ゆきあけのボヤキ

手段

平成17年12月 作成


~手段~


復活した時ゆうちゃんは私に結婚しないでずっと恋人として付き合っていくと言った。

私はただゆうちゃんといたいだけだったから結婚出来なくてもそばにいれればいいと思った。

けれど次の日「俺も今は結婚あせってない。せんでもいいと思ってる。

それに結婚以前に年も年やから家も出ないかんと思ってるし。」と言った。

そうよね、もう30も過ぎてるんだから実家暮らしってのもね。

「これから10年でも先、弟の事が過去の事になってそれからでも遅くないんちゃうの?」

夏の逃亡前、Jがゆうちゃんに言った。

ゆうちゃんは「このままの状態で10年し~☆を好きでいられる自信が無い。」と言った。

早く子供が欲しいと・・・


色々周りの言葉をゆうちゃんに伝えた。

しばらくこの先について色んな話をした。

「ずっと(し~☆と)付き合ってたら親も諦めるやろ。子供が出来たら反対出来んし。

だからこれからは避妊しませ~ん。子供作るぞ!出来ちゃった結婚で強行突破や!」

最終ゆうちゃんが出した結論。

それは “出来ちゃった結婚” だった。


春、付き合ってスグにゆうちゃんは「ここ(私の家)に住んだろか?」と言った。

でも私は「出来ちゃった結婚と同棲はしない派やから。」と答えた。

別に絶対というわけでもなかった。

出来たら出来たでいいとは思っていたけれど、敢えて出来ちゃった結婚はしたくなかった。

きちんと段取りを踏んで結婚にもっていきたかった。

けれどもうそれは無理な話になっていた。

ゆうちゃんの両親は私たちが復活した事実を知らない。

そう、私たち2人はゆうちゃんの両親に隠れて付き合うことになっていた。


友達や親や親戚にはそんなこと言えなかった。

ゆうちゃんの根性が無いって言われるのが嫌だったから。

これ以上皆が受けるゆうちゃんの信用を無くしたくなかったから。

ゆうちゃんのことをこれ以上悪く思われたくなかったから。

だから私は嘘をついていた。

「ゆうちゃんの両親は知ってるんやな?」って聞かれた時も

「知ってるよ。」と答えていた。

友達には「何年かでも付き合ってそれでもまだ反対されるようやったら子供作ったらいいねん。

でも今スグ作るのは早すぎる!!」と言われていた。

一度マサ姉に口を滑らせてしまった。

「そのうち親も諦めるやろやって。」と。

「はぁ???諦める???何やそれ???説得も出来へんのんか???」

と案の定深く突っ込まれた。

慌てて私は「違う違う。これから付き合っていく上で説得していくやって!」と言い直した。

「それやったらいいけど・・・(略)」

マサ姉の言いたいことは分かっている。

マサ姉だけではなく友達も皆そう思っていたに違いない。

皆が思うこと、言うことが正しいというのは私ももちろん分かっていた。

けれど私たちにはもう情けないけれどこんな方法しか取るとこは出来なかった。

ゆうちゃん自体、両親を説得することが不可能だったんだろう。

確かに不安だったけれどゆうちゃんがそう言うならそれに従うしかなかった。

ゆうちゃんの家族に隠れて付き合っているということを私の口から言わなくとも周りの友達は自然に気付いていた。

その自然に任せて私も隠れて付き合っていると思わせる日々の出来事を普通に話すようになった。


“出来ちゃった結婚”

確かにわざとこういう方向に持っていっていることが分かったらさすがに私の身内は怒るだろう。

だから口が裂けても私の身内にそんなことは言えなかった。

ただ、実際そうなれば私は私なりにこういう手段を取ったと説明出来る。

反対なんて絶対にしないって私は分かってたから。

結局のところ私の人生、私が幸せだったら誰も反対なんかしない。

そんな考え、私の思いをゆうちゃんに伝えた。

【先にできるの、やばくはない?】と言うゆうちゃんに

【だってそれしか方法はないやろ?し~☆はゆうちゃんがちゃんと守ってくれるんやったらそれでいいよ?】

と私は出来ちゃった結婚に同意した。

【し~☆側はし~☆が何とでも出来る。】と言う私に

【俺側は俺が何とでもできる。】と言ってくれたゆうちゃんを信じた。

【最終手段できちゃった結婚するんはいいけど、そのときにゆうちゃんの両親は激怒するやろうから、

そんな状況になってゆうちゃんはちゃんとし~☆の味方になってくれるん?ってことだけ皆は心配してる。

し~☆にはゆうちゃんしかいてないんやからって。】

【大丈夫です。】

私も確かに不安が無かったわけではない。

でもゆうちゃんが私をちゃんと守ってくれるのならそれでいいと思った。

何度も念を押す私に「大丈夫」と言ってくれたゆうちゃん。

じゃあそれでいいよ。

出来ちゃった結婚でこのまま強行突破しよう!!


私はゆうちゃんを精一杯庇ってきたつもり。

つかなくていい嘘もつかなければならないとこにはついてきた。

パパやサナ両親たちに嘘をついていることを申し訳なく思っていた。

でも好きな人と一緒になる為には何かを犠牲にしなければならない。

犠牲という言い方はおかしいかもしれない。

嘘は嫌だけど、私が幸せ、そしてゆうちゃんが幸せになる為の嘘だったらいいだろうって思うようにした。

きっと分かってくれるはず。

だってそれが本当に私たちの幸せだったら誰も反対する必要は無い。

出来るわけが無い。


復活してから私たちの目標?は早く子供を作ることだった。

復活前はきちんと避妊していた。

段取りを踏もうって思っていたから。

でももう今回は段取りを踏んでの結婚は望めない。

情けないけれど既成事実を作らなければならない状況。

早く子供が出来るようにと復活後は一切避妊しなかった。

「出来たか?」ってゆうちゃんにしょっちゅう聞かれるようになった。


2人で出した結論。

ゆうちゃんから言い出して、そして私が信じて同意した手段。

“出来ちゃった結婚で強行突破”



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