1970年代、ポスト・フリー(フリー以降)の時代には、フリー・ジャズがただ既成の概念を否定していたのに対し、既成の概念を否定しつつ新しい秩序を模索するという試みが始まった。フリー・ジャズで一度否定されたコードやモードを、新しい秩序の中で利用する工夫が行われている。ひとつは、ドミナント・モーションを持たないコード進行を主体とするスタイルで、もうひとつは旋法の手法をさらに発展させたスタイルである。ひとつめのスタイルでは、自由に頻繁な転調を行ったり、コード進行に12音技法を用いたり、分数コード super imposed chord を用いたりする。もうひとつのスタイルでは、コンポジット・モードと呼ばれる新しいモードを創作したり、モーダル・フレージングを発展(アッパー・ストラクチャ・トライアドの応用やペンタトニック・スケールの応用など)させたり、複旋法(ポリ・モード)を使用したりする。ポスト・フリーは音楽的にはクラシックの現代音楽と同じ精神を持っている。