割箸職人のつぶやき

割箸職人のつぶやき

☆割り箸はムダなのか

年間日本でどれくらい消費されるかご存知でしょうか?
約250億膳。
数字だけでみるとへぇ~~~って感じなんですけど・・
使ってるんですね!そのくらい。
ほとんど中国からの輸入箸です。
箸は環境破壊だ!! いっとき話題に上りました。
木を切り倒して箸を作る。
そんなイメージしかないかもしれません。

柾目美しい杉。芳香漂う桧。
優秀な木材を育てるための吉野の林業。
「伐ったら植える」事を繰り返す循環型林業。
間伐をしていい木を作り、間伐された木は色々形を変えていきます。
私たちの産地では、その間伐された杉や桧をその材として利用しています。
原木から角材、建築用材をとり、
もうこれ以上、材として扱えない端材 ”背板” といわれる部分
を材料として箸を製造しております。
その全てを余すことなく利用しています。
作業工程で出てくる木屑は紙の原料、燃料などに利用され
ています。また、使用済み割り箸を集め紙にリサイクルされています。

ここのところ箸業界では、さまざまの問題を抱えています。
中国からの輸入箸が2008年よりストップするとかしないとか・・
中国の材料はロシアからの輸入木材などで、その乱伐が問題となって環境保護の観点
から伐採禁止の措置などもとられているそうです。
中国からの箸の輸入がストップすれば私たち国内業者にとっては追い風となってこれ
からいいのでは、という楽観的意見もあるのですが、日本国内では私たちの材料とな
る”背板”の不足が深刻で、これからの”箸”に対する捉え方を考え直さないといけ
ません。輸入箸の薬品の使用も気がかりです。


日本人が箸を捨てる事はないでしょう。手で食べる民族ではないですから。
必ず箸は必要なのです。
そのほとんどを輸入に頼っているという事実も受け止めないといけません。
最近では、吉野材を中国に持って行き中国で加工して吉野割り箸として
製品になり販売されています。
私たちの生産する吉野割り箸が、市場に出ると区別できるものさしがありません。
これが ”吉野産” といえる物作りをする必要があります。
作る側の顔の見える箸作りがこれからの課題の一つでもあるのかなと・・・ 
改善すべきはしていかないと伝統と歴史はそこで終わってしまいます。

これから、私たち ”箸” を作り続けていくために何をすべきか・・・?
先人たちの残してくれた箸作りの技術と知恵を受け継いでいきます。
何よりも、環境に優しい物作りであることを自負していますから。
箸は環境破壊の全てのように言われた時期にも、「吉野は違いますよ」
言い続けてきました。これからも変わりません。
全てを見ていただけばそれは理解していただけることですから・・・



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