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収穫を終える前、ハウスの土の状態を調べます。今季のハウス栽培もそろそろ終了 ということで定番の回の掲載です。記憶よりやっぱり記録だというおはなしです。 ↓『収穫を終える前、ハウスの土の状態を調べます。』施設野菜作が終了するハウスでは、次回の栽培に向けてハウス内の土の状態を調べておきます。なんといっても農業経営では農産物の質と収量をしっかりと確保することが大切・・・土の診断はそんな良品を多収する経営の、なにより強い判断材料になりえますからね。そんな検査の方法ですが、たとえば ● 作物が 健康に育った部分 と 病気の出やすかった部分 ● 収穫物の 品質の良かった部分 と 品質の悪かった部分 ● 土の 水はけのよかった部分 と 水はけの悪かった部分などといった“違った生育をする、特徴のある部分の土を、自分なりに工夫しながら、きちんと区別して採取したのちに検査にだす”ことを、私はつねづねお薦めしています。そうすることには理由があります。 この表。土の検査の実例ですが、こういったかんじでハウスのいろいろな場所と深さを変えて土を採取して、その後に土壌検査してみると・・・ じつに いろいろな土の検査値がでるのが現実 だからです〔詳しい数字例についは また後日に〕。そのいろいろな土の状態を、今回の作での 作物の生育をからめながら判断するのは、栽培者そして経営者としての大切な仕事。今後のハウス作のためにも 自分で土をとる場所をきめて ↓ しっかりと土を採取し ↓ 試料を まちがわないように検査に出して ↓ できあがってきた土の検査値と ↓ 成績のよかった部分と悪かった部分の土のちがいを ↓ 自分なりに整理・判断・加味したうえで ↓ いつでも利用できるように、きちんと保存しておくこと大事です〔病院のカルテみたいに仕立てます〕。しっかりとおこなった土の診断のカルテは、あなたの農業経営にとっての〔とくに栽培について迷った状態のときの〕なにより強い味方になりますよ。数字はウソをつきません。 たとえば こんな場合 は 。 広くて・深い 土地の土の検査を、“記録もなしに・てきとうに 1箇所だけとってとりあえず検査に出しておく” なんてふうに おこなう土壌検査であっては生育の判断材料にはなりえません。 そんな土の採取方法についての回は こちら 。 「夢で終らせない農業起業」「本当は危ない有機野菜」のの
Jun 21, 2023
春先の苗を食害する生物といえば。春めいたあとの花冷えの時期に、寒さを防ぐ施設のなかで育てている苗の食害被害についてのご質問がありましたので、よろしかったら ご参考に。 ↓作っている苗や定植したばかりの、とくにアブラナ科の野菜の苗が、何者かの被害をうけて葉の部分に大きな穴があいたり、先端部分がまるごと無くなったり〔!〕することが 春先のこの時期には よくあります。せっかく苗に仕立てたり、あるいは植えたばかりの苗がやられちゃったら、がっかりしてしまいますよね。でも、さあもうひとがんばり、かわいい野菜やお花のためにも加害する生物を見分けて対策をたてましょう。さて、そんな春先の時期のアブラナ科の野菜を食害する生物 とは、いったい何者なのでしょう。温度があがる夏場であれとすれば、苗を食害する生物としてネキリムシやコナガも疑われます。しかし、いまはまだ春。まして今年は雨が多い。したがって暖かくなってから活動しはじめる昆虫類ではなく、むしろ ● 越冬して春を迎える生物 ● 雨がちの気候下でも活発に動ける生物 ● 比較的低温であっても活動することができる生物が主となって野菜を加害しているとみたほうがいい。さらに今年のように春の長雨が続く気候下でも活発に活動できる生物ということもおおきな見極めのポイントにつながります。ということで春先にアブラナ科の野菜を食害する生物として、まずまっさきに考えられるのは、そう ナメクジ類ということになりそうです。そんな春先のアブラナ科野菜類の大敵であるナメクジ対策についてのおはなしは 次回にて。・・・と話しを終えるまえに日本の代表的な種である、つぎの3種のご紹介はすませておきますね。 ■ ナメクジ 年に一回の発生。3-6月に40粒ほど産卵。孵化した幼生は 秋までに成熟し、土中や積んだものの下などで越冬。 ■ ノハラナメクジ 年2回の発生。3月から活動。1頭で300粒!ほどの卵を産 み、秋までに成熟。春の卵から孵った幼生が秋には産卵できる ので、注意が必要。ナメクジと同様に越冬。 ■ コウラナメクジ 幼生で冬を越し3月ころから活動開始。繁殖力が強いのが特徴。 秋に成体となり、60粒ほど産卵。秋に孵化し、しばらく植物 を加害したのち、越冬に入ります。冬でも、暖かい雨の日には、 潜伏場所からでてきて活動する。この3種、いずれも越冬してくるのでほんとに厄介・・というか厄貝/笑。 被害が大きくなるのは、まずはなんといっても湿りがちな 場所が圃場のまわりにある場合です。 たとえば、家に囲まれて陰になる所が多い場所。用水が流 れている場所。野菜クズや落ち葉などの有機物残さの多い 場所。それに周囲が荒地になっている場所などなどとなり ますよ。 「夢で終らせない農業起業」「 本当は危ない有機野菜 」のの
Mar 30, 2023
温暖化で増えるといえば、意外な虫の害。イチゴ栽培において28度前後の温度が高い時期に、株のクラウン部に発病するのが、 ↓ イチゴの炭疽病[たんそびょう]です。 まずイチゴ葉の外縁が黄化・褐変し、そのあと外葉が枯死する株がみられ、最終的に上記の写真のような株そのものの褐変から枯死に至るというふうに病状がすすみます。とはいったものの長年にわたってイチゴ栽培を手がけておられる農家さんたちにとっては、さして恐ろしい病気といったものではなく、季節がすすんで次第に高温期が過ぎたり、病斑を確認する初期の段階での適切な薬剤散布をおこなったり、かん水の量を少なくして加湿を避けることなどによる適切な処置で防げる病気のはずなのですが・・・本作にかぎっては 宮崎のイチゴ農家さんにとって勝手が違いました。いつものように 適切な炭そ苗対策をおこなっても効果がないのです。新芽がのびず、展開した葉の葉柄が赤味を帯びてきて、葉の縁が黄化や褐変し、症状が重くなると、株や根までもがが枯死してしまう。これは大変ということになり、県外のイチゴのにたような事例を調べてその原因がわかったのは、11月もおわるころになってのこと。。じつはこの症状は虫の害。ハエの仲間であるチバクロバネキノコバエ[チビクロバネキノコバエとも]の幼虫による食害だったのです。イチゴに寄生するこのハエの幼虫は透明といってもよい体色をしており、大きさも最終的な段階でも四ミリほど。成虫は透明ではなく頭が黒で身体は褐色ではあるものの体長が約2ミリ前後しかないのですから、これではなかなか見つけられなかったのも いまとなってはよくわかります。ちなみにこのハエの生活史は ❝未熟な有機物に誘引された親が産卵、卵から成虫になるまでの時間が25度Cの気温条件で2週間ほど❞といいますから、今作のような気温の高い気象条件であれば 順調に世代交代しながらその生育数を増やし、結果的にイチゴの地下部や地際部をも食害・加害していった ということなのでしょう。さてそこで、このハエに対する防除方法です。ハウスイチゴ栽培においては、交配にミツバチを使っているケースが多いので、なるべく薬剤に頼らない方法をとるということになれば ● ハウスの開口部[入口や換気部分]に1ミリ目あいのネット展張 ● 圃場の周辺にある雑草の処理や作物の残さの片づけ ● 圃場の周りにある場合には、たい肥舎などの消毒などといった対策に加えて、なんといっても ● 未熟な有機物を圃場に大量に使わないことこれが 大切なポイントとなります。 炭疽病とおもって対策を実施して効果がなかったはず だなと、原因が分かってしまった現在ならおもえるの ですけれど・・・まさか原因が虫だったとは。。という ことで 農業はプロファイリング の回は こちら。 「夢で終らせない農業起業」「本当は危ない有機野菜」
Jan 9, 2020
部分的に作物の生育不良現象が多発した原因は。収穫を終える前に例年どうりの綿密な土壌検査をおこない、その検査結果に基づいた土づくりをおこなったハウス。その土づくりのあとに、それぞれの土壌条件に適合した土壌改良をおこない9月から作物の定植をおこなっていったわけですが・・・いつかのハウスで散見されたのは[例年であれば問題なく育つはずの生育初期の時期の作物に発生する]部分的な生育不良でした。病虫害に侵されたわけでもなく、また成り疲れがおきるほどに収穫量が多かったわけでもなく、さらには本格的な寒さがやってきたというわけでもないのに・・・生育不良な状態におちいる作物。こんな状態が起こるとは、ゆいしき事態・じつに意外なことでした。そこでおこなったのが、とりあえずの土壌の検査。そう、生育の良い部分と悪い部分の土壌検査です。例によって、それぞれの部分の土の状態をしらべることで生育の良い部分と悪い部分の違いを把握しようとおもったのです。 そして、その2つの部分の土壌検査表をならべてみた映像がこちら。ののののしかし、しかし。結論からいえば2つの土壌の状況に、さしたる変化はなし。[ヒトでいえば脈と体温にあたる]PHとECのあいだにも、そして微量要素の量やバランスの関係においても、化学的に問題となるようなちがいがでることはなかったのです。ということで 生物性でもなし・化学性でもなしということになれば残りは物理性の問題。そう、たとえば地下水位の状態です。こう思ったのは10月になってからのお天気・・・本年の10月の南九州地方ではお日さまを忘れるほどの連日の季節はずれの雨が休む間もなくふりつづいていたからです。 いまは同じ圃場・同じハウスになっているとはいっても、耕地整 理をおこなう以前は小さな田畑。そうなると たとえば1m以上 の地下での、地下水の水位にはちがいがでているのではないのか。と、おもったのです。また、高台にあるハウスではこの部分的な生育不良が発生していないという現実もありましたし。ということで最良の対策は、とにもかくにも長雨があがり・地下水位がさがることではないかと踏んでいたのですが、やはりその推理はあたったものと見えて 11月になって天気が安定してくると同時に、生育不良の部分 の生育は、じょじょに・すこしづつ回復という経緯をたどりましたよ。いやほんとによかったです。それにしても気になるのは、こん回の長雨や季節外れの高温をもたらしている異常な本年の気象です。南九州では6月から11月にかけて ひと月以上の長いあいだつづく晴れ間 ↓ ひと月以上の長いあいだ降りつづく雨 ↓ ひと月以上の長いあいだつづく晴れ間 ↓ ひと月以上の長いあいだ降りつづく雨といった、まるで 乾季と雨季 があるかのようなお天気。くわえて 立冬に30度 + そして冬至に20度といったようなな高温をもたらす天候が これからは普通/レギュラーになっていくものだとすれば、たとえば地下水位の高くなりそうなハウスでは、ハウスの周りにあらかじめ排水溝を掘るなどの高地下水位対策を講じることが必要になってくるかもしれませんね。いずれにせよ これまでにはなかった想定外の障害が、これからはこれまでよりも もっともっと多くなることは、まちがいのないことのように思われます。 施設栽培だけではありません。 この暖冬で、たとえば植え付け最盛期のサトイモの種が 腐敗したり、病害虫の多発やミカンの浮皮などの生理 障害が発生、野菜の野菜全体の生育が前倒しとなったう えに、さらには千切り大根やタクアンの加工に支障が出 るといった騒動も、現場では発生中。 「夢で終らせない農業起業」「 本当は危ない有機野菜 」
Dec 22, 2015
生育診断とは、ある意味プロファイリング。 プロファイリング(Offender profiling or criminal profiling)とは、犯罪捜査において、犯罪の性質や特徴から、行動科学的に分析し、犯人の特徴を推論すること。基本的な構造は、「こういう犯罪の犯人はこういう人間が多い」という確率論である。この犯罪者のパターンを推論する事を「プロファイリング」と言い、推定する専門家(捜査権を持っているとは限らない)を「プロファイラー」、推定された結果を通常「プロファイル」と言うと、これがウィキの解説。そういった意味では施肥技術指導の生育診断に関する業務 は、このプロファイリングの定義に ちかいものとなります。たとえば キュウリの果実。素直にまっすぐ伸びているものなら、生育も良好。土壌の状態や栽培者の管理もよいということりなります。けれど果実の形が悪くなってくると問題です。たとえば、曲がり、肩こけ、くくれ、短形、裂果、褐色芯ぐされ、苦味果といったようなキュウリ果実ができる場合は、それなりの事情があるわけです。たとえば トマトでもそう。裂果、尻腐果、日焼け果、すじ腐果、アミトマト、空洞果、グリーンバックなんていう果実の症状がでるわけですが、これもそれなりの土壌の状態や栽培者の管理が影響している場合が多い。そのような果実のできた問題点として ● 栽培管理の、とくに水をやるタイミングが遅れた ● 数週間前に曇天が続き、日照不足におちいっていた ● 元肥のたい肥のカリ分や塩分が過剰になってきている ● 病虫害がでた ● 管理者の体調が悪く、追肥などの栽培管理が遅れた ● 昼間の温度や夜の温度管理に不備があったなどという原因が、かならずあるのです。まあ、果実は雄弁に語るってところですか/笑。実際の生育診断では、自分の場合は、まず果実を見て、田畑の状態を見て、そして栽培者ズの話をよく聞いて、そのうえに 参考になると思われる場所の土の採取&その後の検査をおこないます。そういった情報をよくよく考えてみて、栽培者さんに こちらの見解をお伝えし、そのうえで 対策の方法をすり合わせていきます。で、そんないろいろな努力が実って[文字どうりに良い果実がたくさん成って/笑]生育が回復してきたときって、うれしいんですよね。ええ。 夏場に定植して翌年の春すぎまで収穫してゆくハウス 栽培は、まさにマラソン競技。期間を通じての栽培者 の健康状態[精神的&肉体的]も多いに出来不出来に 影響を及ぼします。 「夢で終らせない農業起業」「 本当は危ない有機野菜 」
Nov 21, 2015
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