積  乱  雲

積  乱  雲

自分の線



私には線がない
私はどこにいるの?
どこにもいない

私には線がない
生きているのか いないのか
いても いなくても
おんなじ
私は誰?

私には線がない
うれしい
かなしい
思っているのに

私に線ができた
細くて頼りない
糸みたいな線だけど
心のまんなかを
しっかりくくっている

その線が
だんだん太くなった
手足の形と同じになるまで
少しずつ少しずつ
切れないように
長くよって伸ばした

私には線がある
太くてしっかりとした線がある
            (2004年 1月)


※ 私は長い間自分の意志をまわりに伝えることができませんでした。その間は通じないことが苦しくて、まるでモノのように暮らしてきました。でも言葉を手に入れてからは少しずつ自信を取り戻していくことができました。
ずっとずっと人間だったことが通じて、やっと自分らしくいきていくことができます。




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