るーたんの小部屋♪

るーたんの小部屋♪

転院



看護婦さんから、
「転院が決まったよ!これからK大学に行くから、赤ちゃんに会いに行こう。」

え?もう行っちゃうの?
私もK大学に行きたい。
離れて行かないで!連れて行かないで!

そう思ったって、ここよりもっと設備の整ったK大学の方が、るーたんには良いんだ。
命がかかってるんだから…

「救急車でかっ飛ばして行くからね!私もついて行くから心配しないで。」
私は、やっと歩いてる状態だし、K大学に行っても手続きとかで時間もかかる。
「体に負担がかかるから、落ち着いてからゆっくり会いに行っておいで。」
それでもついて行きたかった。

るーたんは出発前、会いに行ってもぐっすりおねんね中。
せめて離れる前に、起きた顔を見せてよ。
撫でても、くすぐっても起きてくれませんでした。

何分一緒に居れたかな?
写真も撮って、なでなでして…
ついに…
「そろそろ行きましょうか。」
そんな…もう行っちゃうの?
嫌だよっ!!
連れていかないで!

涙がボロボロ落ちて、もうずっと止まってない。
「病院の外まで一緒に行こうね。」
そう言われ、車椅子で連れて行ってもらいました。

救急車に乗せられる前に、るーたんは目を覚まして泣き出しました。
泣いてても抱っこもしてやれない。
撫でてもやれない。
どうすることも…
出来るのは、一緒に行く先生と看護婦さんに
「よろしくお願いします。」
って言うのと、泣く位。

保育器ごと、とうとう乗ってしまいました。
バタン!
ドアが閉まってるーたんの声も聞こえません。
「るーたん!るーたぁん!」
救急車が音をたてて走り出しました。
どんどん遠ざかって行く、救急車の音。

私のせいだ!
私が悪いんだ!
私が…

病室に帰っても、ずっと泣いていました。


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