大切な日々

奇跡

抜管した日の夜９時ごろ、最期のときを僕が抱っこして過ごしていた時、酸素
飽和度と心拍が一緒に急激に落ち込むことがありました。目を見開いて苦しそうな
表情が本当に辛そうで耐えられなかった。もし同じ様な状態が続くのなら、
呼吸を抑制してでも痛み止めを使ってもらうように医師に頼みました。信じたくないけど、
本当にもう最期なんだと感じました。（今思えば軽い心不全だったのかも）

でも、その日の夜を小さな呼吸で乗り越え、ささやかな願いだった６月２２日の
お誕生日も迎えることができました。病院の医師とナースが歌を歌ってくれて、
学校の先生達がお誕生祝いに駆けつけてくれて、とても賑やかで、でもとても
悲しい誕生日でした。学校の先生は校庭で見つけたという四葉のクローバーを
持ってきてくれました。本当に感動して涙を抑えることができなかった。

それから先は母親の日記の通り、数時間の命は２、３日に延び、１、２週間に延び、
今では注入を１００ｍｌ開始できるまで回復してくれました。

最期のときを迎えても後悔はあまりありませんでした。本当に素晴らしい８年間だった。
本当にいろんなことを学び、幸せをいっぱい味わった日々だった。心からそう思えた。
自分なりに精一杯育児と仕事を両立してきたという気持ちがあるからだと思います。
でも、もし奇跡が起こったら生き方を変えようと思ってました。

仕事的には一番充実し、かつ能力が最も伸びると言われている３０代、ゆうだいのことも
しっかりケアしつつ、仕事上で出来る限りのチャレンジを。その思いが強くあり、
「３０代のうちに死ぬほど忙しく働いて、とにかく自分を追い込む」ことと
「一日四ゆうだい」でしっかりと介護もサポートすることを念頭に過していました。
でももう卒業しようと初めて思いました。きりがないし、時間がもったいないから。
「技」を伸ばすことに期限も限度もありませんが、「心」の充実は臨機での適切な
行動が大事なんだとつくづく感じたのです。

今までの経験が活かせる仕事で、ゆうだいと一緒に過ごす時間がもっとあって、
しかも自分自身がワクワクできる仕事を本気で探そうと思ってます。

ゆうだいの後に自分が倒れた話。僕は超ポジティブ思考かつ、ものすごく負けず嫌いなので、
世の中の大抵のことは頑張ればなんとかなると思ってます。でも、自然の摂理は
自分の力ではどうにもならないというのを目の当たりにして、３３年間生きてきて
一番へこみました。（当たり前のことですが、）人間は必ず死ぬし、それは絶対に
人間の力では止められない。それが頭の中に一杯になって、仕事とか自分の成長とか、
そんな小さい話はどうでもよくなった。そんなことをずっと考えてたら、
謎の細菌感染にかかり、３９度の高熱と激しい喉の痛みで飯も食えず、
２週間弱寝込んだ結果５ｋｇ痩せました。（しかし、そんなに強いウィルスは
検出されなかったらしい。。）

本当に辛い６月でしたが、いつのまにか梅雨もあけ、今日はすがすがしい夏の日でした。

ジャンル別一覧