愛 こ と ば・心 の 散 歩 路

愛 こ と ば・心 の 散 歩 路

2006/11/13
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      自分で操る[その1]


備前「阿武さん、お忙しい所

   ご苦労さまです……」

阿武「決して忙しくはありません。

   激務ではありますがね……」

備前「………?」

阿武「備前さん、忙しいとか

   忘れるとかいう字は、

   『心が亡ぶ』って書くでしょう……。私の信条からいって

   遥か遠い位置にある概念です……」

備前「うっ…!……いゃー、早速一本取られました。

   阿武さん……相変わらずですね……」

阿武「当たり前です。人はそうコロコロとは変わりません」

備前「ひゃー、やぶ蛇だ……。えー、それでは講演の方、

   よろしくお願い致します」

阿武「ハイ、承知しました。えーー、皆さんこんにちわ……。

   テーマは『苦労』でしたね。……『苦労』ね……。

   ハイ……それじゃー手始めに、まず苦労を取り除くという

   事について話を始めましょうかね……」

備前「……ん? 取り除く……ですか? ……?」

阿武「そうです。苦労を取り除くとはどういう事かについて

   話をします……。私の目から見ますと、このテーマに

   当てはまる方が、IT職場にはウジャウジャ居られる

   様です……。備前さんをはじめとして……ね」

備前「阿武さん、それって、我々が苦労を抱え込んでいるって

   いう意味ですかね……?」

阿武「……です。皆さん、これからの時間真剣に考えて、

   できる事なら克服しょうじゃありませんか。

   ……スキッとしましょう!……ねっ!」

備前「しなくても良い、いらぬ苦労をし過ぎているという事

   なのかなぁ……?」

阿武「………そうそう近いですね……。

   えー、この種のテーマに関しては……ですね。

   私は中村天風先生の影響をとても強く受けていますので、

   これからの話は、中村天風先生のお考えを噛み砕く様な

   形になります。みなさん、どうかそのつもりで聞いて

   下さい……」

備前「中村天風……? 知らないですねぇ……」

阿武「備前さん、先生の事につきましては又、別の機会という事

   にしましょう。……相当長くなってしまいますから……。

   今日は先生の説を基本ベースに解説します……」

備前「……はい、分かりました。どうぞ……」

阿武「……で、備前さん、私が一方的にしゃべるというよりは、

   備前さんとの会話的なやり取りを、皆さんにも聞いて頂く

   という形にしたいと思います。その方が眠くなりません」

備前「ははははっ……」

阿武「……ですから、疑問や意見等がありましたら、その都度、

   どんどん口を挟んで下さい。よろしく頼みます」

備前「ハイ……承知しました。遠慮なく発言させて頂きます。

   ……さぁ~みんな、……始まるぞーーーーー」

阿武「ハイ、それでは……皆さん、思い出してみましょう……。

   いいですか?昔からよく『苦労は買ってでもせよ』等と

   言われますね…………。

   『人間、苦労の味を知らなければ駄目だ』とか……、

   『あの人は、若い時に苦労したからこそあんなに立派に

   なったんだ』とか……、まだまだ、もっともっと沢山の

   『苦労』に対する賛美・推奨論がありますね」

備前「そう言われれば……確かにそうですね……」

阿武「……ホントに、よく耳にしますよね。皆さんも今までに、

   一度や二度は言われた事があるんじゃないですか……。

   両親とか、伯父さん、伯母さん辺りからね……」

備前「あります、あります……。祖父からも……ね」

阿武「しかし皆さん、ここで気を付けて聞かなければならない

   事があります。さて……何でしょう?」

備前「…………?」

阿武「皆さん、これらの話はいずれをとってもですね、その

   『苦労』を乗り越え、或いは取り除く事が出来た場合と

   いうのが、前提になっているという事です……」

備前「!!……成る程、それはそうだ……」

阿武「いいですか……『苦労』に負けて性格がいじけて

   しまったり、犯罪等の取り返しのつかない人生の汚点を

   残したり、極端に言えば自殺してしまった人々にとって

   みれば『苦労』は単なる疫病神でしかなかった訳です」

備前「……!!」

阿武「ここが重要です……『苦労』は苦労する事に意味がある

   のでは決してありません……。自己管理によって乗り越え

   取り除く体験にこそ意味のある事であります。

   『苦労』そのものには何の益も無いんです。……ここが

   大事なところです。まっ……当たり前と言えば、

   誠に当たり前の事ですよね……」

備前「……ハァ」

阿武「むしろ『苦労』すれば思考を暗くし気分を重くするばかり

   ですから、どんな『苦労』もできるだけしない方が良いに

   決まっています……」

備前「……フム」

阿武「……ただ、ここで皆さん『苦労』と『努力』を取り違え

   ないで下さいよ。……良いですか?よく似た意味に使われ

   る事が多いですよね。特に注意しなければならない事です。

   『努力』は大切ですからね……」

備前「しかし……阿武さん、その辺りは微妙ですよ……」

阿武「……ホントに微妙なんです。生きる姿勢に関わる事かも

   しれません。

   『母が脳梗塞で倒れ介護の毎日に苦労している』と話す人

   と『母が脳梗塞で倒れて介護の毎日、回復を願って努力

   している』という人では同じような行動でも姿勢が違い、

   精気が違いますもんね……」

備前「……うーん……。まっ、今日これから、徐々に考えて

   いく事にしましょう……」

阿武「……そうですね。ここでこれから私が話そうとしている

   『苦労』を、中村天風先生の説に沿って次の三つに限定

   したいと思います。つまり、

   ひとつは、『持越し苦労』

   二つ目は『現在苦労』

   そして三つ目は、『取越し苦労』です」

備前「……? 取越し苦労とは良く言いますが……持越し苦労と

   いうのを聞くのは初めてです……」

阿武「そうでしょうね……。では、順を追って話を進めます。

   まず持越し苦労ですが……、これは過ぎ去ったどうにも

   ならない事を、いつまでもくよくよと苦にしている事を

   いいます。

   『あの時は、ああすれば良かった……』

   『なぜあんな事をしてしまったんだろう』と思い返して、

   いつまでもいつまでも、苦にしている人がいますよね」

備前「いますいます……。愚痴大臣が……。ゴルフ場で、次の

   ホールのティグランドに来ているのに、前のホールのOB

   の事ばっかり悔やむ人がいましてね、結局そこで又OB

   叩いたりするんですよ」

阿武「……ああ、よくある例ですね。しかし、過ぎ去った事は、

   もうどうにもならないんですから、考えるならば先の事を

   積極的に思案すべきなんです。そうでしょう…?

   その方がどんなに楽しくまた気分も明るいかしれません」

備前「……そう思います」

阿武「この持越し苦労をする人はたったひとつの失敗が、その後

   のその人の能力と可能性を大きく制限してしまうので、

   なかなか挽回する事が難しくて、俗にいうところの

   『復元力』の弱い人間になってしまいます」

備前「……スポーツには、まず、向かないな……」

阿武「仕事の面でもですね。能力がある割には伸び悩むという

   タイプになり易いのです。常に次の手、次の手と考える

   ように習慣づけるべきでしょうね。逆にスポーツを通じて

   そんな習慣付けができる側面もあります」

備前「そう言われてみれば、多かれ少なかれ持越し苦労で、

   無駄な時を過ごしている人が、ウチの職場、けっこう多い

   なぁ……。私も含めて………」

阿武「そういうことでしたら、みなさんで集まって、このテーマ

   についてディスカッションするのも良いでしょうね。

   …………はい、では次に現在苦労にいきましょう。

   現在苦労とはその言葉の通り、今現在行ないつつある事に

   ついて悪い結果を予想して苦にしている状態をいいます。

   これは、悪い結果を自ら招く為にムダな努力をしている

   様なものです。人生の何事についても言えることだと

   思いますが……、『思いよう』という事があって思った

   通りになってしまう事がけっこう多いものです……」

備前「えっ? そうですかねぇ。逆に思った通りにならない事が

   多いように感じますが……現実は……」

阿武「それはね、備前さん、厳密に言うと、願った通りに

   ならないという事じゃないですかね……。

   K大学に入りたいと願っているにもかかわらず、どうせ

   駄目だろうなと『思って』いると思っている通り落ち易い

   という事です」

備前「なるほど……そういう事か。宇宙に行けたらなぁと願って

   はいるが、どうせ行ける訳無いやと思ってる……」

阿武「それを本気で思い続けて、とうとう宇宙に行った人も

   いますよ……ね」

備前「うーん……微妙ですね。心の持ち方だから……難しい」

阿武「とにかく良い結果を『思い浮かべて』現在の目前の行動に

   集中し、精進すればその通りの良い結果が得られ易いと、

   いうことです」

備前「……確かにそうすると、集中力は増しますよね……」

阿武「……つまり良い結果を予想して行動しているとですねぇ、

   自分の生命の中に潜んでいる『可能力』を100%その事

   に傾注して現わす事ができるわけです。それが、自然と

   良い結果を生み出す事につながるわけです」

備前「……『可能力』ですか……」

阿武「一方……ですね、悪い結果を予想しながら行動すると

   『可能力』を例えば60%位しか現わせない事にもなって、

   それだけ分、悪い結果を招くようになり易いということで

   もあります。

   こういったことからですね、人間の行動は

   『思った通りの結果を招く事が多い』と言われている

   のです」

備前「願った通りではなくて……、…ですね? 」


     <続>


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Last updated  2006/11/13 01:25:29 PM
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