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2010.12.16
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カテゴリ: 税金
 ここ数日で日本企業に投資する投資家にとって嬉しいニュースが二つありました。
 一つは「証券優遇税制の2年間延長」であり、もう一つは「法人税の5%減税」です。


 前者は所得税が減ることで手元に残る利益が増えるというわかりやすいメリットがあります。しかし僕のようにお世辞にも上手とはいえない投資家は、そもそも株で利益を出すことが難しいわけで、実は諸手を挙げて喜べるようなニュースではない気もします。
 しかし、そんな下手っぴな投資家にとっても、後者の「法人税減税」には大きなメリットがあるのではないでしょうか。何故なら、法人税が減ることで日本企業の一株あたり利益が増加し、日本株全体が割安になるという影響があるからです。


 今回の法人税減税は、減価償却費の損金参入額を減らしたり試験研究費の税額控除制度を縮小したりといった企業にとっての負担増もありますが、事実を単純化して法人税が40%→35%になった場合のPERを考えてみたいと思います。

 まず、一株当たりの利益の増加額を考えてみたいと思います。
 税引き前の利益が100億円あった場合、法人税が40%であるとすると、当期純利益は100億×(1-40%)=60億円となります。
 しかし法人税が35%ととなれば、税引き後の純利益は100億円×(1-35%)=65億円となり、およそ8.3%増加します。一株当たり利益は、純利益÷発行済み株数という式で計算されるので、自動的に8.3%増加することとなります。



 こちらのサイト(http://www.kabumap.com/servlets/Query?SRC=shinko2/scrnQ
)などを見ると、平成22年11月末時点での東証株価指数(TOPIX)の予想PERはおよそ15.64倍というデータがあります。
 ここで法人税の5%減税による8.3%の増収を考慮に入れると、以下の通り予想PERは14.4倍に下がるという*計算になります。


*日本企業の一株当たり予想利益を100円とする。

   1.日本企業の予想PER=15.64倍

   2.日本企業の株価=一株当たり予想利益×予想PER=@1,564円

   3.減税後の一株利益=100×(1+0.083)=108.3円

   4.予想PER=株価÷予想利益=1,564円÷108.3円=14.44倍


 これは日本企業にとっても日本企業の株主にとっても嬉しい結果ではないでしょうか。

 もっとも、企業には減税で生まれたキャッシュを有効に使っていただかなければなりません。成長の投資にも株主への還元にも使用せず、現預金ばかりが積み上がるといった結果にならないことを祈りたいと思います。





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最終更新日  2010.12.16 22:25:29
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