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2012.09.02
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テーマ: 読書(9647)
カテゴリ: 読書
さてさて、「ハーモニー」において、「ミァハ」の動機について考えてみた。
もちろん、これが作者の意図と合致するかどうかはわからないけど、私なりにはストンと落ちたので、書く。
以下ネタバレ。


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この話が現代社会のメタファーとして捉えると、ミァハの怒りは、いわゆる日本の「本音と建て前」社会にあったのではないか。

ハーモニーの社会は、善意による支配だ。
「あなたのためなのよ」と、醜いものは隠され、苦しみはできる限り回避される社会。
ジャングルジムから落ちても怪我をしない社会。
現代社会もそっちの方向に進んでる?
傷付く人がいるからとメディアが言論統制する、喫煙者は目の敵にされてどこもかしこも禁煙、マスコミがあおる健康志向、などなど、優しい支配は徐々に進行中?

これが日本の「建て前」文化。

まあそこで若者は「本音」の方に気付いてしまう訳よ。
「あなたのため」と言いつつ、ほんとは「わたし」のためじゃないよね。てゆうか別にここにいるのが「わたし」じゃなくてもいいよね。代わりはいるよね。「わたし」が死ぬと困るのは、悲しいからじゃなくて、青少年が自殺すると社会不安をあおるからだよね。「わたし」なんかいてもいなくてもいいくせに、綺麗事言わないで!
という、「本音と建て前」文化への復讐、もしくは当てつけ、それが動機ではないだろうか。

いやああまりに厨二すぎて、この解釈は畢竟買うかなあ。
私的にはすごい納得なんだけどなあ。

もうね、そりゃあしょうがないよ、いろいろと。
大丈夫。
世界は全然優しくないよ、平等じゃないよ、えこひいきばっかりだよ。
大丈夫。
みんなエゴばっかりだし、あなたも自分のこと考えていいんだよ。



----追記(関連項目を追加しました)----

関連項目
【ネタバレ】伊藤計劃「ハーモニー」





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Last updated  2015.04.17 10:53:45
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