風光る 脳腫瘍闘病記

手術まで・・


病室の人もみんな気さくでいい人達だった。さっそくパジャマに着替えて病棟の中を散歩した。

最初の三日間は検査で何かと忙しかった。でも検査が終わると何もする事がなくなり私は読書に励んだ。

患者には3人の担当医師がつく。主治医と中堅どころの先生と研修医だ。
しばらくして手術の説明が行われた。手術時間は長くて8時間、短くて5時間。

「今まで同じような手術をした事が何回もありますけど、脊髄を傷めた事はありません」と主治医は説明してくれた。

私はその言葉を信じていた。だから手術に対してコレっぽちも不安がなかった。逆に楽しみだった。中でも楽しみにしていた事が全身麻酔だ。めったに経験できる事じゃない。テレビドラマの様に段々意識が無くなっていくのだろうか?そんな事ばっかり考えていた。

そんなある日一人のお医者さんが私の所にきた。「担当のPTです、ヨロシク」と。PT? 私は理学療法士という職業がある事すら知らなかった。
次の日の朝100メートルをどれくらいの歩数で歩くかチェックされた。

先生は渡辺謙似の頼りがいのある先生だ。手術日まで数日あったので暇つぶしに、リハ室に行き自転車こぎとか鉄アレイとかして汗を流す事にした。

「あたしも術後はしばらく車イスかなぁ?」「嫌、そんな事はないよ」と
この時はまだ二人とも手術はうまくいくと思っていた。嫌、誰もがそう思っていた。

手術前日、麻酔科の先生が来て説明をしてくれた。さすがに緊張してきた。周りの人も「いよいよ明日だね、頑張ってね」などど励ましてくれた。退院したら思いっきり走るぞ~!!と気合をいれてその日は就寝した。





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