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前月比▲5.80%でした。1、保有株式、投資信託等キャッシュポジション:10,850円2、当月購入・三井物産(8031)@1,113円×100エネルギーに強い総合商社の雄。他の銘柄との相関や将来のインフレリスクを勘案すると、エネルギーセクターの株は一定程度保有しておきたいな・・と思ってます。・三菱商事(8058)@1,577×100同じく総合商社の雄を買い増し。・理研計器(7734)@526円×100ガス検知器の販売と保守メンテナンスが事業の両輪。2桁の営業利益率、ROE6~8%とまずますの収益力を持っている一方、株価は正味流動資産以下に低迷中。まあ知名度の無い会社なので。・日本社宅サービス(8945)@311円×200企業向け借上げ社宅の斡旋や各種事務を代行する企業であり、この分野では国内トップシェアを保有(23%前後)。のれんの償却費(年1億円)が来期中に終了する見込みであり、翌々期以降は営業益が現状より2割程度増加しそうです。・アイフィスジャパン(7833)@19,500円×2証券会社向けの投資情報提供や印刷物の発行などを行う。楽○証券なんかを使ってる方は、ここのコンセンサス情報にお世話になってるのでは?各種印刷事業は右肩下がりだったが、投資情報の提供やASPサービスが伸びてきている。資産の6割強が現預金というガッチガチのBSで、株価は正味流動資産以下というのも魅力。・三井情報(2665)@12,725円×4ネットネット株(流動資産335億-総負債102億=正味流動資産233億>時価総額150億)当期は受注高・受注残高ともに前期比で2桁増。来期も利益が伸びるならば、資産・収益の両面で割安な水準ではないかと。・ブラザー工業(6448)@908円×100複写機・複合機、ミシン等を扱う。海外売上比率が高く収益力も平均以上の優良企業。事務機の消耗品ビジネスが好調な間に、次の事業が育ってくれればなー。・栗田工業(6370)@1,710円×100水処理装置を納入した上で、消耗品(水処理薬品)と保守・メンテで稼ぐ鉄壁のビジネスモデル。海外事業を拡大する戦略のようですので、今後も一定の成長に期待します。・前澤給装工業(6485)@1,027円×100埋設水道管に接続する各種弁・継ぎ手・分水栓などで国内トップシェア(約40%)高収益とは言えないが業績に安定感があり、株価は正味流動資産以下。09年3月期に大量の自己株を買っており、過去5年で発行済み株式を2割近く減らしています。・eMAXIS全世界株式インデックス 100,000円減らしていた積立額を月10万円に戻しました。3、当月売却・共立マテリアル(1702)@346円×1,000(+79,000)親会社のノリタケにより完全子会社化。もっと高い価格で買ってくれても良かったんだけどなー。以下3銘柄を資金確保のため売却・寺岡製作所(4987)@325円×100(▲2,000)・ソフト99(4464)@481円×100(+1,300)・三菱東京UFJ(8306)@339円×100(▲3,400)寺岡製作所は、増資と当期のFCF大幅マイナスの結果、相対的に割安度が薄れてきたと判断。ソフト99は、低PBR、鉄壁財務の資産株で、下落局面でも値持ちが良かったため。三菱UFJは、金融株も組み入れたい・・・的な理由で購入した銘柄なので。4、ポートフォリオの収益・修正ディーツ法を使用・月内の新規投入額は全て月初にあったとみなして月次収益を算定・月次収益を掛け合わせていき、2010年末を10,000とした基準価格を計算・手数料、税金、配当金、貸株料等を考慮している5、雑感シーゲル先生の著書には、株価が安定的に推移するよりも、大きな相場変動(下落)があった方が、長期投資家には利益をもたらすと書かれています。下げ相場というボーナスステージが続いている間に、淡々と保有株を積み増していきたいところですね。にほんブログ村
2012.05.31
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1970年代の米国経済は、2回のオイルショックやベトナム戦争による激しいインフレの結果、長らく低迷していました。株価は過去の最高値を何年も下回り、インフレを考慮した株式の実質リターンは、大きなマイナスに落ち込んでいました。 そうした市場の雰囲気を映して、米『ビジネス・ウィーク』が1979年8月13日号で組んだ特集記事の名前が、「株式の死」です。 この記事が有名な理由は、その後、米国市場が見事な復活を遂げたからでした。 当時(70年代末)のPERは7.3倍と歴史的に割安な水準となっており、インフレの抑制や、割安な株価に着目した買収ブームなどを経て、80年代の米国市場は年率17.5%という空前の上昇相場となったそうです。■ ■ さて、話を日本株に移したいと思います。 日経平均株価は、バブル期の1989年末に38,957.44円の最高値を付けて以来、右肩下がりが続いています。 ただ、日経平均のPERの推移を見ると、当時のPERは60倍という狂気の水準に達しておりましたので、下落の大部分は評価倍率の調整だったといえそうです。(リンク先記事は、『投資十八番』様、「S&P500と日経225の超長期PERの推移から見えてくること」) 日本経済は終わったという話題には事欠かない昨今ですが、バブル崩壊以来も日本企業はなんだかんだで利益を伸ばしてきています。おかげさまで、5/25終値時点で、日経平均の予想PERは11.02倍、PBRは0.91倍となりました。 さて、ここでリンク先の日経平均のPER推移を見て、このPER11倍という株価水準がいつ以来のものであるか確認してみましょう。 なんと、1970年代以来、「40年ぶり」の株価水準であることが分かります。(次点は09年2月で、PERは12倍強となっていました。)70年代といえば、沖縄復帰(72年)や中華人民共和国との国交正常化(73年)のあった時代です。随分と昔のことですねー。 もちろん、予想PERと実績PERは似て非なる指標であり、利益が下方修正されれば、PERも上昇する可能性があります。しかし、企業が予想通りの業績を叩き出すならば、株価は半世紀ぶりの割安さとなっている計算です。 株価がどのように動くが予想することは出来ません。ただ、歴史の教訓を考えると、面白い将来が予想出来そうですね。にほんブログ村
2012.05.26
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ここ数日は、バリューもグロースもひっくるめて小型株が大きく下落しています。 そんな中僕は、小型株主体に投資をしてる関係で、PFが大きく下落⇒反射的な買い増しによりフルインベストメント状態に・・・的な失敗をやってしまっています。 思い返せば、去年の8月以降の下落相場でも落ちるナイフを全力キャッチしてましたので、株価が底入れする前に買ってしまうタイプの投資家なのだと思います。■ ■ 話は変わりますが、去年の大底付近では相場の出来高も細り、東証一部の売買代金は月次の平均で1兆円を割り込んでいました。投資関係のブログについても、更新が滞ったり、経済と関係ないテーマを書く人が増えていた記憶があります。(かくいう当人もそんな感じでした) みなさまは、きちんと買い増す余力を残しながら、相場の枯れた瞬間を逃さないように頑張ってください。にほんブログ村
2012.05.15
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自分が買った銘柄については、毎日の値動きに一喜一憂する人がたくさんいます。 一方で売却した銘柄については、値動きに無関心な人が大半だと思います。(場合によっては、敢えて自分の意識の外へ追いやろうとすることも。) 上記の感覚は至極真っ当だと思いますが、自分の投資判断の可否を評価する観点からは、売却した銘柄についても、その値動きをきちんと追跡すべきだと考えています。 そんなわけで、僕はYAHOOファイナンスを使って売却銘柄のPFを組み、そのリターンを定期的にチェックするようにしています。 現時点で売却銘柄のPFを振り返ると、第一カッター興業(1716)や東北新社(2329)のように、売った後に上昇した失敗銘柄がたくさんあります。(どちらも資産バリューでそこそこの利益を出してる企業なのですが、相場のイマイチな時期に売ってしまったものです。) 一方、サムコ(6387)やローランドDG(6789)、沖縄電力(9511)など、売値から▲15%以上下落している銘柄もあり、今も保有していたら結構な含み損になっていたことでしょう。 PF全体のリターンは累計で▲3%くらいであり、保有PFに比べると低調ではあるんですが、下手な売買の結果も記録として残ってしまうので、見ててあまり良い気分はしません。 ただ、株を売りたくなった時に「売ってしまって逆に損をしないか」と立ち止まって考えるようになる効用があり、僕のように衝動的に売買をしやすい人にはオススメです。にほんブログ村
2012.05.12
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前月比▲1.43%でした。1、保有株式、投資信託等キャッシュポジション:64,053円2、当月購入 ・サンエー(2659)@3,134円×100 沖縄県内でスーパーを中心にドミナント展開。 上場している地方スーパーは40社以上あるけれど、その中でも収益性はトップクラス。 配当利回りはやや低いが、10年連続で増配している企業なので、これからに期待します。・イーアクセス(9427)@15,860円×2 株価が上場来安値水準にあるのを見て、つい購入したくなってしまいました。 収益性もバランスシートも非常に不安定な企業です。 だが、直近2年ほどはフリーキャッシュフローがプラスとなっており、イーモバイルを中心とする無線事業も、四半期当たり20万件のペースで純増数を積み上げているようです。 事業そのものはボロボロでは無さそうですので、株価が4桁まで落ちることも考慮しつつ、買い下がろうかと思ってます。 ・eMAXIS全世界株式インデックス 50,000円3、当月売却・住友鋼管(5457)@860円×100(+35,500) 元々、ネットネット水準の株価に目を付け、親会社からのTOBにも期待しつつ資産株として購入。 株価も上昇し、資産株というより市況株といえる状況となってきたので売却しました。・カーメイト(7297)@610円×100(+26,600) 購入時に4倍位だったPERもそれなりの水準になってきたので、改めて保有するべきか検討。 過去10年間の業績を見ると、やや不安定な所が見られることと、 基本的に円高メリット株のため、今後は業績の伸びも一服するのかなと思ったため、一部利確しました。 4、ポートフォリオの収益・修正ディーツ法を使用・月内の新規投入額は全て月初にあったとみなして月次収益を算定・月次収益を掛け合わせていき、2010年末を10,000とした基準価格を計算・手数料、税金、配当金、貸株料等を考慮している5、雑感 為替が円高方向に逆回転したこともあって、円ベースの外国株やTOPIXが弱く、内需株が比較的好調な一ヶ月でした。 もう少し下落が続くようならば、総合商社や大手製造業、外国株のPFの組み入れ率を上げていきたいところです。 にほんブログ村
2012.04.28
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近頃、ロシア株に投資をしようかどうかと真面目に考えています。 下記の表は、キャピタル・パートナーズ証券のHPから、4/14時点の日米独とBRICS4カ国の株価指数を比較したものですが、各国のPERを比較すると、ロシアのRTS指数が5.52倍と他国と比べて大幅に割安な数値となっているからです。 各国のインフレ率を調整し、実質ベースの益回りを見ても、同じくロシア株が割安であることに変わりはありません(インフレ率は、「世界経済のネタ帳」より11年の予想インフレ率を抜粋)。指標だけを見れば、かなり魅力的な投資先です。 勿論、株が安いのは相応のリスクがあるからであり、ロシア株の場合下記のようなリスク要因があるため、投資家がプレミアムを求めている結果といえそうです。・エネルギー価格の影響を受けやすい経済である。・政府の介入や官僚の汚職が蔓延り、ビジネス環境が不透明である。・インフレ率が高く、通貨下落の危険性がある。 とはいえ、エネルギー価格の影響は日本経済と対照的であるため、日本株との分散効果があると考えられますし、インフレ率についはWTO加盟に伴う関税の引き下げ等で、今後低下していく可能性があります。 近年はRTS指数に連動するETFも上場されているため、下落したところで少しずつ購入してみたいな~と算段してます。 にほんブログ村
2012.04.14
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「昨日はこんな株を買いました。明日はあんな株を売りたいです。」 ・・・的な内容を普段書いてる当ブログですが、今日は一歩目線を引いて、日ごろ売買を行っている「市場」という場について考えたいと思います。 といってもご大層な話ではなく、この土日に読んだ本の感想文といった感じですが。■ ■ 一冊目は『合理的市場という神話』という本です。合理的市場という神話 同書は、以下のような「合理的市場仮説」という考え方の歴史を記述しています。 「効率的な市場では、公開・非公開を含めた全ての情報を考慮して正確な価格が形成されている。従って、将来の価格を予測することは不可能である。」 これは現実を単純化した仮定ではありますが、このような前提を置くことによって、金融市場を分析する「ファイナンス理論」が科学として成立することが出来ました。 ファイナンス理論の生み出したもの・・・資本コストの算定方法(CAPM)やオプションの計算方法、インデックスファンド・・・などといったものを考えると、「効率的な市場」という概念を設定することは。非常に生産的な意味を持っていたといえます。 一方で、そもそも市場は完全に合理的ではないことを示す反証も見つかっており、市場参加者の非合理的な振る舞いを研究する「行動経済学」や、実際の市場では合理的な市場ほど情報が早く広まらない「情報の非対称性」といった研究分野によって、「合理的市場」を基礎としたファイナンス理論が揺らいでいる状況にも紙幅が割かれています。■ ■ 二冊目は、『市場を創る』という本です。市場を創る 著者は、有名な「電波周波数オークション」の制度設計にも携わった経済学者であり、同書では「市場設計」について書かれた本となっています。 著者が紹介する市場の事例は非常に豊富で、古代アテネのアゴラからインターネットの電子商取引、カリフォルニアの電力市場から日本の公共事業の談合まで多彩です。 それらを材料に、どのようにすれば効率的な市場が成立するか、という点について様々な議論を繰り広げています。■ ■ ここからは個人的な感想です。 一冊目の『合理的市場という神話』のテーマとなっている「合理的市場仮説」を、僕は現実に当てはまるとは感じていません。テクニカル分析は役に立たないというレベルならともかく、市場が効率的だと思ってるなら個別株投資なんてやっていませんからね。 ただ、市場が合理的でないから、ファイナンスの知見は無意味と考えるのも不適切だと思います。そこでは、二冊目の本の持つ「どうすれば効率的な市場を設計できるか」という視点をふまえて、理想的な市場に近づけるためにはどのように市場を設計すべきか、と考えていくことが前向きだと思いました。 以上、門外漢の戯言でございました。にほんブログ村
2012.04.01
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前月比+5.03%でした。1、保有株式、投資信託等キャッシュポジション:212,644円2、当月購入 ・eMAXIS全世界株式インデックス 50,000円3、当月売却・コスモバイオ(3386)@102,400円×1(+46,229円) 正味流動財産価値から割安さを感じて購入した銘柄。 将来の収益性向上を織り込んだ株価水準になった上、値動きが荒くなってきたために売却しました。4、その他売買・エルピーダメモリ(6665)買@2円×49,000→売@2円×49,000(±0円)5、ポートフォリオの収益・修正ディーツ法を使用・月内の新規投入額は全て月初にあったとみなして月次収益を算定・月次収益を掛け合わせていき、2010年末を10,000とした基準価格を計算・手数料、税金、配当金、貸株料等を考慮している6、雑感 持ち株の評価が上がるのは結構なことですが、安く株を買える局面が終わってしまったことへの悲しさが上回るのは僕だけでしょうか。 通信・電力・ガスなどの公益セクターや、PBRやROAの高いグロース株が相対的に魅力的に映ってきたので、今後はその辺りの株を買っていくかもしれません。にほんブログ村
2012.03.31
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AIJ投資顧問による年金の虚偽運用問題が世間を騒がせています。 実際には大きな運用損を出しているにも関わらず、安定して高い利回りを得ている様に自己申告し、運用難に悩む年金基金を食い物にしたとのことです。 偽りの運用利回りを公表するなんて、何て悪質なんでしょうか。 ところで、投資パフォーマンスの計算方法には様々なものがありますが、個人投資家にも負荷の少ないやり方として「修正ディーツ法」という計算法があります。(リンク先は引用元)・R(修正ディーツ法)=(MVE-MVB-F)/(MVB+FW)※1ヶ月毎に上式にて算出し、これを掛け合わせていきます(複利計算)MVE : 今期末評価額MVB : 前月末評価額F : 新規投入金額FW : 日数修正キャッシュフローFW=Σ(キャッシュフロー×キャッシュフローの発生日から月末までの日数/月日数) 個人投資家さんの間では、上記の計算を更に簡便化して、「月内のキャッシュフローを全て月初にあったとみなして」計算することが一般に行われているみたいです。 そこで、・修正ディーツ法を使用・月内の新規投入額は全て月初にあったとみなして月次収益を算定・月次収益を掛け合わせていき、2010年末を10,000とした基準価格を計算 という条件で再計算したところ、 これまで公表してきた数値が若干不正確であることが判明しました。○比較(青:従来、赤:今回修正) なんということでしょう・・・。AIJを偉そうに批判しておいて、自分も似たようなことをしておりました。(ちなみに、差が出た理由は新規投入額を月初ではなく年初のキャッシュフローとして計算していたためです。これにより元本が過大、収益率が過少となっていました。) すいませんでした。にほんブログ村
2012.03.04
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前月比+8.56%でした。1、保有株式、投資信託等キャッシュポジション:23,617円2、当月購入・ダイハツディーゼル(6023)@389円×200 船舶用ディーゼルエンジンの大手。 有利子負債が多いので資産価値は見込めないが、時価総額120億円強に対し過去5年間の平均FCFは約40億円と、事業価値は上々。 メンテナンス用のパーツ販売といったストック的な事業も行う。3、当月売却・第一カッター興業(1716)@580円×100(+4,400円) 4、ポートフォリオの収益*1 2010年末を10,000とした場合の指数。*2 新規の入金額は元本の増加とみなす。*3 配当収入もリターンに含まれている。*4 収益率は、キャッシュポジションも含んだPF全体で計算*5 税引き後のリターンを使用5、雑感 ディフェンシブ株多めのPFなので、好調な相場ではイマイチ成績が振るいません。 まあ、リスクを取らずにリターンだけ得ようなんてムシの良い話はありませんので。仕方ないと諦めます。 にほんブログ村
2012.02.29
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1月中旬から1ヶ月で日経平均は1,000円ほど上昇し、東証の1日の売買代金も1.5兆円前後まで回復しました。株式市場の雰囲気も盛り上がってきたように感じます。 ところで、一般的に投資家という生き物は、株価が上がると無駄な売買をするようになる傾向があると言われます。保有銘柄が上昇したことで市場が安全になったと錯覚し、無用なリスクを取るようになったり、銘柄選択能力に過剰な自信を抱いたり・・・といった感覚が原因だろうと思います。 僕も例外ではなく、ロクに調べもしてない企業を、PERが低いとかROEが高いとかいう理由で衝動的に売買しそうになったりします。 こんなとき、「行動経済学」について書かれた本を読むと良いクスリとなります。 例えば、以下のような一文はどうでしょうか。■ ■「売買がはげしいと損をする」 カリフォルニア大学の二人の金融経済学者ブラッド・バーバーとテランス・オディーンは、長年にわたって何千人という投資家の調査をおこなった結果、「株の売り買いがはげしい人ほど成績が悪い」、という結論に達した。くわしく言えば、6000家族についての五年間の調査で、次のような結果が出た。毎年、ポートフォリオの回転率が250%以上である20%の家族、すなわち売買がもっともひんぱんなグループはあらゆる家族の中で最も成績が悪かった。回転率がもっとも低いグループより、平均して7%もリターンが少なかった。これは銘柄の選び方が悪いのではなく、売買のたびに支払う手数料のためなのだ。(『経済は感情で動く はじめての行動経済学』マッテオ・モッテルリーニ著 P205~206)■ ■ 売買の回数とリターンに相関関係は無く、手数料が増える分だけリターンが劣化しやすくなるというのは良く考えれば極自然なことです。 まずは、投資家にコントロール出来る「コスト」という変数を大事にしたいですね。 ・・・とか言ってみたり。にほんブログ村
2012.02.21
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前月比+4.32%でした。1、保有株式、投資信託等 キャッシュポジション:42,465円2、当月購入・ヒラノテクシード(6245)@550円×100 塗工装置のメーカー。正味流動資産価値から見て割安さを感じて購入。・日本電技(1723)@592円×100 ネットネット株 (流動資産163億円-総負債85億円=正味流動資産78億円>時価総額48億円) ビル向け空調を中心に、センサーなどで環境を測定し、機器を自動で制御するシステムの設計・施工を行う会社。 この分野で圧倒的な国内シェアを持つ山武の有力特約店であり、 メンテナンスやリニューアルといったストック的ビジネスも行っています。 ・eMAXIS全世界株式インデックス 100,000円3、当月売却 なし4、ポートフォリオの収益*1 2010年末を10,000とした場合の指数。*2 新規の入金額は元本の増加とみなす。*3 配当収入もリターンに含まれている。*4 収益率は、キャッシュポジションも含んだPF全体で計算*5 税引き後のリターンを使用にほんブログ村
2012.01.31
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今更ですが、あけましておめでとうございます。 2012年の初売買として、大証2部上場の「ヒラノテクシード(6245)」を買ってみました。 ヒラノテクシードは、フィルム状のモノに何かを薄く塗ったり、張り合わせたりする「塗工装置」のメーカーであり、液晶テレビ用のフィルムやリチウムイオン電池の製造工程などで同社の機械が広く採用されています。 景気の波を受けやすい事業なので売上高の変動幅は大きいですが、リーマンショック後の08年頃も黒字を計上しており、今期も厳しい円高にも関わらず、一株当たり43円(PER13倍弱)と最低限の利益は挙げられる見込みのようです。 で、決して悪い企業ではなく、技術とノウハウの蓄積が必要な資本財を扱う優良企業だと思いますが、株価は非常に低迷しています。 直近の四半期決算での正味流動資産が123億円(流動資産222億円-総負債99億円)あるのに対し、現在の時価総額は86億円。ほぼネットネット株といえる状況です。 一昔前なら「日本のものづくりの宝」などと持ち上げられていそうな企業なんですけどねえ。 ともかく、こんな調子で今年も不人気・マイナーな株を積極的に買いつつ、マイナー株愛好家の同士の方とお近づきになりたいな―と考えています。 どうぞよろしくお願いいたします。
2012.01.13
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前月比+4.16%でした。1、保有株式、投資信託等キャッシュポジション:5,566円2、当月購入・田辺工業(1828)@428円×100 ネットネット株 (流動資産125億円-総負債82億円=正味流動資産43億円>時価総額23億円) 化学プラント主体の中堅工事会社さん。 業績は景気によって上下するが、 過去10年間の簡易FCF(営業CF-投資CF)を見ると平均で+4億円強。 事業価値から見ても割安さを感じます。 ・曽田香料(4965)@671円×100 香料業界4位で東レ子会社。 顧客には生活必需品企業が多く、業績は安定的。 時価総額が正味流動資産価値を下回っているのも魅力だと思ってます。 流動性が皆無なのはご愛嬌。・アルプス物流(9055)@717円×100 アルプス電気系の物流会社。 複数社の部品をトラックに混載して配送する「共同配送」が事業の軸。 この手のサービスは取引関係の広さが競争力に繋がるので、新規の参入障壁は高いのではないでしょうか。 配当利回りが高い(約4.9%)のも嬉しいところ。 ・eMAXIS全世界株式インデックス 125,000円3、当月売却 なし4、その他売買 以下3銘柄について、含み損を確定するための回転売買を行いました。・ミライアル(4238)・富士製薬工業(4554)・ザ・パック(3950)5、ポートフォリオの収益*1 2010年末を10,000とした場合の指数。*2 新規の入金額は元本の増加とみなす。*3 配当収入もリターンに含まれている。*4 収益率は、キャッシュポジションも含んだPF全体で計算*5 税引き後のリターンを使用6、雑感 今年の投資結果を「リターン」「リスク」「コスト」の三要素から駆け足で振り返りたいと思います。(1)年間リターン 国内株式は損益トントン、外国株インデックスファンドの収益率が微減であったため、全体としては若干のマイナスリターンで着地しました。 結果論ですが、今年は大型株に対して小型株、東証1部に対して東証2部が強かったので、僕が保有しているような地味株にとっては相対的に良い年になったようです。(2)リスク 月次のリターンの標準偏差(ボラティリティ)を見ると、TOPIXが3.89%、eMAXIS全世界株式が6.37%であるのに対して僕のPFでは3.02%に抑えられていました。 下げ相場なので当然といえば当然ですが、指数に対してリスクを抑えつつ超過収益を獲得できたのは嬉しい結果だと思っています。(3)コスト 年間に支払ったコストを見ると、株式売買手数料が約12,000円、配当・確定益に対する税が約6,000円、投信の信託報酬が約6,000円程度となり、合計額はおよそ24,000円。 期末の純資産額は526万円なので、年間の経費率は2.4万÷526万≒0.46%となります。これはETFと比べるとやや高い数値ですが、一般的なアクティブファンドが1%を越す信託報酬を徴していることをふまえると、悪くない水準だと思います。■ ■ 今年の総括とか、来年に向けての抱負とかは、また別途書こうかなと思います。 それではみなさま、良いお年を。
2011.12.31
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(※どことなく気取ったタイトルですが、内容はだいたい投資の話です。) 先日、『シェア からビジネスを生みだす新戦略』という書籍を読みました。 同書の大まかな内容としては以下のような感じです。(1)20世紀は「大量生産・大量消費・大量廃棄」の時代だったが、(2)近年は「使用頻度の低いモノはみんなで共有する」「使わなくなったモノを欲しがってる人へ渡す」「共通の考えを持つ人との繋がりを得る」といった消費行動が増えてきており、(3)そのための「場(インフラ)」や「サービス」を提供する企業が増えている。 身もフタも無い要約をしてしまえば、「消費者が新品のモノをあまり買わなくなってきてるよ」という状況を分析している本ともいえます。 こういう風潮が生まれてきた背景として重要なのは、「モノがたくさん溢れてる(余剰なキャパシティがある)状況では、新たにモノを生産・購入するよりも、既存の資産を有効活用した方が経済合理性がある」という点と「インターネット等のテクノロジーの発達により、各種の取引コストが下がっている」という2点にあるのかと個人的に思います。■ ■ 上記の書籍は米国の状況を中心に記述したものですが、今の日本も米国と同じように(平均的には)充分なモノが存在している社会といえます。 最近の日本の製造業は全体的には勢いが無く苦戦しています。ですが、製品が溢れている日本で、更なる製品を生産するためにに資金を費やす企業が高い収益を上げれるか?・・・と考えると、中々難しい気がしてきます。 むしろ投資のアイデアとしては、家庭・企業・公共セクターに存在する余剰な資産を有効活用する企業の方が社会のニーズにあい、収益性も高くなっていくと考えられないでしょうか。 僕が具体的な例としてに思いつくのは以下の通りです。いずれも平均的な製造業よりも高収益であり、業績も好調です。・コシダカ(2157)、エスクリ(2196)、ダイヤモンドダイニング(3073)など 使用されなくなった建物に居抜き出店することで、設備投資額を抑制する。・トランコム(9058) 空荷のトラックと荷主を結びつけるサービスを提供。トラックが空荷で移動する時間を減らし、利用効率を高める。・テンポスバスターズ(2751) 中古の厨房機器を再生し、新品よりも安価な価格で提供する。■ ■ 勿論、全ての製造業の業績が悪いわけではないですし、上記のような企業の収益性は競争によって次第に落ち込んでいく可能性もあります。 だがいずれにせよ、充分に利用されていない資産を利用したり、そういった資産が有効活用されるような仕組みを作り上げる企業というのが、これからの日本で伸びてくるような気がします。
2011.12.17
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年の暮れも近づいてきたので、ちょこちょこ含み損を確定する「節税売り」を始めています。含み損を確定するだけで徴収された税金が戻ってくるのは、意外と気持ちの良い体験ですね。 税金は投資における大きなコストの一つであり、投資信託にしても個別株投資にしても、コスト水準の多寡はリターンに影響を与えるものです。そんなわけで、含み損に諭吉先生のご尊顔を感じられるのは、この時期だけの風物詩なのかもしれません。■ ■ ところで、世の中ではたま~に税金を費用とみなさずに収益率を計算している方がいらっしゃいます。「何だかなー」という気持ちになるのは僕だけでしょうか。
2011.12.13
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前月比▲3.81%でした。1、保有株式、投資信託等キャッシュポジション:6,202円2、当月購入・ラサ商事(3023)@324円×100 鉱石(フェロニッケル、ジルコンサンド)や特殊ポンプを取り扱う商社 特殊ポンプについては、部品販売や保守といったアフタービジネスも手掛け利益率高し。・タイガースポリマー(4231)@295円×100 ネットネット株 (流動資産164億円-総負債64億円=正味流動資産100億円>時価総額60億円) タイの洪水という一時的な悪材料で売られていたと見て、買い増し。 (*時価総額は買値を基準。以下同) ・ナトコ(4627)@528円×100 ネットネット株 (流動資産108億円-総負債43億円=正味流動資産65億円>時価総額39億円) 中堅の塗料メーカーで、金属用・住宅用などに強み ・オーナンバ(5816)@303円×100 ネットネット株 (流動資産184億円-総負債118億円=正味流動資産66億円>時価総額38億円) 産業用、民生用ハーネス大手で、半年ほど前には「太陽光銘柄」の一角として人気を集めた銘柄。これくらいの価格帯なら、優待の存在も考慮して十分に買える水準だと思います。 ・共立マテリアル(1702)@267円×1,000 ネットネット株 (流動資産148億円-総負債40億円=正味流動資産108億円>時価総額54億円) 森村グループの一角で、各種セラミックス原料を販売。 過去10年間最終赤字に陥ったことが無く、近年はサムスン(韓)向けの取引が拡大中。 土地をかなり安い簿価で持っており、含み益は30億円以上あると見ています。 ・eMAXIS全世界株式インデックス 50,000円3、当月売却 以下3銘柄を他株を購入するために売却・富士通フロンテック(6945)@524円×100(△5,300円)・フロイント産業(6312)@408円×100(△1,200円)・SPK(7466)@1,262円×100(+16,300円)4、ポートフォリオの収益*1 2010年末を10,000とした場合の指数。*2 新規の入金額は元本の増加とみなす。*3 配当収入もリターンに含まれている。*4 収益率は、キャッシュポジションも含んだPF全体で計算*5 税引き後のリターンを使用5、雑感 ここ数ヶ月は、正味流動資産価値から見て割安な株の中から、一定の事業価値があると思った企業を薄く広く買っています。「シケモク銘柄への分散投資」というやつですね。 不人気な投資だろうとは思いますが、僕はバフェットやリンチのような派手な投資家よりも、ウォルター・シュロスのような職人タイプに惹かれるので、淡々と安い株を仕入れていきますよ。 外国株のインデックスファンドと日本株のネットネット銘柄でコア・サテライト戦略・・・なんてのが、現時点で目指している投資戦略ですね。
2011.11.30
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こちらの記事によると、11月16日付けで大手資産運用会社「日興アセットマネジメント」の東証上場が承認されたようです。親会社である住友信託銀行が保有株の3割強を放出するとのことであり、相場環境の悪い中で思い切った決断をしたものだなと思います。■ ■ ところで、日興アセットマネジメントの売出目論見書の中では、HPの決算公告より詳しい損益計算書が公開されています。 僕は過去に日興のETFをや投信を保有していたことがあり、「信託報酬」という名目で一定の手数料を支払っていました。損益計算書上では僕たちが払った信託報酬が収益となり、その使途が費用となります。ですので、これを見れば、自分の支払った信託報酬がどのように使われていたのか分かると考えられます。 そこで、「投信の保有者」という視点で日興アセットマネジメントの決算を見て、運用会社のコスト構造を調べてみることにしました。 上記を見ると、こんなことが分かりました。・信託報酬の約半分は、販売会社への販売手数料 これは投信の運用報告を見ればある程度推察が出来ますが、信託報酬の半分は販売会社への手数料に消えています。逆に言うと、さわかみファンドのような直販系の投信は、販売チャネルさえ確保できれば最も大きな費用である「販売手数料」を圧縮出来ることとなり、競争優位性を得られそうです。・商品の調査費用と人件費が、それぞれ15%ずつ前後 運用を行うための調査費用と人件費を合わせると、およそ3割前後を占めています。 良い運用を行うためには必要不可欠な出費かと思いますが、「従業員一人当たり運用残高」「運用残高当たり調査費用」などの指標に注意を払えば、運用会社ごとの事業の効率性が分かるのかもしれません。・その他経費と利益が10%ずつ前後 賃料、広告費、諸経費を合わせた金額は収益の10%前後となっています。 また、営業利益率は約12%あり、最終的にこの利益は法人税や親会社への配当金の原資になっています。結構儲けていますね。 結論としては、投資家が運用会社に100の信託報酬を払った場合、50が販売手数料、30が調査費と人件費、10が諸経費、残りが利益に化けているということが分かります。会社によって誤差はあるでしょうが、日本の大手運用会社は概ねこんな所なんでしょうね。
2011.11.19
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前月比+2.56%でした。1、保有株式、投資信託等キャッシュポジション:42,783円2、当月購入・TOA(6809)@437円×100 商業施設、公共施設等の音響設備を総合的に手掛け、国内シェアは4~5割前後。 過去10年間、最終利益・営業キャッシュフロー共にマイナスになったことが無い企業。 予想配当利回りが4.5%と高いうえに、株価が正味流動資産価値を下回っているのも魅力的。 関係ありませんが、S株(単元未満株)という仕組みを初めて使ってみました。 ・eMAXIS全世界株式インデックス 150,000円 積み立て+買い増し3、当月売却・ハイマックス(4299)@601円×100(+2,000円) 内需株から外国株へ資金を移動させるため。4、ポートフォリオの収益*1 2010年末を10,000とした場合の指数。*2 新規の入金額は元本の増加とみなす。*3 配当収入もリターンに含まれている。*4 収益率は、キャッシュポジションも含んだPF全体で計算*5 税引き後のリターンを使用
2011.10.31
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海外REITに投資する投資信託には、分配金利回りの非常に高いものが多くあります。 例えば、国際投信の「ワールド・リート・オープン」は、基準価格3,876円に対し年間分配金(見込)は900円。その分配金利回りは驚きの23.2%(!)です。 こういう数字を見ると、「海外REITは期待リターンの高い資産である」と思ってしまいそうになりますが、実際のところはどうなのでしょうか? 疑問に思ったので参考になりそうな情報を漁ってみました。■ ■ ネットを探してみると、DIAMアセットマネジメントのDIAM海外リートウィークリーレポートというコーナーで、各国REITの配当金利回りが紹介されております。 最新版のレポート(10/12付)によると、米国REITは3.80%、欧州(イギリス除く)REITは6.21%、豪州REITは6.96%などとなっており、平均すれば5%前後といったところのようです。 J-REITの利回りが5.6%ほどありますので、インフレ率の格差を考慮してもっと高い利回りがあると思ってましたが・・・うーん。 2桁の分配金利回りを裏付けるようなインカム収入は、どう考えても原資産から得られていません。というか、分配金利回りが23%あったとしても、その内の18%近くは元本の取り崩しである可能性があります。蛸もびっくりのタコ足ぶりです。 近頃は、高額な分配金は元本の取り崩しである可能性などを販売時に説明しているようですが、そんなややこしい説明を理解する人ばかりとは思いません。 そこで提案ですが、より分かりやすい指標として、分配金利回りから原資産の収益率を引いた数値を「タコ配比率」として公表したら良いのではないでしょうか。 株式やコモディティは無理でしょうが、REITや債券など固定的な収入のあるアセットクラスならば、算定出来ると思います。
2011.10.15
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ここ数日、「デクシア(Dexia)」という欧州金融機関の名前を頻繁に聞くようになりました。 デクシアはベルギー・フランスを拠点とする大手金融機関であり、地方公共団体向けの融資を中核とする商業銀行であるそうです。以下のニュースから分かるように、ギリシャやイタリアといった南欧諸国の国債保有が多く、ソブリン危機により経営危機に陥っているようです。欧州金融大手デクシア、政府支援下で経営再建へ【ルクセンブルク=永田毅】フランス・ベルギー系金融大手デクシアは4日、政府の支援下で経営再建を図ると発表した。 仏、ベルギー金融当局に支援を要請済みで、両国政府も同日発表した声明で「預金者、債権者保護のため、中央銀行と協力してあらゆる手段を講じる」と資金繰りも支援する方針も表明した。欧州メディアによると、デクシアはギリシャ、イタリアなどの国債を209億ユーロ(約2兆1000億円)保有し、資本不足に陥る懸念が指摘され株価が急落していた。 具体的には、官民共同で創設した受け皿が、デクシアが保有する不良債権を買い取るほか、仏、ベルギーで展開している事業を一元化することで合理化を図ることなどが検討されているとみられる。デクシアは2008年秋のリーマン・ショック後に経営危機に陥り、公的資金注入を受け経営再建を進めていたが、ギリシャ危機の影響などで財務体質悪化が懸念されていた。(2011年10月5日01時09分 読売新聞) 恥ずかしながら、ニュースで名前を見かけるまで存在すら知らない金融機関でした。 そんなわけで、この機会にちょっと調べてみようかと思い、デクシアのアニュアルレポートから財務に関係する部分を斜め読みしてみました。 とはいっても、ただでさえ難解な商業銀行の財務を読み解けるほどの知識も語学力もありませんので、あくまで上っ面だけですけど。ポイント1:資産規模について 同社の2010年末時点の連結貸借対照表を見ると、その総資産はおよそ5,600億ユーロ(約58兆円)と巨額です。 この金額をベルギー・フランス両国の名目GDPと比較すると、ベルギーの名目GDP(2010年)に対し165.50%、フランスの名目GDP(2010年)に対し29.34%となっており、両国のGDPを合計した金額に対しては、およそ25%となっています。 これは、日本に置き換えるとメガバンの一角である三井住友フィナンシャルグループの総資産/名目GDPの比率(28%)とほぼ同じ水準となっています。ポイント2:レバレッジについて 同時に、デクシアはかなり負債に依存した調達構造を持っています。総資産に対する純資産の比率(純資産÷総資産)は1.89%しかありません。 引用した記事によると、南欧諸国のソブリンを200億ユーロほど保有しているわけですが、同社の純資産額は107億ユーロ。リスクに対する資本の金額の不足を感じられます。 デクシアの本業は地方公共団体向けの融資であり、国債のほかに地方債や貸付などでさらに多くの南欧向け融資を抱えていることが予想されることも付け加えます。ポイント3:負債の構造について 一般的に商業銀行は、個人等から預金を受け入れ、それを運用するというビジネスを行っています。三井住友FGを見ると、負債のうち7割前後が預金という形態をとっています。 しかしデクシアの場合は、預金よりも他行からの資金調達や社債による資金調達の占める割合が大きくなっています。従って、銀行間取引における上乗せ金利幅が大きくなっている現在、かなり不利な資金調達を強いられていることが予想されます。 以上をまとめると、デクシアは資本が薄く、資金調達を資本市場に頼っており、ベルギー・仏両国のGDPに対する資産規模は、日本に置き換えると三井住友FGレベルの大手金融機関であることが分かりました。 こう考えると、改めて深刻であることを実感します。 今後の世界経済の行方を見るうえでも、わが国でソブリン危機が起きた際のことを予測する意味でも、欧州の金融機関の状況に関心を持っていきたいと思います。
2011.10.09
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「最近の相場の下げは酷いな~」 なんて思いつつTOPIXを見れば、本日の安値724.77ポイントは、東日本大震災発生時の最安値725.9ポイントを下回る水準なんですね。そりゃあ厳しく感じるはずだと、一人で勝手に納得していました。 僕の保有株でも内需系の銘柄や資産株の中には健闘している株式もありますが、積み立て中の投資信託や相場の反転を見込んで買った市況株が悲惨な状態になってます。 とはいえ、10年債利回りが1%を下回っているのに対し、東証1部の予想配当利回りは2.6%と長期金利にダブルスコアを付けているわけで、少なくとも株式は割高ではありません。 下落相場とは、配当金を再投資することで保有株を積み増す大きなチャンスである、と仰っていたのはシーゲル先生だったと思いますが、そんな感じでほどほどに楽観的な気持ちを大事にしたいと思います。
2011.10.05
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前月比▲2.55%でした。1、保有株式、投資信託等キャッシュポジション:22,803円2、当月購入・KSK(9687)@433円×100 ネットネット株(流動資産76億-総負債27億=正味流動資産49億>時価総額33億) 中堅のSIER。 システムの運営・保守というストックビジネスを持ち、リーマンショック後も地味に黒字を維持。・カーメイト(7297)@344円×200 カー用品の製造販売を行う。主要顧客はオートバックスなど。 会社予想ベースでのPERは4倍未満。かつ1Q時点で進捗率が37%。・寺岡製作所(4987)@345円×100 ネットネット株(流動資産195億-総負債83億=正味流動資産112億>時価総額69億) 工業用の粘着テープを製造。家電や自動車部品、建築、梱包など需要分野は多彩。 割と安定してキャッシュを稼ぐ力があり、海外展開も徐々に進行中。・eMAXIS全世界株式インデックス 150,000円 積み立て+買い増し3、当月売却・キユーピー(2809)@1,061円×100(+11,000円) 下落局面ということもあり、ディフェンシブ株から資金を移動。・大丸エナウィン(9818)@518円×100(▲5,100円) 損切り。 他の燃料商社と比較しての財務の健全性・収益性などを材料に購入したのですが、 絶対的な意味での安全域の見積もりが甘かったな、と反省気味。 4、ポートフォリオの収益*1 2010年末を10,000とした場合の指数。*2 新規の入金額は元本の増加とみなす。*3 配当収入もリターンに含まれている。*4 収益率は、キャッシュポジションも含んだPF全体で計算*5 税引き後のリターンを使用5.雑感 いつの間にやら現金比率が1%を切り、フルインベストメント状態となって参りました。 日本株PFだけなら、小型株・内需株相場の恩恵によって年初来でプラス圏ですが、ここ2ヶ月は大型株や外国株の下げが非常にキツイ感じです。 とはいえ、各アセットクラスは好不調の波があるものですので、折りを見て小型株・内需株から大型株・外国株に資金を移動させていきたいと思います。
2011.09.30
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「"もっと良い"インデックスファンドの探求」 近年の日本投信業界では、運用コストが比較的小さい「インデックスファンド」の商品数が増えてきています。 投信全体から見れば、インデックスファンドの運用残高は太平洋の小島のようなものですが、数年前までそもそも個人投資家の買える商品が存在をしなかったことを考慮すれば、普及が進んだといえそうです。 「インデックスファンド」は、「アクティブファンド」に対し平均すれば優れた成績を残すという意味で「良い」商品といえます。とはいえ、インデックスファンドは完全無欠な最強戦略ではありません。 世間では賢い人たちが集まり、インデックスファンドをより良くするために知恵を絞っているようです。そうして生まれたアイデアに「ファンダメンタル・インデックス」という戦略があるということを知りました。個人的な理解も兼ねて概要をメモしたいと思います。 ちなみにこの戦略を一言でいうと、「銘柄組み入れ比率を、より本源的な企業価値に近づけたインデックスファンド」となるかと思います。■ ■「S&P500指数に対し、年率2.1%の超過リターン」 これが、1962年~2007年の46年間の米国市場においてファンダメンタル・インデックス戦略を取った場合のパフォーマンスだそうです。(S&P500=10.3%/年、RAFI米国大型=12.3%/年) この差異はどこで生まれたのでしょうか。 インデックスファンドの弱点の一つは、銘柄を時価総額の比率で組み入れる"時価総額加重"という点にあります。 株価は、基本的に企業価値を反映して決まりますが、不確かな将来の見通しに依存しているため、投資家の気分によってその本源的価値から上方にも下方にもブレるものです。 そんな株式市場で時価総額を基準に株式を組み入れると、源的価値より高く売られている株式を多く、本源的価値より低く売られている株式を少なく購入することなってしまいます。そして、株式の評価がフェアバリューへ回帰した時には、リターンを減少させます。 典型的な例がドットコム・バブル期のS&P500指数で、ニューエコノミーの煽りの中でハイテクセクターの比率が10%→33%に上昇した挙句、バブルの崩壊によりインデックス主義者の資産も溶かされてしまったそうです。 そういう経験もあってか、より機能するインデックスは作れないかという議論がなされ、その一貫として「ファンダメンタル・インデックス」という概念が生まれてきました。 「ファンダメンタル・インデックス」は、売上高・キャッシュフロー・配当・株主資本といった企業の経済規模を示す指標を元に組み入れます。 この方針のポイントは、株価という変数が組み入れ比率の算定に使われていないため、市場の評価から中立的に銘柄を選定することが出来る。すなわち、企業価値を上回っている企業も下回っている企業も、平均すれば同じ位の比率で組み入れることが出来るという点です。 これはバリュー投資とも似て非なるものです。バリュー投資は、一般的に企業価値よりも安い株価で売られている商品を買うというものですが、ファンダメンタル・インデックスは、株価と関係の無い指標を元に組み入れ比率を決めることで、市場インデックスの構造的な欠陥である「過大評価された銘柄への偏重」を正すという点にあります。 バリュー投資の付加価値は、価格と価値のスプレッドから得られます。ファンダメンタル・インデックスの付加価値は、市場インデックスのバイアスの解消から得られるのです。■ ■ ちなみに、日本株においても「ファンダメンタル・インデックス」戦略に基づいた投資信託が販売されています。ただ、残念なことに運用会社が野村アセットマネジメントであり、NOMURA社員のアニマルスピリットによって、購入手数料が2.0%、信託報酬1.0%/年という残念なインデックスファンドと化していました。(参考:野村RAFI?日本株投信) ただ、時価総額加重のTOPIXに対して超過収益を生んでいるので、アイデアとしては機能しているのかな? モーニングスターのサイトを見ると、各期間で同カテゴリーの中~上位のリターンを上げており、3年リターンではトップスリーに入っていますね。うんうん。 これでノーロードかつ信託報酬0.5%以下なら買っても良い気がします。
2011.09.17
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本日の朝刊を読んでいると「復興財源、郵政株売却を検討…7兆円程度見込む」という記事が目に飛び込んできました。以下、リンク先の記事を一部抜粋。■ ■政府・民主党は7日、東日本大震災の復興財源として、国が100%保有する日本郵政株の売却益を充てる検討に入った。政府は売却益を簿価ベースで7兆円程度とみており、政府が今後5年間に復興費用などで必要とする計16・2兆円の多くを賄うことが可能となる。(中略)与党が推す郵政改革法案は、政府の日本郵政への出資比率を「3分の1超」としているため、同法案が成立すれば、政府は残る約66%分の売却が可能になる。■ ■日本郵政グループの決算書を見ると、同社の純資産はおよそ10兆円あります。郵政法案が通れば10兆円のうち3分の2までを売却出来て、その簿価は7兆円ぐらい。だから郵政株を簿価で売れれば7兆円の財源を確保できるじゃないか、というような計算をしていらっしゃるみたいですね。日本郵政は、1870年代に始まった伝統ある日本の郵便制度を支える企業であり、その資産規模は300兆円と膨大な額です。また、日本国内で多くの雇用を提供しており、運用の一貫として国債を購入することを通じて日本の財政を支えてきた企業でもあります。同社が様々な面で素晴らしい企業であることは間違いないと思いますが、果たして投資家にとっても良い企業であるといえるのでしょうか。そこで一投資家の視点として、日本郵政の株式が魅力的な投資対象であるのかどうか、考えてみたいと思います。■ ■日本郵政グループの決算を見ると、同社の連結純資産は、平成23年3月末時点で9,999,952百万円、平成23年3月期の連結純利益は418,929百万円となっています。また、配当金として363億円を支払っております。わざわざ株を売らなくても、法人税と合わせて国の財政には貢献してるんですけどねえ。・・・おっと話が逸れました。日本郵政グループの発行済み株式数は1.5億株ですので、これを元に一株当たりの数字に割り戻すとBPSは66,666円、EPSは2,793円、一株当たり配当金は242円となります。仮に、郵政の株式を簿価(=PBR1.0倍)購入するとなると、そのPERは23.87倍、配当利回りは0.36%となる計算です。PERはこんなものかもしれませんが、配当利回りがちょっと低いですかね。国は、株を売る前に大株主として増配の要求でもした方が良いのではないでしょうか。通信界のガリバー企業・日本電信電話(9432)がPBR0.6倍、メガバンクトップで邦銀の中でも高い格付けを誇る三菱UFJ(8306)さえもPBR0.54倍、どちらも配当利回りは3%越え・・・という水準で売買されているこの市場環境ですので、個人向け国債を買う、それこそ郵便貯金に預けた方がマシな気がします。あるいは、ゆうちょ銀行が取り扱いを始めたeMAXISシリーズを買うなんてのも良いと思われます。
2011.09.08
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前月比▲6.02%でした。1、保有株式、投資信託等キャッシュポジション:57,075円2、当月購入・第一カッター興業(1716)@536円×100 ニッチな技術に強みを持つ建設・土木会社。 株価は正味流動資産価値を下回っており、下値の不安もさほど無い・・・と希望的観測。・コスモバイオ(3386)@56,171円×1 バイオ分野の研究用試薬を主に海外で仕入れ、大学、研究機関、企業の研究部門等に販売している専門商社。10年ほど前にコスモ石油からMBOで独立したようです。 業績は堅調で株価は正味流動資産価値以下。かつ円高メリット株でもあり。・ミライアル(4238)@1,480円×100 シリコンウエハ用の搬送容器メーカー。300mm以上の大型ウエハ向けでは過半(6割)の世界シェアを保有。競合は信越ポリマーなど。 下げ局面だからこそβ値高めの国際企業を買おうと思っての選択。ただ、買い出動するタイミングがちょっと早かった。・エイジス(4659)@1,195円×100 小売店向け実地棚卸のパイオニア。 数年前には成長株として人気を博したみたいですが、成長が止まりで人気も離散。 しかし、不況に強い業態と、収益力が落ちたとはいえWACCを大きく上回るROICには妙味。・住友鋼管(5457)@505円×100 ネットネット株(流動資産436億-総負債183億=正味流動資産253億>時価総額165億) 住金子会社。新日鐵と住金の統合の影響はいかがなものでしょうか。 (金額は前期末の決算値。時価総額は買値を基準。)・三精輸送機(6357)@401円×100 ネットネット株(流動資産151億-総負債36億=正味流動資産115億>時価総額77億) 劇場用の昇降機、エレベーター、ジェットコースターなどの製造保守を行う。 収益源はメンテナンスであり、6月にはメンテ子会社への出資比率を100%に。これで年2億円前後の少数株主持分が消え、のれん償却を含んでも最終利益が押し上げられるでしょう。・鈴茂器工(6405)@501円×100 寿司用機械、おにぎり用機械でトップシェア。 交換用部品や各種消耗資材などが売上の3割強を占めており、いわゆる消耗品ビジネスを展開していることも好ましく思います。・スタンレー電気(6923)@1,064円×100 トヨタ・ソニーを始めとする日本を代表する企業が大幅に下げているので、中~大型の国際優良株を購入するチャンスかなと。 同社は財務良好、リーマンショック後の厳しいリセッション下でも黒字を維持。・エクセル(7591)@765円×100 ネットネット株(流動資産359億-総負債172億=正味流動資産187億>時価総額69億) 主な取引先はシャープで、シャープの低迷に合わせて業績も苦戦中。・ムトー精工(7927)@487円×100 金型の設計・試作から実際の量産化までを手がけるというのが事業内容で、主要顧客はソニー。・新光商事(8141)@588円×100 ネットネット株(流動資産635億-総負債228億=正味流動資産407億>時価総額146億) 半導体・電子部品の商社で、主要仕入先がルネサスで、主要得意先は任天堂等。 業種柄、キャッシュフローが怪しいのはある程度我慢ですね。 ・UCS(8787)@340円×100 ユニー傘下のクレジットカード会社。 20億円/年の利息返還引当金が業績を圧迫してきたが、そろそろピークアウトが近づいているのではないかと。 H23.2月期の税引き前利益は17億円なので、将来的に利息返還引当費用が消えれば利益は倍以上に・・・・と皮算用。・三菱商事(8058)@1,912円×100 デフレ・円高中にこんな事を言うのも変ですが、将来的なインフレリスクや円安リスクの顕在化を考えて、資源権益を持つ総合商社は外せないな、と考えてますもので。・eMAXIS全世界株式インデックス 200,000円 積み立て+下げていたので買い増し3、当月売却・NTTドコモ(9437)@141,100円×1(+7,160円) 下落局面ということもあり、ディフェンシブ株から資金を移動。・東北新社(2329)@403円×100(▲2,200円) CM制作で同業の葵プロなどが赤字転落しており、震災後の広告出稿減は大きな打撃だったのかと連想。 蓋を開けたら東北新社の業績はまずまずで、失敗だったかも。・メック(4971)@292円×200(▲2,400円) 市況株を持つなら、資産価値が下値を支えてくれるような銘柄にしたいな、と。4、その他売買・ザ・パック(3950)売@1,225円×100→買@1,228円×100 含み損を出して、譲渡益税から資金を回収しようとしました。 しかし、同日中に売買をしたら「ナンピン→売却」と認識されて、十分な損出しが出来ないという結果に・・・。ううむ。5、ポートフォリオの収益*1 2010年末を10,000とした場合の指数。*2 新規の入金額は元本の増加とみなす。*3 配当収入もリターンに含まれている。*4 収益率は、キャッシュポジションも含んだPF全体で計算*5 税引き後のリターンを使用6.雑感 TOPIXが前月比▲8.41%、eMAXIS全世界株式が前月比▲11.02%と世界的に株価が下落した一方、米国債(10年)の金利が2%を割り、日本国債(10年)の金利が1%を割るなどと債券が買われた一ヶ月でした。 日米両国とも国債の格付けを引き下げられているんですけどねえ。
2011.08.31
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「米国債引き下げ責任者は英文学専攻 米紙「経済学勉強したことない」と皮肉」という記事を見つけました。ちょっと面白いと思ったので、紹介をさせてください。■ ■「米国債引き下げ責任者は英文学専攻 米紙「経済学勉強したことない」と皮肉」【ワシントン=柿内公輔】米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)による米国債格下げの波紋が広がるなか、同社の国債格付け責任者のジョン・チェンバース氏(55)が注目を集めている。経済と無縁の英文学を専攻し、水泳選手として名をはせた経歴も米メディアの関心を集めている。 7日付の米紙ニューヨーク・ポストは、「米国の国際的信用を破壊したのは、経済学を勉強したこともないニューヨーカーだ」として、チェンバース氏の人となりを特集。チェンバース氏の手のひらに地球が載っている合成写真を添えて、「英文学の修士号を持つチェンバース氏の決定に、世界経済が多大な影響を受けている」と皮肉った。(中略)チェンバース氏は米カンザス州の出身。イリノイ州の大学で文学と哲学を専攻し、ニューヨークのコロンビア大でも英文学を修めた。就職した銀行で副社長まで上り詰め、S&Pに移籍した。(以下略)■ ■経済学以外の学問をバックボーンとしている人だから、先入観に囚われない判断が出来たんだろうな、というのが僕の感想。ハーバード大学でMBAを取り、「米国債は無リスク資産である」という考えに染まった人には、心理的な抵抗が大きかったことでしょう。ちなみに補足をすると、僕はMBAやら経済学を批判しているつもりは一切ありません。もう少し一般的な話として、同質な集団が仲間内で物事を決めることよりも、多様な考え方を持った人間が、互いを尊重し合いつつ議論をする方が、間違えを起こしにくいと考えているだけです。
2011.08.12
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8月に入ってから連日連夜の下落が続き、暴落マニア歓喜の相場となっています。 そんな中、リーマンショックを生き延びてきた凄腕のバリューブロガーさん達を見ていると、みなさん下落相場に対し果敢に買い向かっておられるようで、「流石だなあ」と感心させられます。 暴落は、逆張り投資家さんにとっても歓喜の相場なようですね。 「将来は不確定である」という認識を持って、信用買いをせず、一定のキャッシュポジションを残しておく。 そんな保守的な姿勢を持つことが、長期的に相場で生き残り、財産を殖やせる人の特徴なのかなあ、と思う今日この頃です。
2011.08.09
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格付け会社S&Pが、米国債を「AAA」から「AA+」に一段階格下げしたようです。 多くの格付け会社は、顧客企業から金を貰う対価に甘い格付けを付与したり、不十分なリスクモデルを元に証券化商品に高い格付けを与えた結果、クレジットバブルを拡大させたりと、信用リスク評価のプロとは言えない振る舞いを見せてきました。これにより、投資家のみならず、実体経済も多大な被害を受けてきています。 しかし、今回に限っては投資家の立場に立った中立的な評価を与えたと思います。 政治的な圧力も掛かっているだろう中ですので、尚更、勇気のある判断だったことでしょう。お疲れ様でした。■ ■ さて、問題は格下げによりどのような影響が出るか、という点です。 ベースとなる国債利回りが上昇することで、企業の資金調達コストも上がり、負債の大きい企業にはマイナスの影響が及ぶと思われます。短期資金を調達し、コモディティや流動性の低い資産に投機をしているヘッジファンドなどは、持高の縮小を迫られるかもしれません。 為替相場は、為替介入の効果もむなしく再び円高に振れるのではないでしょうか。 さらに、日中を始めとする、貿易黒字を米国債の購入に向け米国の赤字をファイナンスしていた国々は、短期的には評価損を計上するかもしれませんね。 まあ、僕のような個人に経済の見通しを予測する能力はありませんので、これからの相場の行方をしっかりと注視していきたいです。
2011.08.06
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毎度おなじみの為替介入が、本日行われたようです。 ドル/円相場は半日で3円以上円安方向に動き、その他の通貨も軒並み円安に振れておりますので、少なくとも短期的には効果のある介入だったといえそうです。 一方で株式市場を見ると、TOPIXが前日比マイナスで引けるなど介入の効果は薄いようです。 海外勢や国内の機関投資家にとって、円高以上に、欧米のソブリンリスクや新興国の景気悪化が不安要素とみなされているのかもしれませんね。■ ■ 余談ですが、僕はこんな日に限って外貨建ての投資信託に注文を出しておりました。財務省にしてやられた感で一杯です。
2011.08.04
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前月比+1.02%でした。1、保有株式、投資信託等キャッシュポジション:298,038円2、当月購入・大丸エナウィン(9818)@569円×100 近畿地盤のLPガス商社。 堅固な財務を生かした同業他社の買収と、既存のLPガス流通網に医療・産業ガスや宅配水なども乗せることで資本効率を向上させる・・・というのが成長戦略と理解してます。・ヒューテックノオリン(9056)@686円×100 複数の冷食メーカーの商品を自社倉庫で保管した上で、一つのトラックに混載し運送する「共同配送事業」が主力。 顧客基盤が厚いほど多頻度・低コストでの配送が可能となるため、新規参入者への参入障壁は案外高いのではないでしょうか。・スペース(9622)@488円×100 準ネットネット株(流動資産172億-総負債74億=正味流動資産98億≒時価総額104億) 従業員持ち株会が筆頭株主で、自社株、取引先持ち株会を含めた保有比率は26%。少なくとも、インサイダーから見て悪い企業ではないようです。・富士通フロンテック(6945)@576円×100 ネットネット株(流動資産446億-総負債305億=正味流動資産140億>時価総額135億) 富士通子会社でATM、表示端末などを製造。 売上の2割は機器の保守を含む「サービスビジネス」が稼いでおり、利益への貢献も小さくないみたいです。・eMAXIS全世界株式インデックス 200,000円 積み立て+下落していたので買い増し3、当月売却・沖縄電力(9511)@3,680円×100(+7,500円) 電力会社の中では指標面で割安さがあり、沖縄県は人口が増加傾向にあるというのも魅力。 とはいえ、収益力はWACCをギリギリ上回る程度、有利子負債も小さくないことをふまえると、より割安なディフェンシブ銘柄に分散投資する方が有利と判断しました。・ローランドDG(6789)@1,094円×100(▲17,000円) 他銘柄の売買に合わせて節税売り4、ポートフォリオの収益*1 2010年末を10,000とした場合の指数。*2 新規の入金額は元本の増加とみなす。*3 配当収入もリターンに含まれている。*4 収益率は、キャッシュポジションも含んだPF全体で計算。
2011.07.30
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暑いですね。 僕の勤め先も例のごとく節電対策を行っており、電気を間引いたり空調を弱めたりといった対策を採っております。 労働環境はやや悪化したような気がしますが、担当部署に聞けば電気の使用量は着実に減ってるようで、電気料金は前年比で2桁の減少だそうです。 コスト削減も出来て結構なことなのですが、電力会社の一角に投資をしている身、 「このようにみんなが節電対策を取ったら、電力会社の販売電力量は減り、業績も悪化してしまうのではないだろうか・・・?」と不安を感じざるを得ません。 そこで、電力会社が公表している月次の電力販売実績を見て、自分の不安が現実のものであるか確認してみることにしました。■ ■ 電力会社は、「販売電力概況」、「電力需給実績」といった名称で月次の電力販売実績を公表しています。以下の表は、各社が6月末に公表した2011年5月の販売電力量の全年同月比実績を比較したものです。 これを見ると、電力10社全ての販売電力量が前年同月比を下回っていることが分かります。 落ち込みが顕著なのが被災した東北電力と東京電力の2社ですね。 特に東電は、電源の切り替えによるコスト増や賠償金負担というハンデを背負っているわけですので、さらに大幅な販売減となれば泣きっ面に蜂っぽいです。 僕が投資をしている沖縄電力も前年同月比で数量減となっています。内訳を見ると業務用が▲6.2%と大幅な下落となっていました。 今年の5月はまだまだ節電ムードは弱かった時期かと思いますので、6月7月と進むにつれ更に販売電力量が減少すると予想も出来ますので・・・・どうなんでしょうかね、コレ。
2011.07.12
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ここ数日間、不動産業界、特にパワービルダーを色々と調べていました。 この業界は市況の影響を受けやすく、調子の良いときは数十%のROEを叩き出す一方、景気が悪くなると数年分の利益を吹き飛ばす博打銘柄がワンサカいるというイメージがあります。 また事業内容はどこも似たり寄ったりなところがあり、うかつに手を出すとマイナス10倍株と出会いそうなので、あんまり関わりたくないなーと個人的に思ってました。 ただそんな中で、他社とやや差別化された事業を展開しており、個人的に興味を惹かれた企業がありました。 その企業とは、東京都内で戸建住宅を分譲販売している、「三栄建築設計(3228)」です。■ ■ 三栄建築設計の特徴は、他社に比べて小さな土地を利用するところにあります。 一般的なパワービルダーは30坪以上の土地に住宅を建てると言われますが、同社は15~20坪程度と他社に比べ小さな土地を中心に仕入れています。このような狭い土地は需要が低いため、相対的に安い価格で手に入るという利点があります。 以下の表では、平成21年度決算における、首都圏地盤のパワービルダーの「販売原価率」と販売原価に占める「土地購入費」の割合を比較しています。 決算月が異なるため単純な比較は出来ませんが、三栄建築設計の原価率は同業他社の平均に比べ5%程度低く、原価に占める「土地購入費」の比率も低いことが分かるかと思います。 勿論、狭い土地は使いにくいから安いんですよね。 基本的にパワービルダーはあまり設計に力を入れず、規格化された住宅を大量に建てることでコストダウンをしているわけですので、あまり狭い土地とは相性が良くありません。 ただ、三栄建築設計はこのようなニッチな土地に特化するため、設計工事に従事する人員を多く揃え(全正社員の半分近くとのこと)、彼らを中心に1戸ずつ立地に合ったデザインの住宅を建設することで、狭いながらも良質な住宅を供給できているようです。■ ■ ちなみに僕はまだ購入しておらず、株価が大きく下がるような局面が来たら買おうかなというスタンスでいます。 基本的にディフェンシブな銘柄が好きなので・・・。市況株は結構下げてくれないと買う勇気が出ない感じです。(参考)・(株)日本ベル投資研究所のレポート
2011.07.09
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「過去10年間において初めの三年間と最後の三年間の平均を比べて、一株当たり利益が最低三分の一以上伸びていること」 これは、かのベンジャミン・グレアムが、『賢明なる投資家』において企業を買う際の定量的な基準の一つとして提示したものです。 ベンジャミン・グレアムといえば、バリュー投資の考え方を生み出した偉大な理論家・投資家です。初めてこの文章を読んだときは、「割安株投資といっても、ある程度の成長性は必要なのだな」、「日本企業は成長性が低いので、上記の基準を満たす企業はさほど多くないだろうな」等と思ったものです。 ですが、よくよく考えれば、上記の理解は明らかに間違っていることに気づきました。インフレの影響というものを考慮せず、名目上の利益の成長しか見ていなかったからです。■ ■ 以下は、過去30年間の日本と米国のインフレ率の推移を示したグラフです。(出所:『世界経済のネタ帳』) 上記のグラフのバックデータから計算すると、1981年から2010年の30年間における米国の平均インフレ率は、3.16%/年です。 ちなみに日本の場合、同期間の平均インフレ率は0.81%/年です。近年のデフレの影響などもあり、かなり低い水準となっているようです。(ここでいう平均は単純平均の数字) ここでちょっと考えてみたいと思います。 毎年3.16%のペースでインフレが進行する場合、価格100の製品は、10年後いくらになるのでしょうか? 答えは、136.49です。 つまり、米国企業が米国で販売している製品やサービスの価格は、10年間でおよそ36.5%上昇するのが当たり前だったのです。 実質の成長率というものは、名目上の成長率からインフレ率を差し引くことで計算できますので、年3.16%、10年で36.5%以上利益を伸ばしていない米国企業は、実質的にはマイナス成長であるということを意味します。 このようなインフレの影響を考慮すると、グレアムが提示した基準は、以下のように解釈をすることも出来そうです。■ ■ 「過去10年間において初めの三年間と最後の三年間の平均を比べて、一株当たり利益が最低三分の一以上伸びていること。」 「なぜならば、米国では10年間で物価が3割上昇する。名目利益が三分の一以上伸びていない企業は、実質ではマイナス成長となっていることを意味するからだ。」■ ■ 日本は世界でもトップクラスに物価の安定している国です。よって、日本人は"インフレ"や"物価"という概念に弱くなっているのかもしれません。またその事が、デフレゆえに名目リターンが小さく見える日本株への悲観に繋がっているとすれば・・・・ とても大きなチャンスがあると思います。
2011.07.01
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前月比+2.41%でした。1、保有株式、投資信託等キャッシュポジション:100,745円2、当月購入・タイガースポリマー(4231)@352円×100 ネットネット株その1。(流動資産170億円-総負債76億円=正味流動資産94億円>>時価総額87億円) 自動車部品や家電用部品を製造してる企業なので、業績の不透明感から売られてたのかなと思います。名前からなんとなく分かるように、本社は大阪にあり。・ソフト99(4464)@467円×100 準ネットネット株その1。(流動資産144億円-総負債44億円=100億円≒時価総額106億円) ワックスやガラスコーティング剤なんかを作ってる企業です。この他にも長期預金を3億円、投資有価証券を46億円ほど持ってるので、実質資産価値以下の株価かと。・ハイマックス(4299)@581円×100 準ネットネット株その2。(流動資産44億円+長期預金14億円-総負債24億円=34億円≒時価総額38億円) 中堅のシステム会社さんです。 アセットライトな事業を行っているはずなんですが・・・・・発行済み株式の20%を自社株として持っているというのも凄まじい。・ハリマ共和物産(7444)@723×100 なにこれ安い。・eMAXIS全世界株式インデックス 150,000円 積み立て+下落していたので買い増し4、ポートフォリオの収益 *1 2010年末を10,000とした場合の指数。*2 入金額は元本の増加とみなす*3 ポートフォリオのリターンには配当・貸し株料・キャッシュポジションを含む5.その他 保有銘柄数が増えてきてましたが、およそ30銘柄を目安として、もう少し買いたいなーと考えてるところです。 セクターのバランスを見ると金融セクターやエネルギーセクターの比率が低いので、地銀株や不動産株、総合商社などを物色中。
2011.06.29
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日本国は少子高齢化が進んでおり、将来的に人口の大幅な減少が見込まれています。 このような将来予測から「日本経済の破錠は必死」だとか「日本の内需は衰退する」という意見が当たり前のように受け入れられています。でも、これって本当に正しいのでしょうか? そこで、ちょっと違う視点から考えてみました。■ ■ 株式市場では、企業によって「自社株買い」という行動が取られます。投資の世界で、自社株買いは一般的に好材料とみなされます。 これは、発行済み株式数が減ると一株あたりに帰属する利益の金額が大きくなるので、株式の価値が大きくなるからです。 1枚のピザがあるとして、8人で分けた場合よりも4人で分けた場合の方が、たくさん食べることが出来ますよね。それと大体同じことだと思います。 ところで、「人口減少」と「自社株買い」ってどこか似ている気がしませんでしょうか。 人口が減少すれば、国民一人当たりが保有する純資産が増加するでしょう。人的資源が生産性の高い分野に投入され、一人当たりの生産性が上昇するかもしれません。 すると、一人当たりの購買力が増加し、国民の生活水準は向上する・・・・なーんてこともありえる気がします。 「ある企業では大規模な自社株買いが計画されており、将来的に大幅な発行済み株式数の減少が見込まれている。」 これは、少なくとも投資の世界では、好材料とみなされていることです。 でも、企業を国家に、株式数を人口に置き換えると悪材料になってしまいます。 不思議なものですね。■ ■ 以上、マルサス風味な妄想でございました。
2011.06.18
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少し前ですが、日経に『株、「長期投資の時代」は終わったか』という記事が載っていました。 この記事によると、東証1部の全銘柄をある年の平均株価で購入し、2010年の平均株価で売却したときの配当込み収益率(年平均の複利)は以下の通りの結果となっているのだそうです。 このデータを見る限り、20年前(1990年)に購入した場合も、10年前(2000年)に購入した場合も、5年前(2005年)に購入した場合も、いずれにしても収益率がマイナスであることが分かります。 では、これを見て日本株への長期投資は儲からないものであると結論付けて良いのでしょうか。 僕はちょっと違うと思います。■ ■ よくよく上記の表を見れば、基準となっている年度が、いずれも好景気の山に当たっている年度となっている事が分かります。 2005年頃には小泉政権時代の円安・米国不動産バブルがありました。2000年頃はインターネットの普及に伴うドット・コムバブル期。そして、1990年は日本経済がバブルの絶頂に踊っていた時代です。当時の日経平均株価は30,000円を越えていました。 日本の株式市場には、景気変動の影響を受けやすい企業が多く上場してるわけで、市況株を好景気に購入した場合のリターンが冴えないのは至極当然です。■ ■ 付け加えれば、1990年ごろの日本株は異常な高値圏にあり、そのPERは60倍強、PBRは6倍強という水準にあったと言われています。 この凄まじさは、ROE50%のディーエヌエー(2432)ですらPBR6倍強、年率50%超のペースで成長しているスタートトゥデイ(3092)ですらPER60倍強までしか買われていないことと比較すれば、よく分かるかと思います。 見方を変えれば、上記のデータは史上空前の好景気の頂上近くで、シクリカルな市況株をPERの60倍強、PBRの6倍という高値掴みをした場合でも、20年間保有すれば名目で10%強しか損していないことを示しているわけです。 むしろ、長期投資スゲーなのではないでしょうか。 あ、それは言い過ぎかもしれませんね。
2011.06.12
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前月比▲2.15%とイマイチな結果でした。1、保有株式、投資信託キャッシュポジション:286,414円2、当月購入・トレジャーファクトリー(3093)@532円×100 地味さに定評のある成長株。・創通(3711)@1,050円×100 機動戦士ガンダムシリーズやひぐらしのなく頃にシリーズなど、人気アニメの「版権」という無形資産を持っている企業。 自己資本は厚く、株価は保有してる現金預金の価値を下回っており、色んな意味で資産株。・eMAXIS全世界株式インデックス 150,000円 積み立て+下落していたので買い増し3、当月売却・大阪製鐵(5449)@1,509円×100(+26,300円) 2011年3月期決算では、売上が前年比10%増に対し、期末棚卸資産は前年比40%も増加。 ・・・ちょっと在庫増えすぎじゃね?と思ったので。4、ポートフォリオの収益*1 2010年末を10,000とした場合の指数。*2 入金額は元本の増加とみなす*3 ポートフォリオのリターンには配当・貸し株料・キャッシュポジションを含む
2011.05.31
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つい先日、首都圏を中心にリサイクルショップを展開しているトレジャー・ファクトリー(3093)の株式を購入しました。 トレジャー・ファクトリーは、現代表取締役の野坂氏が1996年に起業した新興企業であり、リユース業界では7位前後に位置する中堅企業です。 予想PERは6.67倍、PBRは1.01倍と資産価値から見て割安な株価ではありませんが、過去4年間を見ると売上高を年率20%のペースで増加させており、成長株としては買いやすい価格水準かと思います。○同社の強み トレジャーファクトリーの強みは、同業他社に比べ高い在庫効率を持っている点です。 まずは、同業の「ハードオフコーポレーション(2674)」や「コメ兵(2780)」とトレジャーファクトリーの棚卸資産回転率(売上高÷期末棚卸資産)を比較したグラフを見てください。 これを見ると、コメ兵が1年間に在庫を3.5回転、ハードオフが5.5回転させるのに対し、トレジャーファクトリーは8回転とハイペースで商品を回していることが分かるかと思います。■リユース業界上場3社の棚卸資産回転率比較 棚卸資産回転率の高さは、商品を効率的に販売している証拠です。そして、このように在庫効率を高めることは、様々なメリットを生みます。 運転資金への投資が減ることから、有利子負債を削減したり、資金を新規出店など成長に繋がる分野に投じることが出来るようになる。保管費が減る。資産規模が圧縮されることからROEやROICなどの指標も改善する等々・・・といったのがそれであり、同社の成長性に繋がっているのだろうと推察します。■ ■ このように、トレジャーファクトリーが高い在庫効率を保っている背景には、同社が開発したPOSシステムの存在があります。 もともと、リユース業界は一品モノの商品が大半であることから、POSシステムを利用した商品管理には向かない業界といわれていたそうです。 しかし、トレジャーファクトリーでは、リユース業界に適したPOSシステムを独自に開発し、それを生かして在庫管理の効率化や買取業務の効率化を進めているのだそうです。■ ■ 成長性があり、PERは割安であり、定量的に把握できる競争優位性があるという3点で、トレジャーファクトリーはとても魅力的な投資先だとは思います。 ただこういう企業って、増資をする確率が高いので、希薄化が怖いんですよね・・・ うーん。
2011.05.23
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4月中旬から始まった決算発表ラッシュも今週で一段落したようです。上場企業の経理担当者、監査法人の方々はお疲れ様でした。 保有株の決算を受けての感想を徒然と。・円高の影響 昨年度は様々な通貨に対し円高が進み、円/ドルの為替レートでは史上最高値を達成するなど、輸出企業・海外売上の高い企業には逆風が吹いていました。 熱収縮フィルム最大手のフジシール(7864)は、欧州・北米でも積極的に事業を展開し、海外売上は3割を超えます。今期の決算を見ると、欧州では現地通貨ベースで増収なものの円換算すると減収。北米は円換算後も2桁の増収ですが、現地通貨ベースでの伸びは下回る結果となりました。 06年ごろの好景気時には、円安により円換算された海外売上高が現地通貨ベースより大きくなるバブリーな状況でしたが、今はその逆の状態かと思います。為替の変動に惑わされ企業の価値を見誤らないよう気をつけたいと思います。・新興国の好景気 銅表面処理剤が主力のメック(4971)は、アジアを中心とした海外事業が好調で、営業利益は2桁の増加となりました。一方で、国内に建設予定だった新工場の建設を中止し、土地や建設中の建物の減損損失を計上しています。 おそらく、国内よりも需要地であるアジアに投資をすべきだといった判断が働いたのだろうと推察します。メックは粗利益率が5割強という付加価値の高い製品を扱っている企業ですが、そういう企業でも国内生産に消極的になってるというのはちょっと寂しいですね。 まあ株主としては、利益を最大化する適切な投資を行って頂ければそれで良いですが。・資源高 総合商社の一角住友商事(8053)は資源高の恩恵も受け、当期利益は3割の増収となりました。一方、鉄スクラップ価格の上昇により普通項電炉業界は全般に業績が低迷。大阪製鐵(5449)も昨年度に比べ減益となりました。また、沖縄電力(9511)は燃料高が売上原価の上昇に繋がったようです。 最も、沖縄電力については資源高云々より、某東電の影響で株価が暴落気味なんですが・・・・震災 偶然にも東北に主力拠点を持つ企業を保有してなかったので、震災の影響はさほどでも無い・・・と考えていたら、思わぬ企業が特損を出してきました。それは、CM制作事業で国内トップシェアを持つ東北新社(2329)です。 同社は海外のコンテンツを買い付け、その日本語版を制作しテレビ局などに販売する事業も行っています。災害映画の使用権なども取得していたようなのですが、「当該映像使用権の内容が、震災、津波、原発等に関連するまたは連想させることから、テレビ等での放映が困難となるため」減損損失を計上したようです。 名前に東北と付くのも何かの偶然だったのでしょうか。 さて、企業は普通決算と合わせて来年度の損益見通しも発表するのですが、今年度は多くの企業が業績見通しの公表を行っていません。サプライチェーンの寸断や電力不足などから事業環境が不透明なためでしょう。 そんな状況の裏返しか、巷では新エネルギー銘柄や省エネ銘柄の一部が人気化しています。 ただ僕は完全に出遅れてしまったので、物色の対象から外れてる他業種の割安成長株や、そもそも国内の電力需給の影響を受けない海外株などに投資をしていきたいと思います。
2011.05.21
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前月比+0.07%とヨコヨコでした。 1、保有株式、投資信託 キャッシュポジション:242,361円2、当月購入・富士製薬工業(4554)@1,398円×100 後発医薬品の同業他社に比べ割安なバリュエーション。 工場は富山に所在してるため震災の影響も小さいと思います。・トランコム(9058)@1,328円×100 空車と荷主を結びつける求車求貨サイト「とらなび」を運営。3PLも。 固定資産をあまり使わないビジネスが主体なので、資産効率が大変良好(ROE15%前後)。PER6倍強というのはかなり割安かと。・ヨシタケ(6488)@550円×100 買い増し。・三菱UFJフィナンシャルグループ(8306)@372×100 震災の影響で資金需要が高まり、貸出し難に悩む銀行には追い風が吹いてると考えてます。 金融株をまったく保有してない偏ったポートフォリオであり、バランスも考えて購入。・eMAXIS全世界株式インデックス 100,000円 積み立て。3、当月売却・宝印刷(7921)@649×100(▲400円) 有価証券報告書の作成をプロネクサスと2社で寡占しており、事業自体はとても魅力的。・サムコ(6387)@1,047円×100(+37,600円) 僕が売ったらLED関連企業の一角として更に上昇していきましたとさ。・第一三共(4568)@1,573×100(▲500円) まだ収益に計上してない配当分を含めれば微益での撤退。いわきの工場は大丈夫なんでしょうかね。・住友商事(8053)@1,098×100(+9,800円) 資本コストに対し投下資本利益率がやや劣る感じがしたので、保有比率を縮小。4、ポートフォリオの収益*1 2010年末を10,000とした場合の指数。*2 入金額は元本の増加とみなす*3 ポートフォリオのリターンには配当・貸し株料・キャッシュポジションを含む5、「もっとリスクを、もっと分散を、もっと海外を」 上記を今後の方針としたいと思います。 ここ2ヶ月はTOPIXを上回る成績を残せていますが、これはPFのTOPIXに対するβ値が0.65くらいと低いからであり、上昇相場になれば高い確率で置いていかれると思われます。 そこで、β値が高めで値動きの良い銘柄を新規に購入していこうという感じ。 また、海外の株式などへの投資を増やしたいと考えています。 米国の金融緩和も6月で終わるようですし、相場が調整されるようなら毎月の積み立て分以上に買い増しを行いたいところです。
2011.04.29
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・・・とまで言い切るとユーラシア大陸並みに大きな語弊があるのですが、僕は俗にいう「株主優待狙い」の投資は結構優れた戦術だと考えています。 いやいや勿論、優待株には「優待プレミアム」が付いており、株価が割高な傾向があることは重々承知しています。 プレミアムの付いた割高な株を買う事は、ファンダメンタル系の投資家にとり、不合理で理解できない行動に見えるでしょう。 「銘柄選択」という点からは、優待投資家に問題があるのは事実だと思います。■ ■ しかし、です。株式投資は良い投資先を見つけて、その企業の株を買うだけで完結するものでしょうか。 それだけではなく、どのようなポートフォリオを作り、どれくらいの期間保有し、いつ売却するかといった点も、銘柄選択と同じ位重要なはずです。 そういった視点から見ると、優待投資家は3つの優れた長所を持っている。・・・というのが僕の考えになります。○長所1:優待投資家はよく分散されたポートフォリオを持つ 優待投資家の典型的な買い方として、多くの優待株を最低単元ずつ購入していくというものがあると思われます。 複数の銘柄に分散投資をすることは個別株に由来するリスクを効果的に減らす効果があり、結果として大きく負けることが少なくなります。○長所2:優待投資家はレバレッジを利かせた投資をしない 株主優待というのはインカム収入であり、金額換算した利回りは小口の投資家ほど高くなるという特徴があります。よって、自分が良いと思った株式をキャピタルゲイン狙いで信用買いし、株価の下落で火傷するリスクは少ないでしょう。○長所3:優待投資家はバイアンドホールド戦略をとる 典型的な優待投資家は、株価が上がろうとも下がろうとも暴落しようとも、一度購入した優待株を簡単に売却することは無く、長期的に保有する傾向があると思われます。(もっとも最近は、権利日にクロス取引をするというようなインチキが増えてるみたいですが) 投資家のパフォーマンスは、売買の頻度に反比例して低下する傾向があります。これは、売買に係る各種のコスト(手数料、希望した価格で売買出来ないリスク、税金)などのためといわれます。 すなわち、雨の日も風の日も優待を楽しみに保有し続ける優待投資家は、図らずも取引コストを低減させ、パフォーマンスを向上させているのです。 以上。まとめると、優待投資家はリスクの分散されたポートフォリオを保有し、売買コストも抑制できているため、平均すると意外と良いパフォーマンスを上げるのではないか、となります。■ ■ もっとも、優待プレミアムの付いてない株で同じことが出来ればそれに越したことは無いですし、ボトムアップで投資先を選ぶというやり方がそもそも間違っていると考える方もいるでしょう。 ただ個人的な思いとして、売買の頻度が高くなり無駄な取引を行っているという反省がありましたので、優待投資家を見習って、一度買った株式を買い持ちできるようになりたいと感じています。 国内株ポートフォリオの株式数も20銘柄ちょいと少なめなので、銘柄数を増やして個別株に由来するリスクを低減していくべきかと考えています。 ただし、割高になってる優待銘柄は遠慮したいところですけど。
2011.04.23
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売上 - コスト = 利益 売上 - コスト = 利益 (大事なことなので2回(ry ・・・のっけから何を書いてんだと思われたでしょうか。 売上高からコストを差し引いた金額が利益となるのはビジネスの基本の基本であり、売上高が伸びれば伸びるほど、あるいはコストが削減されれば削減されるほど、企業の業績は優れたものになります。 で、最近ですがファイナンスの入門書を読んでおりまして、そこで株式投資においても「売上」と「コスト」に該当するような概念が存在することを知りました。 その概念とは、投下資本利益率(ROIC)と加重平均資本コスト(WACC)というものです。 僕に詳細に分かりやすく説明する能力は無いので、内容はリンク先の素敵なサイトや各種参考書を参照していただきたいのですが、端的にいうと以下のような感じになります。 投下資本利益率(ROIC)とは、投下資本(株主資本+有利子負債)の金額に対し、いくらの収益を上げたかという指標です。株式投資を行う際には、株主資本の金額を時価で算定するらしく、PBRの高い銘柄ほど投下資本の金額が大きくなり、利益率が下がるという特徴があります。 加重平均資本コスト(WACC)とは、株主資本に対し投資家が求めているリターンを「資本コスト」、有利子負債に対し債権者が求めているリターンを「負債コスト」とし、それを加重平均した数値になります。 この時、資本コストは「リスクフリー・レート」、「リスクプレミアム」、「株式のβ値」などを変数として数値が上下します。負債コストについては、借入金の利率をベースに、法人税の節税効果を調整して算定されます。 で、投下資本利益率(ROIC)から加重平均資本コスト(WACC)を差し引いた率・額が、理論上で投資家の受け取る超過リターンとなるのだそうです。 売上-コスト=利益となるように、 ROIC-WACC=投資家にとっての超過収益となるのですね。■ ■ で、自分のポートフォリオに組み込まれている銘柄についてWACCとROICを試算してみました。この時、リスクフリーレートとリスクプレミアムは保守的なほうが良いと思ったので、それぞれ2.0%と6.0%として計算。借入金利は暫定的に3.0%としました。 すると、いくつかの保有銘柄についてROICがWACCを下回っていることが判明しました。 ○第一三共○住友商事 これらの銘柄については、売却をしてその資金をインデックスに振り向けたほうが成績がよくなるっぽいです。どうしたもんかなぁ・・・
2011.04.17
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本日、ジェネリック医薬品メーカー中堅の富士製薬工業(4554)を購入しました。 富士製薬工業はCTスキャンに使用される血管造影剤や女性医療用のホルモン剤などに強みを持っており、造影剤の国内シェアは1割強、後発品に限れば6割のシェアを保有しているとのことです。 売上高は中期的に二桁成長を続けており、予想PERは8.43倍、PBRは1.02倍。 他の後発医薬品メーカーと比較しても収益性や資産効率は見劣りしませんので、かなりお買い得な株価であるように感じられますがいかがでしょう。 (以下は個人的な意見なので、正しいかどうかの保障は出来ません。) 富士製薬工業は「造影剤」という分野の後発医薬品で高いシェアを持っていると書きました。では、富士製薬工業がこの分野で成功した要因は何なのでしょうか。 「血管造影剤」という薬には、(近頃流行りの?)ヨウ素が原材料として使用されており、患者さんの体質によってアレルギーが出たり出なかったりする副作用があるそうです。 そのため、放射線技師の人は患者さんによって複数の造影剤を使い分けており、特にバイエル製薬の「オムニパーク」と第一三共の「イオパロミン」が先発薬として競争力を持っていたとのことです。 そんな造影剤マーケットにおいて、富士製薬工業がとった戦略はこうです。 先発薬として知名度の高い上記二つの造影剤のジェネリック品を開発しました。そして医療機器の大手メーカーと共同で販売活動を行いました。 病院側からすれば、今まで複数社から仕入れていた薬を1社から購入できるので事務コストが低減されますし、後発薬ですから価格面でも安く仕入れることが出来るようになったわけです。 また、後発医薬品メーカーに不足している「信用度」を医療機器メーカーと共同で販売活動をすることで補い、お医者さんの持つジェネリックへの不信感を和らげることに成功したのではないでしょうか。 ・・・とまあ、定性的な分析はさておき、定量面で見ても株主資本比率が70%超と高く、株価の半分以上が正味流動財産でカバーされていますので、リスクはそこまで大きくないと思います。 若社長、頑張ってください!
2011.04.14
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前回の日記の続きで、日本株の中からシーゲル銘柄を探してみようかという企画。 シーゲル博士の研究によると、「配当利回りが高く」、「世界的に事業を展開しており」、「PERが割高でない生活必需品・ヘルスケア・エネルギーセクターの企業」へ投資するのが良いとのことです。 そんなわけで、今回は以下のような条件でスクリーニングを行い、シーゲル銘柄の候補を探してみることにしました。1.配当利回り2%以上2.海外売上比率20%以上3.PERが20倍以下4.生活必需品セクターの企業5.単元価格がおよそ30万円程度以下であること 1~4がシーゲル博士の銘柄選定基準を満たすか否かの条件となります。 手を広げすぎるのもアレなので、今回は3つの推奨セクターから「生活必需品」を選択することとします。 5は企業価値とは全く無関係な要素ですが・・・僕のような弱小投資家にとって単元価格の高い銘柄は買いづらいので。(すいません)■ ■ 上記の基準を満たす企業を探した結果は次のとおりになりました。 それぞれの数値は、2011年4月時点のものであることと、網羅的にスクリーニングをしたわけでは無いので、他にも該当する企業は存在していることをご了承ください。1.花王(4452)配当利回り:2.89%海外売上比率:25%予想PER:20.39倍 トイレタリー製品で国内トップシェア。化粧品でもカネボウ化粧品の買収により高いシェアを持っている日本の誇る日用品企業「kao」さん。 株主還元にも積極的であり、配当利回りも比較的高い。 海外売上高は11年前のH11.3月期で2,800億円ほどあったのが、直近のH22.3月期では3,200億円ほど。年率で1%強しか伸びておらず、利益率も国内事業を下回る点と、PERがやや高めな点をどう評価するかという感じです。2.マンダム(4917)配当利回り:2.91%海外売上比率:33%予想PER:17.75倍 男性用整髪剤ブランド「ギャッツビー」が有名。 理由はよく分からないのですが、インドネシアで圧倒的シェアを持っているとのこと。現在の戦略はインドネシアを拠点に東南アジアや中近東を開拓しようとという感じらしいです。 海外売上高はH15.3月期に80億円弱だったのが、H22.3月期には180億円弱と拡大中であるが、ROEはやや落ちてきているのが残念。3.セブン&アイHD(3382)配当利回り:2.65%海外売上比率:30%予想PER:17.02倍 国内最大の流通コングリマット企業。・・・とはいっても百貨店・GMS事業は損益トントンであり、利益のほとんどはコンビニ事業と金融事業が稼いでいます。 コンビニエンスストアの店舗数では世界最大。 各国の加盟店からのフランチャイズ収入は、セブンイレブン本部のある北米で計上されているという理解でよろしいのでしょうか。 4.ファミリーマート(8028)配当利回り:2.42%海外売上比率:15%予想PER:16.12倍 コンビニ国内3位。 海外では台湾・韓国・タイで展開中。台湾と韓国の子会社は毎年高い収益を上げており、タイの子会社も黒字転換したようです。 台湾とタイは連結子会社が運営しているため連結売上高に計上されていますが、韓国は持分会社が運営しているため営業外の投資損益に反映されているはずです。 (後で気づいたのですが、予想PERは4/8に公表された数値を反映していません。ごめんなさい!)5.不二製油(2607)配当利回り:2.2%海外売上比率:28%予想PER:9.56倍 食品メーカーで海外売上比率の高い企業を探したらここが該当しました。 製パン・製菓用の油脂や業務用チョコレートなどを手がけており、チョコレート油脂では世界シェアの3分の1を握っているようです。 原材料価格の高騰があったH20.3月期には業績が落ち込んでいますが、営業キャッシュフローを見ると他の製油メーカーが大赤字を出す中で若干のプラスを維持しています。 この理由は、付加価値の高い油脂の売上比率が相対的に高いため価格転嫁力が高いためと予想。■ ■ いかがでしょうか。 生活必需品企業は全体的に海外売上比率が低いですが、味の素やキッコーマン、ユニチャームに日本たばこ産業のように海外市場の開拓に成功している企業も存在しています。 今回紹介した企業も含め一層の海外展開を進めて頂き、ウォルマートやP&G、ネスレといった大企業を脅かすような企業に成長してくれることを期待したいです。
2011.04.10
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ちまちまと読み進めていた『株式投資の未来』ジェレミー・シーゲル著という本を読了しました。 非常に影響力のある本であり、著者の教えに従っている投資家の方も多数おられるようで、時に面白く、時に考えながら1章1章読んでいました。 本の内容を簡潔に紹介すると以下のようになります。・過去数十年間の株式市場の歴史を振り返り、高いリターンを達成した銘柄の特徴を探る。・今後の世界経済の見通しを「先進国の高齢化」と「新興国の成長」という視点で分析する。・上記をを踏まえつつ、インデックスファンドの買い持ち以上に高いリターンを得られる可能性がある投資戦略を紹介する。 僕が特に興味深いなあと思ったのが3番目の内容についてです。 著者はもともと「市場平均に連動するインデックスファンドを買い持ちすることがベスト」という主張をなされていた人だったそうです。 しかし、過去の株式市場を調査するにつれ、過去に高いリターンを成し遂げた一定の基準に基づき銘柄を選定する投資方針、名づけて「D・I・V戦略」というを提唱するようになられました。 「D」「I」「V」というのは、それぞれ「配当(Dividend)」「国際(International)」「バリュエーション(Valuation)」の頭文字をとったものであり、配当利回りが高く、世界的に事業を展開しており、良好なバリュエーションを持つ企業に投資をすべきという主張になります。シーゲル博士がバリュエーションの中でも重視すべき要素として、「PERが低いこと」及び「生活必需品・ヘルスケア・エネルギー」という過去に高い収益をもたらした3セクターを選択することを推奨されています。 日本の株式市場には「生活必需品」だとか「ヘルスケア」とかいう業種は無いのでちょっと戸惑ったのですが、この分類はS&Pとモルガンスタンレーが共同で開発した「世界産業分類基準」によるに基づくものだそうで、この基準に目を通してみました。 これによると、「生活必需品セクター」には、「食品の小売業」、「食品・飲料・タバコ製造業」、「石鹸・家庭用紙製品・化粧品などの製造業」が、「ヘルスケアセクター」は、医薬品製造、医療機器製造、医療サービスなどを提供する企業が含まれているみたいです。■ ■ シーゲル博士は特定のセクターに限定したETFなどを購入することを勧めているのですが、彼の考え方を個別銘柄の選択に応用するとすれば、「配当利回りが高く」、「世界的に事業を展開している」「PERが低めの生活必需品企業等」に投資をすることが良いとなりそうです。 次回以降、この3つの条件を満たす企業を自分なりに探してみたいと思います。株式投資の未来 永続する会社が本当の利益をもたらす [ ジェレミー・J.シーゲル ]楽天で購入
2011.04.09
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前月比+0.73%でした。 CPを割と多く保有していたこと、株式以外にも分散投資していたこと、ディフェンシブな株式を多めに持っていたこと・・・など、上昇相場でのマイナス要因がプラスに働いてくれたようです。1、保有株式、投資信託キャッシュポジション:174,853円2、当月購入・住友商事(8053)@999円×200天下の住商。株価が3桁になったら買おうと思っていました。・フロイント産業(6312)@402円×200医薬品製造設備を作ってる隠れヘルスケアセクター銘柄。国内ではファブレス形式をとっているため、キャッシュフローが安定していることも好み。・フジシールインターナショナル(7864)@1,561円×200ペットボトルなどに使われるラベルで国内シェア5割。世界シェアも3割強。世界的な生活必需品企業を顧客としており、業績の安定感に期待しています。・大阪製鐵(5449)@1,244円×100復興銘柄枠(建設資材)株価は保有している現預金以下まで下がっていたし、在庫効率に優れ普通鋼電炉メーカーの中でも高い収益性を持つ企業であり、迷わず購入しました。・キユーピー(2809)@949円×100マヨネーズ・ドレッシングで圧倒的ブランド力。最近は米国や中国でもブランドが浸透してきており、今後の海外展開に期待していました。それだけに原発問題による日本の食品に対する風評被害がすっごく不安です。・サムコ(6387)@670円×100LED製造装置メーカー。LEDでは通常の半導体とは異なる製造工程(MO-CVD工程)があり、サムコが強みを持つのがこの工程なんだそうです。細かい技術動向は正直よく分かりませんが、時価総額の8割強が現預金という状態だったので。・メック(4971)@288円×100今期は特損を出したので純利益が落ち込む予定。来年度以降に期待しています。・第一三共(4568)@1,576円×100日本株の下落にはインド人もびっくり。・アークランドサービス(3085)@1,910円×100ネットで大人気の「かつや」株。今までなんとなく避けていましたが、暴落を機に決算書を読んだところ、従業員一人当たりの経常利益、固定資産回転率が共に外食産業で上位級なことに驚きました。・eMAXIS全世界株式インデックス 100,000円積み立て3、当月売却・北陸ガス(9537)@208×1,000(▲2,000円)PBRを見たら死ぬほど安いのですが・・・・。種銭が欲しかったので・STAMグローバル債券インデックス 200,063円(+50円)日本株を買うための換金売り・日本フエルト(3512)@412円×100(+3,700円)これも換金売り。・フジシールインターナショナル(7864)@1,707円×100(+14、400円) 工場が被災しているという情報で狼狽売り。 東日本では、キャップやラベルの不足によりペットボトル飲料が出荷できないという状況になっているようです。 ラベル不足の原因は、間違いなくここが茨城に持つ拠点が被災したためなので、一刻も早く復旧してほしいものです。4、ポートフォリオの収益*1 2010年末を10,000とした場合の指数。*2 入金額は元本の増加とみなす*3 ポートフォリオのリターンには配当・貸し株料・キャッシュポジションを含む
2011.03.30
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福島第一原発の事故は収束する気配が見えません。 日本国内では放射線に対する不安が高まっており、「CO2の排出が無く、環境にやさしいクリーンな発電所」というイメージは、放射能による環境汚染の現実によってすっかり崩れてしまったのではないでしょうか。 世界各国での原発推進策も、多かれ少なかれ失速することは確実でしょう ・・・・なーんて思惑があってか、日本製鋼所(5631)や岡野バルブ製造(6492)といった、いわゆる「原子力発電銘柄」は、震災以後の株価も冴えません。 ここでふと連想したのは、原子力と同じように健康被害が喧伝され、世界中で根強い反対活動がなされているタバコ産業についてです。 タバコ産業の世間でのイメージは、最悪とは言わないものの、かなり悪い部類に入っているかと思います。 ですが、そんなイメージに反して、タバコ産業への投資のリターンは決して低くありません。 それどころか、1925年~2003年において、米国市場で最も高いリターンを挙げた銘柄こそがタバコ製造業である「フィリップモリス(03年からアルトリアグループ)」だったのだそうですから、驚きです。(参照:『株式投資の未来』ジェレミー・シーゲル著) このカラクリは、長期に渡って安定した高収益を続け、しかも積極的に株主還元を続けている優良企業を、世間の悪いイメージゆえに安い価格で買えたからなのだそうです。 そんなわけで、世間が悪い印象を持っているために割安な価格になっている原子力関連の企業があれば、思い切って買ってみようかなーと考えています。(もうあまり余力は無いのですが・・・) 原子力発電所銘柄は果たして「買い」なのか。みなさまの考えはいかがでしょう?
2011.03.29
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ハイテク産業はハイリスクな投資先といわれます。 この理由は、参入業者が多いため競争が激しいこと、技術が陳腐化するスピードが速いこと、投資家の期待が高いため株価が割高になりやすいこと等々・・・のためと言われています。 ところでニュースを見ていると、先日の大震災によって日本からの部品供給がストップした(する見込み)の結果、世界の製造業の生産活動に打撃が与えられるという記事をちらほら見かけます。例えば、米国の自動車工場が日本からの部品不足から生産を停止したり、アップル社のiPAD2の生産に影響が出そう、といった具合です。 自動車やハイテク機器は数万点の部品を組み合わせて作られる製品であり、部品が一点でも揃わないと製品を出荷することが出来ないという特徴があります。これはサプライチェーンにボトルネックが生まれやすく、生産が不安定になりやすいということを意味します。 大震災後の混乱を見ていると、このような「サプライチェーンの脆弱性」というのもハイテク産業の抱えるリスクの一つであり、投資家へのリターンを下振れさせる一つの要因なのかな、と思いました。■ ■ 話は変わりますが、近年製造業の競争力を高める戦略として、部品を必要なときに必要なときだけ調達し極力在庫を持たない「JIT(ジャスト・イン・タイム)生産方式」やサプライチェーンの企業が得意な分野に特化する「水平分業」という戦略がもてはやされていたと思います。 これは素人の妄想ですが、在庫を減らせば万が一供給が止まった場合のダメージが大きくなるし、分業を進めれば供給不足による混乱がより広く伝わりそうなもんです。 そうすると、在庫水準をギリギリで回している水平分業な企業・業界ほど、生産活動で高いリスクを取っており、今回の震災のダメージはデカくなるんではないでしょうかね。 株式投資では「ハイリスク・ハイリターン」の原則があります。 この原則は、株市場とは距離がある「ものづくり」の世界でも見られるのかもしれません。(キリッ なーんて。
2011.03.19
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毎日混乱が混乱を呼んでいるような印象を受けます。 過去の大災害のとき、過去の大暴落のときの株式市場もこんな雰囲気だったのでしょうか。 以下はブルームバーグの記事。 ■ ■ 円が対ドルで戦後最高値更新、一時76円36銭-G7の円高対応見極めへ >(中略) >早朝の取引では、円が対ドルで1995年4月に付けた戦後最高値の79円75銭を突破すると、買いが噴出し、一気に76円36銭まで急騰。その後は円買いの勢いが徐々に落ち着き、午前10時過ぎには79円75銭まで水準を切り下げ、午後4時5分現在は78銭88銭付近で推移している。 ■ ■ 為替にしても資源にしても、実需では無い需要によって価格が大きく変動するというのは止めてもらいたいですね。 ただ、向こう数週間~数ヶ月は製造業の生産活動が滞ると思われますし、円安による輸出企業への追い風よりも、食品や資源が安く購入できる円高メリットの方が地震からの復興のために役立つ気がします。
2011.03.17
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