わたしのココロの気持ち

sonomama


風が強いみたいで 波がすこしうねっていた。
白い波ではなくて 大きくうねっているだけだった。

話半分で 缶ビールを飲んで灯りもなんとなく 目に映るだけ、
大きな感動もなかった
今も昔も 誰にも媚びずに灯っていた。

ワンボックスの後ろシートはフラットになっていた。

めんどう。

そう思って 対岸の灯りをぼんやりとながめた
何本か空けたビールの缶を袋に入れて振り返ると
くつろいでいる姿が見えた。

またビールを空けた。

気持ちも頭も 空白なまま、振り返った。
影しか見えない姿は 待っているように見えた。

めんどう。

ずっと待っているだろうな
缶をホルダーにいれて 這う様にして無気力にいった

「気持ちよくしてくれる?」

少し甘えた声に
のそっと動く影が 覆いかぶさって さっきまで見た灯りが 消えた。

ウエストから?
いつもとは違うスタートだったから
期待はずれと ハプニングで 高鳴った。
私を忘れてる?

酔っている思考は そんな小さなことは却下した。

舌のように這って上ってくる指は 停まった
同じ場所を何度も這う
目の前海のように高くなったり低くなったり。

意識から遠いところで 腰のベルトが緩くなった
緩くなった隙間から 暖かい感触が滑り込んできた。

そ~っと包むような支えるような感触は すぐに逃げ去った
向きを変えた暖かい感触は
すーっと滑って落ちていった。

すーっと意識も無くなった。
勝手な憶測の期待で 受身になった。

記憶もあやふやで 陸の上で波にのって
無意識に踊らされている

もう一人の私の最後の記憶。
最後に聞こえた
「いっていいよ」


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