5998シングルアンプ製作

5998シングルアンプ製作記 レコードクリーナー レイカ 1行目の3列目
キットで出来る真空管アンプ 2行目の3列目
オーディオスタビライザー 3行目の3列目
オーディオケーブル 4行目の3列目
ヘッドホン・イヤホン 5行目の3列目



5998シングルアンプの制作

5998という真空管を購入した理由
もう15年くらい前になりますが「米国系真空管アンプの全て」という本を購入しました、この中にレギュレータ(電圧調整用直列抵抗管)の双三極真空管のアンプ記事がありこのスペックによると2A3同等の性能であるが内部抵抗では300Ωと2A3よりも更に500Ωも低いことが記載されていました、一般的に内部抵抗が低いと歯切れの良い音が出るということなのでどんな音がするのか是非一度試してみたいと思っていました。その後三栄無線さんが閉店される際についに買い求めたものです、要は内部抵抗につられてしまったということですね。

当初は双三極管なのでプシュプルでと思っていたのですが何分にも数十年ぶりというブランクがあるのでまずはシングルアンプを製作してみることにしました。5998は元来電圧調整用の直列抵抗管です、この仲間に6SA7G・6080・6082・421Aそして一回大型の6336Aなどがありますが特性比較をすると下表のとうりです。

Gm 倍率 rp(内部抵抗
6080系
5.8~8.2ミリA/V 1.4~2.6
5998
15.5 ミリA/V 5.4 300Ω
2A3
5.25ミリA/V 4.2 800Ω

 このデーターでわかる通り倍以上の数値を示し2A3に近い使い方が出来ることになります、しかも内部抵抗に至っては2A3に比べ半分以下と歯切れの良い音が期待出来ること、出力面でも5~6Wと一回り大きな出力が出せること、防熱型のためハムバランサーを省略しても良いなど有利な点が多く防熱型にした2A3が一本の真空管の中に2ユニット組み込まれたようなものです。つられて衝動買いしてしまった理由ご理解いただけましたでしょうか?尚音については期待していますが製作後実際に聞いてみてからにいたします。

今回使用の部品はOPTを以前から持ち合わせていたタンゴU808、PTを6RA8プッシュプルに使っていた山水のPV145を倍電圧整流による電源供給で製作することにしました。実は手持ちの部品だけで数台のメインアンプができそうなのです、もったいないですね。金額の張るトランス類・真空管・シャーシー等が揃っていたので小物部品類の調達で済みます、2005年の年末慌しく部品屋に通い費用約1.5万円位で調達できました(翌年の正月に製作したかったのです)
この時に困ったのは本に記載されていた初段管の形式名が違っていたことです、6ST7とプリントされていたのですが調べてみるとまったく違った電極をしていることが判りまた用途もオーディオ用ではありません、さてどの真空管なんだろうと初段管に使えそうなものを調べると6SJ7のミスプリだったようです、今でも出版されている本ですが改訂版では修正されていました。






制作時期

06年の正月に制作した物なので制作時の写真が無いのが残念です。電源トランスPV-145は当時タンゴ・タムラ・ラックス・等と並んで人気のあったサンスイのトランスです、管球アンプの頃はサンスイ全盛期の時代でしたね トランジスターになってからぱっとしませんでした、その後時代の流れに着いて行けず姿を消してしまいました 残念です。でもその後のメンテナンスをお一人で受けておられる元技術者の方が居るそうです、私はサンスイのトランジスターアンプも持っているので心強い!。

回路について

さて配線図には電源部が書かれていなかったので相当の回路を組んでみました、手持ちの5Hを使いチョークインプットで接続、あとは回路図のとうりです。
回路はA1シングル動作のセルフバイアスとごく普通の回路です、また初段管のヒーターバイアスは5998のカソード電圧を流用と何十年ぶりの制作なので簡単な回路にしました。出力は2A3よりも馬力があり5W出るので家庭の部屋で聴くには十分な音量です、また防熱型なのでハムバランサーが無くてもOK、回路が簡単なのは楽ですね。
*6ST7は6SJ7の誤りです「米国系真空管アンプの全て」より

使用した部品について
前述のとうりトランス等の高額部品は手持ちの物を流用した為主に小物部品の買い出しとなりました、幸いに勤めが秋葉原の為休み時間には何時でもガード下の部品街に行けます、05年の暮れより収集を始めましたが何分にも30年以上管球アンプ制作から遠ざかっていましたので昔の部品で良いのか、又新しく良い部品が出ているのか見当が付きませんので先ず情報収集からスタートです。
写真のアルプスVRは昔から有りましたが生産中止になるとか、また抵抗類は理研のモールドを使っていましたが店頭にはありません、いずれも日野オーディオさんにしか無かったように思います、懐かしい部品が店頭から消えてしまい寂しさを感じますが変わりに新しくオーディオ専用の部品が有ったりしているので今後勉強しなければと感じています。とりあえず今回は年末になってしまいましたので無難な部品を集めました 費用約1,5000円位、つまり高額部品は殆ど手持ちにありました、未使用のソケット・SW・フューズケースまで有ったんですよ!笑い、それよりも折角作る技術があるのにもったいないですよね。


制作に関して
昔ラジオや小型アンプを沢山制作したこともありソケットのピン配列とCR類の配列はおおよそ理解しているつもりです、でも30年ぶりに作るとなると配線を事前に確認しないと不安ですね、インからアウトまでの流れの確認は行うべきと思います、又実体配線図を作成される方もおられるそうですので制作上の楽しみとしても見習うべきと思います。
今回使用のシャーシーは三栄さんが閉店の折りに買い置きしておいた穴空きシャーシーの為加工を省略することができ助かっています、加工部分は前段のソケット穴がミニチュア管サイズだったのでGT管サイズに広げる作業だけ済みました。
制作は正月の3日間のみ、私はここしか制作する時間がなかったのです、大晦日の夜ベルリンフィルのジルベストコンサートを聴きながら深夜まで作業、ちょっと仮眠してまた元日は朝から作業、翌日は実家へご挨拶なので忙しいのです。これでやっと組み立てと電源部周りまで出来たかな!若い時に経験があるとは言えいざ30年ぶりとなるとやっぱり考え込む時間がありスムーズにはできませんでした、結局完成したのは5日(実は3日より会社に出勤の為夜しか時間がありません)と自分の都合ばかり言ってますが回路が簡単でセルフバイアスで調整不要の為たいしたトラブルもなく完了です。



いよいよ火入れ式
5998シングルアンプもようやく完成です、1/5日には出来上がっていたのですが長時間の作業で疲れた時に配線チェックでは集中できないのでいつも翌日にチェックしています。6日は休日だった為余裕がありました、誤配線及び導通上は問題なかったのでいよいよ点火!いくら馴れていてもこの瞬間は緊張しますね、昔入れた瞬間にフューズが飛んだことがあります、いくら点検しても誤配線がありませんでしたがヒーター配線の下にシャーシー加工のバリが端子に接触していました、でも今回は大丈夫でしたよ。急いで各部の電圧測定、使用した雑誌には電源回路の記載が無く手持ちのサンスイPV145を同等の電圧になるよう設定した為目的の電圧になるか心配でしたが結果は約+10Vの差だったので問題ないようですが後日電圧の調整をします




ヒアリングの結果
久しぶりに真空管の音を聴いてみました、昔はいつもこの音で楽しんでいたと思うと15年前 自作真空管アンプが故障した時にいくら忙しかったとは言えトランジスターアンプを買ってしまったことが悔やまれます。5Wしかない出力でありながら大変クリアな音を楽しめるのは真空管の特徴でありまたトランジスターでは味わえないものでしょう、尚この真空管を使用した理由の内部抵抗300Ωでの効果の程は未だ自分の手持ちに比較する対象が無いので明言できませんがたしかにスッキリしてビーム管によく有るダブついた感じはありませ、弦楽器やソロ楽器の音がクッキリと明瞭な音になっています。出力は2A3シングルよりも馬力があり使いやすくていいですね、自分の部屋は4.5畳の為大出力は必要ないのです、また愛用のSPはエレクトロヴォイスSP30で100db以上と効率が良いのも小出力の真空管アンプに向いています。ともあれ完成後やっと音楽鑑賞として聴けるようになりほっとしています、又三極管の優れた再現性で当分聴きまくることでしょう。尚将来は比較対照として2A3アンプ製作も考えています。


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