大切な日々

大切な日々

お腹の赤ちゃん


今でもとても鮮明に覚えています。
生理が2日遅れただけなのに何となくそんな気がして検査…
結果は陽性!!

まだ23歳になったばかりで待ち望んでいたと言うわけでも
なにのに、嬉しくて嬉しくて涙がこぼれました。
すぐに夫の会社に電話したものの気が動転していて何故か代表
に掛けてしまい、名乗りもせず夫を呼び出したので、かなり
不審がられたみたい(汗)

それからの妊娠生活はひどいつわりに悩まされたものの、
今までに感じたことのない幸福感でいっぱいでした。
世界がバラ色って本当にあるんだぁと実感したくらい(笑)

今思えばまだ知らない将来に辛い現実が待っていることを
赤ちゃんは知っていたのかな??
しっかりと赤ちゃんを受け止めるための母としての愛情を
この時一生分プレゼントしてくれたような気がします。

在胎6ヶ月くらいに入り胎児の成長が遅れて来たことで
要観察になり、その後の検査で赤ちゃんの頭が小さく、
脳に重度の障害があることがわかりました。

早めに判り気持ちの準備をする時間を与えてもらったけれど、
不安もとても大きかった…。
検診が一変して苦痛なものに変わりました。
夕方泣きながら歩いた産院の帰り道…家までの道のりが余計に
暗く遠く思えたなぁ。

でも「どうして…?何で私の赤ちゃんが…?」そういくら
心の中で問い掛けても答えはありません。
泣いても仕方がない。いや泣いちゃいけないんだと自分に
言い聞かせて毎日を乗り越えました。
愛しい愛しいお腹の赤ちゃん。私が守るしかないんだと…。

妊娠中付けていた日記の最後に私はこんな風に書いています。


16:59 00/04/07
もしかして1年以内に死んでしまう赤ちゃんの可能性もある
とのこと。とても信じられない。こんなに元気にお腹で動いて
いて、もう8ヶ月も一緒に過ごしてきたのに。
少しでも元気で産まれてきてくれることを願うしかない。
もしどんな大変な状態でも、少ししか生きられなくても、
精一杯愛そうと思う。
赤ちゃんが私のところに来て、本当に沢山の幸せをくれた。
今でさえ赤ちゃんがおなかにいてくれることは、わたしにとっ
てすごく幸せなことなのだから。
だから私も赤ちゃんのことを愛したい。持ってる全部で。
私達の所に来てくれた奇跡に感謝したい。私の赤ちゃん。
来週入院して、MRIをうけて、赤ちゃんの脳の様子を調べる。
覚悟はできている。
どんな結果でも、できる限りのことをするだけだ。
来週の月曜日で8ヶ月に入る。 


不安と苦しみの中で私が母になった瞬間だったのかもしれません。


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