドリル 03月05日(金)
子供のための計算などのドリル学習の会社が、今度脳を鍛える大人の計算ドリルと音読ドリルを売り出し、90万部売れているという。前頭葉を鍛えてボケ防止らしい。否、脳の退化防止でしょうか。90万人の高齢者がドリルを前にがんばっている図を想像したら、怖くなってきました。また、日本ってまだまだ平和だなと納得。
子供が小さい頃我が家もこのドリル学習をさせていた。
しかしある程度進んだとき、子供が文章問題を解くとき、考えもせず、ひたすら数字をたしたり、掛けたりしていて、
これを続けると考えない子になる恐れありとみて、すぐにやめさせました。もちろん良い成果のあった人もいると思いますが、私の周りには同じように考えた親が結構いました。
是非今、子供にやらしていることが本当に子供にとって効果があるかどうか、親はいつもチェックする必要があります。
赤ちゃんの笑顔はみんなのもの 02月26日(木)
朝刊の投書にある男性が夕方帰宅するバスの中で、抱っこされている赤ちゃんと目が合い、表情をいろいろ変えていると、赤ちゃんは笑い出した。そして彼だけでなく周りの多くの人も百面相をして赤ちゃんを笑わせていたとありました。
バスの中はきっと暖かい雰囲気だったでしょうね。
先日の日記にも書きましたが、赤ちゃんって人の表情にとても好奇心をもつのです。
投書した男性が34歳とあり、嬉しくなりました。
バスや電車の中で赤ちゃんと目が合って、目と目、顔と顔で会話しているのはたいてい年輩の人だからです。
私も赤ちゃんに見つめられた時は表情で答えるのですが、
時にはお母さんから、にらまれることもあって、遠慮してしまいます。
天使のような赤ちゃんの笑顔は赤ちゃんからのことばの花束です。周りの人みんなにくださいね。
カラフルな幼児番組 02月23日(月)
今の幼児番組を見て、一番気になるのが背景などの色の多さです。実物でなくCGなどを使って背景を簡単に作ることができるからでしょうか。確かに赤ちゃんは、色の弁別能力は生後15日目であるらしいです。
眼の生理的な発育は生後1年で成人と同じようになるが、眼の機能そのものは4歳頃にならないと完成されません。
あの沢山の色が眼に飛び込んでくる番組は、どんな影響があるのでしょうか。色に対する様々な能力がアップするのでしょうか。年をとった私だから疲れるのでしょうか。
「テレビは2歳になるまで控えて」 02月21日(土)
日本小児科医会が乳幼児へのテレビ、ビデオの視聴が与える影響に懸念し提言をした。「授乳中、食事中のテレビはやめましょう」など5項目あった。
「2歳以下の・・・」と年齢を明記した理由は「この期間に親子の触れ合いの時間が少なくなると、言葉や心の発達が妨げられる可能性がある」とのこと。米国の小児科学会も同じ提言をしている。
おっぱいをあげながらテレビをつけている人は7割を超えているらしい。忙しいお母さんがほっとできる時間であることもわかりますが、赤ちゃんがお母さんに抱っこされて、母乳やミルクを飲む時間は、親子の大切なコミュニケーションの時間と考えてください。
「赤ちゃんがおっぱいを吸うのを休むのは、お母さんに揺らして欲しいというサイン」と本に書いてあるのを読みました。
遊ばせ歌でベビーマッサージ 02月18日(水)
「上がり目、下がり目」「一本ばし」などを歌いながら、赤ちゃんが自分でまだ動かせない手足をお母さんが、マッサージしたり、動かしてあげる時の歌があります。
国、地方で様々な歌があるようです。
決まった楽譜があるのではなく、お母さんの語りかけには日本語の自然な音程とリズムがあり、歌のように表現されたのが、わらべうたの始まりとなったと読みました。
マザーグースの歌も歌詞だけが多いと聞きました。きっとその地方の言葉の自然な音階で歌われたのでしょうね。
「ちょきちょき あわわ かいぐり かいぐり とっとのめ」歌えますか?手の動き知っていますか?
こんな時、おじいちゃん、おばあちゃんの知恵がいっぱい束ねられた花束をおねだりしてみましょう。
「わらべ唄いくつ歌えますか」2004/2/16
わらべ唄についての本を見て、自分が知っている唄、子供に歌ったものと、思い出しながら見ました。
知っているのに、子供に伝えていないことに気がつきました。自分が小さい時はテレビがなく、歌は母から何度もきいたのでは?と思います。自分が子供を育てた時は、自分でも歌ったとは思いますが、テレビからの歌に半分以上を頼っていたのでしょう。
「一本ばし」は赤ちゃんの手のひらを刺激するための歌ですね。「いっほんばし こちょこちょ すべってたたいて つねって かいだんのぼって コチョコチョ」
この唄は地方によって、歌詞がいろいろあるらしいのです。
本には東京から鹿児島まで10種載っていました。
赤ちゃんに、是非あなたの唄でしてみてください。
今はやっているベビーマッサージを、昔の人は歌いながら、自然にしていたのでしょうね。
「天国のモーツアルトもびっくり」2004/2/14
以前この日記にも「酒蔵でモーツアルトの曲を流すと美味しい日本酒ができるらしい」と書きました。また野菜や花の栽培ハウスにも彼の曲を流しているということも聞いています。
今度は人間が聴いて、高血圧、花粉症、ひざ痛が消え、耳鳴りがなくなり、難聴も治ったと書いてあるのをみました。
モーツアルトの曲とこれらは一体どんな関係があるのか、科学的に説明されているのでしょうか。
私も子育ての時「赤ちゃんに聴かす曲」という5枚セットになっているのを買いました。たしかモーツアルトの曲が多かったと覚えています。
その息子、高校時代はヘビメタばかり、今もモーツアルトとは、かけ離れた曲を聴いています。赤ちゃんの時に聴かせた効果のほどは、今も私には分りません。
でも赤ちゃんもお母さんも心が落ち着く曲が多いのは確かですし、なによりこんな曲を聴いてみようというお母さんの心のゆとりが、赤ちゃんに良いのかもしれませんね。
「おじいさん、おばあさんからの言葉のシャワー」 2004/2/5
知人が電話で小学校低学年の子供に「月が‘満ちる’」や、「ゼンマイ仕掛け」が通じないと、嘆いていた。
後者はそんな実物を目にしなくなっているので消えていくのかも知れません。もちろん知っている子もいて、テレビの「サザエさん」や「ちびまる子ちゃん」の中で覚えたとのこと。サザエさん家族みたいにおじいちゃん、おばあちゃんが一緒の家族では、両親から聞かなくなった言葉でも、祖父母から聞くことが出来て言葉の豊かな子供になるのでしょう。
おじいちゃん、おばあちゃんからことばの花束をいっぱいもらったら、コミュニケーヨンの上手な、読書好きの(本の中には生活の中で耳にしない言葉もいっぱいある)子供になるかもしれません。
「教員の国語力向上へ」 2004/2/4
文化審議会が「これから必要な国語力」をまとめて文部省に答申したとのこと。内容は小学校で学ぶ漢字が2倍近くになるなど、いろいろあるが、その中に「全教員の国語力向上の必要性」が強調されている。昨日もある中学の若い先生と話したが、実感、実感。
でも先生だけの責任ではなく、親も含め、もう一度日本語力を高める必要があることは、皆感じていること。
一番大切なことは、自分が話した言葉の意味を相手が理解できているかどうかを判断する力を高めることだと思います。
ある耳の聞こえない人が言っていました。ろう学校の時、
毎朝先生が「粗相のないように・・・」と言うと、生徒は反復して「そ・そ・う・のないように」と声を合わせて言っていた。でもこの「粗相」の意味が分ったのは50歳を越えてからと聞きました。
いつも相手の目を見て伝わったかどうか確認して、伝わっていない時は易しい言葉に置き換えて、きちんと意味を教えるという丁寧な会話の習慣を先生も親も身につけていきたいものです。
「躾は親の視点、虐待は子供の視点」 2004/1/30
虐待防止の講演で「躾の行き過ぎが虐待ではない。視点が違う」という話を聞いてなるほどと感じた。
例として、ある英語の通訳者のお母さんが子供をバイリンガルで育てようと家の中では英語だけ、外でのみ日本語を許した。(お父さんも英語ペラペラだったのでしょうね。)
その子は小学校入学直前になっても幼稚園でしゃべらない。このまま小学校に入っても勉強についていけないし、心の問題もあって施設に保護されたという事例。
最近テレビでもこんな育て方している家庭を見たことがある。2言語獲得していく子供もいる。韓国語と日本語、中国語と日本語で育てている人も知っている。別に問題はない。
このお母さんは自分の子の言語獲得レベルは毎日一緒にいれば分っていたはず。出来ない子だっているのです。
そして楽しくないと子供は何事も体得していかない。(大人も同じですが)言葉をなかなか習得できず、楽しんでもいないのに、お母さんの目的のために2言語習得を強いたのは、やはり虐待でしょうね。
「伝わることば」 2004/1/28
最近のテレビから聞いた民主党の古賀氏のことば、大阪府岸和田市のあまりにもむごい虐待の事件の学校長のことば、児童相談所の職員のことば、どれも私には心に伝わってきません。なぜなのか???と考えています。皆さん自分の心にある本当のことばを出しているのでしょうか。保身でしょうか。枯れそうになった花束をもらった気分になってしまいました。
小さい幼児が現実ではないことを話すのは嘘つきではなく、
想像力が発達してきて、自分でお話を創ることが出来るようになったことで、その話にのってあげてください。
目がきらきらしてるはずです。
でも前記の3人の話すときの目は焦点が揺れ動いています。
伝わることばは表情からもどんどん心に入ってくるように
感じます。
明日はたまたま‘こどもの虐待防止ネットワーク’の方の手話通訳です。手話通訳をしていると、いろんな講演を聞くことが出来るのも楽しみです。
「子育て20年」 2004/1/12
今日は成人の日。
今小さな子を育てている親にとっては20歳までは長いと感じるでしょう。しかし今日を迎えた親にとっては20年は長いようで短かったのではないでしょうか。
子育てって本当に思い責任があるものです。子供に対しても社会に対しても。
この子育てというのは誰でも初めての経験の連続であり、
一人目と同じことが二人目に通用しない(応用はできるが)。
一日も休まず、しかもほとんどぶっつけ本番で進まなければならない。分らないからと育児書を読んでもそのとおりには進まず。イライラすることがいっぱいも当たり前。
このイライラを親としてどう対処していくかが、「子育ては親育て」と言われることでしょう。経験したことの無い自分の中の‘親’を成長させていかねばなりません。
その親子関係も終わりに近くなっての‘実子からの老人虐待’の話も身近に聞きます。この親子に何が足らなかったのか?と考えさせられます。
いろんな原因はあるでしょうが、やはり親子のコミュニケーションがずっと保たれていたのかが原因の一つでは?と思います。
小さい時からことばかけは絶え間なく、(うるさいといわれても。ここで途切れるとそのままになることもあり。)そして成人になったから終わりではなく、ここからが大切。物のプレゼントはもう終わりにして、ことばの花束を贈ることをずっと忘れずに!
「先生も成果主義に」 2004/1/8
こんなこと書くと叱られるかなと思いつつも、今子供を小、中学校の通わせている親は大変だなと思っています。
学ぶ内容が減ったかと思ったら、また増やすらしい。減った時の生徒はどうするの?先生方の努力を期待しましょう。
多くの先生は自己努力をして、指導の成果を常に考えていると信じています。
しかし小・中学校へ総合的学習の指導に行くと子供(中味が)みたいな先生がいる。若い先生は分らないことがあれば、先輩の先生に聞けばいいと思うが、聞かない人が多いと感じます。
クラスの中に入ると一国一城の主と思うからなのか?
今日から新学期。昨年送付しておいた授業に使う資料を失ったと電話あり。「学校のファイルに以前のがあるはずだから探してください」というとすぐ「なかったので再度送って欲しい」の返事。
昨年度の担当の先生に聞けば分るはず。この返事の速さは聞いてない。先生にも内申書 否、成果主義を導入して、子供にきちんと教育できているかどうか成果を出してくれないと、親は不安と思います。
先生に採用されるのは、とても難しいと聞いています。
きっと成績優秀な人ばかり。インプットしたものは沢山持っているのでしょうから、後はそれをアウトプットするためのコミュニケーション力だと思います。ことばの花束の選択を!
「読書好きは賢い?」 2004/1/7
作家の田辺聖子さん曰く「今の人は読者しなくなって、皆バカになってきた」と。「ウ~ン 私もかな?否、私も」と実感。(私は今の人じゃなく、昔の人だけど)
このことを本当に実感できたのは手話に関わってからです。
(この‘実感’を伝えることばの花束を作るのが難しいのですが)
大人になってから「もっと本を読んでおけばよかった」と反省。そして親になって、絵本から、寝る前の読み聞かせまで一応やったが、その頃もことばの力が思考力と比例するなんて考えてもいなかった。
自分が成長する時で失敗。親としてもこの部分で失敗です。(もちろん読書は感情とか情緒とか心などを育てるものですが、ここではことばだけを考えています。)
そして本からだけでなく子供に話かけることばももっと豊富だったらと。
きっと田辺さんとカモカのおっちゃんの間には豊かなことばの花束のやりとりがあったのでしょうね。
「内弁慶と外弁慶」 2003/12/4
内弁慶とは外では意気地がないが家の中では威張っている人のことをいうが、中学の先生の投書に「今、学校に‘外弁慶’が増えている」とあった。
親が自分のいいなりになってくれる家庭や放任されている家庭では自分の好き勝手ができるので、普通にしていられる。
集団生活の場の学校で集団と個人の兼ね合いが出来ず、勝手な行動をする外弁慶が多い。小、中学校は行く機会があるので先生のいわれるとおりと共感できる。
先日小学4年生、2クラスで50名という学校へ行った。
2クラス一緒の授業なので、場所は体育館。始業ベルが鳴り、2人の先生が自分のクラスの生徒をきちんと並ぶように指導している。30代の女性教師のクラスは生徒は先生の顔を見て聞いている。一方の50代の男性教師のクラスは大声を出しているのに先生の顔を見ていないし聞いていない。先生の声はますます大きくなっていく。特にこの先生のクラスに外弁慶が集まったとは思えない。
最小の集団の家庭もすこし大きい学校も人と人とが
折り合っていくことの大切さをもう一度教えなおすことが必要ですね。
社会という大きな集団の中で‘外弁慶’がすでに増え続け、みんな困っているはずですから。
「ことばの力‘情緒力と思考力’」 2003/11/6
文化審議会国語分科会の答申案で今後の国語教育の目標は‘情緒力’育成を掲げた。
どうして人の痛みを考えないのか、情緒が不安定で起こしたのかという事件は多い。
もう一つ‘論理的思考力’の獲得ももっと考えるべきという事件も多い。どうしてこんな事件を起こすような考えになるのか全く理解に苦しむことが多発している。
言語力が高いと思考力が高いということは実感している。
ただどちらが大切かではなく、人間として両方バランスよく獲得すべきで、今はこちら・・ということにはならないと思う。
もう一度みんなで豊かな言葉を使えるようにして、次の世代にも伝えていきたいものです。
「子供を本好きに」 2003/10/30
目の見えない人はラジオなどの音で情報を得る。耳の聞こえない人は本が読めるから、情報、知識は普通に入ると思っていた。しかし実際は本をあまり読まないろう者が多くいることを手話を始めてろう者と出会って知った。
もし私が科学の専門書を開く。日本語は読めるが意味がさっぱり。意味の分からない言葉が1行に3つも4つも出てくると先を読む気はなくなる。
これと同じで日本語を十分習得できていない人が、本を開いても楽しめない。
小さい時から言葉かけを多くして子供の言語力を高めてあげれば、読書を楽しむことができる子供になる。
子供が言葉を一番よく覚える時は2時間に1語入っていくらしい。1日12時間として・・・365日 すごい!
私はこのぐらいのスピードで忘れていくが。
「1学年1クラスの子供たち」 2003/10/21
総合的学習で近くの小学校の4・5年生への手話指導に行った。。街の真ん中で少子化だけでなく、商業地域で住宅が減っているので、1年生から6年生まで1クラスのみ。しかも生徒数は各学年25人前後。名札を付ける必要もないらしく、名札なし。
入学時の小さい時からずっと一緒なので仲がいい。(一人が困ると回りから助け舟が何艘もでてくる)
男子と女子も仲がいい。普通5年生になると男女の間は遠くなっていくのに、ここはまるで兄弟感覚。
1クラスの中が大きな家庭という感じで6年間を送る。
いこごち良さそうでメリットも大きいが、いろんな友達(親密度がいろいろの)と接してコミュニケーション能力を鍛えるという面ではデメリットも大きいと感じた。
「ことばの力で‘キレない子’を育てる」 2003/10/9
手話を学ぶとき、例えば「楽しい」という手話を手で表すと同時に顔、手、体の表情も「楽しい」に合った表情をすることを学ぶ。
この逆で写真の表情を見て、ことばで表現させる指導がある。(セカンドステップという授業。ファーストステップは大人の虐待から身を守ることを学ぶ)
人の感情を理解するのは「人間」になる大切な勉強で、ことばで感情をうまく表現できると暴力がなくなる。
ことばの習得ができなかったろう者の夫婦で60歳近くなってもけんかは殴る、噛み付く状態をみてきた(夫婦両方が)。言語が少なくいわゆる口げんかができなくなると暴力でしか自分の感情が表現できないのである。
ことばの力は‘キレない力を育てる’ことになる実例です。
「目は口ほどにものをいう」 2003/9/9
1日に5秒でも10秒でもアイコンタクトで話すことが大切と昨日書いた。
目からのサインと口からの言葉とあなたはどちらを信じますか?(目だけでなく、顔全体の表情と言葉を比べてみる)
ポーカーフェイスの上手な人もいるけれど、やはり目のサインはあまり嘘をつけないような気がする。聞こえる人は声の調子でも相手の真意をはかろうとする。耳の聞こえない人は視覚に頼っているので表情に中でも特に目からの言葉をきちんと読んでいるような気がする。
感謝の気持を伝える時、口からの言葉「ありがとう」と共に
表情もそして目も「ありがとう」にしましょう。
「サイン(warning sign/予兆) 2003/9/8
サインといっても手話(サインランゲージ)ではなく、予兆とか警告のサインのことの話です。
日本でも数年前の神戸の小学生殺害事件、今年の中1による幼児殺害事件。加害者が事件を起こす前には必ずその前兆のサインを出しているという。事件が起こると周りの人は「普通の子だった」言う。でも必ずwarning signがあったはず。しかし親とか先生がそれを見落としている。
専門家曰く「顔と顔を見合わせてのコミュニケーションが、
5秒でも10秒でも毎日とれていたら、このサインは分かるはず」
音声による言葉では横からでも後ろからでも会話ができる。
(手話は視覚言語なので、顔と顔をあわせてはなす。)
人間のコミュニケーションの原点はフェイス・TO・フェイスであったはず。
ことばの花束を渡す時は相手の目を見て、表情を見て渡したいものです。
「夏休み、親子げんかは?」 2003/8/31
今日で多くの学校の夏休みはおしまいですね。
親子が長い時間一緒にいると、お互いに疲れて、棘のついたままのバラの花を投げませんでしたか?親にとっては長い人生のほんの一時のことで、忘れてしまうことが多いのですが、子供は刺さった棘の痛みを大きくなっても覚えていること多々ありです。でも時には言いたくなりますよね。
そして言わなければならないこともあります。
そんな時、目を合わせて言うことが大切では?と思います。
目と目を合わせて話すとあまり大きな棘は取ってしまおうかなと思ってしまうものです。
「夏休み子供電話相談室」 2003/8/20
夏休みになると毎年ラジオでこの番組をやっている。
台所仕事をしながら時々聞いている。4~5歳のかわいい声での質問「海の水はどうして地球からこぼれないのですか?」「太陽はどうして動くのですか?」とか「雲はどうして浮かんでいるのですか?」私の楽しみは先生方がその内容を小さい子供にどのように伝えるか。
先生方は普段は大学生とか大人と話しているのでしょうが、
小さい子相手に最初は言葉に気をつけていらっしゃる様子。しかし、一生懸命伝えようと内容に気を取られると時々、言葉選びを忘れるみたい。3番目の質問の答。「水の小さい粒が‘集合’」(‘集まって’の方がいいんだけど・・)。
「大きい水玉になって‘落下’(‘落ちる’でいいのでは・・)一つ一つ通じたか確認する癖がついてしまった自分
。楽しいというより疲れてしまいます。書き言葉のように漢字を見れば意味がわかるのが多いのと違って、耳から入る話言葉は五十音の組み合わせを変えたひらがなで入ってくるので、相手がそれを漢字に変えて意味が取れるかどうかを
考えてしまうのです。
「先生から生徒への花束」 2003/8/12
学校に行ってお母さんたちに子供とのコミュニケーションについて話すことがある。先生からも参考になったと言われることが多くある。でもおかしい。先生は子供に伝えるというコミュニケーションのプロでなけれはならないはず。いつも子供に通じているか否かを確認しながら、話すべき人である。ほとんどの先生はプロであると思うが。 ある小学校の校長先生がいい話をしてくれた。
ある日全校生徒の前で話しているとき、あまりにもうるさいので「静かにせんか!」と言ったら、一年生がにこにこして
皆、がやがやと寄ってきた。
「静かにせんか!」の‘せん‘を否定ととっていて「静かにしないで!」と理解したのである。その後はいつも一年生が理解できる言葉でと心がけているとのこと。
今夏、夏休みに入る前に多くの小学校で「渋谷のような‘危険‘なところへは行かないように」と校長先生からお話があったと思う。しかし、この‘危険‘は海で「危険なところに行ってはだめ」の‘危険‘とは違うし、交通量の多い道路を歩いている時の‘危険‘とも違う。
先生がやさしい気持ちで投げたことばの花束が生徒がきちんと受け取れているかどうか。
「‘わかった!’は本当に‘わかった’?」 2003/8/13
手話を始めた頃、先輩から言われた言葉。「ろう者に話して、終わりに、通じたか否かを聞くために‘わかった’と聞くときの注意。’わかった?’と聞いて‘わかった’と答えられても、それは‘わかった’という手話がわかっただけで、その前に話した内容がわかったのではないことも多くある」と。その後、こんな場面にだびたび出会う。言語を習得する前に聞こえなくなった人の中には、その後の言語習得がなかなか難しい人がいる。
夏休みも後半になり、毎日、長時間子供と付き合っているとお母さんのイライラも積もり、「ガミガミ・・・・」そして「わかった?」。子供はお母さんの怒りが声の調子で、顔で、わかるから、それらから逃れるために、内容が理解できなくても、とりあえず「わかった!」。
お母さんの送った棘のついたままのばらは、きれいだけど、
受け取った子供は痛くてすぐに捨てるのでは?
「赤ちゃんの抱っこは聖マリアの如く」 2003/11/9
聖マリアはキリストをほとんど左胸に抱いている。
左腕で支え、自分の体の左側を押し付けている。
赤ちゃんの耳がお母さんの心臓にくっつくことで、胎内で聞いていた母親の心臓音が聞こえ、慣れ親しんだ音に安心感を覚え、良く眠れるらしい。これは赤ちゃんとお母さんのコミュニケーションの始まりですね。
そういえば抱っこしてよく眠ったので、そっとベッドに降ろすと目を覚ましたり、おんぶ(これも赤ちゃんの耳はお母さんの背中にくっついて心臓音が聞こえる)していて、熟睡していると思って布団においた途端泣き出したり。
最近はおんぶ、抱っこはほとんどなく、ベビーカーの中で眠っている赤ちゃんを見る。
これから寒くなったら、せめて家の中でおんぶしたり、抱っこして、赤ちゃんを早く眠らせる方法を試したら如何でしょうか。
こんなスキンシップいっぱいの花束こそ育児に大切なものと思います。
「子守唄は赤ちゃんの呼吸のリズムで」 2003/10/5
赤ちゃんを背中におんぶしているお母さんを見ることはほとんどなくなった。
子守唄はCDで、かもしれないが、CDは最初から最後までテンポは同じ。
昔のように背中におんぶした状態を考えてみてください。
赤ちゃんの胸がお母さんの背中にぴったりついているし、赤ちゃんの鼻、口はお母さんの耳の近くにある。
赤ちゃんを寝かすとき、子守唄を歌う。背中と耳から伝わる赤ちゃんの呼吸に合わせて歌える。寝入りそうになるとテンポもゆっくりになっていく。
「息が合う」とか「阿吽の呼吸」といった言葉があるが、このお母さんが赤ちゃんの呼吸のテンポに合わせて歌うことは相手に合わせて話すというコミュニケーションの原点だと思った。
「赤ちゃんの’うつ状態’??」 2003/10/10
新聞に毎日のように働き盛りの人のうつ病による自殺とか、高齢者のうつ状態の増加という記事が載っている。しかし
今朝の新聞に「赤ちゃんの‘うつ状態’」という記事を見てびっくりした。ことばや行動で反発できない赤ちゃんはストレスを抱き続けているうちに、自己主張や感情表現をしなくなっていくとのこと。赤ちゃんはことばはまだとしても、泣くことで訴えているのでは?と思ったが、最近の住宅事情や、お母さんのうつ状態で泣くことも止められているのかも知れないと感じた。
赤ちゃんが声で(日本語で)自分の思いを伝えられるには1年半以上かかる。それまでのコミュニケーション方法として、サインがあるのですが。
「笑わない赤ちゃん」 2003/10/12
赤ちゃんは大泣きしていたかと思うとすぐ笑顔になったり。
赤ちゃんの笑顔は回りの人を幸せにする天使の笑顔。
しかし最近保育の場で抱いても、あやしても笑わない赤ちゃんが目立ちはじめ、6%いるとのこと。他のところでは13%のところもあるという記事を見た。
大人は頭の中に笑う材料を体験から一杯持っているし、自分から笑うことを求める(落語とか)こともできる。
しかし赤ちゃんの頭の中にはなにもインプットされていない。だからこそ、お母さんや周りの人が赤ちゃんが笑うようなことを働きかけていくことが必要。
少子化と核家族化で、お母さんの孤独感が高まって、とじこもり育児になり、お母さんの笑顔が無くなっているのかな。
「赤ちゃんのアイコンタクト」 2003/10/13
昨日書いた「笑わない赤ちゃん」のうち、目を見て話かけても目を合わせない赤ちゃんが半数以上いるという。
普通赤ちゃんは目の前の動くものに興味を持ち、目で追い、触る。目や口に手を持ってくる。お母さんの動くその目や口が笑っていたら、きっと赤ちゃんも笑顔になるはず。
声だけで横から後ろから話しかけるのではなく、目を合わせて話してあげてくださいね。
お母さんも赤ちゃんのように全身で。そして赤ちゃんの目を
更に引きつけるために手も(身振り、手話、サインなんでもOK)口と同様に動かしてみてください。
お母さんの全身からのことばの花束を赤ちゃんはきっと笑顔で受け取るでしょう。
「‘痛い’の手話」 2003/10/16
今、歯医者に通っている。大きく口を開けた私に医者が声をかける。「痛いですか」「この歯は・・・」質問されても、口を開いたままでは答えられない。私は手話で答えれるが、医者が分からない。
以前、聞こえない人が歯の治療を受ける時の通訳に行った。
上を向いて口をあけている人に手話を見えるようにすることはできない。普通ならこんな時、聞こえない人は相手の口の動きで何を言っているか分かるのだが、歯医者さんはみんなマスクをしている。最悪なのです。そこで医者のほうに手話の「痛い」を教えて、使ってもらった。
「痛い」の手話は簡単なので、病気で声を出すのが苦痛の人に手で表してもらったり、赤ちゃんに教えると、どこが痛いか知らせてくれるので、お母さんが助かることが多いと思う。
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