積  乱  雲

積  乱  雲

鳥人











見られたい自分がいて

見られたくない自分がいる

見てほしい自分がいて

見せたい自分がいる

見ちがえるような自分がいて

見たくない自分がいる





同時にそこにいる二人の私が主張するとき

なぜだか足元ばかりを気にしている

もっともっと高いところから鳥になって眺めれば

一枚の大きな海原にきらきら光る

ひとかけらずつが

ひとつひとつの気持ちなのだ



目を閉じて

頭を上へ向け

すっとくちびるをとがらせたら

身体がもう軽くなっていた

一回りあの青空を飛んでみよう








2012・8・28

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