風光る 脳腫瘍闘病記

はじめの一歩



私は「せんせ~い、リハ室で自転車こいでたあの頃が懐かしいんだけどっ」と笑いながら言った。

「元気そうじゃん」「とりあえず、これから毎日来て、ここでリハビリするから」そう言って、先生は私の足を動かしてくれた。

この時はまだ精神的には全然大丈夫だった。ドラマだと足が動かないからといって暴れるシーンがよくあるけど、そうゆう事もなく、笑ってる事の方が多かった。

主治医からも「半年、様子を見ましょう」って言われて、その半年の間になんとかなるだろうと思っていたからだ。

最初の一週間は体が辛かった。熱も高くて、傷口も痛くて、自分で寝返りすらうてなかった。ベットは普通のマットからエアーマットに変えられていた。

しかもただのエアーマットじゃない。波打つエアーマットだった。それで
床ずれを防ごうというのだ。それでも私は2~3時間に1回は体位変換をしなくてはならなかった。

そのおかげで私は夜中に何回も起こされるハメになった。「早く自分で寝返り出来る様になりたいなぁ・・」


それが私の最初の願いだった。


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