3(忌劉様)

どうにかしてこの回転の悪い脳みそをフル回転させてみても、この状況を把握するのにはまだまだ時間がかかりそうだった。
ボー然と立ち尽くしている自分の目の前に映えるはいかにも豪華な装飾をされている部屋。
きらきら光る宝石をちりばめた机に、ソファ。
そしてなんとも抽象的ながらも大胆なタッチでかかれている絵画。
絵にまったく知識が無い自分にも高そうという位は解る。
ふと黒いシェパードの置き物がこちらを睨んでいるのに気が付きはっと目線をそらす。

なぜ、自分はここにいるのか。
何故自分はこうしているのか。
何度自分に自問自答しても答えは出るわけもなく、
過ぎていくのはただ時間のみ。
「はぁ・・・」
無意識に出るため息にはっとして、また回答のでやしない思考を開始する。

もう、アレから4、5時間は経過していた・・・

「あ…あ、はい分かります」
そう言って彼女に少し近づく。
近づいたことによって女の子の表情がより鮮明に見ることが出来た。
女の子は白いブラウスにスカートを履いていて傍から見るといいとこのお嬢様に見える。
しかしそんな明るい服装にもかかわらずその表情は無表情だった。
その無表情はなんだか自分をここにいることを攻めているように感じた。
まぁ、見るからに自分は不審者なので仕方が無いのだが・・・
「で、なんでこんな所いたの?」
女の子はその表情と同じようにあんまり抑揚の無い声で尋ねる。
その言葉に混乱して自分の頭は真っ白になってしまった。
度重なる異常な状況に、そしてこのような危機(?)的状況にとうとう自分の頭は煙を吹いてしまったらしい。
「え・・あぁ・・・ぅ・・ぇと。」
答えを言いかねている自分を見ている女の子の表情が少し曇る。
「もしかして…ここ何所だかわかっていない?」

4へ続く


© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: