ゆきあけのボヤキ

告白

平成17年9月 作成

~告白~


私には言わなければならないことがあった。

付き合った時からずっと言わなければと悩んでいたこと。

弟の事。

本当は先に言ってしまいたかった。

まだ私がゆうちゃんに対して恋愛感情が生まれていない時期に。

それでダメだったら「あっそうですか、じゃあもういい。」で終われる。

でももう私はゆうちゃんの事が大好きになっていた。

絶対に失いたくないと思うようになっていた。


けれど私には避けて通れない道、それが弟の事だった。

周りは「気にすることじゃない。」って言ってくれてたけど

私にとっては何よりも今まで一番気にしていた事。

誰かと付き合う事があったら真っ先に伝えようとしていた事。

とうとう言うべきときがきてしまった。


GW、旅行へ行く前日、大阪から来ていた友達と三人で飲みに行った。

GWが終わって友達が帰ったらゆうちゃんに話そうと決めていた。

この日の飲み会は私がゆうちゃんに弟の事を“告白”する話題ばかりだった。

友達には「酔っ払って言うな!メールで言うな!」と忠告された。

それは私も分かっている事。

どうしようどうしようと悩んでいる間に私はかなり悪酔いしていた。

あまり食べていなかったのもあるけれど

頭の中で考えている事がごちゃごちゃになってパニックになっていた。

いつの間にか泣きじゃくりながら自分の思いを友達に伝えていた。

今更伝えなくても私の思いなんて昔からよく分かっている友達。

“ゆうちゃんに全て告白して嫌われたらどうしよう”

“大阪にも帰りたいけど、もうこのまま松山でゆうちゃんといたい”

“ゆうちゃんを絶対に失いたくない”

色んな思いを友達にぶつけた。

ときに口を出しながらも黙って友達は私の泣き言を聞いてくれた。

「ゆうちゃんがそんな子や思ってるんか?」という一言に

「思ってない・・・」とだけ答えた私。

友達が帰る日、5日に告白すると私は決めた。

久々に吐きそうなほど気分が悪く、家に帰ってからも泣きながらトイレにこもった。

ゆうちゃんの声が聞きたくなって電話するのに出ない。

お風呂に入っていたと言って後から電話をかけてきたゆうちゃんに私は怒り口調で接した。

途中また気分が悪くなり隣りにいた友達に電話を代わった。

「優しいやんか。何か飲ませて吐かせたってって心配してたで。」と言われた。

スグ酔っ払って騒ぎ出す私を皆分かっているし扱いも慣れているけれど(笑)

この日のこんな酔い方は今まで見たことないと後から言われた。

それほど私にとっては不安と辛さでいっぱいだったのだ。


大阪へ帰る友達を駅まで送り、新居浜の友達と私の家へいったん戻る最中から震えていた。

「すぐ帰るん?もうちょっとだけ一緒におって~や。」と友達にお願いした。

友達が帰ったら言わなければ言わなければと思うとどうしようもない気持ちになっていたから・・・

しばらくして友達は帰った。

帰る時「頑張りや!!大丈夫やって!!頑張って!!」と声をかけられた。

夕方6時半には二人で初めてのお食事デートのお店を予約してある。

もう時間が無い・・・早く言わないと・・・

中々言えずにいた私。

気持ちを奮い立たせて「大事な話があります。」と切り出した。

切り出したものの言葉が先へ進まない。

「ん?どうしたん?」と聞くゆうちゃんにぼそぼそ話し始めた。

「弟な・・・えっと・・・」泣きたくなった。

途切れ途切れになりながらも全て話し終えた後

「俺がそんなんでし~☆の事嫌いになるヤツと思ってるんか?」と言われた。

「ちゃんとこっち見てみ?目見てみ?」と言い、大丈夫だと言いながら抱きしめてくれた。

私は何とも言えぬ不安と緊張感からやっと力が抜けた。


食事を終えて家に帰ってから心配していた友達に連絡した。

大阪へ帰った友達はちょうど大阪駅に到着したところだった。

私の報告に「そやろ?そんなんあんたが気にするほどの事じゃないねん。

でも良かった良かった。早く結ばれて下さい(笑)」と言って喜んでくれた。

別の友達には「し~☆が一番今まで気にしてた事を言えて良かった。」と言われた。


けれど全ての力が抜けたわけでは無かった。

その後もいつも私は心の中で不安と闘っていた。




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