適当な日常

適当な日常

1.選択肢後



教室の引き戸を開けて軽く挨拶をする。

涼雲 「お。おはよう、楓」

友人、鴉丸涼雲。春夏秋冬、ずっと黒いジャケットを羽織っている少し変わった奴だ。

晶  「ウス、雲。なんかクラスに妙な空気が漂ってるが、何かあったのか?」
涼雲 「御主、この前のホームルーム何を聞いてたんだ?」
晶  「えーと、小説綴ってたかも」

雲は溜息をついて、呆れた様子で、

涼雲 「今日、転校生が来るそうだ。噂よると女子らしいが」
晶  「フム、なんかそんなことを聞いたような聞かなかったような……」
涼雲 「まぁ、俺には多分関係ないと思うがな。アニメがわかる人なら話は別だが」
晶  「腐女子だったらちょっとアレだがな……」
涼雲 「……」

そのとき、チャイムが校内に鳴り響き、先生が教室に入ってきた。

沙希 「ほーら、皆席につけぃー。今日は前にも言ったとおり、転校生を紹介する。喜べ男子、転校生は女子だ」

教室が少しざわついた。その際、先生が黒板に転校生の名前らしきものを書く。「神部綾乃」と書いてある。

沙希 「入っていいぞ」

再度教室の引き戸が開き、女生徒が入ってくる。身長は155cmぐらいか。珍しいことに、髪型はツインテール。

沙希 「今日からこのクラスで一緒に学んでいく神部綾乃さんだ。じゃあ、軽く自己紹介」

先生に促され、少女は口を開く。
綾乃 「宮城県から着ました、神部綾乃です。これからよろしくお願いします」
なんとも簡単で手短な自己紹介。まぁ、誰でも最初はこんなものだろう。

沙希 「神部の席はふぅの隣な。っと、牧野は今日きてないのか。じゃぁついでにふぅが神部に学校案内してやって」
晶  「俺っすか?!」
沙希 「お前学級委員。牧野がいないんだからしょうがないだろ? ということでよろしくな。HRおわり。次の授業の準備でもしておけー」

と言い残して教室を去るうちの担任。仕方ない、とりあえず挨拶ぐらいはしておこう。

晶  「ちわっす、学級委員の楓雅晶だ。よろしく」
綾乃 「あ、うん。いろいろお世話になります、楓雅君」
晶  「あ~、俺を呼ぶときは楓か晶でいいぞ。同学年の人に妙に敬語とかで話されるのはあまり好きじゃないんだ。だからもっとリラックス! ここにいる皆だって神部と同じようにこの学校に来たんだから」
綾乃 「……そっか、そうだよね。じゃあ、改めてよろしく、楓!」
晶  「よし、その意気だ」

こうしてこの学校はまた一人、愉快な生徒を迎える……。

――続――

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