ゆったり、まったり夢物語

紅茶の内緒話

★フラワーティー★

ブレンドした紅茶に、いろいろな香りを加えてしみ込ませたもので、くだものの花の香りが、あでやかににおいます。
花の種類が多いヨーロッパでは、いろいろなものが出回っていて、特に、ドイツで香り付けの紅茶が盛んです。
日本ではフランス産の高級紅茶として、アップルティーなどが輸入品として有名。ミニ缶などでお試しあれ。
日東紅茶がフレバリィティーの名前で七つの香りが楽しめるなど、トワイニングやリプトンでもフレーバードティーを出しています。
フラワーティーは、その花の香りの甘みが特徴です。
甘すぎるときは、普通の紅茶に、ほんのちょっと混ぜると、ほのかな甘みに柔らぎます。
おしゃれなフランス好みは、カシスやフランボワーズの香りを、ムード派にはジャスミンを、そして愛らしい甘党にはアップルの香りを、といろんな感覚で、アフタヌーンティーをごきげんに過ごしてみたはいかかでしょうか？,br>

● pochomukin ●

★紅茶と男の世界★

★「世界の紅茶」の仕掛け人はイギリス人ですが、その舞台は日本でした。
最初に「茶」を味わってすっかり虜になり、その普及に頑張ったのは、平戸の商館にいたイギリス人だったと言われています。１６００年頃のお話。
★はじめて紅茶を味わった日本人は、大黒屋光太夫という伊勢の船頭でした。江戸場内で将軍様に、１０年あまりの漂流生活を語った時に、紅茶に砂糖と牛乳を入れて飲んだ話を報告したと言われています。それは、ロシア経由の紅茶でした。
★日本に紅茶がはじめて姿を現したのは、ハリスが下田港に来た１８５６年です。幕府へのお土産でした。黒船が黒い紅茶を運んできたわけですから、鎖国の太平があたりまえだった当時の人々は、白人と黒づくめに驚き、そのお土産の紅茶は、きっとお毒味係が命がけで試飲したことでしょう。ちょっと、考えただけでも面白いですね。
坂本龍馬は、横浜で写真を撮らせた日本人として記録されていますから、ひょっとしたら、ついでに紅茶も味わっていたかもしれませんね。しかし、日本が本当に紅茶のことを考え出したのは、３０年後の明治１０年頃のお話です。
★アメリカでの紅茶にまつわる有名な話は、ボストン・ティー・パーティー事件。ニューヨークは当時、ニュー・アムステルダムと呼ばれていたオランダの植民地でしたから、オランダ商人によって運ばれた紅茶には、高い税金がかけられました。この紅茶条令に反対したアメリカの市民たちはちょうど紅茶を積んでボストンの港に着いたイギリス船をおそい、紅茶を海に投げ捨てました。ジョージ・ワシントンやトーマス・ジェファーソンなどが、その船の中で開かれた茶会を利用して、革命の打ち合わせをしていたという説もありますが、この事件から１０年後に、アメリカの独立が成ったわけですから、ボストン・ティー・パーティー事件は、アメリカ独立革命の発端であったわけです。
★歴史を紐解いていくと面白いですね。いろんなお話が見えてくる。まだまだ、楽しいお話があるのですよ。私、まだ半分も語っていません。もうしばらく、おつき合い下さいな。
★スコッチ・ウイスキーの名でおなじみのカティー・サークは、紅茶を運搬する帆船の名前でした。
そういう船をティー・クリッパーといいますが、アメリカの「オリエンタル」号が、香港とロンドンを８１日で走ったのが、その当時の世界新記録でした。イギリスも、ティー・クリッパーの競技会をはじめました。一番速い船に多額の賞金付きのブルー・リボン賞を与えるという大レースで、「カティ・サーク」号は、最高のスピードと評判でした。妖精ナニーを詩った詩の中に出てくるカティ・サークは、短いシュミーズという意味で、シュミーズ一枚の妖しい美少女、ナニーの彫刻が、船の先に飾られた「カティ・サーク」は男達のアイドルだったそうです。が、蒸気船が登場したために、帆船の時代の海のロマンは消え、ついに一度も、紅茶を運ぶ御用を果たしませんでしたとさ。
オーストラリアからウールを運ぶウール・ボートになってしまったようよ。 ★”アール・グレー”は、中国茶」のブレンドの一つです。１９世紀の中頃、グレー伯爵が、中国からイギリスへ持ち帰ったブレンドの秘法でした。
時は、産業革命の時代、発展がめざましい新時代のあけぼの期。ロンドンのピカデリー街に店を出したジャクソン商会は、このブレンド紅茶を、「アール・グレー（グレー伯爵）」と名付けました。この紅茶は大変ユニークな香りと大評判になって、たちまちヨーロッパ全土の王室に広まりました。
今では、他からも売られていますが、当時はジャクソン商会の専売銘柄でした。その後、貴族の名前が、ブレンド紅茶に付けられることが多くなりましたが、本当にブレンドした本人の名前が付いているのは、この”アール・グレー”だけだそうです。

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★紅茶とレイディー★

★紅茶に砂糖を加えて飲んだ最初の人は、イギリスのチャールズ２世の妃、キャサリン王妃でした。
ポルトガルから、紅茶と砂糖をいっしょに持ってイギリスへお嫁入りしたのです。
砂糖は、その当時、貴重品でしたから、高価で珍しい嫁入り道具の一つになったのです。
★歴代のイギリス女王の中でも、特に紅茶を好んだのはアン王女です。
朝食に必ず紅茶を飲む習慣」をつくった人だといわれています。
政治面での評価はあまりパッしませんでしたが、紅茶が毒であるという説がはやった時も、断固、紅茶をひいきし続け、茶会をひんぱんに開いたと言うエピソードまで、残っているようです。
★イギリスでは、紅茶はもっぱら「コーヒー・ハウス」で飲まれていたようです。が、女人禁制だったので、一般市民の紅茶は、男達だけの、それも軍人さんや、政治家のための飲み物でした。
女たちに紅茶を解放したのは、ロンドンの食料品店主のアイディアです。「ゴールデン・ライオン」という名のその見せは、イギリスで最初の紅茶専門店でした。
★イギリスの女流作家、ジェーン・オースティンの「高慢と偏見」の中にも、家庭生活の中での紅茶の様子がリアルに描かれているそうです。あの「嵐が丘」を書いたエミリー・ブロンテも、紅茶を通して、当時のイギリスの風俗を象徴的に語っています。
紅茶がイギリス人の生活の中でどのように根付き、変化していったのかを知る上でも、女の観察として残された作品には、興味深いものがあるようです。
★１８１７年１２月２８日の夜、ロンドンであるディナー・パーティーがあり、ロマン派を代表する文人たちの集まりで、パーティーの主催者だった画家のへイドンは、その夜の様子を自伝の中に書き残し、「不滅のディナー」と記しました。フランス革命の最中、パリに身をおいて情熱のゆくえを追いかけ、やがて、母国の自然や素朴な生活の中から真実の言葉をひろいだしていったワーズワース、英文学の古典、エリア随筆を世に送った、ラム、そして、ロマン派詩人の双璧の一方をになったキーツがその夜のメンバーでした。３人とも大の紅茶ファンでしたから、ワーズワースやキーツの詩の中には時折、紅茶が登場します。ラムの「エリア随筆」の中にも高級な紅茶の香りが、貧しい煙突掃除人をおもいやる優しさの象徴とした語られています。「不滅のロマンとやさしさ」を後生に残した記念の時だったと言えるのでしょう。

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★紅茶と美容★

★お酒のあとに
紅茶はお酒の酔いを早く冷まします。紅茶に含まれているタンニンが、アルコールの刺激分をおさえるからです。利尿剤としての働きもありますから、トイレに通って早く体内からお酒を追い出せば、二日酔いにならずにすむというわけです。
また、お酒の後は、脱水作用によって、やたら水分が欲しくなるものです。血糖量が下がるので糖分の補給も必要です。砂糖入りの甘みのある紅茶は、アルカリ食品ですから、血液の酸性化を防いで、お酒のみには一石二鳥ということになります。
★ヘビースモーカーへ
愛煙家にとって禁煙は大変つらいもの。
半分の量にまで減らしたけど、全くやめてしまうのはやはりちょっと無理・・・・という方には紅茶をお勧めします。紅茶の中には、タバコの中の有害なニコチンを消す成分が含まれているからです。是非、お試しを。
★満腹感を求める方へ
食後の紅茶は、食事のラストをかざるハイライト。紅茶に程良く溶けた甘みと渋みや苦みが、満腹中枢を刺激して、頭の中に満腹感のサインを送ります。カフェインが、胃を縮めるので、よけいに満腹感を感じというわけです。
★胃の心配な方へ
紅茶には、カフェインとタンニンが含まれています。が、ごくわずかで、しかも中和し合うので、むしろ胃液の分泌を高めて消化を活発に促します。
★カフェインを心配する方へ
紅茶とコーヒーのカフェインの量を比べると、同量の１００ｇの中で、コーヒー１．５％、紅茶は２．７％で、紅茶のほうが多いのは本当です。そこでコーヒーのほうに軍配を上げるのは、実は早まった判決です。１杯分にして比べると、コーヒーは１１ｇ、紅茶３ｇと使用量が違います。実際飲む１カップ当たりでは、コーヒー９０～１２０ｍｇ、紅茶５５ｍｇとなり、コーヒーの方がカフェインの量が多くなります。
（両方とも抽出率を６０～８０％とした場合です。）
★長生きをしたい方へ
紅茶を飲むと、渋み、苦み、甘みなどが感じられますが、この渋みはタンニン、苦みはカフェイン、甘みはタンパク質が含まれています。紅茶にはこの他にニコチン酸、パントテン酸なども含まれていて、薬用効果も高いといわれています。
中国ではもともと不老長寿の霊薬として珍重され、日本でも最初は飲み物というよりも、薬として考えられていたようです。
いずれにしても、現代の忙しい生活にうるおいややすらぎを与えてくれる一杯の紅茶は、まさに命がリフレッシュされる感じがします。
★心がブルーな方へ
何となく気がかりなことが頭から離れず、不快なとき、仕事に追いかけられてもうダメというとき、こころ焦れど、思うように事が運ばぬ時など、わたしたちのまわりはストレスでいっぱい。
現代人にとってストレスは、創造のひき金になることもまれにありますが、ほとんどが、疲れでダウンしてしまいがち。神経の疲れや、心配事で心臓がドキドキというときにも、一杯の紅茶が、ふさがった扉を開けてくれます。眠気を取り去る効果もありますから、こころバッチリ、頭スッキリの自然薬です。

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