徒然

徒然

2011.05.05
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非常な苦労と病気に打ち勝って独学で美術を学び、東京芸大の教授として絵の美しさを表現し、教え続けた画家がいます。
林武さんの文章を読み感動したことを覚えています。

その一部を抜粋すると

『われわれの日常生活は、完全を求めながら、欠けをならす営みであった。いま生きているという実感は、欠けによってはじめて得られる。
欠けが魅力であるのは、そして、美人がほくろや八重歯によって、また顔をほころばせることによって、あるいは泣き、怒ることによって生き生きとした魅力を表現するのは、それがわれわれのつりあいへの欲望をそそるからである。
欠けこそが生きていることの証しとなる。食事をする。恋をする。すべて欠けを充足し、ならす生の営みである。欠けばならしを求める生の姿であるがゆえに、なまなましい美となる。
この美は、民衆が人間としての権利を獲得したときに発見された。美醜の観念は、このときにまったく変った』


松下幸之助さんは
「なぜ成功したと思いますか」と聞かれ、
「体が弱くて学問がなかったからだ。体が弱かったから人を信頼してお願いすることができた。学問がなかったから人の知識を素直に求めて感謝することができた」と述べています。

普通の人なら真っ先に短所に挙げそうなことを資産数百億円の成功の理由に挙げています。

要領が悪い、ケアレスミスが多い、専門知識がない、何事においても未熟すぎる…という自分を見つめれば、誰よりも他人の応援に感謝できる「素直さ」という長所に転じるでしょう。
短所の塊のような人も、人に感謝する心さえ忘れなければ、人を惹き付けて離さない巨大な魅力を持ちうるものです。
反対に、何でもできて周囲から完璧と思われている人でも、長所の塊が冷たさや慢心を招けば、それはいくら長所を挙げても足りない巨大な短所になってしまいます。

満ちと欠けは表裏一体であり、相互が原因であり結果です。

ですから、欠点を欠点とだけ見て落ち込まず、長所を長所としてだけ捉えて慢心するのではなく、相互を「表れ方の違い」だと考えて、生活してみてはどうでしょうか。

「欠けは新たに生じた欠けというよりは、一つの部分が満たされたことによって自覚が鮮明になった欠けなのであって、「元々劣っている」というような種類の欠点ではありません。

仕事上で人脈や知識、経験、信用、実績があまりに乏しい自分に嫌気が差し、それを埋めようと必死に努力していくらかの改善を達成すれば、
次はリーダシップやマネーセンスが足りないと思えてきます。
そこでそれらを埋めてみると、次は愛情や健康が足りない自分に気付き、幸せの動機も基準も、こうして年齢や経験を重ねるほどに変化していくのです。

そこにあるのは

「欠けの自覚」と「埋める努力」の繰り返しです。

だからこそ「いま生きているという実感は、欠けによってはじめて得られる」ということです。

「満たされている」と思い込んで停滞するほうが怖いことです。

それは「希望なし」、「成長なし」という悪質な欠けにつながるからです。
足りないことも、埋めている間は楽しいし、埋めればこそ感動があります。

空腹を埋めれば満腹になるし、寂しさを埋めれば喜びになるし、寒さを埋めれば温かさになるし、無知を埋めれば知恵になります。

不足や欠落にコンプレックスがあるという方は、ちょっと視野が狭かったり、視点が短かったりするだけではないでしょうか。
欠けは欠けているからこそ欠けなのであって、それは「満たされる前」であるに過ぎません。

欠けはありがたいものであり、満たされて充足している状態は危険が満ちています。
恐怖を感じていることが健全な状態だと思います。

以前どこかで、

少しの不幸が最も幸せである

という言葉を聞いたことがあります。
まだ自分がやれることがあり、努力をすれば成長できる状態は幸せですね。

あなたは、どこが欠けていますか?
そして、それが満たされる前の段階だと認識できてますか?

前向きに生きられるのではないでしょうか?

■参考図書:美に生きる 林武著 講談社現代新書





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最終更新日  2011.05.05 17:46:26
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