ゆりママのヒミツ

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出血(平成6年1月)



元旦からの出血は、少量とはいえ続いていた。
担当のT医師の年始休暇が開けた1月6日、内診。
出血は子宮が充血していて内診で出血することもあるとのこと。
尿検査でホルモン値が良好だが、食欲はどうかと聞かれる。
あまり食欲がなく、気分もすぐれないというと、
「つわり」がきついのは良い傾向なのだそうだ。

あっ、つわりなのか、これって。
出血が心配で気分が落ち込んでいて、食べられないんだと思っていた。
ほとんど食べていなかったので、栄養点滴することになった。
点滴をはじめると、気分がよくなった。

ところが、T医師がお休みの週末。
朝食後のトイレで、いつもより多い出血。
当直はインターンの若い先生。
内診のあと、腹部にはじめてエコー(超音波造影法)をあてた。
それまでは膣から器具を挿入してエコーしていたが、まだ胎児は確認できずにいた。今回は腹部にゼリー状の液体を塗り、エコーするもので、インターン医がぐりぐりとさぐると、白いまがたまの様な像が映った。
何回かまがたまが見え隠れするうちに、彼は

「双子のようですね。」

と言った。

「えっ」と思わず絶句した。不妊治療で排卵誘発剤を使用する場合の、多胎妊娠の可能性については何度か話をきいていたが、まさか自分がそうなるとは…。

しかし、彼は続けてこう言った。
「でも、二人とも週数からして小さいし、一人は育つかどうか。」
「それに、卵巣の腫れがひどい。手術しなければなりませんよ。」

何で?何でよ!!そんな、やっと妊娠したのに、もうダメなの?
卵巣はT先生は心配いらないって、ホルモンのせいだから大丈夫って言ったのに…

診察の結果、流産回避のための24時間点滴を、このインターン医師の指示ではじめることとなった。

翌日、待望のT先生の回診。昨日の経緯とインターン医師の話をT医師に伝える。
横についていた看護婦さんが、「双子なんですって。よかったね。」と声をかけてくれた。
するとT医師が少々怖いとも言える苦渋の表情で
「エコーの画像の判読はむずかしく、2つに見えてそれは1つのものが角度をかえて画面に現れることがあります。まだ、双子と確定したわけではないので、そのつもりで。」と言われた。
卵巣の腫れについては、「前に話した様にホルモンによる一時的なものなので、手術の必要はないので安心してください。」とのことだった。
双子の件は、1週間後にエコー診断してから結論を出すことになった。

エコー診断の前日、また出血。明日、エコーで確認するまで、もつんだろうか。
24時間点滴は、当然夜も続けられるので、まだ慣れていなかった私は、不安もあって眠れなかった。



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