三つ子Room

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不妊治療



結婚して半年も経たないうちに 体調不良から不妊治療が始まった。
自分が不妊だと分かった時 暗い海の底に沈められたかのような気分だった。
女じゃない、人間失格、そう宣告された気分だった。
そんな私の気持ちに気付かず 周りの人は平気で言った。
『早く子ども作った方がいいよ。』
『年がいってからは大変やで。』
『子どもの作り方 知らんの?』
『○ちゃんとこ もう二人目やって。』
たくさん 色んな言葉を聞いてきた。
そんな言葉の中で 私が一番辛かったのは
『そのうち 出来るよ。』って言葉。
そのうちっていつよ。
いつになったら できるんよ。いつも 考えてた。

治療には 体力的にも 金銭的にも かなりきつい。
痛い検査や 痛い注射 薬の副作用 貧血を起こすほど辛い時もあった。
保険のきかない検査や処置 薬が多く 一月に何万も払う事は 当たり前のようだった。
治療の為には 働かないと生活していけない。
でも 仕事と治療の両立は 時間的にも 体力的にも 難しく 仕事が続かない。
いつも 追い詰められてるような気がしてた。
でも この二つに関しては なんとかなっていた。

なんとかならないのが精神的な辛さだった。
生理が来ては落ち込み 治療に行き詰まっては落ち込み 検査結果が出ては落ち込み・・・。
落ち込むことのほうが多かった。
高温期に入ると どうしても期待してしまう。
でも 毎回 撃沈。
その 辛い時に限って 回りの人達の 「まだか?」攻撃。
そして 友達からの報告。
生きてること自体が辛くなった時期もあった。
もし 普通に子どもを産める体だったら・・・・。
何度 考えただろう。

いつの頃からだったか ある考え方をする事があった。
神様が 私達に与えた まず第一に試練じゃないか・・って。
夫婦がもっと仲良く 色んな話をして ひとつの事を乗り越える為に与えられた事。
私達だから 与えられた事なんじゃないか・・って。
もし 子どもを授からなかったとしても これからも ずっと二人で仲良くしていける、
その自信をつける為に 今は出来る限りの事を頑張ろう、そう思える事が 出来るようになってきてた。
そう 思い始めた頃から 辛い日々の中にも 笑顔を取り戻す事が出来てきたように思う。


これを読んでくれた方の周りに もし 子どものいない人がいたら そっとしておいてあげてください。
周りがいろんな心配をすると それは 本人にとって かなり辛いんです。
心配してかけてくれる言葉でも 本人にとっては ひどく傷つく事もあります。
子どもの話題に触れないのが 一番の優しさじゃないか・・って私は思います。 

・・・・つづく・・・・







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