詩劇=夢乃月愛花と美しき乙女達

その4~ユメルサイド



「ゆ、ユメル・・・あなたは、私のようになってはいけない。人は見かけでは、絶対に判断をしてはダメ。本当に信用できる人を見つけなさい。たった一人の大切な人と幸せになって・・・」と母親は瞳を閉じた。

それからユメルは、母親との約束を誓い、全く、人と話さなくなった。いくら、話を掛けても黙ったままだった。しばらくしてユメルは、母親の部屋に行った時・・・「フルートと一冊の古いノート」を見つけた。それは、よくユメルが小さな頃に聴くかされていた物だった。それをしばらく手に取ってたユメルは、見つめていた。母親との思い出のフルート。そして、一冊のノートを開いてみると、そこには、母親が書いた曲がたくさん書かれていた。ユメルは、瞳を閉じて、母親との思い出に回想していた。そうしているうちにユメルは、涙を流していた。母親が好きだったから・・・。そしてユメルは決心をした。「私も母親と同じようにフルートを弾く」と・・・・。ユメルは、早速、試しに弾いてみるが、全くダメだった。そして、何度弾いても・・・それは、結構難しいものだった。しかし、ユメルは、ユメルなりの色々と考えて、ユメルだけのオリジナルの音色で弾いてみようと考えてた。「この世で私だけの音色を・・・・聴かせてみたい」と。約5年程して、ユメルは、フルートを完全にユメル独自で弾けるようになっていた。そしてユメルは、母親が亡くなった、この街のこの時計台の下で演奏している。それは、ユメルの弾いているのは、亡くなった母親のレクイエムであった。







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