中古住宅をリフォームして快適子育て

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hi! manatee!



下の弟と一緒にフロリダのタンパ、オーランドへ旅をした旅行記です。
このテキストは1999年に書きました。
私の「らぶまな」というハンドルは「LOVE MANATEE」からきています。
マナティーという愛すべき動物と初めて水の中で対面し、優雅で穏やかな彼等の魅力に触れますますファンになりました。
これを機会にマナティーに興味を持って頂ければと思います。

2002年、読売ランドのマナティー「京生」君が亡くなったという情報を得ました。彼の冥福を祈り、絶滅の危機に瀕しているマナティーの未来を祈りつつ。。。

***

私がマナティーと泳ぐ場所は「Homosassa Spring」という場所。
Homosassaというのは、胡椒(ペッパー)の意味。

道路の脇には大木が多く、「スパニッシュモース」というコケの仲間が木に垂れ下がっています。スパニッシュモースとは、スペインのコケという意味で、古くからの言い伝えでは少女を追い掛けてきた悪いおじさんのひげが木にひっかかったのがこのスパニッシュモースなんだということです。
昔これはクッションの中に入れて使っていたそうで、今はスパニッシュモースがじゃまをして日があまり差し込まないので迷惑がられているそうです。でもそれをどうこうすることもなく、生えたいのなら生えなさいというアメリカンな考え方によって伐採されることもなく残っているのです。

AMERICAN PRO DIVING CENTER(821 S.E.Hwy.19,Crystal River,Florida 34429) に到着。今回お世話になるダイビングショップです。
ピーナツという名前の犬が出迎えてくれました。この名前がぴったりのかわいい小さな犬で、ショップを自由に駆け回っていました。
そこで「I?MANATEE」というステッカーや、マナティーのハガキなどを購入。スエットスーツやフィン、マスクなどを借りて、水着に着替えていざHomosassa Springへ。途中、「Best Westem Crystal River Resort」でお買い物。マナティーのTシャツ(子供用のMでぴったり!)、ファスナーアクセサリー、ピンバッチ、コップ、ハガキを購入。マナティーの置き物がかわいかったのですが、大きすぎたので結局買わず。

岸辺に到着するとすぐにスエットスーツに着替えて、いざボートに。そこでノブコさんが「腕にハンカチを結んでおくと誰か分かるからいいわよ」と、用意してくれたハンカチを結んでくれました。たしかに、マスクをつけてしまうと誰が誰だか分からないのでこれはとても良い方法でした。
ビルは岸辺で手を振ってお見送りしてくれました。ノブコさんはカメラ班&何も分からない私達の為に乗り込んでくれました。
私はといえば、初めて使うデジカメin水中ということでドキドキ。弟に成田で買った使い捨て水中カメラを任せました。これは後の現像で明らかになるのですが、弟の腕前はプロ?と思う程素晴らしかった!わたしは悲しいくらい全然撮れていなかった。。。2枚くらいしかまともなものがなく、大笑いされてしまった。言い訳をすると、デジカメ用プロテクタは大きすぎて、うまく操れないっ&川は流れがあり、ベストショット~!と思いながらマナティーに近付きすぎてシャッターをおしてしまうのがね。
今度行った時は成功するように練習しておかないと。
一緒に乗り込んだ人達はニューヨークの4人家族。ノブコさんは20年前にニューヨークに住んでいたので共通の話をしていた。ここでも英語が話せれば~と切実に思った。

ボートは一定の場所になるとエンジンを止め、スクリューを動かさないようにします。これは、スクリューでマナティーを傷つけないようにするためです。こんなにも気をつけているのですが、背中にスクリューの後が残っているマナティーはたくさんいます。
皮肉なことに、背中の傷跡で個々のマナティーを見分けるそうです。私の家族は「マナティーと泳ぎたいというお前達がボードで出て行くからマナティーを傷つけてしまうのではないか」と言いました。確かにボートなどで泳ぎに行く私達にも責任はあると思いますが、こんなにもかわいい野生動物がいることをこの目で見て、触れて、一緒に泳ぐことを体験することは、今後の心構えや動物保護活動への姿勢が変わってくると思うのです。同じ地球に暮らす仲間をより良く知ることは悪くないことだと私は思います。

キャプテンはマナティーと一緒に泳ぐための諸注意をしました。
「両手でマナティーを触らない」
両手で触っているとマナティーを掴んでいるという風にとられ、処罰を受けることもあるそうです。
「寝ているマナティーを触らない」
私達人間も眠っているところをじゃまされたくなんてないですもんね。
「大きな声で騒がない」
マナティーは音に敏感らしいです。
わたしはどうしてもマナティーと話したかったのでマナティーに聞こえるくらいの声で「かわいいね!」とか「ずっとあいたかったんだよ!あえてよかった!」「おおきいね!」「楽しいよ!」と言いました。それに笑顔で応えてくれたり、お腹を見せて喜んでくれるマナティー。とても嬉しかった!
「マナティーの上に乗らない」
マナティーにとっては私達は軽いかもしれませんが、背中に乗られたら嫌ですものね。突然呼吸をしに水面に上がってくるマナティーもいるので、マナティーの頭上を泳がないことも大切。
野生動物とは思えない程人間が大好きで、穏やかでのんびりしているマナティー。
基本的なマナーをきちんとおさえておけば、マナティーと一緒に楽しんで泳げることができるHomosassa Springは素晴らしいところです。

キャプテンは錨を降ろし終えると、水中カメラを持って川の中へ入って行きます。
わたしたちも順々にゆっくりと入ります。水温は冷たく、慣れれば大丈夫でしたがやはり2時間が限界でした。はじめてのシュノーケル。思ったよりも簡単で快適。でも、慣れない私はチューブに水が入ったりして何度も立ち上がり、水を出す作業をしていました。
ここでポイントなのが、足が付くということです。身長150センチの私でも足が付くので、泳げない人でも十分楽しめます。はりきってバタ足なんかで泳いでいると騒がしいので注意!足はそのままぶらーんとさせて手は平泳ぎの状態。川はゆっくり流れていますので自然に前にゆっくりと進めます。

マナティーと初めてのご対面!
ずっとずっと水族館の壁に隔たれていたあのマナティーがわたしの目の前にいる!
ビデオで見ていたマナティーが!
本で読んでいたマナティーが!
とても感動!!!
3月の中旬だったので、マナティーがいてくれるかどうか心配だったけれど、いるいるいる!あちらこちらにマナティーが!ノブコさんの話だと、こんなにたくさんいるのは年に1回か2回あるかどうか、だそうだ。
よかった~~~!!飛行機が遅れたりしてドキドキして来た甲斐があった~!
川魚も穏やかなマナティーが大好きらしく、眠っているマナティーの下にもぐりこみ、まるで岩影で休憩するような感じ。
思い描いていた「ごつごつざらざらとした感触」よりも、もっとぶにょっとしていました。背中とお腹の感触は違って、お腹はもっとやわらかい感じでした。手と尾はよく動かすせいか、硬かったです。
マナティーは私の足に鼻のあたりを押し付けてきました。ひげが硬く、ざらざらとしていましたが、やさしいキスでした!!
わたしたちから近付いてはいけないのですが、ふと気が付くとマナティーに取り囲まれてしまいます。
マナティーは近眼らしいので、マスクをつけた私達の顔をよく見ようと、顔ぎりぎりまで近付いてきます。
まるでわたしたちが観察されているようです。もしかしたらマナティーたちにとってみたら、僕達の住んでいる川へ時々遊びにくる泳ぎの下手なお友達(おもちゃ?!)だと思っているのかもしれません。
横を泳いでいた弟の後ろを、まって~!と言いながらマナティーが追い掛けていたり、マナティーの赤ちゃんがにこにこ笑いながら(それが分かるんです!)わたしに「あなたわたしと同じくらいの身長ね!その手に持っているのはなあに?」と言ったり、本当に本当にフレンドリーな感じ!
野生動物だということを忘れてしまいそうなくらい。
そしてわたしの太い足(マナティーにとってみたら細いのかもしれませんが。)をなんだろぅ?と掴んでみたり、くるくるまわったり。
本当に遊ぶことが大好きなんだなぁ。と実感。

キャプテンはわたしたちのために一生懸命マナティーのいる場所を合図してくれ、(といってもそれが必要ないほどたくさんいましたが。)ビデオをとってくれていました。
マナティーはビデオを撮っていることが分かるらしく、ぼよーんと近付いてきたりポーズをとったりしていました。
ダイビングショップに帰って、ビデオを見て気が付いたことが1つ。
マナティーは錨と船をつなぐ鎖が好きなので、船の下にたくさんあつまって歯を磨いたり、体を掻いたり、つかまって遊んだりしています。
アクティブなマナティーを観察するのなら船の下に行け!ということが分かりました。
マナティーと泳ぎに行きたい!と思った方はぜひ船の下をチェックしてみて下さい!

マナティーと一緒に遊んでいると2時間などあっというまです。
でも、人間は陸での生活が染み付いてしまって水中では体温調節ができず、2時間が限界。
自然の中にいると、人間はなんてちっぽけでなんてもろい動物なんだと思えてきます。

今夜泊まるコテージの裏で、スエットスーツをぬぎ、洋服に着替え、車でダイビングショップに。
キャプテンのとったビデオを見ながらみんなで「わたしわたし!」とか「わ~かわいい!」と大盛り上がり。
ダイブショップに立ち寄ったお客さんを巻き込んでマナティーのしぐさに釘付けです。
ピーナツと、ショップのおじさんに別れを告げて、HomosassaSpringsStateWildlifeParkへ。

HomosassaSpringsStateWildlifeParkはマナティー保護で有名な野生動物公園です。
ホモセッサ河の流れをそのまま利用し、飼育される場所と外側の河は柵で区切られているだけなので、魚やカニは自由に行き来できるようになっています。驚いてしまったのが、ブラックベアーです。彼らも野生動物なので、私達が見れるようになっている広場へ顔をだしたり、そのまま森へ遊びにいったりできるのです。私達が見に行った時はちょうど森へ遊びに行っていたらしく、見ることはできませんでした。残念。
ここでは、まずはボートに乗って、かめや魚がいる細い河をゆっくりと進みます。キャプテンが様々な説明をしてくれますが、英語を理解できない私達はうっそうと茂る木々や、大空を飛び交うワシを見ていました。
甲羅干しをするかめはみんなのアイドル。片方の足をあげたり、列を作って並んでいたり。
そして、ボートをおりて公園に入ります。公園には、川べりにねそべったままぴくりとも動かないワニ、説明看板の通り並んでいるワシ、森へ遊びにいっていて留守のブラックベアー、片方の歯が異様に長いカバ、9頭が仲良く暮らすマナティー、おそろしいどくろを巻いたヘビ、くるくるとよく動き回るカワウソ、くちばしをかたかたさせているペリカン、騒がしいピンク色の鳥がいます。
マナティーの説明が聞けるプログラムが3時15分にあったので、15分前から一番前のベンチに座ってマナティー見物。弟いわく「イカメシのようだ。。。」
たしかに先ほど一緒に泳いだマナティーたちよりも太っている。まるでイカメシのように。。。
マナティー達は出番が分かっているようで、時間になると9頭それぞれ集まりだしました。ブクブク鼻から空気をし出して喜んでいる子や、そこが定位置なのかぴくりとも動かない子や、愛嬌をふりまいて顔を出している子や、性格がそれぞれで笑ってしまう。
説明をするおじさんが、えさをとりだすとみんなで大騒ぎ。
人参が背中に乗ってもしらんぷりしている子までいておもしろい。マナティーの全身にはえている毛はネコのヒゲのように敏感で、背中にえさがのったら分かると言われているのに、その子だけは鈍感なのか、ずーっと
背中にのせたまま「人参くれ!人参くれ!」と叫んでいたのだ。
おじさんがまたもやバケツを手に緑色の固形の物体を投げ入れると、マナティー達はひしめきあっているため、「ここにくれ!ここに入れてくれ!」と口をひくひくやって大騒ぎ。おじさんは「ほら。これが歯だ!」とやっている。なんだか大きい白いものが見えた。歯だ!歯は始めてみたぞ!
繊維質のレタスや海草を食べているので、牛のような歯になっているらしい。

フィッシュボールと呼ばれている水槽は、中に降りると水面下からマナティーがみれるようになっています。
その横には「manatee salad bar」というしゃれた名前の囲いがしてあって、そこで9頭がレタスを食べていました。そこには真ん丸のレタスが1つ浮いていました。「あれじゃ食べれないよね。どうするのかなぁ?」と話していたら「がぼっ」とマナティーが手でレタスをまるまる持っていきました。そこでちょうど横で見ていたアメリカ人女性と「Big One!!!」と顔を見合わせて笑っちゃいました。食いしん坊の子もいるんです。

公園にはファミリーや年輩カップルがたくさんきていました。
小さな子は日本人が珍しいらしく、男の子がわたしたちを追い掛けてきました。ママにだめよと怒られて泣きそうになりながらもまだまだ私達と一緒にいたいらしくなごりおしそうにしていました。
マナティーのポストの近くで女の子が1人でかくれんぼをしていたので、鬼になって「あれ、こっちかな?あれ、そっちかな?」とやってあげたらキャキャキャっと笑いました。とてもかわいい!「マナティー好き?」と聞いたら「うん!」と。パパが迎えにきたのでそこでバイバイをしました。

***

2002年の今日、旅のテキストを整理していたら、旅を終えて思った事が書かれていた物が出てきました。

私のはじめての個人旅行だったこの旅。
初心忘るべからず。
私自身の為にも以下に載せておきます。

***

旅を終えて思う事。

旅を終えて思う事は、
なんでも自分でやってみることが大事だということ。
ツアーで行くのは簡単で、楽ちんで、安心、安全。
できることならツアーで行きたい。

航空券のしくみや、空港のしくみ、時間のしくみ、予約手配の取り方、英会話の必要性、人とのコミュニケーションの取り方、などなど、ハラハラドキドキスリル満点の個人旅行には得るものがたくさんでした。

こんなスリルは一生に何度もあると疲れるけど、たまにはいいクスリだったかなぁと思いました。
ぬくぬくと育ってきた温室育ちの私が世界に飛び出すと、ちーぽけで。
井の中の蛙とはよくいったものです。はい。

そして、自分一人で大きくなってきたような顔してたけど、
実はぜんぜんそんなことないっていうこと。
この旅を通して、様々な人の力があるからこそ。ということを学びました。

勝手気侭に旅を決めちゃった私達を心配していただろう家族、友達、お世話になると決めたノブコさんとBillとジョセフィン、航空券を送ってくれた人、ちゃんと飛んでくれた飛行機、時間通りではないけど来てくれたシャトル、ホテルの人、
3月の中旬に訪れた私達を待っていてくれたマナティー、暖かくて雨が降らなかった天気。
すべての条件が良く、思い通りに事が運べた旅行、安全に行って帰って来れたという事。
すべてに感謝しなくてはいけない。

マナティーに対する考え方も、よりいっそう強くなりました。
この優しく穏やかな野生動物と共に暮らしていきたい。
そんな地球環境を考え続けていきたい。


***

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