EMBRACE OF LIGHT

EMBRACE OF LIGHT

第12話

ガラティーン 艦長室



ベル  : ベルリア=マリミット、入ります。

ベルはシリウスに呼ばれていた。自分が何かしてしまったのだろうか?という不安を抱きながら艦長室に入っていった。

シリウス: ・・・急に呼び出して悪かったな。

ベル  : いいえ。それで・・・何か御用ですか?

シリウス: ・・・セントラルエリアに入る前に、キミに頼みたい任務がある。

ベル  : ・・・・任務ですか?



第12話
「取るべき道」




さて・・・俺達は今現在セントラルエリアとかいう HOPESの本部 があるエリアに居るわけなんだが・・・

シグナルをフリーに変えたままのガラティーンは、当然、本部の防衛システムに攻撃されていた。

アミィ : う、右舷推進部に被弾~!飛べるけど、ちょっと危険かも~!!

飛鳥  : い、良いのか悪いのかはっきりしろぉ!

シリウス: クッ!どうする天山!? 1度シグナルを戻すか!?

天山  : そ、その方が良いみたいですね!!

シリウスの指示を受け、すぐさまアミィは識別信号を HOPES に切り替えた。信号を受信した防衛システムは攻撃の手を止めた。

由紀  : う゛~・・・きもちわるい。

飛鳥  : だ、大丈夫か、由紀?

飛鳥は由紀の背中をさすり、顔色を見る。

由紀  : だ、大丈夫よ・・・・それより、あの人は何処行ったの?

飛鳥  : あの人?・・・あぁ、ベルか?さぁ・・・部屋から全く出てないみたいだけど。

由紀  : ・・・ったく、土壇場で出れない様じゃたいした事無いわね。

・・・・お前が言うなよ(;´∀`)

アミィ : しぃちゃん、 ガウル議長 から通信入ってるけど。

シリウス: ・・・・繋いでくれ。

・・・シリウスのヤツ、何だか変に緊張してんなぁ。

前方スクリーンに映し出された顔。いかにも頑固そうな男にシリウス、天山、アミィは敬礼した。遅れて飛鳥と由紀も見よう見まねで敬礼する

ガウル : [シリウス艦長・・・今まで何をしていた?]

シリウス: はっ、それがその・・・色々と事情がありまして━━━

ガウル : [簡潔に述べたまえ!貴様のせいでこちらは 無駄弾 を使ってしまったのだぞ!?]

シリウス: も、申し訳ありません!!

・・・・感じわりぃ。

シリウスは今までの経緯・・・未剣に会った事は伏せて全てを話した。

ガウル : [・・・つまり貴様は味方への誤射をしない為に信号を切り替えたのだな?]

シリウス: ご、ご理解いただけて光栄であります。

ガウル : [理解などしておらん!その様な者どもは 敵前逃亡 とみなし殺してしまえ!!]

・・・・このジジイ、何て事言いやがるんだ!!

ガウルと呼ばれる男は飛鳥と由紀を見つけた。

ガウル : [・・・その小僧どもは何だ?]

シリウス: あ、いえ・・・。以前起こった天変地異で発見した民間人であります。

ガウル : [ほぉ・・・・。]

ガウルは何かを考えるそぶりを見せた。そして━━━

ガウル : [とにかく!ひとまずお前達は艦の修理を始めろ。念の為にと考え 優秀なスタッフ を集めている。]

シリウス: はっ、ありがとうございます!

ガウル : [それと・・・そこの2人は私の元に連れて来い。それとコード・ウルフはこちらに返してもらうぞ。]

シリウス: ・・・・了解しました。

ガウルとの通信は向こう側から一方的に切られた。

飛鳥  : 何だあの野郎!えっらそうに!!

由紀  : はぁ・・・アンタ馬鹿ねぇ。えらそうじゃなくて 偉い んでしょ?

天山  : えぇ・・・まぁ。シリウス君、この様子だと公開処刑の話・・・聞けそうもありませんね。

シリウス: ・・・飛鳥達を連れて行く時に聞いてみる。もしダメでも・・・保険をかけてあるからな。

天山  : 保険・・・ですか?

飛鳥  : そんな事より・・・俺達大丈夫なのか?

不安そうな目でシリウスを見る飛鳥と由紀。無理もない。 別の世界の人間 と言った所で信じてもらえそうにもない。
万が一信じてもらえた所で何をされるのか・・・そう考えると不安でたまらないだろう。


シリウス: ・・・心配するな。何とかしてやる。

飛鳥  : ・・・頼むぜ。それと由紀、何かあったら━━━

由紀  : わ、判ってるわよ!アンタ捨てて逃げるから!

飛鳥  : ・・・・それでいい。

由紀  : (・・・よくないわよ。)

それぞれ思いを胸に、ガラティーンはセントラルエリアの格納ドッグへ入っていった。



HOPES本部 議長室




飛鳥・由紀・シリウスの3人はここに通された。目の前の机には先程の通信で見た男が座っている。

ガウル : ・・・ご苦労。シリウス艦長、貴様は下がれ。

早速だった。飛鳥は自分と由紀の身の危険を感じた。

シリウス: その前にお聞きしたい事があります。

ガウル : 貴様と話す事は無い。さっさと持ち場に戻れ。

シリウス: 上層部が隠蔽していた 開戦直後の公開処刑 の件です。

ガウルの表情が変わった。

シリウス: あの公開処刑には裏があると聞きました。 コード・ウルフに載せているシステム に関係しているようですが・・・。

ガウル : ・・・・何処でそんな事を聞いた。

シリウス: い・・・いえ、それは。

シリウスは焦った。ここで見剣の話題を出すのは拙い。上層部は今でも見剣の行方を追っていたからだ。

未剣は除隊後、上層部の目をかいくぐり生きていた。ここで彼の名前が出れば、上層部が何をしでかすか判ったものじゃない。


ガウル : ・・・まぁいい。その件に関しては貴様と話す事は無い。用が済んだらさっさと帰れ。

シリウス: !・・・そ、そういうわけにはいきませ━━━

ガウル : 命令が聞けんのか!?

シリウス: ・・・クッ!

ガウル : ・・・貴様はいつから上官に反抗する性格になったのだ?それとも・・・貴様[も]裏切るつもりか?

飛鳥  : (・・・貴様[も]?・・・・すでに誰かから裏切られてんのかよ。)

シリウス: ・・・・失礼します。

・・・・おいおいおいおいおい!!マジかよ!?

シリウスは後ろを向き、ドアに向かって歩き出した。

シリウス: ・・・・・・ろ。

飛鳥  : ・・・・!!

シリウスはドアの向こうへと消えていった。

ガウル : ・・・・さて。小僧、率直に聞こう・・・・貴様らは 何者 だ?

・・・!!こいつ、気づいてんのか!?

ガウル : 如月 飛鳥・・・・コード・ウルフに残っていたパイロットデータを確認した。・・・なぜアレを動かせた?

飛鳥  : あぁ?登録すりゃあ誰でも動かせるんだろ!?

ガウル : ・・・まぁいい。貴様はこれからじっくりと[調べ]てやる。・・・連れてけ。

ドア付近で待機していた2人の兵が飛鳥の脇を抱える

飛鳥  : なっ!離せ!離せこんなろー!!

兵士  : 静かにしろ!!

飛鳥は当て身を喰らいぐったりした

由紀  : 飛鳥!!

ガウル : お前は・・・そうだな。少し付き合ってもらうか。

由紀  : (・・・・アタシもアタシでピンチじゃない?)



ガラティーン ブリッジ



シリウスが帰ってきた。飛鳥と由紀が居ない事に気づいた天山が心配する

天山  : ・・・まさかとは思いますが。

シリウス: ・・・何も聞けず、飛鳥達も向こうの手に渡った。

アミィ : えぇ!?どどどどうするのさぁ!!

シリウス: そちらに関しては問題ない。既に手は打ってる。それよりウルフは?

天山  : つい先程持ってかれましたよ。厳重にシーリングされて・・・

アミィ : 偉い人たちはウルフを封印するつもりみたい・・・

シリウス: ・・・・そうか。

天山  : それと・・・

シリウス: ・・・・?どうした?

天山  : あ、いえ・・・実は、ウルフを取りに来た人というのが━━━



HOPES本部 整備場


シリウスは ある人物 を探していた

シリウス: (何で・・・何でアイツがここに居る!?)

天山から聞いた人物の名。シリウスはよく知っていた

シリウス: 椿!!どこに居る!?

椿   : アンタの目は節穴かい?目の前にいるだろう。

シリウスの目の前・・・資材の後ろから声が聞こえた。立ち上がった人物。言動はキツいが、日本人特有の清楚な感じの女性が現れた。整備中だった為か、顔や服は少し汚れていたが、それでも絵になる程綺麗な女性だった。

シリウス: ・・・お前、何で━━━

椿   : 何で此処に居るかって?そりゃあ呼ばれたからだろう?他に何がある?

えらく淡白な反応にシリウスは怒りが沸いてきた。

シリウス: ずっと心配してたんだぞ!連絡も無しに突然消えて・・・何をやってた!?

椿   : 何って・・・話せば長くなるからまた今度にしておくれよ。それと・・・ 五月蝿い

・・・シリウスは撃沈した。

椿   : アンタこそ何してんのさ。シグナル変えたまま戻ってくるなんて・・・死にたいのかい?

シリウス: ・・・・・・。

椿   : ・・・・ふぅ。話したくないのならそれで構わないけど。しかし、もう少しガラティーンを労わってやれ。これじゃああまりにも可哀想だろう?

機械を労わるという考え・・・椿はそういった考えを持つ人間だった。シリウスはそれをよく知っている。

シリウス: ・・・すまん。

椿   : 判ればよろしいw・・・それより、さっき連れてた子供たちは?見慣れない顔だったが。

シリウス: ・・・・お前が居るなら話は早い。俺に協力してくれないか?

椿   : ・・・・協力?



HOPES本部 牢獄



飛鳥  : ・・・・うっ。・・・いててててて。

飛鳥は牢屋の中で意識を取り戻した。殴られた所がまだ痛く、頭がクラクラしている。

いきなり殴るんだもんなぁ・・・最悪。そして━━━

自分が牢屋の中に居るのを確認してため息をついた。

・・・この状況も最悪 ||Φ|(|T|-|T|)|Φ||

・・・・・

飛鳥はシリウスの去り際に聞いた言葉を思い出した

何もせずに待っていろ


飛鳥  : ・・・・これじゃあ何も出来ないっての。

・・・由紀は大丈夫かなぁ。あのジジイ、ちょっと危なそうだったしなぁ・・・

飛鳥はよからぬ想像をしてしまった。

・・・・・

飛鳥  :  こっから出せぇ!!(# ゚Д゚)


HOPES本部 整備場



椿はシリウスから説明を受けて少し考えていた

椿   : ・・・・本気なのかい?

シリウス: あぁ・・・。

椿   : ・・・・HOPESを敵に回す事になるよ?

シリウス: ・・・覚悟の上だ。

椿   : ・・・・・そうかい。

椿は、シリウスが変わってない事に安堵してなのか、少し微笑んだ。

椿   : ・・・しかし、何でそんな大事な作戦をアタシに話したんだい?アタシがチクれば一発でアンタ 死刑 だよ?

椿は脅し混じりに言ってみた。

シリウス: ・・・お前なら助けてくれると思ってな。 昔みたいに

椿   : ・・・・・。

シリウス: それに俺はそこまでHOPESに固執していない。天山もそうだ。

椿   : ・・・そうか。天も居るんだったね。

シリウス: ・・・・。

椿   : アハハハ、なぁに深刻そうな顔してんだい!良いじゃないか、また昔みたいに3人でつるめるんだからさ!

シリウス: ・・・・お前。それじゃあ

椿   : ま、アタシもそこまでHOPESに固執してないからね。その話、乗ったよ。必要な物資はアタシに任せな。それと・・・

シリウス: 整備スタッフだな。

椿   : あぁ。まぁ、そこら辺も何とかなるさ。アタシの息が掛かってるヤツらの中でHOPESを良く思ってないヤツなんて沢山居るからね。

シリウス: ・・・色々とすまない。

椿   : なぁにかしこまってるのさ、気持ち悪いねぇ。アタシらの仲だろう?お安い御用さ。

シリウスの通信機にガラティーンから連絡が入った。

アミィ : [あ、しぃちゃん?ベルお姉ちゃんから連絡入ったんだけど、準備OKだって。何の事?]

シリウス: 後で説明する。ベルには、指示があるまで待機と伝えてくれ。

アミィ : [はぁい♪]

椿   : ・・・・アミィちゃんも大きくなったねぇ。

シリウス: あぁ。・・・それじゃあ、後は頼んだ。

椿   : あいよ、また後でね。

シリウスはガラティーンに向かって走り出した。

椿   : ・・・・・ホント変わってないね、アンタは。

椿は嬉しそうにしながら歩き出した。自分のするべき事をこなすために。


続く


© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: