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キラリと光る子どもに育つ☆魔法のママ日記☆
神経質な怖がり長男物語
長男は、おとなしいタイプの男の子だった。
もしかすると当時、夫婦仲が悪かったことが理由で、神経質な怖がりの子になってしまったのかもしれない。(ごめんね!でも、修復された今はとっても明るくのびのび元気よ)
泥んこまみれで、子どもは元気いっぱい外遊び。
そう思っていたはずなのに、長男はどろんこ遊びなんてしない。
水遊びなんてしない。それどころか、泥や水が付くとイヤがった。
「さあ!いくら汚しても大丈夫よ!何して遊んでもいいのよ!」危険を止めることなど、しなかった。背中の大きなリュックには、いつも着替えをたくさん詰めて歩いていた。
でも、着替えたことなんてなかった・・・。
当然、戦いごっこなんて、長男にとってはもってのほか!
友達とけんかなんてしない。
いつもお母さんにひっついて遊んでいた。
だから私は、他のお母さんとおしゃべりする暇もなく、いつも長男と一緒に遊んでいた。
「このままじゃいけない!」
そう思っていた私は、ある強行手段を知った。
その「強行手段」を決断することは、ある意味、長男の人生において、とても過酷な挑戦であった。
その「強行手段」とは・・・
~16日の日記より~
強行手段・・・それは、・・・
長男を<外遊び集団保育>に入れることだった。
2才~6才までの子どもを2人の保育者が、保育する。
当時は12人くらいだったかな。多い時は最高18人まで。
駅に10時に集合して預け、14時にお迎えに行く。
活動場所は、「外」
雨が降ろうが、風邪が吹こうが、雪が降ろうが、「外遊び」
さすがに嵐の時は、ガードしたの公園に行く(そ・それでもよ)
普段は、電車に乗ったり歩いたりして、いくつかの公園に行った。
公園といっても、遊具のあるところへはめったに行かない。
川や水のあるところ。斜面や泥や砂のあるところ。
芝生などのただのだだっぴっろい所。
自分の力で遊びをみつけて遊べ!だった。
雨が降ってもカッパは着ない。遊びにくくなるから。
ひとしきり遊んだら、お昼くらいに着替える。
そして、また遊んだら帰りに着替える。
だから、いっつも、リュックの中には、
「着替え2組・くつ1足・弁当・水筒」が入っていて、背中にずっしりとのしかかる。
そう、当時3歳の息子の身体にも。
おばあちゃん(私の母)からは、「そんな重いもの持たせて、背が伸びなくなったらどうするの!」と怒られた。
(おかげさまで、現在背は高いほうです)
もちろん、いきなり「さあ、行け!」とは、言わなかった。
まずは、見学。
見学初日、注意事項を言われた。
「子どもたちに話しかけないこと」
「子どもたちに話しかけられたら、用件のみ伝え、話を続けないこと」大人の好きな子どもは、ついつい大人にべったりくっついてしまう。
<子どもは、子ども同士遊んでいる中で、本来の輝きを放つ>
大人が邪魔してはいけない、という。
注意事項をしっかりと胸に刻み、長男と私は見学でついていった。
話に聞いていたとおりの光景だった。
子どもたちは、山の斜面に穴を掘っていた。
もちろん、シャベルなんてない。
(そうそう、やっぱり、素手で5感で自然を感じなきゃ!)
つめの間を真っ黒にして、穴を掘る子。棒を拾ってほじくる子。
水を持ってきて流し込む子。その横で、急斜面を滑り降りる子。
うちの長男といえば・・・
そう、何にもしなかった。
私にくっついて、みんなを見ていた。
「ここに入らねばならない・・・」
私は、その時、そんな衝動に駆られた。
そして、まだまだお昼には程遠く、みんなが時間を忘れて遊んでいる時、長男が言った。
「お腹が空いた。お弁当食べたい。」
「まだ、お昼じゃないし、みんなと一緒に食べようよ。」
と言っている途中に、保育者Mさんに言われた。
「いいのよ。お弁当食べなさい!ここは、何でも自由なの。自分の好きな時に好きなことをすればいいの」
「小学校に入っちゃえば、時間管理されちゃうんだから。今しかないのよ、自由な時間は。」
<自由な子どもの時間は今だけ>
この言葉に心が波打った。そうだよね、そうだよね。
(でも、やっぱりお弁当はみんなで揃って食べたいな・・・)
とは、とても言えなかった。
<続く>
~17日の日記より~
お弁当を食べ終わった後も、長男は、私にべったりくっついていた。
そんな長男をみて、保育者は言った。
「子どもは本来、外が好きなはずよ。外で育てていれば、それでいい。そうじゃない子は、親がそうさせてしまったのね。」
今の私なら、<息子の個性は違うところにある。それが伸びていけばいいんだ>そう思える。
実際、そうだった。
私が外遊びに執着しなくなって、うち遊びでの、子どもの個性に注目したら、グングン伸びた。
そして、結果(かどうかわからないけど)、外でも元気に楽しく遊ぶようになったのだ。
でも当時の私の心には、
「私のせい、私のせい・・・」その言葉がこだました。
そして、「ぜったいに長男をここに入れるしかない!」
そんな、脅迫観念にかられた。
でも、1つ、私の心を引き止めるものがあった。
それは・・・
<続く>
~18日の日記より~
ひとつ、わたしを止めるもの、それは・・・
「おやつ」だった。
帰りのお着替えをして、帰る支度がすむと、おやつの時間だった。
私は食育にこだわりがあった。
だからおやつは、おにぎりやふかしいも、手作りの砂糖控えめクッキーなどをいつも用意した。
そこに突然!!!
「不二家のペロペロキャンデー」が現れた!
「チロルのチョコ」が現れた!
私は動揺して、めまいがしそうになった。
長男は、喜びで、心が躍った。
「そ・そ・そんな、うそだ・・・」
だって、この外遊び保育を知ったのって、「自然食品店」に貼ってあったチラシなんだもの!
そこの店主が「ここの保育者の○○ちゃん、お得意さんなのよ。とても信念があって、すばらしい人、いいわよー」とほめていた。
だから、当然おやつだって、当然「ナチュラルハウス」か「木のひげ」あたりかと思うじゃない!
私は、喜ぶ長男を横目に質問した。
「なぜ、自然にこだわっているのに、おやつは自然じゃないんですか?」
保育者○さんは、きびしい口調で言った。
「自然食品店のおやつは高すぎるの。この世の中には、1日100円で生活している母子家庭の子どもたちもいるの。目の前に毒の入った食べ物を出されても、それを食べずにはいられない、お腹を空かせた子どもたちもいるの。そんな世の中で贅沢言ってられないの。」
(なら、せめて、カフェインが入っているチョコレートは止めて)
心の中の声は口には出せなかった・・・。
でも、妙にこの言葉に納得、というか、衝撃を受けた私だった。
家に帰ってから、私は長男に聞いてみた。
「ねえ、今日見学に行ったところ、入ってみようか?」
長男は答えた・・・「
続く・・・
~19日の日記より~
「行ってみようか?」の私の問いに長男は答えた。
「うん、行ってみる。」
驚いた!それまで、保育の経験は数回あったが、長男はいつも泣いていた。
おやつにつられているだけかもしれない。
でも、理由はなんであれ、「うん」と長男は言った。
夫や両親への大義名分はできた。
入会した日は、真冬の12月。
ガタガタと手足は震え、長男の鼻から垂れ下がった鼻水は、氷つきそうだった。
駅から電車に乗る長男に手を振った。
「いってらっしゃい!」
「いってきます。」ちょっと、小さな声で長男は言った。
いつまでもいつまでも、見えなくなるまでこちらを見て手を振っている。
そういえば、自己紹介がなかった。
見学の時もなかった。
わざとなかった・・・
-- 挨拶くらい、自分でしろ --
-- 名前がわかんなければ、聞けばいい。 --
「おい、おまえ、名前なんていうんだ。・・・」
-- そうやって、仲間というものはできていくもんだ。 --
はあ~強烈。
果たして、長男の運命はいかに!
<続く>
~20日の日記より~
ちょうど同じころに、同い年の男の子が他に3人入ってきた。
既にいるメンバーは、もう信頼関係が出来上がっていて、徒党を組んでいる。
そのメンバーたちの遊びに入っていくことは、とても困難なことだった。
もう想像はつくと思うが、もちろん、「自分の力でどうにかしろ」
仲間に入りたければ、自分から入らなければいけない世界だった。
でも、遊びの中で保育者が注意する場面もある。
命が危険な時。そして、卑怯なことしたとき。
「戦いをする時は、頭と顔はぜったいやっちゃいけない。
後ろから、やることも卑怯!だ!ダメ」
「戦いをする時は、相手の目を見て正面からやれ!」
「自分でどうにかする」余裕なんて、新入りには、まだまだ無い。
特に、うちの長男なんてね
必然的に、その4人は一緒に遊ぶ機会が多くなる。
保育の風景は、保育者に聞くしか知るすべは無い。
わたしが直接知ることができるのは、保育外で親がくっついて遊んでいる姿を見る時だ。
うちの長男を除く3人は、ウルトラマンやなんとかレンジャーとかの戦いごっこが大好きだった。
胸の前で手をばってんにし、ポーズを決め、戦いに挑んでいく。
「シュッ!」「ヤアー」「トウーーー」
実に決まっている。
うちの長男といえば・・・
いちお、真似はしてみるのだが、もちろんさまになっていない。
戦いを挑まれても、やられるばり。
そんな時、私は思った。
子どもの世界に大人が入ってはいけない・・・。
やられて泣いているわが子を見て私は言った。
「頑張れ!頑張れ!」
そして、長男は私の方に逃げてくる。「もう帰りたい」
他のお母さんたちと仲良く話をしたかった私は言った。
「もう少し遊んでいこうよ」(・・・オニ!)
ウルトラマンやなんとかレンジャーのテレビは、見たことがなかった。
私はテレビをあまり見せたくなかったし、それ以前に、長男が怖がって、見なかった。
ある日のこと、いつものようにお迎えに行ったとき、保育者は言った。
「テレビを見せてあげて」
「ほかの子と、どういう風に遊んだらいいかわからないのよ。それに、本当は、吉朗だってテレビ、見たがっているのよ。」
「ねえ、吉朗!そうよね、テレビみたいのよね」
長男は首を縦に振って言った。
「うん、よしろう、テレビみたい」
そこで、私は・・・
<続く>
~21日の日記より~
「テレビをみないから友達と遊びかたがわからない」
この言葉に反応した私は、さっそく、戦い者系のテレビ番組の曜日と時間を聞き、メモをした。
「さあ、あと5分でウルトラマンなんちゃら(忘れた)がはじまるよ!」
テレビのチャンネルをつけ、スタンバイOK。
でも、私はそんな番組みたくない。
家事をやっていた。
ところが、長男がいう。
「お母さん、怖いからいっしょに見てよ、お願い」
しかたなく、私は家事の手を休めてテレビの前に座った。
さあ、始まった。(もちろん、ビデオの用意もOK)
前半は、戦い場面はない。
なんだか話が難しくて、はたして3歳の子どもにわかるのだろうか?と感じたことを覚えている。
後半、いよいよ戦い場面が始まった。
私の背中に隠れ、こわごわと顔をのぞかせる長男。
ぴったりくっついて離れない。
「怖い・・・」つぶやく長男に私は言った。
「いい!ああいう風に戦いごっこをすればいいのよ!」(・・・オニ!)
ビデオを何度も何度も巻き戻しして、見た。
歴代ウルトラマンシリーズのカセットテープも買った。
ゴーゴーファイブの歌も録音した。
北家の車に、「♪ウルトラマン!タロー!♪」の声が響いていた。
おまけにウルトラマンショーまで連れて行った。
(見ると泣きだして、すぐに帰ってきたけど)
さあ、これで長男は戦いごっこの仲間に入れる!
保育者からの報告を楽しみに私は待った。
そんなある日のこと、Aくんのお母さんが私に言った。
「うちのAが、吉朗君いきなりたたいてくるからいやだ、っていうんだけど」
<続く>
~24日の日記より~
「いきなり、吉朗くんが頭の後ろから叩く」
他の子どもたちが、お母さんに訴えた。
これは、なんと!
保育者から言われている、<やってはいけない3拍子!>
「不意打ち・頭・後ろから」
私は、鬼のように怒った。
「卑怯者!!!」(ホントにオニだ・・・)
むろん、保育者からも
「卑怯なことはやってはいけない」
・・・注意は続いた。
でも、長男のやってはいけない3拍子は続いたのだった。
私はひたすら、みんなに頭を下げまくっていた。
そのころ、私のお腹に新しい命が宿った。
子どもは敏感だ。
お母さんのお腹に赤ちゃんがいることを、いち早くキャッチして、<赤ちゃん返り>をしたんだ。
<赤ちゃん返り>の表れが、友達への暴力へと向かったんだ。
みんなの意見が一致した。(???)
しばらく経つと、長男のやってはいけない3拍子は、少しおさまってきた。
と同時に、別のところで、他の行動が発症したのだった。
その別の行動とは、
<続く・・・>
~25日の日記より~
長男のとった、別の行動とは・・・
<弱いものいじめ>だった。
保育メンバーのいない公園で、自分より小さい子どもをみると、
「シュワッ」と殴りに行った。
おばあちゃんなど、ぜったい自分に手出しをしない相手には、
「エイッ!シュワッ!トウー」
おばあちゃんは、真剣、痛くて嫌がった。
仕方なく私は、あるものを買いに行った。
それは・・
<パンチ人形>
「お願い!人にやらないで、このパンチ人形にかかって!」
パンチ人形は、全部で4個買った。そう、4個!!!!
パンチするだけではなく、投げ飛ばすから、下についている砂袋がとれて壊れるのだ。
でも、無抵抗の人間にやるよりはいい。
だけど、長男の弱いもの戦いは、あまり止まらなかった。
強いものと戦いは、相変わらずだった。
いつも、保育を終えて帰ってくる保育者の「本日の話」を聞くことにビクビクしていた。
保育が終わる14:00に駅に迎えに行くと、
その後はたいてい、同い年メンバーのだれかの家に遊びに行くのだった。
同い年メンバーたちは3人とも、駅の近く。
私の家は、車で10分くらいのところにあった。
途中引越ししてからは、25分もかけて通っていた。
でもまだまだ甘い。
車で30分かけてくる人。電車で40分かけてくる人。
みんな、この<外遊び保育>をもとめて遠くからやってくるのだった。
一番すごかった人はなんと!車で○○分
○○にはいる答えは?
<続く>
~26日の日記より~
前回の答え→45分でした。
<高速道路>を使ってがヒント。
高速道路なので、以外に時間がかからなかったのです。
それでも、すごいよね。
ちなみに、以前その方のお姉さんは、宇都宮から新幹線に乗って、この保育に通っていたそう。(すごい姉妹だ!)
25分かけていた私も、けっこう頑張ったと思ってる。
そして、これだけ母が頑張っているのだから、「息子よ、母の願いどおり、たくましい子になって!」と思ってしまう・・・
でも、保育から帰ってきた長男に、「今日はどうだった?」と聞くと、
頭をうなだれて、「うん、楽しかった・・・」
私「そう、何が楽しかったの?」
長男「うーん、わすれちゃった。」
保育者からも、
「なんだか、今日元気なかったけど、体調悪い?」
と、いつも聞かれる。
家に帰ると、とても元気なのだ。
おまけに、<時間を拘束しない子供の時間>だから、お弁当はいつでもOK。
なので、長男は、遊び場に到着すると、ほぼすぐにお弁当を食べるらしい。
別にお腹が空いているわけではない。
他に楽しいことがないのだろう。
だから、すこーしばかりのお弁当はいつも残して帰ってくる。
お腹の空かした帰りの<おやつ>はさぞ、おいしいらしい。
「行きたくない」この言葉を言わないのは、
この<おやつ>のおかげかもしれない。
このことは、私の頭の片隅に追いやるよう努めた。
でも、でも、やっぱり、長男が心配だ。
このまま、この保育に入れておいていいのだろうか?
私は、保育者にこのことを相談した。
すると、保育者からは、意外な返事が・・・!?
<続く>
~27日の日記より~
保育者からの言葉は、意外なものだった。
「もうこうなったら、私がいろいろ誘ってみて援助するしかないわね」
「普通はやらないんだけどね」
息子はそれほど特別だったらしい・・・
というか、普通は息子のようなタイプの子どもを、このような大胆不敵な保育に入れる親はそうそういないだろう。
でも、いくら<息子のようなタイプ>と言っても、通用しなかった。
<息子のようなタイプ>になったのは、親のせいだ。と言われる。
「もう少し頑張って、私に預けて。もう少しで、本来の子供になれるのよ!目の輝きが変わってきたんだから!もう少しよ!」
そうは言われても、保育中の目の輝きは私にはわからない。
だって、家ではいつも楽しそうなんだもん。
元気なんだもん。
そして、保育者の援助があってからは、話を聞くと、徐々にいろんな遊びをするようになってきたようだった。
「今日は、急斜面をみんなと一緒に滑り降りたわよ!」
「今日は、お弁当をみんなと一緒に食べたわよ!」
「今日は、どろどろになって遊んだわよ!」
そんな話を聞くと、とてもうれしかった。
雨が降りしきるある日、保育から帰ってきた保育者がいつものようにみんなに保育中の話をした。
「今日は、ビニル袋に雨の水ためて、穴あけてシャワーにしたりして楽しかったわよ!あんたたちは、あの子たちのあの目の輝きが見られなくて残念ね!」
家に帰りながら、私は長男に聞いた。
「ねえ、吉朗は今日、何して遊んでいたの?」
「・・・吉朗ね、ずっとベンチに座ってた。寒かった・・・」
私は、うなだれた。
そして、相変わらず、長男の弱いものいじめは続いた。
(増したかもしれない)
こんな日々の繰り返しの中、私の心のもやもやは増すばかりだった。
そんな時に、友達を通じて知り合った人が言った。
「うちが通ってる園、無認可(また、変わったところをみつけた私)だけど、すばらしい幼稚園なのよ!」
話を聞けば聞くほど、その園に息子を入園させたくなった。
見学に行っても、すばらしい園だった。
<見学>そうだ!<見学>
わたしは、まだ、息子の保育中を自分の目で見たことがなかったのだ。(見学禁止なんだもん)
わたしは、忍者になって、こっそりと、誰にも知られないよう、保育中の様子をのぞきに行くことにした。
そして、いよいよ、決行の日が来た。
<続く>
~6月1日の日記より~
いよいよ決行の日がきた。
そのころ次男が生まれたばかり。
友達に頼み込み、車の中で、次男のシッターをお願いした。
緑色の洋服を身にまとい、ガサガサと草薮の中に入っていく。
心はすっかり、忍者!
そう、絶対に見つかってはいけない。
しかしすぐに、
「あっ誰かがあそこの草にいるぞ!」
さすが目ざとい子どもに見つかってしまった。
(ま・まずい・・・)
いったん私は、車へと戻った。
泣いている次男におっぱいをあげると、再び忍者に挑戦!
今度は、別の方向から見ることにした。
今度の場所は、運良く見つかることなく、眺めることができた。
しばらく私は見つめていた。長男の顔を・・・
「ここは、吉朗のいる場所じゃない」
母の直感がそう語った。
そして、目の輝きを失っている長男をみつめながら、涙がぽろぽろと頬を伝った。
私は、勇気をだして、<長男には合わないと思うので、やめます>
そういおうと心に誓った。
そして、保育から帰ってきた保育者のまえに進み出た。
私は、口を開いた。
でも、その口から出た言葉は、・・・
<続く>
~6月2日の日記より~
私の口から出た言葉は・・・
「次男が生まれたし、引越しして遠くなったので、今月いっぱいで止めようと思います」だった。(情けな~い)
保育者は言った、
「もう少し待って、吉朗の目の輝きが変ってきているのよ!
あともう少しで、吉朗は大きく変化するの!」
私は、この言葉を何度も聞いた。
あと1ヶ月で、最初にこの場所に来た日が訪れる。
忍者になって吉朗の顔を見た時から、もう私は決心を決めていた。
だけど、なのに、私は保育者の顔を見るとはっきり言えなかった。
「じゃあ、来週まで来てみます」(あ~あ)
そして新しい幼児園に申し込みに行った。
吉朗は、幼児園を見てとても喜んだ。
絶対にココに来たいと言った。
でも、いまのところも行きたいな~といった。
この言葉が後ろ髪を引かれたんだけど。
夫は、「吉朗はMさん(保育者の名前)が好きなんだよ。でも、保育的にはあっていないんだよ」私と同じ意見だった。
私も、Mさんのことは好きだった。
いままでに出会ったことの無い人だった。
でも、吉朗にこの保育が合うのかどうかだけを、考えようと思った。
結局、Mさんとみんなに引き止められながら、私たちは去った。
理由は、仲の良かった友達にしか、きちんと言えなかった。
言っても平行線のままのような気がしたから。
そして、吉朗の幼児園生活は始まった。
始まってしばらくしたある日、家に帰ってきた吉朗が言った。
その言葉は驚きの言葉だった。吉朗の言ったその言葉は・・・
<続く>次回いよいよ最終回!
~6月3日の日記より~
幼児園から帰ってきた長男は、部屋の真ん中にあった
<パンチ人形>を指差して言った。
「これ、片付けてよ」
「えっ?」
それは昨日まで長男吉朗が、バシバシたたいて、投げ飛ばしていた<パンチ人形>だった。
すぐに片付けなかった私に、吉朗は強く言った。
「もう吉朗は、これいらないんだから!!早く!早く、片付けてよ!」目に涙をためながら・・・
私は、吉朗を胸に抱きしめた。
目からは、大粒の涙がポロポロと流れ落ちた。
どんなにつらかったんだろう。
どんなに頑張ったんだろう。
それほどまでも私のことを愛し、私の思いを叶えるように生きたのだろう・・・
今でも時々夫と話す。
確かにつらかったかもしれない。試練だったかもしれない。
でも、たくさん楽しいこともあったこの時の思い出。
成長の人生の<大きな糧>になったことは、間違いない。
ずっと月日が流れ、私は幼稚園の先生に何気なく言ったことがある。
「吉朗って、泥んこ遊びやらないんですよね。昔から嫌いで、もっと元気にどろどろになって遊んでほしいんですけどね。」
先生はちょっと怖い顔をして、諭すように私に言った。
「お母さんがそんなんではダメよ!一番子どもの個性を認めてあげなきゃ!
吉朗君は他にいっぱいいいとこあるのよ!工作なんて、すっごい得意じゃない。
もっともっといいところを見てあげて。
わるいところなんて、見なくていいの!」
はっとした。
もうこのときは、<短所を見ずに長所を見る>ってこと、わかっているつもりだったのに、わかっていない私がいた。
このときの言葉は、私は生涯忘れない。
「ありがとう!落合先生」
<神経質な怖がり長男物語おしまい>
***********************************
今日の朝、長男は小学校の出掛けに言った。
「今日の昼休みにね、かあさん。ボクすっごいでっかい泥団子つくるんだ!
昨日はさあ、投げて割っちゃったから、もっとすごいのつくるんだ」
***********************************
長文を全部読んでくれた方!どうもありがとうございます!
これは全部、ホントのホントの話です。(最後はタイミングよすぎて私もビックリでした)
☆今では、長男はとっても元気なのびのびとした子に育っています☆
<2004年6月6日の日記より>
昨日、息子を大きく変える出来事があった。
千葉の田舎の古民家での出来事。
それは・・・
「かあさーん、かあさーん!」
大声で呼ばれて飛んでいくと、息子が玄関の前に誇らしげな顔つきで立っていた。
「ぼく、屋根から飛び降りたんだよ」
「えー!!!」
見上げると、屋根裏の窓から子どもたちの顔が見える。
「すっごーい!吉朗!」
興奮しながら飛び降りたことを話してくれた。
以下、今日になって書いた息子の日記。
***************************
「屋根の上の吉朗」
やねの上に思いきり立った。
下を見るとビーチボールが見えた。
「それ、、どかして」
その横には、太った白いねこが、うずくまってねていた。
「じゃあ、今からとぶね」
下のみんなに声をかけた。
おもいきり風にビューんとおされて、空中にうきあがった。
少し体がやねの上にいった。
その時、風のバリアのようなものが天からとんできて、ボクをつつんでくれた。
そして、そのままとびおりた。
地上1メートルくらいのところにくると、そのバリアははずれた。
自分だけの力でおもいきり地面にちゃくちした。
風のバリアがさっきまであったので、あまり強いしょうげきはなかった。
ほんとうにビーチボールがあったところにちゃくちした。
どけておいてもらって、ほんとうによかった。
「ヤッター」ボクはさけんだ。
やねの上のミントくんにむかって、
「ボクとんだよー」といった。
このことは、ボクのこころに、
つよくつよくつよくつよくつよく、のこった。
***************************
この日、この後、何度も何度も話してくれた。
「ボク、やねの上からとんだんだよ!」
私も何度も言った。
空から勇気もいっしょに降ってきたね。
吉朗の体のなかに、ストンと勇気が入ったね。
そして、今日。
いままで学校から帰ってきた時、一人で鍵を開けることができなかった吉朗。(こわくて留守番ができなかった)
ところが、
「今度、ボク、ひとりで家に帰ってきてもいいよ。
お母さん、用事あるとき、一人でかぎ開けて、友達の家に行ってるよ」という。
「えーきゅうにどうしたの?」と聞くと吉朗は行った。
「なんかさ、屋根から飛び降りたら、こわいのとんでっちゃったみたい」
なんだか、これからの吉朗がすごーく楽しみな私でした。
えっ?文中のミントくん?そうそう、この古民家って、
知る人ぞ知る、マクロビオティック料理研究家の中島デコさんの家。本はこちら↓
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野草酵素作りやってみるから教えて!とのことで遊びに行ってきたのでした。
デコさんの家での出来事・・・それは、息子が大きく大きくなった出来事だったに違いない。
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